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2017年6月

2017年6月30日 (金)

生命が誕生したのは、海ではなく地上かもしれない。

「生命は海で誕生した」と思われていますが、それは数ある想像の一つに過ぎず、根拠は希薄で証拠もありません。
一方で、海における生命の最古の化石より旧い生命の化石が、地上(間欠泉)で多量に発見されました。
生命が誕生したのは「地上」である可能性があります。
「スプートニク」
リンク
より引用。
~以下引用~
「地球の生命は海ではなく地上で生まれた=地質学者」
オーストラリアの研究チームが、350万年ほど前の地上に合った熱間欠泉付近で形成された、最も古い生命の跡の1つを発見した。論文は科学誌『 Nature Communications』に掲載された。
いかに、そしていつ生命が誕生したのかについての広く受け入れられている視点はまだ存在していない。今日、約340万年前の地球の原始の海に微生物がすでに存在したことを証明する化石はいくつか存在している。
一方、近年、より多くの進化生物学者が、生命は地球の海中で生まれたのではなく、地上や湖、間欠泉や火山口で生まれた可能性があるとの考えに向かっている。
オーストラリア西部の発掘作業を行い、ニューサウスウェールズ大学のタラ・ジョジック教授率いるチームが、間欠泉や温泉の流出口に生じる沈殿物である珪華に大量の微生物の化石を発見した。
珪華の中には、生命の中ないし生命の存在のもとでのみ形成される鉱物や黄鉄鉱、微生物の跡が見つかった。
したがって、地上の間欠泉と火山の「川」は実際に、地球、そして火星などの過去に生命発生の条件が整っていた惑星における、初めての生命発生の場所の1つだった可能性があると言うことができる。
~引用おわり~



田村正道

2017年6月14日 (水)

