« 2016年6月 | トップページ | 2016年8月 »

2016年7月

2016年7月30日 (土)

生命も硫黄排出型光合成菌も海底から生まれた

【概況】
36~34億年前(生物誕生)
最古の微生物化石は、酸素の無い状態で、硫黄を代謝してエネルギーとした、原核生物。古細菌の一種と推定されているが。この時期に真生細菌も登場したとされる。両者とも0.5~2μm位のサイズの非常に小さな単細胞生物。

これらが海底の地下深くで、生命前駆体から進化して登場。これは、現在発見されている、ハイパースライムは、この末裔ではないかと推定されている。

34~32億年前
(ハイパースライムの中から、硫黄発生型光合成菌の登場)

硫化水素の豊富な粘土堆積層の中のスーパースライムから、光合成細菌か登場した。この光合成は現在の植物とは異なり、硫化水素を分解し硫黄を生み出すことでエネルギーを得ている。

またこれは、現在の植物とは異なるクロロフィル、「バクテリオクロロフィル」を持ち、それを用いて、光合成をしている。そして、バクテリオクロロフィルは植物クロロフィルが吸収する可視光よりも少し波長が長い近赤外線を吸収する特徴を持つ。この機能を利用して、海底の地球深くの熱から出る、近赤外線を利用して光合成を行った。

光合成細菌は、熱水に近づきすぎてゆだってしまわないセンサーとして色素を使っていたのではないか。赤外線を遠くから感知するためのセンサーとして使われていた色素が、やがて光合成色素に使われるように進化した可能性もある。生物の起源も、光合成の起源も深海にある可能性が高い。

【根拠理論など】

・深海の熱水噴出口で、「αプロテオバクテリア」の仲間と思われる生物が発見され、「Citromicrobium bathyomarinum」との学名が付けられた。αプロテオバクテリアは、ミトコンドリアの起源となった細菌の仲間で、光合成細菌の多くもこれに含まれる。そして、Citromicrobiumも、バクテリオクロロフィルaを持つ。 それに対して、酸素発生型の光合成(植物・シアノバクテリア)は可視光線を利用している。

熱水噴出口近くの温度は400℃にも達する(地下はもっと熱い)。周囲には、弱いながらも赤外線が放射されている。水には赤外線を吸収する性質がある。このため、その部分の波長が削られ、周囲には800~950 nmと1,000~1,050 nmの2カ所でピークを持つ赤外線が放射されている。これは、まさにバクテリオクロロフィルaとバクテリオクロロフィルb色素の吸収波長領域と一致する。

・今までの論理は、光の届く浅海で硫黄排出型光合成菌(初期光合成菌)も登場したとされるが、宇宙線による細胞の破壊や、餌の硫化水素は水中では密度は薄いことなど、矛盾点が多い。

それに対して、海底発生説は、宇宙線から免れ、粘土鉱物に中には硫化水素も濃縮されているため整合する。また、硫黄排出型光合成細菌は、生態的に硫化水素を餌にした化学合成細菌と非常に近いので、進化過程も説明しやすい。

2016年7月27日 (水)

生命誕生に関わる、海底での有機分子の濃縮秩序化=生命化過程

【概況】
38~35臆年前(有機分子の濃縮秩序化=生命化過程)

隕石衝突で局所的には還元的大気になるが、それ以外は酸化的な大気のまま。他方、海中では、生物構成材料のほとんどを占めるアミノ酸など親水性有機分子は粘土鉱物と親和的であるため、吸着されて海底に堆積することで濃縮される。また、堆積物内は還元的環境にあるので、有機物は分解されずにのこる。

堆積した、粘土は圧密作用で水が抜けていき、有機物はより接近する。そのような、堆積物(粘土層)はプレートの沈み込み部分で地下に引きずり込まれ、高圧・高熱の続性作用を受ける。その結果、アミノ酸は、脱水重合で、最小のタンパク質として高分子化していく。

他方、海表に浮かぶベンゼンなど疎水性の有機物は、宇宙線、紫外線、酸化的大気の影響で、無機物に分解されるが、粘土に付着した有機物は海底に沈殿したことで、その影響を逃れる。

しかし、遠赤外線領域の電磁波は、深部まで到達する?ため電磁波に円偏光の遠赤外線≒秩序化エネルーが含まれており、L型アミノ酸選択と、更なる高分子化を促し始生命が誕生する。乱雑は熱エネルギーとは異質の、秩序化された高いエネルギーである円偏光電磁波で、エントロピーを下げる過程である。

