生命を維持するのに重要な遺伝子のない常識外れの微生物が発見された
マントル由来の岩石域から湧き出る強アルカリ性の水環境で、「呼吸」や「代謝」などをつかさどる遺伝子が無くても生きている微生物が発見されました。
呼吸をせずエネルギーを取り込まないのであば、もはや生命では無いのではないか?と思われますが、その微生物は活動し繁殖もしているとのこと。そうであれば、遺伝子よるものとは別の生命維持システムを保持しているのかも知れえません。
> 初期生命体は、ソマチッド(無機生命体)であり、秩序化のために高秩序エネルギー(≒光エネルギー)を受信・利用し、熱等の無秩序化したエネルギーを排出する代謝機能を獲得し、分子群の秩序化状態を維持した。(313304)
今回発見された微生物は、このことを裏付けているのかしれません。地球の初期環境における生命進化の謎を解き明かす上で非常に重要な発見になりそうです。
以下「常識外れ」の微生物発見 呼吸・代謝の遺伝子もたず(リンク)より転載
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海洋研究開発機構は、生命を維持するための呼吸や代謝などをつかさどる遺伝子が無くても生きている微生物を見つけたと発表した。子孫も残していた。なぜ生存できるのかこれまでの常識では説明がつかないという。生命の進化をひもとく新たな発見として、解析を進める。
世界には、地球内部を動くマントルが地殻変動の影響で地上に露出し、かんらん岩となった場所が数カ所ある。米カリフォルニア州ではこうした場所に泉があり、ユニークな微生物が水中の岩石にはりついているのを見つけた。
27種類の微生物のゲノム(全遺伝情報)を解読したところ、16種類の微生物は呼吸をつかさどる遺伝子が無かった。そのうち5種類は糖の分解やアミノ酸の生産を通じてエネルギーを取り込む遺伝子が見あたらなかった。27種類のすべてが、増殖して子孫を増やしていることがゲノムから読みとれたという。
研究チームは、泉の水とかんらん岩が触れて別の岩石に変わる反応過程を微生物が利用し、栄養を受け取っている可能性があるとみている。今後、微生物の細胞の成分を解析し、どのように栄養を取ったり呼吸したりしているか調べる。
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※詳しくは、国立研究開発法人海洋研究開発機構のプレスリリース(リンク)を参照。
斎藤幸雄
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