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2018年7月

2018年7月28日 (土)

生命・細胞・血球の起源⑤-2

( リンク )の続き
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 ③共生現象
 『共生』という語は1879年にバリーが用いたもので、2種類の生物が常に密接な形態的、生理的関係を保ち、また互いに利益を与えあって永続的な共存共栄の生活をしている現象をいいます。
 バリーはその最もよい例として地衣類の生活を挙げています。一般に共生現象は案外、割り切った考えで見過ごされているものも少なくないようですが、詳細に研究すると共生と共食生活、そして寄生との間に区別をつけることが困難な場合もあります。場合によっては共生を広義に解して共食生活を含ませ、また相互に生理的な意義をもたないで共に生活している場合を含ませる場合もあります。 生物界を広く、そして深く観察するとき、前述したような共生現象は動的なものであり、時間の経過とともに共生関係が一見すると寄生ではないかと思われる関係もあり、しかもその実は2種の生物の融合によって新しい細胞や新種の生物に進化することもあることは、これまで余り知られていませんでした。ここではこの重要な意義をもつ共生現象と細胞の起源ついて概略を述べておきましょう。
1.共食生活
 これは"食卓を共にする"という語からきています。2種の生物が互いに食べ物を分けあって食べつつ生活する場合をいいます。この例としてヤドカリとイソギンチャクとの関係を範疇に含めたり、スズメの一種がアフリカのサイやゾウの背にとまってその皮膚に寄生している害虫を喰う例、またこれに似た現象として英国のムクドリとヒツジとの関係も挙げられます。
 また海中生物ではある種のカイメン内部には小エビが隠れて生活していたり、サメとコバンザメの関係、さらにある種のカイメン体内には二万種近い他種生物が生活しているのを観察した学者は、このカイメンを『生活用ホテル』…Living hotel…と命名しています。千島も長良川産の淡水カイメン体内に数十種の微生物が生活しているのを観察しています。このような例を共生生活と呼んでいますが、多くの場合が偏利生活(共生者の一方だけが利益を得ている生活)だといえそうです。
2.共生
 この語源は"共に生きる"の意からきた術語であり、自然界においては共生と共食生活との間に厳密な境界を設けることは不可能でしょう。両者の間には中間的なゾーンがあるのが当然だからです。
 寄生虫と宿主とが長い進化史のなかで相互に抵抗性と適応性を獲得し一定の平衡関係を保って共存し、外観的には宿主生物が大きな被害を受けることもなく健康を保持している場合もあります。
 こんな場合は寄生と共生との間に明解な限界を引くことはできません。
 共生現象は2種生物中の一方が他の生物個体の組織中或いは細胞内に入り込んでいる場合を内部共生、個体の外側に付着するものを外部共生といいこの二つに分けられています。
 後者の例としてはアメリカ産のアリが、植物の葉を巣に運び込み堆積させその中に生ずる菌糸を食べて生活する例や、白アリが排泄物で作った団子のなかに生ずる菌糸を食べて生活する例がありますが、このような共生は2種の生物体の細胞や本質的な働きには直接の関係は余りないようです。
 一方前者の内部共生は細胞の成長、進化などと直接に重要な関係をもっています。これについては機会があったときお話しましょう。





本田友人

2018年7月22日 (日)