このとき、膜も必要になるが、当初は無機物で代用していた可能性がある。同時代の、チャートという堆積岩中に多く含まれる、純度の高いシリカは、容易に原核細胞程度の羽毛状の小胞を形成する。初期生命は、これらを利用し、その後、有機物に置き換えた可能性がある。

この過程で、最初に獲得した機能は代謝で、分裂や遺伝機能はその後、の進化の中で獲得していったと推定される。それは、秩序化エネルギーの受信で、いわば生きた状態になってから、遺伝という次世代に生命を引き継ぐ高い機構が作られたと考えるほうが自然だからである。

逆に、RNAやDNAワールドが先にあったとすると、生命でもないのに何故そんな高分子が先に出来たのか?それはいつから生命になったのか?高熱の中でどうやって生き延びたのか?などの疑問に答えられない。これは、遺伝子還元主義ともいえる倒錯した思考である。

【大気・海洋関係】
《隕石衝突減少期の、大気組成と化学反応》
・気体組成
100℃付近では反応は左⇔右で平衡反応(酸化・還元反応)
2NH3⇔N2+3H2
CH4+2H2O⇔CO2+4H2
2H2O⇔2H2+O2
低温のため分子は低速運動→水素(還元剤)も引力圏にとどまる。→酸化・還元的大気環境"

【根拠理論など】
・粘土粒子の表面はマイナスに帯電しており、粒子同士が反発し、コロイド状の分子はそのままでは沈下しないで水中を漂ったままになる。そこに、プラスに帯電した鉱物や粘土親和性の親水性有機物がくっつくと、電気的反発が小さくなり、互いにくっつき合い、沈殿し堆積する。

・この時期、地磁気はまだ形成されていないため、宇宙線が多量に到達し、オゾン層も無いため、紫外線が直接到達するので、海表付近の有機物は分解されやすい。

・海の中に浮かぶ有機物は、大量の水のため分解反応が卓越し高分子にならない。つまり、従来説の、広大な海に浮かぶアミノ酸などが、自然にくっつくという現象は化学的にありえない。

・粘土鉱物堆積物内は還元的になり、有機物の分解が抑制されるので、そのまま存在できる。

・還元性の高い粘土鉱物の中という環境で、地下3~4キロ相当の圧力と熱を加えると、アミノ酸は高分子化し、最小のタンパク質付近までの大きさになること及び高圧環境では合成された有機物は安定度を増すことが実験で確かめられている。

・生物有機分子の水溶液に光を当てると円偏光というらせん状に光になる。それゆえ、円偏光の光に中では光学異性体のうち片側だけ選択されるという仮説。最近、星・惑星の誕生領域の赤外線が、周辺の磁場など影響により、螺旋運動を伴う円偏光という赤外線(電磁波)として複数の場所から観測された。その影響範囲は、太陽系の600倍にも及ぶ。

・現在の、有機分子の非生物的化学合成にも粘土鉱物のカリオナイトが触媒として利用されている。また、医療分野で、モンモリナイトという粘土鉱物が、ヘムタンパク質や視タンパク質のロドプシンの代替物質として機能するという報告がある。

・シリカ小胞は、現代では薬を内包する医療用の新素材として研究されている。

2016年7月24日 (日)

生命誕生に関わる、後期重爆撃期の有機分子の生成蓄積過程

【概況】
40~38億年前(有機分子の生成蓄積過程)
後期重爆撃期(LHB)。この時期、再び隕石衝突が現在の1000(10^3)倍程度に急増。その量は、地球表面積1㎡あたり200t、70m厚の岩盤に相当する。海の深さは、マグマ内への水の取り込みがまだなので、現在より深かったと想定されている。現在の平均水深3800m以上。そのため、海底のカンラン石も巻き込んで蒸発させてしまう。

後期重爆撃の隕石衝突で、海水は高温高圧の超臨海水となり蒸気流を形成し、衝突で粉砕された隕石や海底岩盤の鉱物や金属を溶融する。その後、衝撃圧力が抜け超高温の臨界状態になり、水は水素イオンと酸素イオンに分解され、金属や鉱物と反応する。

このとき、鉄分を含む海底のカンラン石も、多量の鉄分を含む隕石も蒸発する。そのため、酸素イオンは鉄と反応し酸化鉄として消費され、還元剤の水素だけが残る。また、同時に発生する硫化鉄も還元的に働く。よって、衝突部分付近は還元的大気環境になる。

