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2018年7月22日 (日)

生命・細胞・血球の起源⑤-1

( リンク )より引用
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   第1編 細胞と生物学
【10】細胞の起源と微生物との共生現象
 ① 生殖細胞と原生生物との類似
 細胞の起源と微生物との共生現象をお話するまえに、まず生物体中で最も根本的な存在である赤血球と生殖細胞とが原生生物その他の下等生物に似た性格をもっていることを述べておきたいと思います。生殖細胞は非常に原始的な形質をもっていることは周知の事実となっています。
 卵子はアメーバの休止期に、精子は鞭毛虫或いは帽針状腐敗菌に似た形をもっており、生殖細胞は分化した多細胞生物が再び原始の状態に戻ったものと解することができます。
 このように考えるとき、生殖細胞と下等微生物との形態や習性に類似点があることは単なる偶然の一致ではなくて、生殖細胞は多細胞生物発生という原始状態に戻り、過去の歴史を反復する段階にあるものということもできる筈です。
 ② 赤血球と原生生物との類似
 現代の血液学では赤血球は最高度に分化した細胞だと定義づけしています。このことについて千島喜久男は『赤血球は生殖細胞より一層に原始的で細胞以前のもの』といっています。
 赤血球がまだ原生生物的形質を多分にもっているという証拠は、カバースライド法で両棲類、鳥類や哺乳類などの生きた赤血球を観察することで理解できることでしょう。
1.カエルの赤血球は一部が細長く延長し、その先端は鞭毛状になって緩やかな鞭毛運動を示します(図1)。また赤血球の表面にはしばしば鞭毛状の突起を生ずることがあります。ニワトリやウサギ、ヒトといった哺乳類の赤血球を体外に取り出すと、ときに飴の金平糖のように変化します(図2)。浸透圧が異なった状態が加わるとこのような変化は一層はっきりしますが、全血液そのままでも往々にしてこのような現象を見ることができます。突起は鞭毛虫の鞭毛に相当するものだと千島は述べています。ミンティンは原生生物の繊毛は進化論的に鞭毛に先行するものだといっていますが、金平糖状赤血球の突起が鞭毛に該当し、アメーバ状運動をする白血球はその後から現れるという千島の観察はミンティンの説にも合致しているようです。しかも、このような変化は血管内を流れている赤血球では生じません。血流の停止、或いは体外に取り出したとき始めて見られる現象です。しかし、オタマジャクシの尾部毛細管を生きたまま観察していると、赤血球が毛細管壁を通過する際に、鞭毛状の突起を出して管壁を穿孔し赤血球内容がこの小さな孔を通って血管外に出ると、それは白血球に変わるという不思議な現象を見せてくれます。
 赤血球が原生生物に似た行動を示すのは、赤血球が白血球に分化する途中及び白血球に変わってからです。
2.各種動物の赤血球は始め円盤状ですが血流が停止すると同時に球形に姿を変えます。これは卵子やアメーバの保護嚢に似て一種の原始状態への復帰と考えられます。哺乳類の赤血球の球形化と金平糖状変化はあい伴って起きます。
3.白血球が偽足を出してバクテリアその他を貪喰するかのような行動を示したり、アメーバ状の運動をすることは周知のことですが、これは形態、機能ともにアメーバと同じだといえます。生体内のアメーバといえるでしょう。




本田友人

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