「生命の起源」ついに明らかに? その想像以上にシンプルなメカニズム

( リンク )より引用
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原始の地球で最初の細胞が誕生した仕組みを明らかにする、新発見がもたらされた。1924年以来、長らく忘れ去られていた進化史上の仮説に再び、注目が集まっている。
生命の起源については1924年、ロシアの生化学者アレクサンドル・オパーリンの発表した説が広く支持されている。原始の地球で、大気中の成分から合成された非生物的な有機物がいくつも集まり、海中で「液滴」と呼ばれる形態になる。膜はないものの、袋状の構造をもつ液滴がその後、生命を得て細胞になったというものだ。
しかし、液滴が細胞に至るまで、どのような成長・分裂・増殖の過程を経たのかは、これまで誰も説明できなかった。「膜なくして進化なし」とオパーリンの理論に異議を唱える研究者もいる。化学物質を集めて生命を育むには、脂肪酸の膜が必要不可欠で、膜のない液滴から細胞は発生しないという。
こうした議論に新たな風を吹き込む発見が2016年12月、物理学の国際学術誌『ネイチャー・フィジクス』で発表された。独ドレスデンのマックス・プランク複雑系物理学研究所と同分子細胞生物学・遺伝学研究所のデヴィッド・ツヴィカーと共同研究者による論文がそれだ。液滴が細胞の大きさまで成長したあと、まるで細胞のように分裂する傾向があったという。
膜のない液滴が自発的に分裂するなら、「(オパーリンの言った通り)非生物的な有機物の濃縮されたスープから、生命が自然に発生した可能性は高まります」と論文の共著者で生物物理学者のフランク・ユーリヒャーは言う。
■細胞のようにふるまい“分裂”する液滴
実験では、細胞の分裂などにかかわり、液滴と似たふるまいをする細胞小器官「中心体」をモデルとした模型をつかった。内部に含まれるタンパク質は、エネルギー源があると逆反応を起こした。水溶性のものは不溶性に、不溶性のものは水溶性となった。液滴は直径数十~数百ミクロンに成長したところで、分子の流出入が釣り合い、成長が止まった。ユーリヒャーは、「原始の地球では、太陽光が液滴を成長させる原動力になったはずです」と言う。
「分裂」と非常によく似た現象も見られた。液滴の大きさは安定しているものの、形状が不安定で、不溶性タンパク質の分子が過剰に流入すると、その方向へとわずかに膨らんだ。膨張した部分の表面積が広がる一方、表面積が小さいままの中央部はくびれ、最終的には2つの液滴に分かれた。
単純な分裂する液滴が、アメーバからシマウマまでさまざまな動物に進化した可能性はあるのだろうか? 今回の新発見に通じている物理学者や生物学者は「あり得る」と話す。
研究チームは次の段階として、今後数カ月で中心体などのタンパク質と物理的に似た合成ポリマーで液滴をつくり、どのように成長・分裂するか観察しようとしている。さらにその後は、中心体そのものの液滴の分裂を観察するなどし、ツヴィカーらが論文で発表したメカニズムがつかわれるかどうかを確認する。これらの実験は、マックス・プランク分子細胞生物学・遺伝学研究所で生物学研究所の所長を務めるドーラ・タンらの協力を得て進められる予定だ。
■反対論者も納得する新たな仮説
カリフォルニア大学サンタクルーズ校の生化学者デヴィッド・ディーマーは、「膜なくして進化なし」説を長らく擁護してきた。今回、新たに発見された液滴分裂のメカニズムについても、「興味深いが、現在の細胞分裂で見られる多段階で複雑な過程とはかけ離れており、生命の起源との関連はまだ分からない」と話す。
他の研究者たちはこう反論する。タンによると、母核となる液滴がいったん分裂を始めると、すぐに遺伝情報を伝達する能力を得て、タンパク質を合成する情報を持つDNAやRNAを娘核のために等しく配分できたという。これらの遺伝情報伝達物質が液滴の分裂速度を高めるタンパク質を合成するようになれば、原子細胞は自然状態にある物質が無秩序に広がってゆく「エントロピー増大の法則」と太陽光によって、だんだん複雑化していくだろう。
ユーリヒャーらの研究チームは、「原子細胞はこの複雑化の過程で膜を獲得した可能性がある」と主張する。液滴は、自身と周囲の液体との境界面にとどまろうとする脂質の外皮を自然と集めるからだ。さらに、遺伝子が何らかの方法でこうした膜を一種の防御として組み込み始めたかもしれないとも言う。この仮説について、ディーマーは「そういうことなら同意できます」と言い、原子細胞の定義を「膜を持った最初の液滴」とすべきだと主張した。
■想像以上のシンプルさを研究者たちが称賛
生命の起源にまつわるストーリーは、今後の実験結果によって変わりうる。しかし、生命の起源を研究する学者たちは、今回の新発見のシンプルさを称賛している。
生命の発生する物理メカニズムを研究するオランダ・ライデン大学の理論生物物理学者ルカ・ギオミは、これまで考えられてきた原子細胞分裂のメカニズムよりずっと単純だからこそ、「非常に期待できる方向だ」と話す。オックスフォード大学の理論物理学教授ラミン・ゴルスタニアンも、「生命形成の一般的な現象学は、人々が思っているよりはるかに簡単だと示唆している」と述べた。
液滴の分裂メカニズムは実際のところ、生命の発生にどれほど関連性があるのか。生化学的な液滴の中から、水溶性と不溶性のタンパク質が見つかって、新発見の正しさが証明されるだろうか。いずれにしても、近い将来、非生物から生命が誕生した現実的な道筋がはっきり見えてくるに違いない。



匿名希望

2017年6月13日 (火)

