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2017年12月16日 (土)

最古級、胎盤もつ哺乳類の化石を発見~1億4500万年前の歯の化石、哺乳類が恐竜時代まで夜行性だった検証も

英国で見つかった、ごく初期の哺乳類の歯の化石の研究によると、歯の年代は約1億4500万年前で、歯の持ち主は昆虫を食べ、動き回るのは夜だけだったと考えられています。
この発見は、実現論・前史(実現論1_3_01)「現在の哺乳類の祖先である原モグラは約1億年前に登場するが、その時代は大型爬虫類の天下であり、原モグラは夜行性で、林床や土中に隠れ棲み、そこからチョロチョロ出撃するという、密猟捕食の動物であった。」の確かさを裏付ける現象事実です。
以下、リンクより転載。
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 英国南部で見つかった太古の2つの歯が、ごく初期における、胎盤をもつ哺乳類だったことが分かった。この系統のものとしては、分かっている中で最古級だという。歯の持ち主は昆虫を食べ、動き回るのは夜だけだったとみられる。これは白亜紀の地球を支配していた恐竜を避ける生活戦略だった。
 2つの歯の持ち主はそれぞれ異なっていた。共に哺乳類の新種で、小型のトガリネズミにどことなく似ていた。小さい方はDurlstotheriumと命名され、ほとんど昆虫ばかり食べていた可能性が高い。Durlstodonと名付けられた大きい方の種は、植物を細かく処理できるだけのしっかりした歯を持っていたかもしれないが、研究者らは確信には至っていない。この発見は、11月7日付けの学術誌「アクタ・パレオントロジカ・ポロニカ」に発表された。
 2015年の夏、英ポーツマス大学の学部生だったグラント・スミス氏がこの歯を発見したのは、ドーセットの海岸沿いで集めた約60キロの岩石を詳しく調べていたときだった。スミス氏と指導教官のデビッド・マーティル氏は、哺乳類の歯ではないかと推測したが、念のため、哺乳類の歯を専門とするスティーブ・スウィートマン氏に歯を見てもらった。
 スウィートマン氏の分析によると、歯の年代は化石が見つかった岩石層と同じ約1億4500万年前で、形態は真獣類のものによく似ていた。真獣類とは、胎盤をもつ哺乳類のグループで、イヌ、ゾウ、ヒトなどいま生きている哺乳類のほか、その仲間である絶滅した種も含まれる。
「歯を見た瞬間、ぼう然としました。衝撃を受けました」と、論文の筆頭著者でポーツマス大学の研究員であるスウィートマン氏は話す。「この種の化石が白亜紀後期から出ても驚きませんが、ずっと早い白亜紀前期で目にするとは普通思いません」
 なぜこの化石がそれほど衝撃的だったのかは、我々も含む真獣類がいつ頃に現れたかについて、ホットな議論が続いているためだ。化石と遺伝的な証拠から、一部の古生物学者は少なくともジュラ紀後期の約1億6000万年前から存在しているとの説を唱えている。だが、真獣類の登場はもっと遅い可能性を示す研究もある。
 スウィートマン氏の分析が妥当なら、少なくともヨーロッパにおいて、これまでに見つかった真獣類の化石の最古記録を塗り替え、出現時期をめぐる議論に重要な物証が加わることになる。現在知られている最古の真獣類は「ジュラマイア」という中国の化石で、今回発見の2種より1500万年ほど古い。だが、ジュラマイアは真獣類ではないと主張する研究者もいる。
「中国やヨーロッパ以外の、もっと古い岩石からも真獣類は見つかるでしょう」とスウィートマン氏は言う。「化石はあると期待しています。まだ発見していないだけです」
■「夜行性ボトルネック」を検証してみた
 近縁種の頭骨を測定した結果に基づき、これら初期の哺乳類はおそらく夜行性だったとスウィートマン氏は考えている。そして11月6日、同氏の説は思わぬ後押しを得た。恐竜が絶滅しかけるまで、哺乳類は日光の下に足を踏み入れなかったとする別の研究結果が学術誌「ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューション」に発表されたのだ。
 研究者たちは、初期の哺乳類は夜行性だったのではないかと長い間考えてきた。哺乳類の大半は爬虫類や鳥類よりも色覚が劣る上、目の形と網膜は、遠い祖先が暗視に適応していたことを示すからだ。
 一体なぜか。以前からの仮説によれば、原因は恐竜だ。初期哺乳類は夜行性の生活を営み、恐竜の目を避けていた。それが、いったん恐竜が死に絶えると、哺乳類は日中も安全に活動できるようになったというものだ。
「こうした『夜行性ボトルネック』の証拠は長年にわたり積み上げられてきました」と話すのは、論文の著者で、イスラエル、テルアビブ大学と英ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジで学ぶ博士課程学生のロイ・マオール氏だ。
 マオール氏は、現生哺乳類2415種の昼と夜の習性について膨大なデータを集め、それによって太古の昔に絶滅した哺乳類の行動を描き出した。
 マオール氏のモデルによれば、最初の哺乳類は2億1800万年前から1億6600万年前の間に登場しており、夜行性だったと判明。その子孫の多くも同様だった。つまり、恐竜時代の大半を通じて哺乳類はおそらく夜行性だったことになる。
 ところが、6600万年前に(鳥類以外の)恐竜が絶滅すると状況が変わる。あるモデルでは、哺乳類は恐竜絶滅の約900万年前に昼間の活動を始めたとされるが、昼行性に移行し始めたのは恐竜絶滅の直後だという説もある。
「実際の発見と理論がこれほど一致するのかと驚きました」とマオール氏と話している。
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斎藤幸雄

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