生命・細胞・血球の起源⑤-1

( リンク )より引用
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   第1編 細胞と生物学
【10】細胞の起源と微生物との共生現象
 ① 生殖細胞と原生生物との類似
 細胞の起源と微生物との共生現象をお話するまえに、まず生物体中で最も根本的な存在である赤血球と生殖細胞とが原生生物その他の下等生物に似た性格をもっていることを述べておきたいと思います。生殖細胞は非常に原始的な形質をもっていることは周知の事実となっています。
 卵子はアメーバの休止期に、精子は鞭毛虫或いは帽針状腐敗菌に似た形をもっており、生殖細胞は分化した多細胞生物が再び原始の状態に戻ったものと解することができます。
 このように考えるとき、生殖細胞と下等微生物との形態や習性に類似点があることは単なる偶然の一致ではなくて、生殖細胞は多細胞生物発生という原始状態に戻り、過去の歴史を反復する段階にあるものということもできる筈です。
 ② 赤血球と原生生物との類似
 現代の血液学では赤血球は最高度に分化した細胞だと定義づけしています。このことについて千島喜久男は『赤血球は生殖細胞より一層に原始的で細胞以前のもの』といっています。
 赤血球がまだ原生生物的形質を多分にもっているという証拠は、カバースライド法で両棲類、鳥類や哺乳類などの生きた赤血球を観察することで理解できることでしょう。
1.カエルの赤血球は一部が細長く延長し、その先端は鞭毛状になって緩やかな鞭毛運動を示します(図1)。また赤血球の表面にはしばしば鞭毛状の突起を生ずることがあります。ニワトリやウサギ、ヒトといった哺乳類の赤血球を体外に取り出すと、ときに飴の金平糖のように変化します(図2)。浸透圧が異なった状態が加わるとこのような変化は一層はっきりしますが、全血液そのままでも往々にしてこのような現象を見ることができます。突起は鞭毛虫の鞭毛に相当するものだと千島は述べています。ミンティンは原生生物の繊毛は進化論的に鞭毛に先行するものだといっていますが、金平糖状赤血球の突起が鞭毛に該当し、アメーバ状運動をする白血球はその後から現れるという千島の観察はミンティンの説にも合致しているようです。しかも、このような変化は血管内を流れている赤血球では生じません。血流の停止、或いは体外に取り出したとき始めて見られる現象です。しかし、オタマジャクシの尾部毛細管を生きたまま観察していると、赤血球が毛細管壁を通過する際に、鞭毛状の突起を出して管壁を穿孔し赤血球内容がこの小さな孔を通って血管外に出ると、それは白血球に変わるという不思議な現象を見せてくれます。
 赤血球が原生生物に似た行動を示すのは、赤血球が白血球に分化する途中及び白血球に変わってからです。
2.各種動物の赤血球は始め円盤状ですが血流が停止すると同時に球形に姿を変えます。これは卵子やアメーバの保護嚢に似て一種の原始状態への復帰と考えられます。哺乳類の赤血球の球形化と金平糖状変化はあい伴って起きます。
3.白血球が偽足を出してバクテリアその他を貪喰するかのような行動を示したり、アメーバ状の運動をすることは周知のことですが、これは形態、機能ともにアメーバと同じだといえます。生体内のアメーバといえるでしょう。




本田友人

2018年7月18日 (水)

イルカは互いに「名前」で呼び合い会話していることが判明! 同盟を結んで戦いも… 異様に賢い実態に戦慄

