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2018年8月17日 (金)

ヒトを含む地球の生物種の90%以上は、地上に現れたのがこの20万年以内(その2)

その2
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米ニューヨーク・ロックフェラー大学のマーク・ストークル(Mark Stoeckle)氏と、スイス・バーゼ生物種の全面的な大規模遺伝子調査により、生物進化の新しい側面が明らかに
実際に行われたのは「 DNA バーコード(DNA barcodes)」の全調査プロジェクト、というものだ。
これは、アメリカ政府が運営する遺伝子データバンク(GenBank)にある、世界中から数百人の科学者たちによって集められた 10万種の生物種の DNA と、500万の遺伝子断片である DNA バーコードと呼ばれるマーカーが徹底的に調べ尽くされたのだ。
その内容は「生物の進化がどのように展開されたか」についてのこれまでの定説を揺らがせるものだったのだ。
 定説とは何か? 現在の生物学の教科書では、たとえば、アリでもネズミでもヒトでもいいのだが、大規模な個体群を持つ生物種は時間が経過するほど遺伝的多様性が増すとされている。このように時間の経過と共に、生物が進化してきたというのが定説だ。
しかし、それは本当なのだろうか?
その問いに対して、今回の研究の主任著者であるマーク・ストークル氏は次のように述べた。
「いいえ、それは違います」
ストークル氏は、地球上に住む 76億人のヒトも、5億羽生息しているスズメも、あるいは、10万羽生息しているシギたちも、その遺伝的多様性は「ほぼ同じくらいなのです」と AFP に語った。
おそらく、この研究の最も驚くべき結果は、人間を含む現在地球上に存在する生命種のうちの 10種のうち 9種が 10万〜 20万年前に出現したことが明らかになったことだろう。
何しろ、この調査によれば、この地球上にいる生物種の 90%は「ほぼ同じ頃に地球に現れた」ことになるのだ。
これをどう説明すればいいのだろうか?
その 20万年前に何かそれまでの生物種をすべて消し去るようなカタストロフ的な事象が何かあったとでもいうのだろうか。
(中略)
今回、研究者たちは、10万種の生物において、このような DNA バーコードを解析したのだ。
その結果として、ほとんどの動物がヒトとほぼ同時期に出現したことを示す明確な証拠を発見したのだった。
そして、研究者が目にしたものは、いわゆる「中立」な遺伝子変異にばらつきがないことだ。
この「中立変異」は、世代を超えて生じる DNA の微小な変化で、生物個体の生存可能性に対しては有利にも不利にもならない。言い換えれば、進化を後押しする自然淘汰は中立変異が無関係であることを意味する。
この中立突然変異が、互いにどれほど類似してるかは樹木の年輪を見るようなもので、これにより一つの種のおおよその年齢が明らかになる。
その結果、こんにち地球上に生存しているうちの圧倒的多数の種が、ほぼ同じような時期にこの地球に出現したとなると、その理由は一体何なのだろう。
【ダーウィンは困惑している】
環境的な大きな外傷がこの一つの可能性であるかもしれないとロックフェラー大学人間環境プログラムの代表であるジェッセ・オースベル(Jesse Ausubel)氏は説明する。
「ウイルスの蔓延、氷河期、新しい競争相手などを含め、これらはすべて動物の人口数が急激に減少する時期をもたらす可能性があります」と氏は AFP に語った。「これらの時期に、遺伝的イノベーションが生物種を消し去り、新しい種の出現に寄与することは十分にあり得ます」
このような種の人口減をもたらす環境要因等を「ボトルネック効果」というが、これは部分的な説明にしかならないだろう。
知られているところでは、最後の地球での大量絶滅事象は、6550万年前に小惑星だと思われる巨大天体の衝突によって発生した。この時の大量絶滅では、地球上の恐竜と、すべての生物種の大半が消滅した。
今回の研究者のひとりであるタラー氏は以下のように述べた。
「最も簡単な解釈は、生命は常に進化しているということです。進化の過程の中では、いつでも、その時点で生きている動物が比較的最近出現したものであるという可能性が高いのです」
この見解では、ある種が持続するのは一定の期間でしかなく、その後、新しいものに進化しなければ絶滅するということになる。
今回の種の研究からは、予期せぬ別の発見も得られている。
それは、「生物種には非常に明確な遺伝的境界があり、2つの間に位置する中間種は何もなかった」ということだ。
タラー氏は「中間にあるべきはずの種がない」ことについては、ダーウィンも困惑しているのではないか述べた。




岸良造

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