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2018年10月 5日 (金)

寄生虫の感染では、宿主と寄生虫の両方がカンナビノイド分子を産生する1/2

In Deep 【リンク】からの転載です。
寄生虫が人類と共存していたという研究発表。興味深い記事です。
転載開始
寄生虫は、その宿主の痛みや炎症を軽減させることによって自らが生き残るために役立つ可能性のあるエンドカンナビノイド系を持っていることが、学際的な研究チームにより発見された。
米カリフォルニア大学リバーサイド校の研究チームによる新たな発見によると、哺乳動物と同様に、寄生虫はエンドカンナビノイド系を持ち、これは宿主(寄生虫に感染した人や動物)の痛みや炎症を軽減することにより、感染する宿主と寄生虫に共に役に立っていると考えられることがわかった。
マウスで行われたこの研究は、エンドカンナビノイド系に関連する細胞シグナル伝達経路を同定することが目標であり、そのエンドカンナビノイド系は寄生虫感染の排除または寄生虫に感染した結果としての成果を目的とした治療法を開発できる可能性を持つ。
エンドカンナビノイドは、免疫、行動、およびニューロンなどいくつかのプロセスを調節するために私たち自身の体内に自然に作られた大麻成分様の分子だ。大麻と同様に、エンドカンナビノイドは摂食行動を強化し、疼痛および炎症を軽減する。
今回の共同研究の責任者であり、カリフォルニア大学リバーサイド校の生物医学の助教授ニコラス.V.ディパトリツィオ(Nicholas . V . DiPatrizio)氏は、以下のように述べた。
「寄生虫に感染すると、宿主の腸は、これらの大麻様分子を、痛みの反応を抑えるためのセーフティネットとして作り出していることがわかったのです」
「私たちが今回発見したのは、寄生虫も感染過程全体を通じてこれらの天然のカンナビノイドを生産しており、特に寄生虫が皮膚に浸透したときに宿主の痛みへの反応を軽減することでした」
調査結果は医学誌「ジャーナル・インフェクション・アンド・イミュニティ( journal Infection and Immunity)」に掲載された。
研究者のひとりであるカリフォルニア大学リバーサイド校の生物医学助教授ミーラ . G . ネアー(Meera G. Nair)氏は以下のように言う。
「これまで寄生虫感染症のエンドカンナビノイドについての調査はされませんでしたが、寄生虫の感染後に宿主の体内のエンドカンナビノイドが上昇し、宿主の身体から排出すべき寄生虫を排除することにも貢献していることが判明したのです」
「これは、以前は私たち医学者が知らなかった寄生虫の感染の中で働く人体の保護経路なのです。寄生虫は、宿主に摂食行動を増やすようにし、つまり食べ物を増やすように促し、炎症や痛みの原因となる組織損傷を減らすことができるようになるのです」
エンドカンナビノイド系はすべての哺乳動物に存在するが、最近の研究は、それがより原始的(太古の時代から存在するシステム)であるかもしれないことを示唆している。
確かに、ある研究は、黒トリュフキノコが、トリュフを食べて胞子を分散させるトリュフ豚を誘引する機構として、エンドカンナビノイドの一種であるアナンダミドを作る可能性があると報告している。
寄生虫として知られる線虫「カエノラブディティス・エレガンス」は、その摂食を調節するために働くことができるエンドカンナビノイド系を有する。
エンドカナビノイドの研究にも詳しいパトリツィオ氏は、以下のように述べる。
「このエンドカンナビノイドのシステムは、疼痛反応を抑制することが知られています。寄生虫に感染すると、帰省された宿主の腸は、これらの大麻様分子を、おそらく疼痛反応を抑制するためのセーフティネットのような意味で生成しています」
「私たちが今回発見したのは、寄生虫自身もまた、感染過程を通してこれらの天然カンナビノイドを生産しており、特に寄生虫が皮膚に浸透すると、宿主の疼痛応答をさらに弱め、痛みを軽減するのです」
(※ 訳者注 / これは、人に痛みや炎症がある場合、人体の中でもカンナビノイドの働きによって痛みを軽減するメカニズムがあるのですが、寄生虫に感染すると、その寄生虫のカンナビノイドの効果が加わり、さらに痛みと炎症が軽減される作用を高めるという意味だと思われます)
そして、パトリツィオ氏は「これは、体内の生存促進シグナルの伝達経路であり、寄生虫感染の治療において、治療上の利点を有する可能性があります」と言う。
この論文の共同執筆者である寄生虫学者アドラー . R . ディルマン(Adler R.Dillman)氏は、蠕虫(ぜんちゅう)が自らの体内に大麻のような分子を自然に産生していることに驚いたという。
続く



匿名希望

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