そして、蒸気流の内部は高温高圧の乱流で、プラズマ状態になり、放電も可能になる。この状態は、ミラーの実験環境と同じである。

この結果、膨大な量の、アンモニアと多種多様の有機物の前駆体となる炭化水素、隕石衝突で粉砕再結晶化された鉱物が、雨とともに海洋に降下し、生物の構成材料の前駆体が海に蓄えられた。

【大気・海洋関係】
《大気状況》
・大気圧 1気圧?
・気温   70℃?
・酸化的大気環境
・気体組成
N2
CO2
H2O

《隕石衝突後の局所的蒸気流の中の大気組成と化学反応》
・大気圧 衝突時600万気圧
・気温 衝突時10,000℃付近
・還元的大気環境(局所的)
・大気組成
H2O⇒H+・02(イオン化)→酸素イオンは鉄と反応して酸化鉄。硫黄と反応して硫化鉄ができる。
海底の岩盤カンラン石
(Mg,Fe)2SiO2→Fe2O3・O4
多量の鉄を含む隕石
《Fe》→Fe2O3・O4・FeS

《傍証》
・この結果水素が残り、還元的大気になる。酸化鉄の発生は、縞状鉄鋼層が酸素発生生物の登場する以前の38億年前から存在することとも整合する。

・恐竜絶滅時の隕石は、直径10キロ、秒速20Km。衝突時に直径180Kmのクレータを作り、衝撃時の大気圧600万気圧、温度は1万℃にもなる。この大きさであれば、海底のカンラン石も巻き込んで蒸発させてしまう。

・これらの論理的考察による反応過程は、隕石の1/20の速度の秒速1Km程度(ライフル銃と同程度)の実験で、カンラン石の蒸発、無機物の窒素が還元されアンモニアが大量発生。鉱物では、赤鉄鉱(FeCO3)の結晶、カンラン石が水と反応して出来たマグネシウムを多量に含む蛇紋岩、金属硫化物ながの生成。有機物では、アミノ酸、アミン、直鎖型の炭化水素(CH4・C2H6・C3H8)エタノール、ベンゼンの発生が確認されている。

・実験結果を元に生成量を推定すると、隕石1回あたり、アンモニアは約4000t、有機物は約10億tにもなり、年間の石油産出量より一桁多い数値になる。

・アンモニアは海中でアンモニウムイオンとなり、炭酸イオンと対をなして安定的に存在する。

【根拠理論など】
《後期重爆撃期》
41~38億年前に、再びピークが現れる。しかし、その確率は、創世記の1/10^6程度。現在と比べると1000倍程度。地球上でもこの時期の惑星衝突痕が発見されている。現在では、火星側の小惑星天体中を通過したためとされている。この火星側の隕石は、鉄を多く含むEコンドライトといわれている。

《海が存在した地質学的証拠》
・38億年前の、イスア炭素質片麻岩は堆積岩起源の変成岩で、水中に溶出したときに出来る枕状溶岩。
・40億年前の、アスカタ片麻岩は、花崗岩起源の変成岩。
いずれも海が無ければ出現しない岩石。
・宇宙から海に膨大な惑星が降り注げば、粉砕され水中に堆積する。よって、堆積岩をもって大陸の出現という説にはならない。

《大量のアンモニアの存在を示す証拠》
・38億年前の、イスア炭素質片麻岩は堆積岩起源の変成岩。この中に、アンモニウム雲母が異常に多く含まれていることから、当時海中にアンモニアが多量に存在したと推定される。

《アンモニア・炭化水素の化学合成》
このような反応は、現在でも工業的に行われている。

・ハーバーボッシュ法。アンモニアの合成、200気圧、約500度、酸化鉄触媒(Fe3O4)で、
N2+3H2→NH3
反応後は急冷して-33℃で液体にする。これと同様の反応になる。

・フィッシャー・トロプシュ法。一酸化炭素と水素から触媒反応を用いて液体炭化水素を合成する一連の過程。500℃、200~1000 気圧の超臨界流体状態で直接反応させ、触媒としては鉄やコバルトの化合物。石油の代替品となる合成燃料を作り出す方法で、これと同様の反応になる。

2016年7月21日 (木)