人間だけが名前を呼び合う生物ではない!?
以下リンクより
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お互いの名前を知り、呼び合うのは人間関係の基礎の基礎であるが、それは人間に限ったことではないようだ。オーストラリアに生息するイルカたちも互いの名前を認識し、呼び合ってコミュニケーションし、複雑な社会関係を築いているという。6月11日付の豪メディア「The Conversation」で報じられると、複数の海外メディアがこの興味深い発見を伝えている。
■イルカの名前
 イルカは独特な鳴き声を発し、仲間とコミュニケーションをとる生物であることはよく知られている。近年、鳴き声の分析によって、イルカの個体にはそれぞれ特有の「名前」があることが判明している。2013年の野生のハンドウイルカの調査では、個体を表す特殊な鳴き声(シグネーチャーホイッスル)を録音して聞かせると、その個体が返事を返すことがわかっている。イルカたちは生後数カ月以内にそれぞれの名前となる独自の鳴き声を発達させ、自己紹介や仲間との合図にそれを使っているようなのだ。これは、野生動物がそれぞれの個体を表す呼び声を使っているという世界初の発見であった。
 では、野生のイルカたちはこの「名前」をどう使っているのだろうか? 今年5月、その一端を明らかにする論文が学術誌「Current Biology」に掲載された。著者は西オーストラリア大学のステファニー・キング氏らで、キング氏はイルカに名前があることを明らかにした海洋生物学者である。
今回、調査の対象となったのは、オーストラリア・西オーストラリア州シャークベイのハンドウイルカの群れである。この場所では血縁関係にあるメスのイルカが群れを作る一方、オスは血縁関係のない2~3頭で同盟関係を作っていることが知られている。本来は生殖をめぐるライバルであるが、同盟関係にあるオスは生殖の相手となるメス探しや確保、別のオスグループとのメスをめぐる戦いにおいて、協力関係を築いているのである。同盟関係にあるオス同士の絆は深く、その関係は生涯にわたるという。
■名前を呼び合うオスイルカたち
 キング氏が「The Conversation」に寄せた記事によると、この同盟に役立っているのが個々の名前であるという。同盟を組んだオスのイルカたちは互いの名前を呼び合うことで、メスや敵対するオスグループに自分たちの同盟をアピールしているという。彼らは友人だけでなくライバル個体の名前も把握しており、オスグループ間に存在する上下関係を認知しているほか、回避するか友好的に接するかを決めるのに使っているようだ。
 群れの中で皆が同じような鳴き声を発して集団内のコミュニケーションを取る行動は、鳥や哺乳類など多くの野生動物で観察されている。だが、シャークベイのオスイルカたちは互いの名前を呼び合うことで相手を認知し、コミュニケーションを取っている。キング氏によると、彼らは名前で呼び合って穏やかな会話を楽しみ、一緒にジャンプしたりダンスのように泳いだりして親睦を深めているという。
 個々の名前で同盟や敵対の関係を把握するというイルカの特色は、人間のものともよく似ている。以前トカナではフグをキメるイルカについてお伝えしたが、彼らの賢さや仲間意識の強さが明らかになるたび、なんと驚くべき生物かと思わされる。「イルカがせめてきたぞっ」というキャッチコピーで有名な小松崎茂氏の絵に、なんとも言えない奇妙な説得力があるのも当然かもしれない。