南極を流れる不気味な「血の滝」、レーダー調査で解明

氷河の下に、硫酸塩と酸化第2鉄(Fe2O3)を代謝する、独立栄養生物の微生物による珍しい生態系が形成されている
リンクより転載します。
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なぜ赤い? なぜ凍らない? レーダー調査で仕組みを分析
 氷河の下をスキャンした画像が、この謎を解くヒントとなった。氷河の下には、川と湖の複雑なネットワークが存在する。そのネットワークは全体が鉄分の高い塩水で満たされており、これが滝を赤く染める原因となっている。
 論文は、塩水が凍結せずに流れている理由は、塩水の性質から説明できるとしている。「氷河の内部やその下の環境では、水が氷になるときに発生する熱(潜熱)と、高い塩分含有量とが組み合わさることによって、塩水が液状に保たれる」
 氷河の下にある湖の水は、異常なほど塩分が高い。塩水は純水よりも凝固点が低く、また凍結するときに熱を放出するために周囲の氷を解かし、それによって水が流れることができる。
 つまり、テイラー氷河は流水を維持する仕組みを有しており、また流水を内包する世界で最も冷たい氷河であるということになる。ただし、流水に含まれる鉄分が極めて高いために、滝が血のように赤く染まってしまうというわけだ。
 加えて同研究では、ここを流れる「鉄分の高い塩水」の量も計測しており、その量は滝に近づくにつれて増加することがわかった。
 また、水温と塩水の濃度の間には関連があることも判明している。氷河に走る大小さまざまな亀裂を通じて、塩水は氷河に流れ込む。そして塩水が凍結し始めると、そこで発生する凝固潜熱によって周囲の氷が温められると同時に、亀裂中央の塩水の濃度が上昇する。
(中略)
極限環境微生物の活動
 化学的分析、及び、微生物学的分析によって、テイラー氷河の下には、硫酸塩と酸化第2鉄(Fe2O3)を代謝する、独立栄養生物の微生物による珍しい生態系が形成されていることが示されている。ダートマス大学のGeomicrobiologyの学者であるJill Mikuckiによれば、血の滝の水には、少なくとも17種類の微生物が含まれており、そして、溶存酸素はほとんど検出されないという。恐らく、ここの微生物は硫酸塩を利用して、酸化第2鉄(Fe2O3)と有機物を代謝しているのだろうと説明されている。2009年現在、このような微生物の活動は、ここ以外では観察されていない。
 実は、どうして酸素のほとんど存在しない環境下で、(Fe2+)と(SO42+)とが共在していられるのかは、明らかになっていない。そして、この場所からは、(HS-)が検出されていない。これらのことが示唆するのは、複雑で、まだ我々が理解できていない、生物の介在した硫黄循環と鉄循環との相互作用が存在しているのだろうということである。
 Jill Mikuckiによれば、現在は氷河によって密封されているために近づき難い、血の滝を流れる塩水の供給源となっている氷河の下の池は、氷に閉ざされて少なくとも150万年〜200万年は経過しているので、ここで微生物が他の場所とは全く違う独自の進化をしている可能性もあるという。
 ところで、地球はかつて全球凍結をしたという仮説が存在する。もし本当に全球凍結が起こっていたとすれば、その時、微生物がいかにして氷の下で生き延びたかが、この血の滝の塩水の供給源を調査することで判るかもしれないという。原生代の間には、赤道まで氷に覆われた時期があるのではないかという説が存在するが、この時、微生物の生態系がどのような環境に活動の場を移して(避難して)生き延びたか、そのヒントが得られるかもしれない。
宇宙生物学と血の滝
 血の滝を流れる塩水の供給源となっている氷河の下の池は、南極の氷帽の深くまで調査のためのボーリングをすることなしに、深部(地表から遠い深い場所)に住む極限環境微生物の研究をすることができるかもしれない場所だと期待されている。
 地球上に存在するヒトなどの生存には厳しい環境を研究することは、生物が生存できる環境条件の範囲を知るために有用であるし、また、太陽系の内外で生物が存在できる場所の候補を絞るのにも有効である。なお、血の滝での研究は、気温が低く水の氷に閉ざされている場所での生物の生存条件の研究につながるので、太陽系内においてであれば、例えば火星やエウロパ、その他の氷に覆われた外惑星の衛星といった、比較的寒い場所で生物が存在できる場所の候補を絞るのに有効と考えられる。
 この血の滝の塩水の供給源ような、氷に閉ざされた液体の水が存在する環境というのは、生物が紫外線や宇宙線から身を守ることに関して、上にある氷の層が紫外線や宇宙線を遮蔽してくれる分、地表よりも有利である。したがって、地球外のこのような場所にも生物がいる可能性が高いのではないかと考えられている。
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転載終わり