生命誕生に関わる、創世記の地球の状態 灼熱の酸化環境

【概況】
46.00億年 前
・太陽系が形作られる。
45.50~44億年前
・原始惑星同士の巨大衝突により、地球が形成される。
・現在の10^9倍の隕石が衝突した。
・惑星の衝突エネルギーで地表は「マグマオーシャン」に覆われる。
・地球内部では岩石と金属鉄が分離し、重い金属鉄が地球中心部に沈み込んで核になり、マントル・核の層構造が発達する。

45億年前

・大気は高温で、隕石含有または地球上で合成された生物素材であるメタンもアンモニアも、高圧の酸化的大気の中の酸化反応により無機物にリセットされた。

そのため、ミラーの実験のような有機物は存在できない。また、生物構成素材を根拠とした宇宙生命体飛来説も無い。それがあっても、この環境か下では無機物になるからだ。

【大気・海洋関係】

《地球創世記の隕石衝突による、大気組成と化学反応》

・マグマーシャンは1200℃以上の珪酸塩がが溶ける温度。
・大気圧 100気圧
・気温1000℃付近?

・気体組成
1000℃付近では反応は左→右で、すべて酸化反応。
2NH3→N2+3H2⇒N2
CH4+2H2O→CO2+4H2⇒CO2
2H2O→2H2+O2⇒O2(酸化剤)
高温のため分子は高速運動→軽元素水素(還元剤)は引力圏より離脱→酸化的大気環境(酸化気体混合体)
⇒ミラーの実験の前提が崩れた。

【根拠論理など】
《隕石衝突の確率》
隕石衝突の確率は、地球誕生と同時期のクレーター観察から推定されている。年を経るごとに指数関数的に減少するが、創世記のこの時期は一番多く、現在の10^9倍の確率で隕石が落下したと考えられている。"

2016年7月18日 (月)

無酸素環境で生きられる多細胞の動物

少し前になりますが、酸素のない環境で生きられる多細胞の動物が発見されていました。

この多細胞生物は、酸素適応によって単細胞生物から多細胞生物に進化した後、酸素が希薄な環境におかれ、多細胞生物の構造を維持しながら細胞内のエネルギー代謝システムを大変化させたか、嫌気性の単細胞生物がそのまま多細胞生物に進化したかのいずれかと考えられます。

しかし、多細胞生物として多数の細胞を統合・維持して存続できるようになったのは、酸素を利用して、効率的に大量のエネルギーが可能になったからと言われています。

これまで考えられてきた生物進化とは、全く異なる適応戦略をとった生物ではないでしょうか。

○世紀の新発見か…ついに酸素の無い環境で生存できる多細胞生物が見つかるリンク
<livedoor NEWS 2010年4月12日 22時46分>より
////////↓↓転載開始↓↓////////
地中海にある高濃度の塩湖から、初めて無酸素状態でも生存・繁殖できる多細胞生物が見つかったそうです。

これまで無酸素状態では、バクテリアなどの単細胞生物しか生きられないと考えられており、地球外生命の存在にも繋がる発見ではないかと期待されています。

場所はギリシャの南側にあるクレタ島沖から200km離れた、水深3千5百メートルにある塩湖"L'Atalante basin"で、イタリアMarche Polytechnic大学のRoberto Danovaro教授が率いる研究チームによって調査されました。

"L'Atalante basin"は、地中海の海底にある細長い溝に通常の10倍という高濃度の塩水がたまった塩湖で、酸素を含んだ海水と混ざることが無いそうです。

発見されたのは3種類。それぞれ1ミリ以下と小さく、殻に守られたクラゲのような形をしています。2種類は卵を持ち、研究チームは無酸素の環境で孵化させることに成功したそうです。

今のところ唯一正式名の付いた「Spinoloricus cinzia」

これらの生物には酸素を利用してエネルギー代謝を行うミトコンドリアが存在せず、その代わりにハイドロジェノソームと呼ばれる細胞器官が備わっていることが分かっています。

しかしながら、どうやって酸素の無い環境で生きていられるかは、今のところ良く分かっていないとのことです。

Danovaro教授はこれらの新種に対し、「酸素のある環境における生物の進化の無限の適応能力を示している」と述べています。

別の研究者は「地球外の環境に生命体が存在するかという問いへの答えに繋がるかもしれない」と期待を寄せおり、今後の研究が待たれるところです。

////////↑↑転載終了↑↑////////

稲依小石丸 

2016年7月15日 (金)

地球史と生命誕生仮説の不整合点

生命は、38億年前頃、大気中の放電現象により有機物が生まれ、それが海中で、分子の結合、巨大化を繰り返しながら生まれたというのが、一般的な仮説だ。それは現在と同じような穏やかな海という暗黙の前提の下にある。

そしてこの仮説は、今も教科書に書かれているほど有名なため、最新の地球環境分析からすると、論理不整合であるにもかかわらず、その影響に縛られたままだ。(一部の論理を除く:『生命誕生 地球史から読み解く新しい生命像・中沢弘基著』など)。

どこまでが整合しているのか?