水沢奈々

2018年7月16日 (月)

生命・細胞・血球の起源④-3

( リンク )続き
 ④藻類が原始生物だとするオパーリンの説
 オパーリンは栄養物の吸収及び同化ということから、地上に最初に現れた原生物は一般に考えられているような細菌ではなく、下等藻類だったと主張しています。
 『如何なる生物の種類でも、過去の一時期に無機物を栄養源として摂取することが可能であったことを示す器官の萌芽は見られない。現存生物の大部分は有機物栄養生活、即ち栄養源として有機化合物のみを利用できるしくみになっている。凡ての下等及び高等動物、ほとんどのバクテリアや細菌がこれに属する。しかるに典型的な無機栄養生活をする緑色植物は有機物を利用する能力も十分に保有している。特にジュズ藻、珪藻類、アオミドロにおいては無機質利用能力があるにも拘わらず、汚水中の有機物が多い所では成長が著しく良好になる』といっています。この有機物が豊富な所では藻類の成長が非常に活発になることにオパーリンが疑問を抱いていることへ、千島は次のような批評を加えています。『オパーリンは汚水中のバクテリア或いは珪藻が他の藻類に有機物栄養源として摂取(合体)される事実を観察したことがないようである』と。
 オパーリンはこれらの緑色下等植物は最初、有機物(原始水圏に多量に存在していた)を摂取する能力をもっていたが、その後の進化過程において新しい組織形態が付与され、2次的に無機物を利用しうる能力を獲得したのだと説明しています。その結果、無機物栄養生活ができる硝化バクテリア、硫黄バクテリア、鉄バクテリアなどが最初に現れた生命形態だと主張するオズボーンの説を否定してこれらの生物は進化の本道からわかれた単なる側技的なものだと述べており、ベルナールもこのオパーリンの考えに賛同しています。
 ⑤上述した2説に対する千島喜久男の意見
 『地球上に出現した生物として、バクテリアが先か藻類が先かという問題はオパーリンのように生化学的な見方によってだけでは解明されることではない。少なくとも私は生物学の立場から見た限り、次の理由からオパーリンの見解をそのまま鵜呑みにするわけにはいかない。
①バクテリアと藻類の構造、大きさの点……藻類は核様体をもちより大きく、構造においても一層に複雑である。バクテリアは分散核をもっているが凡ての点でより原始的である。私の観察によればクロレラはまだ定型的な核はもっていないが、バクテリアから進化する可能性があるものと考えている。
②アオミドロその他の緑藻類はバクテリア、珪藻を合体して自らを成長せしめる事実を私は観察している。その他、進化論的見地から見て、藻類がバクテリアよりも原始的なものであるという証拠は何処にも見あたらない。
③オパーリンは"最初のエネルギー代謝形式は全く嫌気的過程であり、もっぱら水の分子と有機物質との相互作用に依存したのである"といっている。このことは水中における藻類の発生や私の観察した空気を遮断したスライドカバー方式においてのバクテリア自然発生の事実とも矛盾せず、従って藻類がバクテリアより原始的だという理由にはならない。
 緑藻類は既に葉緑素をもち、光合成を行うがバクテリアにはそれがない。しかも生物誕生の創始期には今日のように強い太陽光線は地上に達していなかったということから考えても、バクテリアがより原始的な生物で、藻類発生のずっと以前から地球上に発生していたと考えるのが妥当だろう。最近はオパーリンも最初の生物は藻類であったという主張はしていない』
 この『細胞と生物』の項で千島喜久男はウイルスの起源と本性についても述べていますが、次々と変身を重ねているウイルスには、種族保存の本能という生物特有の特質がないのではないか。生物ではないとしたらこれは何なのか……と編者は考えており後に折りを見てこの問題を取り上げたいと考えています。