中田燿平

2017年6月 8日 (木)

深海熱水噴出域は「天然の発電所」

深海熱水噴出孔から噴き出す熱水には、電子を放出しやすい物質が多く含まれており、熱水~海底鉱物~海底面海水において電子の受け渡し(電流)が発生していることが確認され、ました。
深海熱水噴出孔は、生命が最初に誕生した場所である可能性が高く、電気エネルギーを利用して栄養分を作り出す微生物の存在も確認されています。
また、電気は様々な有機化学反応を促進できることから、熱水噴出孔の電気エネルギーによる反応から生命が誕生した可能性も十分に考えられます。
◇深海熱水系は「天然の発電所」深海熱水噴出孔周辺における自然発生的な発電現象を実証~電気生態系発見や生命起源解明に新しい糸口~リンク
<国立研究開発法人海洋研究開発機構 プレスリリース>より
////////↓↓引用開始↓↓////////
国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という。)海底資源研究開発センターの山本正浩研究員と国立研究開発法人理化学研究所環境資源科学研究センターの中村龍平チームリーダーらの共同グループは、沖縄トラフの深海熱水噴出域において電気化学的な現場測定を行った結果、深海熱水噴出域の海底面で発電現象が自然発生していることを明らかにしました。
深海熱水噴出孔から噴き出す熱水には硫化水素のように電子を放出しやすい(還元的な)物質が多く含まれています。また、この熱水には鉄や銅などの金属イオンも大量に含まれているため、海水中に放出される過程で冷却されて硫化鉱物として沈殿し、周辺に海底熱水鉱床を形成します。研究グループは、海底熱水鉱床の硫化鉱物について現場および実験室において電気化学的な解析をすることで、海底下の熱水から海底の硫化鉱物を介して海底面の海水に向かって電子の受け渡しが発生していること、換言すれば、電流が発生していることを確認しました。この発電力は、熱水噴出孔を中心に少なくとも周辺約百メートル先の鉱物表面で観察されました。つまり、深海熱水噴出域が巨大な天然の燃料電池として機能していて、常に電流が発生していることになります。
これまで、分子の拡散にのみ依存すると考えられていた深海のエネルギー・物質循環が、鉱床中の電流を介しても起こることが明らかになったことで、空間的にもメカニズム的にも考え方を拡張する必要が生じ、今後理解が進むことで様々な分野への応用や展開が期待できます。例えば、海底に電気をエネルギー源にする生態系が拡がっている可能性や、大昔の地球の深海熱水噴出孔において電気の力で生命が誕生した可能性を得たことで、地球外生命の探査方法も大きく変更されることになると期待されます。
~中略~
今回確認された自然発生的な発電現象は、明らかに周辺のエネルギー・物質循環に影響を与えていると予想できます。特に、微生物生態系や生物-鉱物相互作用に大きな影響を及ぼしていると考えられます。近年、電気エネルギーを吸収したり、さらには電気エネルギーで生育できる微生物の存在を示す報告が増えてきており、微生物の新しい能力として注目を浴びています。今回、深海熱水噴出域が“天然の発電所”として機能していることが明らかになったことから、海底に電気エネルギーを利用する微生物生態系が存在している可能性が出てきました。
また、深海熱水噴出孔は地球上の生命の起源の最有力候補地として知られています。電気は様々な有機化学反応を促進できることから、深海熱水噴出孔での発電現象は、これまで説明しきれなかった生命誕生までの多数の障害を越えられる可能性を持ち、生命誕生の謎を一気に解決できる爆発力を秘めています。今回の発見によって、宇宙外生命探査の有効な手段の一つとして、その天体の発電能力の評価が加えられることが予想されます。
////////↑↑引用終了↑↑////////