まず、1929年のオパーリンの『生命の起源』は、初めて、無機物から有機物が出来る過程を、論理化し、生命の起源の研究の発端となった。

これ自体は、実験や検証をほとんど伴わない論理だが、それまでの、生命の自然発生説(ダーウィン)やそれを否定する論理(パスツール)の論争を止揚する概念として、大きな役割を果たした。

その後、1953年に、この論理に触発されたミラーが、大気中の雷放電による有機分子の合成実験に成功し、有機分子の大気中で雷放電発生説が出された。

これは、水、窒素、アンモニア、メタンの混合気体の中で放電すると、アミノ酸の一部が精製されるというもので、現在でも多くの研究の暗黙の前提になっている。

しかし、当時の大気は還元的環境であったという前提から出発したこの論理は、酸化的環境であったとされる最近の研究からすると論理破綻を起こしている。

なぜならば、酸化的環境下では、この実験のような反応は起きず、また、隕石に有機物が含まれていても、それは、酸化的環境では酸化して(燃えて)分解し、無機物になってしまう。

また、これらの説以外にも、常識化しているのが、穏やかな海という暗黙の前提に下で、雷放電により合成された有機分子が自然に寄り集まり(濃縮され)、巨大なアミノ酸やタンパク質などの有機分子が形成されていくという論理でだ。

しかし、大量の水(海)の中に浮かぶ有機分子は、結合より分解するほうが卓越しており、自然に結合を繰り返し高分子化していくことは、化学的にありえない。

これらのことから、生命の起源を考えるには、

①いかにして、現在推定されている酸化的地球環境が、還元的環境になったのか?還元的な環境であれば無機物から有機物が生成するし、生成した有機分子は分解しないですむ。

②そこで出来た、生物の体の前駆体である有機分子が、結合反応を繰り返すためには、すぐ近くに分子が存在する必要がある。そのためには、いかにして構成分子が濃縮されたのかを解明する必要がある?

③化学反応は一般的に、結合と分解の双方向が存在するが、いかにして結合が卓越するようになったのか?

④原始地球の環境下では、膨大な宇宙線が降り注いでおり、それに当たれば容易に分解してしまう有機分子は、いかにして存在し続けたのか?

などの疑問を、地球史と整合させた上で、説明できる仮説が必要になる。

2016年7月12日 (火)

可能性収束とスピードという視点から見た生物史

●雌雄分化は突然変異よりも進化スピードが速い
・約6億年前のエディアカラ生物群→バージェス生物群のカンブリア爆発の原因は、明らかに雌雄分化にある。少なくとも、バージェス生物群は雌雄に分化していた。この雌雄分化とは、決して大きなリスクを背負わずに、数世代で新しい機能や構造を身に付けるために存在しているシステムである。
・カンブリア爆発でもたった数千年間で現存する動物群のすべての門が出揃ったが、その基盤を成しているのは、【殖産分化】→【精卵分化】→【躯体分化】の完成にある。
・特にバージェス生物群の多様性は、【殖産分化】の不十分な部分を【精卵分化】が補い、そのレベルでもまだ不十分な点を【躯体分化】によって完成させたというのが、進化論上の性の本質であろう。
・雌雄分化の最終形は【躯体分化】によって成されるが、事実としては雌雄の役割が最も基底的であったとしても、進化の意義からすれば、雌雄の役割分化(≒生殖器の分化)が生物の可能性収束の幹になっているとも考えられる。

●観念進化は雌雄分化よりも遥かにスピードが速い
・本能では解決できない新機能を獲得したという意味でサル・人類は最先端ではあるが、共認機能観念機能が生物史の進化史から見て、【躯体分化】までの本能進化を超え出ていくのは「実現論」でも明らかになっている。
・共認や観念を支える規定本能には、「集団本能」「親和本能」「序列本能」「庇護・依存本能」「交信本能」などがあるが、それが雌雄別々に記述されている。しかも、『同一視収束』や『親和共認収束』などは、サルや人類が直面した過酷な外圧状況に比例した追究の賜物である。
・【突然変異】<【雌雄分化】は、2~3桁ずつ進化スピードを増していくことが可能になっているが、特に人類の【観念進化】は、数字では表せないほどのスピード差を生み出している。この視点で見ると、生物の進化とは、40億年の歳月をかけて進化スピードを上昇させていくことだったと思われてくる。

