« 第三の生命圏 | トップページ | 微生物によって作られた新抗生物質 耐性菌に高い効果 »

2017年11月16日 (木)

人類とその共生微生物群が『超個体』として共進化してきたのだ

■ねじれの医学 リンク より
「寄生虫なき病」の146ページにこんな言葉があります。
「人類は単独の種として進化したわけではなく、人類とその共生微生物群が『超個体』として共進化してきたのだということは、現在では広く理解されている。」
デューク大学  ウィリアム・パーカー
人体も、皮膚、骨、内臓だけで成り立っているのではありません。皮膚の表面にいる常在細菌も、カビも、大腸にいる腸内細菌も寄生虫、原虫も、内臓に住むアメーバも寄生虫もひっくるめて、みんなで一つの個体だと考えるのが「超個体」という概念です。
そう考えると、さまざまな人種、生物、鉱物などがバランスを取って共生している地球も、多くの星や生物から成り立つ宇宙も、超個体と言えるでしょう。
ところが、一握りの優性種が、劣性な存在を自由に操作し、必要と思われないものは全滅させてもいい、というグローバリズムが超個体をメチャメチャにしています。各々が拮抗し合って、バランスをとって共存していたのに、小さく繊細な者から絶滅し、大きくたくましい者だけが生き残る、という弱肉強食の世界になってしまったのです。
私たちの体を見れば、もっとよくわかります。
さまざまな生命体が、それぞれの役目を帯びて体内で共存してきました。人体の新陳代謝を補助するために、多くの微生物(細菌、カビ、ウイルス、原虫、アメーバ、プリオンなど)が関わっています。
かれらは、私たちの細胞と親戚のようによく似ています。たとえば、細胞内のミトコンドリアは、エネルギーを産生する重要な器官です。そんな重要な器官なら、初めから存在したかのように思います。
ところが元は、細胞に寄生する細菌だったそうです。それがいつしか自分のDNAを捨てて、私たちのために奉仕する存在に変わってしまったのです。
皮膚の間に散在するランゲルハンス細胞も、まるでアメーバのように、外部の毒素に触手を伸ばして防御してくれます。この細胞も、かつては皮膚に寄生するアメーバだったのかもしれません。
このように寄生していたものが、後に同化して私たちの役に立っているケースは多々あるはずです。となると、微生物だからすべてが害を及ぼす、と考えて一網打尽にすることは、私たち生物の進化にとって不利なことではないでしょうか?
こうして共存してきた寄生虫、細菌、カビ、ウイルスなどを、現代医学は敵とみなして撲滅してきたのです。そうやって殺菌、除菌で病気が消えるのかと思いきや、もっと複雑な、アレルギーや自己免疫疾患が激増しているのが現状です。そしてそれを治すという薬を開発して、その副作用でまた病気が増える。このような悪循環を、早く終わらせてほしいと願います。
抗生物質で細菌を殺すとカビやウイルスが増え、ウイルスを殺すとがん細胞が増え、がん細胞を殺すと自分も死ぬという生命の連鎖に、私たちはそろそろ気づいても良いころです。




猪飼野

« 第三の生命圏 | トップページ | 微生物によって作られた新抗生物質 耐性菌に高い効果 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 人類とその共生微生物群が『超個体』として共進化してきたのだ:

« 第三の生命圏 | トップページ | 微生物によって作られた新抗生物質 耐性菌に高い効果 »

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ お勧めサイトランキングへ
2020年12月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

カウンター

最近のトラックバック

無料ブログはココログ