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2017年5月29日 (月)

同じ草食動物でも牛と馬のエネルギー摂取方の違い。牛は草だけ(カロリー0でも)で生きれるが、馬は草以外の穀物が必要なのは何故?

○馬と牛の食物からエネルギーを取り出す効率で比較すると・・・
http://金融危機.jp/uma-3526 からの引用です。
☆草食動物としての牛の完成度に比べると、馬の草食生活はまだ無駄が多い。(それでもあれだけの体躯を維持できている。細菌の作用の不思議さです)
馬は胃袋が1つしかない代わりに巨大な結腸を持っていて、ここに膨大な数の腸内細菌を共生させています。
牛は「植物をまず共生細菌が利用し、その後、細菌が生み出した栄養を牛が吸収」という方式でしたが、馬の場合は「まず馬が胃で消化吸収し、その残りを結腸の共生細菌が利用する」という方式です。
似たようなものだと思われるかもしれませんが、決定的な違いは、牛は共生細菌からタンパク質を得ていますが、馬は細菌のタンパク質を得ることができない点にあります。
牛の場合には、第4の胃で胃酸(=消化酵素)を分泌して、共生細菌の菌体を消化してタンパク質を吸収しましたが、馬の場合には共生細菌の菌体を消化する部分がないために、それを糞(ふん)として排泄するしかないのです。
馬が利用できる「共生細菌由来の栄養」は、せいぜい低級脂肪酸(酢酸、酪酸、プロピオン酸など)に過ぎず、これらを吸収してエネルギー源として利用しています。
ですから、馬は草だけでは生きられず、穀物や芋類、マメ科植物を食べる必要があり、それらは自前で作った消化酵素で消化吸収するしかありません。
つまり、牛は「摂取カロリーゼロでも生きられる」動物でしたが、馬は、「摂取カロリーがある程度ないと生きていけない」動物なのです。
言い換えれば、牛は「消化酵素を作る必要がほとんどない草食動物」、馬は「消化酵素を作らないと生きていけない草食動物」です。
馬と似た消化管構造を持つ草食哺乳類に、ウサギがいます。
馬は結腸が長大でしたが、ウサギは盲腸が発達し、ここにやはり共生細菌を多数生息させています。
そして、馬と同様に、栄養たっぷりの共生細菌の菌体成分を糞として体外に捨てている点は同じですが、ウサギの場合には、その栄養の塊(かたまり)である糞をもう一度食べることで、効果的に栄養を得ています。
これを糞食(ふんしょく)と呼びますが、この方式のおかげで、ウサギは草しか食べない動物としては異例の小さい体で生きていけるのです。
しかも、ウサギは地球のいたるところで大繁殖していますが、これは「体が小さいのに草だけで生きていける」という、他の草食動物にない特殊能力を持っているからでしょう。
コアラもウサギ同様、巨大な盲腸を持っていて、ここでユーカリの葉を発酵させることでユーカリの葉に含まれる有毒成分を無毒化し、さらにウサギのように糞食も行なっています。
しかし、ウサギのような高効率のエネルギー摂取は出来ていないようで、摂取エネルギーの低さを補うために、1日のうち20時間は眠っていますし、覚醒時でも動作が緩慢(かんまん)です。
ちなみに、草食哺乳類の進化の歴史をみますと、まず最初に、結腸や盲腸などの下部消化管の共生細菌によるセルロース分解をする動物が出現し、その後、上部消化管(=胃)を発酵槽とする動物が登場したことが分かっています。
現在、ウシ科の動物には、ブラックバック亜科、ウシ亜科、ヤギ亜科、ダイカー亜科、ブルーバック亜科の5つの亜科があり、それぞれの亜科がいくつもの属を従える動物界の一大勢力ですが、ウマ亜科に含まれる属は、ウマ属1つのみです。
つまりウシ科が圧倒的に多いです。
これは「食物からエネルギーを取り出す効率の差」と考えていいと思います。
さらに興味深いのは、牛のように上部消化管(=胃)でセルロースを分解する共生細菌と、馬のように下部消化管(=結腸、盲腸)で分解するタイプの共生細菌で、共通する細菌が見つかっていることです。
これはいったい何で意味しているのでしょうか。
この現象について解釈すれば、細菌にとっては、生存できる条件(=pHや酸素濃度など)が満たされ、同時に、宿主がセルロースを食べてくれれば、そこが馬の結腸であるか牛の胃であるかは問題ではない、ということでしょう。



荘家為蔵

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