●今後の観念進化の展望
・進化の視点で抽出できる1点目は、最先端の人類の追究(≒予測)でほぼ絞り込めても、それが完全かどうかはやってみないとわからないという点がある。特に、自然外圧ではまだ地震などを中心に基礎そのものが体を成していないものも多い。
・2点目は、感情や志という主体観念がまだ完成していないという点だ。
・3点目は、どの観念群も100%の完成はあり得ないので、その見直しや組み換えは半永久的に続くであろうという点だ。

☆1.当面は2点目と3点目がメインの不整合ポイントだが、これは、これまでと同じ位相で追究すれば何とかなるはずだ。

☆2.1点目に挙げたアセッションや予知能力を身に付けることができるかが、これからの人類の進化において重要になる可能性はある。

☆3.西欧科学の枠組みでは予知能力へのヒントは期待できない。自然の摂理に則った東洋科学や本源的科学において、どんな事例が過去にあったのかの調査が、まずは最初の課題にになるのではないだろうか。

土山惣一郎

2016年7月 9日 (土)

やっぱり母乳の力は偉大! 母乳で育った子どもは小児白血病のリスクが大幅低下

以下、リンク より転載します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
赤ちゃんにとって母乳がなによりの栄養であることは周知の事実であるが、最近では仕事の関係や母乳が出ない体質のママが増加したこともあり、現実問題として母乳を飲ませることが困難な人もいる。しかしこのほど、改めて母乳の偉大さを感じる研究結果が報告された。

幼児期に母乳で育った子どもは小児白血病になるリスクが大幅に下がることがわかったのだ。小児白血病とは“血液のがん”と言われ、血液細胞がつくられる過程でがん化して無秩序に増殖する病気である。幼い子どもや思春期の10代における主要な死亡原因の1つだ。

医学誌「JAMA Pediatrics」に掲載された研究報告によると、6か月以上を母乳で育った子どもは、全く、もしくは6か月未満しか母乳を飲んでいない子どもに比べて19%も小児白血病にかかるリスクが低いことを発見した。

研究は、小児白血病を患っている1万人を含めた、28,000人の子どもを対象にした18の研究データに基づいている。しかしこの報告は、小児白血病に関する直接的な原因や影響ではなく、関連性についてのみわかっただけであり、生物学的なメカニズムを説明できるためにはさらなる研究が必要とされている。

米国小児科学会は、感染症やアレルギー、乳幼児突然死症候群などその他の病気のリスクを下げるとして、母親に対して幼児には少なくとも6か月は母乳を与えるように推奨している。

この新しい研究のリーダーである、イスラエルのハイファ公共衛生大学のエフラット・L・アミテイ氏は「母乳の健康上のメリットを主張する研究は数多く存在している。母乳は研究所では作り出せない、抗体やナチュラルキラー細胞といった生きた物質を含んでいるのだ」と、改めて母乳栄養のメリットについて言及している。

実は母乳を与えることは母親にとってもメリットが多くある。授乳中に分泌されるホルモンには気分を落ち着かせる効果があったり、母乳を生成するために脂肪が燃焼されるのでダイエットになったりするのだ。

こうした研究結果を耳にするたび、改めて人間の体の神秘性や母の偉大さを感じてしまう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

青島航 
 

2016年7月 6日 (水)

『皮膚は考える』書評① :皮膚自体が情報処理システムを供えた高度な臓器

『皮膚は考える』の紹介は、171812でもされていますが、「皮膚が情報管理システムとして機能している」という仮説から、「ツボ(経穴)を刺激することで中枢神経系にその情報が伝わる経絡のメカニズム」仮説、「生態系としての皮膚=生態系である皮膚とその住人である皮膚常在菌」の重要性など、皮膚治療を専門にしているドクター江部氏自身の考察に可能性を感じますので紹介します。

ドクター江部の糖尿病徒然日記リンクより、転載します。
-----------------------------------------------------------------
 皮膚は外胚葉由来の器官である。医療関係者なら誰でも知っている事実である。そして,脊椎動物にはもう一つ外胚葉由来の器官がある。中枢神経系と末梢神経系だ。これも周知の事実である。