本田友人

2018年7月13日 (金)

『植物が感じている世界』に驚き

『植物が感じている世界』に、驚きしかない…!! リンクからの転載です。
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植物には知性があり、ヒトを含む動物とは異なる構造、機能、体系の知性を有していることが、科学的、実証的に証明されている。
トマトは虫に襲われると、化学物質を放出して周囲の仲間に危険を知らせる。マメ科の植物は細菌と共生し、それぞれにとって必要な栄養分を交換しあう。
植物が感じ取れるものとしては、光(有無、強弱、色)、水、重力、温度、接触刺激、ある種の化学物質の気体などがあります。植物が日当たりの良い方向へ、その身を曲げていくこと(この性質を屈光性という)は、誰もが知っている。やはり、植物も光を「見て」、それに反応しているのだ。最新の研究によると、隣の植物の音を「聞いた」植物は、自ら成長を促進させるという。音響信号を利用してコミュニケーションを取っている可能性があるようだ。音というのは、媒体の制限が少なく、非常にしっかりと伝わる。したがって、振動に基づくコミュニケーションは最も簡単で直感的な方法といえる。
熟する果物や、ネナシカズラや、ハイルが実験したライマメや、その他自然界にある植物はみな、私たちと同じようにフェロモンに反応している。例えば寄生植物のネナシカズラは匂いを手がかりに適切な寄生相手を選んでいる。ある種の揮発性物質を発するトマトなどの植物に向かって伸びていくのだ。オジギソウは、極端に発達した触覚をもっているだけではなく、刺激の種類を区別する能力までもっている。
一つところに根を張って定着している植物は、退却したり逃げたりはできないが、環境が変わったとき、それに合わせて代謝を変えることができる。植物は、ストレスにさらされると、その挙動を修正して、繰り返し起こる侵襲への対応を改善できる。例えば、植物は、転写過程によって制御される遺伝子発現パターンを変え、あるいは特定の細胞機能を調節している可能性がある。
動物と植物は、共通の祖先からそれぞれ進化した動物が5つの感覚を持っているように、植物も物を見て、匂いを嗅ぎ、味を区別し、触られたことを認識し、音を聞くことができる。その上、動物が持たない多数の感覚まで持っている。植物と動物は16億年前に共通の祖先から分岐したと考えられている。人を含め全ての動物は植物とは遠縁である。しかし、イソギンチャクは刺胞動物門と呼ばれる動物群の代表であり、ごく初期に分岐し、多くの祖先的な特徴を持っている。
重力を感知する能力や、磁場(これは成長に影響を与える)を感知する能力。空気中や地中にふくまれている化学物質を感知し、測定する能力もある
根には無数の司令センターがあり、たえず前線を形成しながら進んでいく。根系全体が一種の集合的な脳であり、根は成長を続けながら、栄養摂取と生存に必要な情報を獲得する分散知能として、植物の個体を導いていく。
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匿名希望

2018年7月12日 (木)

[特報]ダーウィンの進化論が崩壊 : かつてない大規模な生物種の遺伝子検査により「ヒトを含む地球の生物種の90%以上は、地上に現れたのがこの20万年以内」だと結論される