稲依小石丸

粘菌のすごさ

粘菌はおもしろい。
単細胞生物で神経も能もない。
しかしその情報処理能力は私たち人間を驚かせる。
以下の記事はそんな粘菌の数理モデルを解き明かそうというものだ。
リンク
*********************************
数学探偵:小林さん、本日はよろしくお願いします。先ほど2人で粘菌について確認していたのですが、本当に不思議な生き物ですね。
小林さん:映画『風の谷のナウシカ』などで出てきたりはしましたが、粘菌の生態について知っている人は、あまりいないかもしれませんね。粘菌のおもしろいところは細胞内に多数の核をもつ多核単細胞生物というところなんです。
ティッカ:多核単細胞ですか。
小林さん:はい。通常の細胞は分裂の際、核の分裂の後に細胞質が分裂するので、1つの細胞につき1つの核となりますよね。ところが変形体が成長するときには、核が分裂しても細胞質は分裂しないので、多核細胞という1つの細胞の中にたくさんの核をもつ細胞になります。だから単細胞生物なのに大きくなることができるんです。
ティッカ:最大でどのくらいの大きさになるのでしょう?小林さん:5.54㎡の巨大な粘菌がギネス記録になっていますよ。ティッカ:人間よりもずっと大きいんですね!
小林さん:さらに、自他の別がないというのも粘菌のおもしろいところですね。たとえば、プラナリアという生物は、切断しても切断したそれぞれが完全なプラナリアとして再生します。しかし、それらをくっつけてもとの1匹に戻すことはできません。ところが変形体ではこれが可能なんです。
数学探偵:なるほど! おもしろいですね。
小林さん:粘菌はかなり大きくなることができるにもかかわらず、神経も脳もありません。しかし、ちゃんと生きているということは、何らかの情報処理を行っているということです。
ティッカ:目や脳や筋肉を使って行動する人間とはかなり違いますよね。
小林さん:粘菌は、体で情報を得て、体で考え、体で動く、オールインワンシステムだと言えますね。
*********************************
体で情報を得て、体で考え、体で動く、、
私たち人間は観念によって生きていますが、この粘菌は観念を持たない。
なのに私たちがすごく頭を使うことを意図も簡単にやってのけてしまう。
生命は不思議です。



匿名希望

2017年6月 7日 (水)

電気は食物連鎖を支える第3のエネルギー

一部の生物は、生命の維持に必要な栄養分を自ら合成します。栄養分を作るにはエネルギーが必要です。例えば植物は、太陽光をエネルギーとして二酸化炭素からデンプンを合成します。一方、太陽光が届かない環境においては、化学合成生物と呼ばれる水素や硫黄などの化学物質のエネルギーを利用する生物が存在します。二酸化炭素から栄養分を作り出す生物は、これまで光合成か化学合成のどちらか用いていると考えられてきました。
共同研究チームは、2010年に太陽光が届かない深海熱水環境に電気を非常によく通す岩石が豊富に存在することを見出しました。そして、電気を流す岩石が触媒となり、海底下から噴き出る熱水が岩石と接触することで電流が生じることを発見しました注1),注2)。これらを踏まえ、海底に生息する生物の一部は光と化学物質に代わる第3のエネルギーとして電気を利用して生きているのではないかという仮説を立て、本研究を実施しました。
共同研究チームは、鉄イオンをエネルギーとして利用する鉄酸化細菌の一種であるAcidithiobacillus ferrooxidans(A.ferrooxidans)[1]に着目し、鉄イオンは含まれず、電気のみがエネルギー源となる環境で細胞の培養を行いました。その結果、細胞の増殖を確認し、細胞が体外の電極から電子を引き抜くことでNADH[2]を作り出し、ルビスコタンパク質[3]を介して二酸化炭素から有機物を合成する能力を持つことを突き止めました。さらにA.ferrooxidansは、わずか0.3V程度の小さな電位差を1V以上にまで高める能力を持ち、非常に微弱な電気エネルギーの利用を可能にしていることが分かりました。
本研究は、電気が光と化学物質に続く、地球上の食物連鎖を支える第3のエネルギーであることを示しました。今後、深海底に広がる電気に依存した生命圏である電気生態系を調査する上で重要な知見になると期待できます。
リンク