 ところが,同じ外胚葉由来なのに両者はまったく別物として扱われている。神経は神経,皮膚は皮膚であり,共通点があるかどうかも問題にはされてこなかった。皮膚科の教科書にも脳外科の教科書にも,「皮膚と中枢神経は外胚葉由来」と書かれているが,記述はそこでお終いだ。皮膚科と脳外科は完全に隔絶した別個の診療科だからだ。
 だから,「皮膚も神経も外胚葉由来」というのは知識として知っているが,それに意味があるとは誰も考えない。皮膚と神経が外胚葉由来というのは,単なる偶然だと思ってしまう。

 「皮膚と中枢神経系はともに外胚葉由来」という誰もが知っていて,誰もが無視している事実を愚直に追及している研究者がいる。それが本書の著者である。いろいろな事情があったらしいが,大学の研究室を離れて化粧品メーカーの研究部門に入り,そこでコツコツと基礎実験を重ねている研究者である。
 そういう研究者が,それまで皮膚科学にも神経学の教科書にも書かれていない新事実を発見したのだ。それが,表皮ケラチノサイトに存在する情報伝達物質の受容体である。

 しかし,本書に示されている「表皮に神経組織にあるのと同じ情報伝達物質受容体がある」という研究内容を国内の皮膚科雑誌に投稿しても受領されない。この研究結果が何を意味するか,皮膚科雑誌は理解できなかったためらしい。
 ちなみに,日本の学会雑誌からは拒否されても,海外での評価は高く,海外の学会から招待講演をよく行っているそうだ。

 医学がどんどん細分化され,蛸壺化しているため,複数の分野にまたがる発想を受け入れる下地が失われてしまったのがその原因だろうと思われる。これは医学にとっても不幸な事態だと思う。

 皮膚とは何か。医学の常識からいえば,防御器官であり排泄器官であって,それ以上でもそれ以下でもないと医学教育は教えてくれる。要するに,大切な内蔵や筋肉を包む袋であり,せいぜい,汗を出すくらいの働きしかないというわけだ。

 ところが本書は,膨大な証拠を提示して,「皮膚は単なる袋ではない。皮膚は神経系や循環系と離れた独自の機構を持っている。表皮のケラチノサイトに神経伝達物質の受容体があるのは皮膚自体が高度な情報処理システムを供えた高度な臓器であるからだ」ということを明らかにしている。これまで不当に扱われてきた皮膚という臓器の復権といってもいいだろう。

 合目的的に考えれば,生体の最外層を覆う表皮は一番最初に外界からの刺激(情報)を受けるわけだから,当然,表皮そのものに情報受容体があり,その刺激(情報)に対応して自立的に行動を起こす能力を備えていることは不思議なことではない。むしろ,外界からの刺激(情報)を直接受け取り,それに対応して必要な行動を起こす「情報処理システム」は,中枢神経系を持たない生命システムにおいては,生命維持に必須のものだろう。

 そして,生命進化の過程でより高度な情報処理システムである神経系を構築しようとしたとき,それをゼロから組み立てるのでなく,既に自立的の情報処理システムを有している表皮(=外胚葉)を拝借して,表皮を素材として新たな神経系を構築するのは極めて合理的だし,何より手っ取り早い。
 実際,無から作るのでなく,すでにあるものを利用して新しい組織や器官を作るリンクのは,生命進化の歴史では普遍的に観察される現象らしい。

 「皮膚も神経も外胚葉」という真の意味はここにあるのではないだろうか。単なる山勘だが,私はそう考えている。

 本書では,ケラチノサイトがL-ドーパ,ドーパミン,エピネフリンなどの神経伝達物質カテコールアミンを合成・分解し,βエンドルフィンの合成すら行っていることを示しているし,神経末端に存在するイオンチャネル受容体がケラチノサイトにも存在し,それが受容体として正常に機能していることを示している。何れも,本書の著者による見事な発見である。要するに,表皮は外部からの刺激を,神経を介さなくても受容し,反応していたのだ。

-----------------------------------------------------------------
(②に続く)

松重臣

2016年7月 3日 (日)