衝撃的です。近年、これまでの定説や常識だった近代科学認識の事実との乖離が強まっている中、ついに今回「ダーウィンの進化論」が全否定されることになりそうです。今回発表された調査・研究内容は、我々の知るこれまでの『進化論』の常識や思考フレームを完全に覆すものとなっています。
□現行の進化論が現実的な崩壊に直面している大ニュースなのに、日本ではまったく報道されないという事実 indeepより抜粋・引用リンク
■生物種の全面的な大規模遺伝子調査により、生物進化の新しい側面が明らかにリンク
かつてない生物種の遺伝子大調査が開始された時に、そこから、このような結果が出てくることを誰が想像しただろうか? いや、そもそも、このような大規模な遺伝子の解析が実際に行われるということさえ想像されたことがあるだろうか?
実際に行われたのは「 DNA バーコード(DNA barcodes)」の全調査プロジェクト、というものだ。
これは、アメリカ政府が運営する遺伝子データバンク(GenBank)にある、世界中から数百人の科学者たちによって集められた 10万種の生物種の DNA と、500万の遺伝子断片である DNA バーコードと呼ばれるマーカーが徹底的に調べ尽くされたのだ。
それを行い、その「結果」を報告したのは、米ニューヨーク・ロックフェラー大学のマーク・ストークル(Mark Stoeckle)氏と、スイス・バーゼル大学のデビッド・タラー(David Thaler)氏であり、共同でその内容が発表された。そして、その内容は「生物の進化がどのように展開されたか」についてのこれまでの定説を揺らがせるものだったのだ。覆されるかどうかはわからなくても、定説が揺らぐことは間違いがなさそうだ。
定説とは何か? 現在の生物学の教科書では、たとえば、アリでもネズミでもヒトでもいいのだが、大規模な個体群を持つ生物種は時間が経過するほど遺伝的多様性が増すとされている。このように時間の経過と共に、生物が進化してきたというのが定説だ。
しかし、それは本当なのだろうか?その問いに対して、今回の研究の主任著者であるマーク・ストークル氏は次のように述べた。
「いいえ、それは違います」
ストークル氏は、地球上に住む 76億人のヒトも、5億羽生息しているスズメも、あるいは、10万羽生息しているシギたちも、その遺伝的多様性は「ほぼ同じくらいなのです」と AFP に語った。おそらく、この研究の最も驚くべき結果は、人間を含む現在地球上に存在する生命種のうちの 10種のうち 9種が 10万~万年前に出現したことが明らかになったことだろう。
「この結論は非常に驚くべきことであり、この問題に対し、私は可能な限り、非常に厳しく自分自身で反論を試みました」とデビッド・タラー氏は AFP に語った。このタラー氏の自分自身の研究結果に対して反論する態度という反応は理解できる。何しろ、この調査によれば、この地球上にいる生物種の 90%は「ほぼ同じ頃に地球に現れた」ことになるのだ。
これをどう説明すればいいのだろうか?
その 20万年前に何かそれまでの生物種をすべて消し去るようなカタストロフ的な事象が何かあったとでもいうのだろうか。より簡単で安価なDNAバーコード解析。この答えを理解するには、 DNA バーコーディングを理解しなければならない。動物には 2種類の DNA がある。核 DNA とミトコンドリア DNA だ。私たちが最もよく知っている核 DNA は、ほとんどの動物で雌雄の両親によって受け継がれ、各個体の遺伝的青写真を含んでいる。
しかし、すべての動物はミトコンドリア内に DNA を持っている。ミトコンドリアは、細胞からのエネルギーを食物から細胞が使用できる形に変換する各細胞内の小さな構造体だ。細胞の小器官ミトコンドリアは 37種の遺伝子を含み、そのうちの 1つが COI (シトクロームオキシダーゼサブユニット)遺伝子として知られており、これが DNA バーコーディングを行うために使用される。
生物の種と種の間で大きく異なる可能性のある核 DNA 遺伝子とは異なり、ミトコンドリア DNAにはすべての動物が持つ共通の DNA 配列が存在する。この共通の DNA 配列が比較のための基盤を提供するのだ。このミトコンドリア DNA の解析は、核 DNAに比べると、その単離がより簡単で、より安価に行うことができる。カナダの分子生物学者であるポール・エイバート(Paul Hebert)氏は、2002年頃に「 DNA バーコード」という用語を作り出し、COI 遺伝子を解析することで種を同定する方法を描いた。
今回、研究者たちは、10万種の生物において、このような DNA バーコードを解析したのだ。その結果として、ほとんどの動物がヒトとほぼ同時期に出現したことを示す明確な証拠を発見したのだった。そして、研究者が目にしたものは、いわゆる「中立」な遺伝子変異にばらつきがないことだ。
この「中立変異」は、世代を超えて生じる DNA の微小な変化で、生物個体の生存可能性に対しては有利にも不利にもならない。言い換えれば、進化を後押しする自然淘汰は中立変異が無関係であることを意味する。この中立突然変異が、互いにどれほど類似してるかは樹木の年輪を見るようなもので、これにより一つの種のおおよその年齢が明らかになる。
その結果、こんにち地球上に生存しているうちの圧倒的多数の種が、ほぼ同じような時期にこの地球に出現したとなると、その理由は一体何なのだろう。
この論文は、人類進化学の専門誌「ヒューマン・エボリューション(Journal of Human Evolution)」に掲載された。