す太郎

2017年6月 4日 (日)

無酸素で18分も生きる驚異の地下生物「ハダカデバネズミ」──そのメカニズムは医療に新たな可能性をもたらすか

アフリカの地下に生息するハダカデバネズミ。がんや老化に耐性をもつこの生物は、18分間もの無酸素状態で生き延びられることが研究からわかった。そのメカニズムを人間に応用することで、発作や心筋梗塞の治療にも役立てることができるかもしれない。
がんになることがなく、痛みや老化に耐性をもつ──。これが、ハダカデバネズミ(Heterocephalus glaber)の“超能力”だ。ハダカデバネズミは、腫瘍に対する耐性や寿命の研究といった医学実験に用いられる、驚くべき動物のひとつである。
このうらやむべき能力の長いリストにいま、新しい能力が加わる。『Science』で発表されたある研究で、このアフリカの齧歯類が18分呼吸することなしに生存できることが明らかになった。彼らは使う“燃料”を細胞レヴェルで変更することで、これを可能にしている。グルコース(ブドウ糖)ではなく、ずっと少ない酸素でエネルギーに変換できるフルクトース(果糖)を用いるのだ。
ハダカデバネズミが優れた肺の能力をもっていることは、以前から知られていた。地下に生きる動物である彼らの生物学的メカニズムは、乏しい酸素と多量の二酸化炭素に耐えられるように進化している。
研究の著者たちは、この能力の正確な限界を見定めようとした。研究者は完全に酸素のない部屋の中に何匹かのハダカデバネズミを置き、必然的に訪れる死を待った。そして、その時間が非常に長いことがわかった。
齧歯類たちは数分で意識を失い、心拍数は劇的に低下して、毎分約200回だったのが50回以下となった。それにもかかわらず、ネズミたちは死ぬ気配を見せなかった。そして18分待ったあと、室内に再び空気を入れると、ネズミたちは再び立ち上がって、完璧な健康状態を取り戻したのだ。
酸素のいらない代謝システム
研究者たちは、どこからこの信じられない抵抗力が生じるのかを解明した。彼らは実験で用いられたハダカデバネズミの組織を分析して、血液中に異常なレヴェルのスクロース(ショ糖)とフルクトースを見つけた。ネズミたちの体内には、著しく高いレヴェルの2つの特殊なタンパク質も存在していた。細胞内部にフルクトースを運ぶタンパク質と、この糖をエネルギーを生み出すのに利用可能なかたちに変換するタンパク質だった。
この発見の重要性を理解するには、どのようにしてわたしたちの身体の細胞がエネルギーを生み出すかを考える必要がある。通常、少なくとも哺乳類の場合、すべてはグルコースとともに始まる。細胞は、この糖を「解糖系」と呼ばれるプロセスを通して燃焼させ、いくつかの過程を経てATP(アデノシン三リン酸)を生み出す。ATPとは、いわゆる「細胞のエネルギー通貨」で、細胞の全代謝プロセスにおいて利用される物質だ。重要なのは、解糖系が酸素を必要とすることである。酸素がないとATPの生成は止まる。細胞のエネルギー貯蔵がなくなり、細胞は死に始める。
しかし、ハダカデバネズミの体内ではそうはならない。独特の生物学的メカニズムのおかげで、彼らの細胞はエネルギーを生み出す仕組みを変化させることができる。「解糖系」のプロセスにおいて、グルコースの代わりにフルクトースを利用するのだ。酸素がなくても中断することのないメカニズムに切り替えることで、細胞が最小限の代謝機能を維持できるようにするのである。
今回の発見は、人間の健康においても新たな可能性を切り開くものである。ハダカデバネズミの生態を研究し、人の体の細胞の中でもフルクトースを利用する方法を見つけることで、発作や心筋梗塞(脳へと向かう酸素の流れを妨げ、神経系の細胞に死をもたらす現象)を起こした患者を助けることができるかもしれない。
リンクより



森浩平

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