性と雌雄分化から見た生物史

 性と生殖は~①原核単細胞の性→②真核単細胞の性→③多細胞の性~に分類できると思われるので、以下その時代順に記述していく。

1.原核単細胞時代(40~15億年前)
・原核単細胞には、古細菌と真正細菌の2系統があるが、DNAは剥き出しの状態。DNAをなぜ格納しなかったのかは、最近の定説によると、分裂するのが最大の闘争課題で、そのためにはシンプルである必要があったからだと言われている。また、種の概念が成立する以前の生物であり、DNAが種を越えてやり取りされていたのも大きな理由のひとつらしい。
・危機に瀕した際のDNAの交換は、バイオフィルム状の階層空間を利用したプラスミドの相互交換が中心。さらに、超寒冷期などの最悪の状況下では接合して、相互に相手のDNAを利用し合うケースも稀にあったらしい。それが後のボルボックスなどの群体に進化していったと考えられている。
・真正細菌も古細菌も、本格的な性はまだ持っていないし、大きさ自体が非常に小さく、形態的な分化の限界もあった。そのため、学術的には長年無視されてきたが、最近のDNA解析の技術で、中間種でありながら生殖可能なタイプが次々と発見されてきており、種の区分が不明瞭な点は証明が進んできている。

2.真核単細胞時代(15~6億年前)
・約10億年前には繊毛虫類が登場。当時から遅くとも2億5000年前までには現在と同じ構造のゾウリムシに進化したらしく、代謝核としての「大核」と生殖核としての「小核」を持っている。性の起源として以前から注目されていた。
・この2核の分化が運動と生殖の分化であり、生活環と同型配偶子生殖の起源だと言われている。
・多細胞生物の初期段階あるいは高度な群体とも言えるカイメンも約10億年前に登場したが、カイメンの機構は襟細胞との近似性が高い。また、同型配偶子を活用した生殖を行っている。
・真核単細胞生物の性は、原核単細胞生物と真核多細胞生物の中間に位置し、雌雄分化の前段階の殖産分化のステップと思われる現象が多々観察されている。実は、真核単細胞生物の系統的解析は、最近の分子生物学の成果が活用され始めてからまだあまり期日が経っていないため、かつての分類自体が見直されてきているが、あと4~5年程度で原生動物の全貌がわかると推測されている。
・他にも、真核単細胞生物には多様な性現象を有したものが多く、原生生物の研究は、マーグリス以降、非常に活発になってきた。その影響もあって、現在の最先端では、多細胞動物の起源は何かという視点での系統研究も行われている。

3.多細胞生物(6億年前~現代)
・種の概念がほぼそのまま適用できるようになったのが、多細胞生物時代以降。雌雄分化の“本丸”もこの時代の産物である。
・8~6億年前のスノーボールアースの直後に、エディアカラ動物群→バージェス動物群が海中で適応放散する。脊椎動物の祖先とも言われる脊索動物も5.3億年前には登場した。その後、動物の地上進出は約4億年前頃になる。
・多細胞生物と群体の線引きは曖昧だが、原生生物段階がゾウリムシの「大核」「小核」などの殖産分化だとすると、異型配偶子の登場=精卵分化が多細胞生物の段階になる。
・精卵分化の次のステップが躯体分化だが、肢体の差が明瞭に現れるのは、節足動物系では4.3億年前の昆虫類の登場、脊椎動物への系譜では初期両生類が登場する3.8億年前頃になる。どちらの系譜も、体格などの差が明瞭に現れてきた時代である。
・雌雄分化は性染色体によるものと人間は考えてがちだが、正確には性染色体で性別が固定されるのは、哺乳類と鳥類だけ。爬虫類以前は、環境要因によってオスメスが決まるため、中には成熟してから性転換する種もいる。
・植物は動物よりも少し早く地上に進出したが、オゾン層が形成されたのが5億年前で、その直後から4.5億年前頃までには、コケやシダの他、地衣類(菌類にクロロフィル保有生物が2次共生した共生体)が上陸し、地上進出の最初の段階から雌雄分化が行われていたらしい。ただし、植物は重力に抗して上に伸びていくのが最大外圧なので、餌の取り合いが厳しかった動物に比較すると、雌雄分化の必然性はやや弱い可能性は残っている。

★雌雄分化のポイントは、やはりDNAの多様性の獲得と、オスメスの役割分化(≒躯体の形態の変化)が重要である。その点では、DNAの多様性の獲得は、原核生物時代から徐々に進んできており、真核単細胞時代にほぼ完成したと言えるが、オスメスの役割分化と形態的変化については、まだ3~4億年しか経っていない。このあたりは、次回までに考察しておきたい。

土山惣一郎

« 2016年6月 | トップページ | 2016年8月 »

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ お勧めサイトランキングへ
2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

カウンター

最近のトラックバック

無料ブログはココログ