 
Bannister

2018年7月 8日 (日)

生命・細胞・血球の起源④-2

( リンク )続き
 ③原生物はバクテリアか、それとも藻類か?
1.地球上の最初の生物
 生命の起源、いわゆる地球上へ最初に出現した生物を探求するとき、私たちはこれを二つの点から考える必要があります。一つはその生物が細菌か藻類かということ、次はその生物が栄養摂取をしているかということです。この二つは最終的に一つに帰すべきことですが、どれも主として現在の地上における最下等生物から推測するほかありません。微生物の化石はまず見つからない筈。生理学、生化学的研究にしても、今から何億年も前の地球の状態と現在とはまったく異なっていますから、推測自体が雲を掴むようなことになるのは当然です。ならばどのような方法で推測すればよいのか……? 千島喜久男はこのように云っています。
 『生物の進化過程には履歴反復性がある。生命は歴史的所産であり、その歴史は反復して繰り返されるという重要な根本原理を基礎として研究するとき、生命の起源の探求に対しても大いに役立つものだと確信する……』 地球上に初めて出現した生物が、葉緑素をもち自ら養分を合成する現在のような植物だったか、或いは自然に合成される有機物が存在し、その上に発生してその有機物を摂取し成育する他養性のものであったかはまだ解明されていません。しかし、支持者の数からいくと他養説が現在は優勢になっているようです。また、最初の生物がバクテリアであったか、それとも藻類であったかも大きな問題です。オズボーンは細菌だったと主張し、オパーリンは藻類だったと云っています。バーナルは光合成を行う生物の前に、既に生命は出現していたと考えていましたから、藻類よりバクテリアを先行者と見ていたようです。結論についての千島喜久男の判断は、物質代謝の方法についてはオパーリンの有機物上に藻類が発生したという他養説を、また生命形態については藻類よりバクテリアが先に発生したというオズボーンのバクテリア説に賛同しています。
 オズボーン(細菌先行説)とオパーリン(藻類先行説)の考えは次のようなものです。
2.藻類が地球上に最初に発生したという説
 ユーラーは『マレー群島中のクラカタウ島の火山が1883年に大噴火を起こし、この島の生物は絶滅した。噴火の2ケ月後に調べた結果、島全体が噴石で覆われ、火山灰は平均30米、場所によっては60米の厚さに堆積していた。その後1886年にトラブが島を訪れたとき、山腹の渓谷に露出している岩石の表面に初めて青緑藻が繁茂していた。検索した結果それは藻類とバクテリア及び珪藻が一緒になったものだということが分かった……』と報告しています。
 これらは胞子が風によって運ばれてきたものと推測されます。この藻類は念珠藻類に属するものだったといいます。念珠藻は空気中の炭酸ガス化合物から葉緑素の作用で糖質を合成します。またこれは空気中の窒素を同化する働きをもっています。この観察結果と岩上に最初に現れたのが念珠藻だったことから類推すると、地球上に最初に出現したのは分裂藻類だろうとユーラーはオパーリンの藻類先行説を支持しています。しかし、千島はこの藻類が現れる前に、肉眼では観察できなかったバクテリアのほうがずっと先に発生していた筈だといっています。
3.細菌が地球上に最初に現れた生命体だとする説
a・・・・・オズボーンはその著のなかで『地球上に最初に発生した生命形態は細菌であり、藻類はそれが進化した高次のものである』といっています。この点、ユーラーやオパーリンの説より一層に妥当な見解だと千島はこの説に賛同しました。オズボーンはまた『地上又は海中に最初に細菌様生物が現れ、それが動植物進化の先駆となり基礎となった。その数は無数である。細菌というものは栄養摂取の方法が最も原始的であるばかりでなく、生命化学の原始状態を現在ももっている残存者である。これらの細菌は栄養やエネルギーを無機物から直接摂取する。(この部分について千島はこの摂取法は一種の自養説であるとして批判している)このような細菌は地球上にまだ他に生物がいなかったとき、いわゆる葉緑素をもつ藻類が繁茂する前に発生し繁殖していた。この種の細菌のなかには多分、始世代から残存している原始的食性のヨーロッパ産のニトロソモナスがあり、それは鉄、マンガン、燐などの存在の下で酸化酵素の相互作用によって酸素をとって呼吸する。個々の細胞(細菌)は、こういったことから有力な小化学工場といえる。この細菌はもっと原始的な時期には硫酸アンモニウムを食べ、アンモニウムから窒素を摂取し亜硝酸塩を形成する。この細菌は自らが合成した亜硝酸塩を食って生きている硝化バクテリアと共存生活をする。この二つの種は生物とその生活環境との相互作用の最も単純な型である』と先行細菌のことを詳しく説明しています。
 また硝化バクテリアについて『この細菌はアンモニア化合物から窒素を摂取するので硝化バクテリアと呼ばれている。この硝化バクテリアが土壌中で作用することによって、アンモニアと炭酸ガスをエネルギー源とする前葉緑素的微生物を発育せしめることができることを、初めてヘラウスが発見した。この種の細菌は生物がまだ発生していない地表や水に作用して、下等植物が出現しやすいような化学的変化を与えた……』と地球上に初めて発生したと思われる硝化バクテリアについて詳しい説明をしています。この説明で細菌が有機物を摂取して増殖するといっていますが、むしろ有機物を母体として細菌が自然発生すると観るのが妥当だと千島喜久男は述べています。
b・・・・・化石細菌と藻類についてオズボーンは次のような事実をその著に記載しています。
 『化石細菌はモンタナの始生代地層の石灰岩中に発見された葉緑素をもった藻類の切片から見出されたものである。この細菌は炭酸ガスを含む単純塩を摂取して生きている、他の硝化バクテリアと関係がある……』と。このことは細菌が藻類よりも一層原始的であるという千島の説を支持する証拠ともいえるでしょう。なぜなら、藻類の化石中に細菌が含まれているということは、細菌→藻類へ進化するという千島の主張が正しいということを暗示しているからです。




本田友人

2018年7月 4日 (水)

単細胞にも知性が備わっていた!高度な情報処理能力を持つ「粘菌の知性」

「単細胞生物は馬鹿だ」というわれわれの馬鹿げた認識を改めるべきだ。
以下リンクより
―――――
そう語ったのは粘菌の研究をすすめている北海道大学の中垣俊之准教授。
 モジホコリ(学名Physarum polycephalum)という真性粘菌(変形菌)の一種は、内部に多くの核を持つ単細胞生物だが、この生物の中には驚きが詰まっているという。
 2月8日(米国時間)に『米国科学アカデミー紀要』ウェブサイトで発表された研究論文において、モジホコリは人間よりも栄養摂取のバランスを保つ能力に長けていることが明らかになったそうだ。
 1月にもモジホコリは、日本の関東地域の都市の位置関係を模して餌を配置したところ、非常に効率のよい餌の輸送経路を形成したという研究成果が発表されたばかり。
 (この画像はモジホコリ。モジオコリは変形体となって大きく広がり、時速数センチメートルで移動する。時には約1平方メートルにもなることがあるという。変形体は摂食により成長するが、核が分裂しても変形体そのものは分裂せず、次第に多数の核を含む大きな一つの細胞質のかたまりとなる。)
モジホコリは記憶を有することも判明しており、その情報処理能力はバイオコンピューターに活用できると考えられている。
 その情報処理能力の高さは、人間が作った実際の鉄道ネットワークより輸送効率が良いことや、アクシデントに強いことがわかったという。
5 モジホコリが「イギリス」にネットワークを広げる様子。実際の自動車道路のネットワークとよく似た経路を取るという。(Andy Adamatzky氏の研究)
 また、北海道大学の中垣俊之准教授は、モジホコリに東京を模したパズルを解かせたという。中垣准教授は、人工的に迷路を作り、その中の2箇所に餌を置いた。するとモジホコリの変形体は、迷路の中の2箇所の餌場を結ぶ最短距離を結ぶ原形質のひも状の形態をとったという。同教授は、モジホコリが周期的な環境変動の記憶を持ち、予測できることも明らかにした。
 こういった粘菌の「知性」は、どのようなメカニズムで形成されているのだろうか。別の粘菌でも研究が行なわれているという。
 キイロタマホコリカビ(学名Dictyostelium discoideum)は、細胞性粘菌の一種として知られるアメーバ状の生物だ。単細胞生物だが、食糧がなくなると大勢が合体して1匹のナメクジのようになり、養分を探して移動し、最終的にはキノコの柄のような構造を形成してその先の胞子を飛ばし、その胞子が発芽してまた同じサイクルを初めから繰り返す。
キイロタマホコリカビからは、粘菌の細胞が集合体形成の指令を出すシグナル伝達に用いているいわば頭脳的化学物質「環状アデノシン一リン酸(cAMP)」が発見されたという。
 キイロタマホコリカビのゲノムは5年前に解読され、それ以降、この生物の遺伝子および分子のメカニズムに関するデータが着々と蓄積されている。最新の数理モデル手法を適用することで、粘菌のネットワーク形成の法則がついに明らかになるかもしれない。
 てことで、単細胞=バカの構図はもう流行らない。それどころか知性を持った単細胞なんだもの、知性を持った生命体にやさしい愛護団体の手によりしっかり守られていくべきものかもしれないね。





匿名希望

恐竜が絶滅した巨大隕石衝突後、わずか数年で生命は復活していた

生命の外圧適応原理にまた大きな波紋が。恐竜が絶滅した巨大隕石衝突後、わずか数年で生命圏は復活していた。その外圧適応のスピードと事実は、これまでの我々の常識を覆すと同時に、想像を超えた生命圏(単体ではなく生命の複合体)の持つ凄まじいまでの適応能力と適応可能性を示している。
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東邦大学理学部、東北大学災害科学国際研究所、海洋研究開発機構高知コア研究所、千葉工業大学次世代海洋資源研究センター、米テキサス大学オースティン校による研究チームは、白亜紀末の巨大衝突クレーターの形成後、ごく短期間で生命圏が復活した事を発見したと発表した。
約6,600万年前の白亜紀末に、直径約10kmの小天体がメキシコ・ユカタン半島北部沖に衝突し、恐竜を含む約76%の生物が絶滅した。これまで、衝突地に近い場所で、一次生産(海洋表層での光合成による有機物の生成)が衝突前のレベルに復活したのは、他の場所よりも遅く、衝突から約30万年後であると考えられていた。
しかし、研究チームが、ユカタン半島北部沖で掘削した全長800mにおよぶ柱状試料を用いて、微化石や生痕化石の分析、および元素・同位体分析を組み合わせて調査したところ、天体の衝突で形成したクレーター内では、衝突後2~3年以内という極めて短期間で生物が復活していたことがわかった。
また、少なくとも3万年以内には植物性プランクトンが作る有機物をベースにした多様な生態系が復活していたことも判明した。
研究チームでは、天体衝突後の生命の復活のシナリオが判明したが、同時に、大量絶滅直後の生態系の復活は、そのタイミングや種の構成の両方において、予測がまったく不可能な過程であることも示唆しているとしている。
本研究成果は英Nature誌に掲載される。




 
Bannister

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