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2018年10月

2018年10月31日 (水)

永久凍土の地中の中にいた、4万年前の線虫が復活『ジェラシックパークの世界』

建設の工事現場では、30m深くに建築用の杭を打つことはよくあることだ。トンネル工事でも。また、その工事の際に、土質サンプルを地中深くからとることも良くあることだ。自身も手で触ってその土の成分・触り心地を確かめたりする。
そこで、ふと気になったことがある。
地中内の細菌が活性化して善玉菌、悪玉菌にならないのか?
『ジュラシック』が現実に? 4万年前の線虫が復活
リンク
<永久凍土で見つかった線虫が蘇生......驚異のメカニズムが示す(ちょっと不安な)可能性>
太古の昔に生きていた生物をこの目で見てみたい――考古学者から映画『ジュラシック・パーク』のファンまで多くの人が抱く夢が、思い掛けない形で実現した。シベリアの永久凍土で3万~4万年もの間、眠りに就いていた2匹の虫が解凍後に息を吹き返したのだ。
摂氏20度で解凍したら
生命の兆候を示した線虫2匹が見つかったのは、300の堆積物サンプルのうち別々の地点で採取された2つだ。




日出・真田十勇士

2018年10月28日 (日)

生命・細胞・血球の起源⑨-1

( リンク )より引用
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○高等動物の消化と微生物
①反芻獣の胃内消化と微生物
家畜のなかでブタは比較的単純な消化器をもっていますが、ヒツジやウシなどの反芻動物は膨大な第1胃をもち、これが食物の発酵槽としての重要な役割を演じることは一般にもよく知られています。ホフマンによると、食物とともに入った細菌は第1胃中で急激に増殖し、発酵を起こし、糖分、デンプン、その他単純な物質はまず最初に利用され、繊維質は後には消化れますが大部分の消化は12時間以内に行なわれます。発酵の際には有機酸が合成されますがその4分の3は醋酸です。このほかにプロピオン酸、乳酸、酪酸も相当に生成されます。
この過剰ともいえる酸を中和するために、ウシは毎日、120ポンドという唾液を分泌しなければならないといいます。またウシの第1胃はグルコース、各種薬物、短鎖型脂肪酸などを吸収する役目もあります。反芻動物の第1胃内では多数の有用細菌が酵素を分泌して飼料を分解しています。これらの細菌は体外では生活できないためによく研究されていませんが、千島はこれらの細菌が第1胃以外で生存できないというのは、第1胃の内容中でだけ自然発生、いわゆる新生した細菌だという推定も可能だといっています。ホフマンは「第1胃内の細菌は単純窒素化合物を有用なタンパク質に変化させる。細菌によって利用される窒素はアンモニア態のみであり、タンパク質その他すべての窒素化合物を細菌が利用しうるために、アンモニア態に分解する酵素が必要である。この酵素は第1胃中に多量に存在している。反芻動物のウシは消化管中で体内に必要な様々なビタミン、ミネラル類を合成している。第2次大戦中、実験のなかで3頭の乳ウシの第1胃に瘻管をつくってみたところ、第1胃のなかに空気が入り込むようになって食欲を失くし、赤血球も異常型をしめすようになり遂には死に至った。この事実は第1胃の発酵というものが如何に重要かを示している」と述べています。反芻動物に非タンパク窒素である尿素を飼料中に混ぜ、微生物を増殖させ、それらを消化・吸収させることによって成長を促進することができるとして、日本でも桧垣、今井の両氏が子牛の飼料の3%にあたる尿素を添加して成長を助長することができたと報告しています。
ホフマンはウシにコバルトを微量与えると胃腸内細菌の増殖を高め、栄養効率をよくするといっています。この場合、胃内細菌は食物とともに摂取されたものが、胃内で分裂増殖したものとホフマンも一般的にも考えられていますが、これらの細菌類は千島の考えでは食物を母体として胃内で自然発生したものと考えられます。
この他の反芻動物であるウマ、ハムスター、モルモット、類人猿などの胃腸内には各種の繊毛虫や細菌が存在し、これらが食物中のセルローズを分解する役目を果たしていることは広く知られています。高等動物の新生児の消化管内にも細菌が存在していて、これが植物の菌根と同様に生存に不可欠であるという説もあります。
②デンプン消化と腸内バクテリア
ベーカーの研究によりますと、生デンプンの消化はデンプン粒の種類と、消化管の構造とによって変わってくるといいます。即ち、トウモロコシのデンプンはネズミ、ウサギ、モルモットなどでは主として小腸で消化され、馬鈴薯デンプンは盲腸に多量に蓄積され細菌によって分解されますが、ウシやヒツジでは第1胃で細菌によって分解されるといいます。デンプン消化に関わる腸内細菌はヨード反応に陽性を見せることからみて、細菌による多糖類の合成が行なわれているらしいとベーカーはいっています。反芻動物の第1胃には大小及び巨大連鎖状球菌が多く、ブタの盲腸には連鎖状になった桿菌が多数見られ、またこれらの細菌は腸内で必須アミノ酸やビタミン類を合成するといっています。このように高等動物の腸内細菌によるデンプン質の消化、微量栄養物質の合成が行なわれていることからみて、昆虫類の場合と等しく、消化管内微生物の栄養に対する重要な役割が分かります。
③鳥類その他の消化管内の細菌叢
ニワトリ、ガチョウ、七面鳥といった鳥類の腸内にも幾種類もの共生細菌が棲んでいます。共生菌の棲息について結腸内細菌が主だというものと、大腸菌が主なるものという意見がありまだ決着はついていないようです。ハリソンは七面鳥の盲腸内の糞を調べて20種以上の細菌を分離し、そのなかで主要なものは嫌気性乳酸菌、続いて嫌気性連鎖状球菌だったと報告しています。これら腸内共生菌の研究はこれからの動物生理の探求に大いに役立つことでしょう。
④草食動物の盲腸内消化
草食動物の盲腸は人間のそれとは違って良く発達しているために、消化に際しては重要な役割を演じているものと考えられてきました。ナンツは盲腸の容積の大なること、食物がかなりの時間ここに留まっていて、その間に酵素や共生微生物の作用でセルローズ分解が行なわれることをウサギで実験し、盲腸は消化吸収のために必要不可欠な器官であると結論しています。
(略)
⑤高等動物の盲腸内消化
鳥類の盲腸内には多数の細菌が存在していること、食物が長時間そこに停留しているなどという事実から、盲腸が消化に対して重要な働きをしていることは当然のこととして考えられることです。ニワトリ、ハト、スズメにおいても、盲腸内細菌が食物中のセルローズ分解に大きな働きをしているが、肉食鳥にはそれがないというマンゴルドの実験もあります。最近、鹿児島大学の安川教授はニワトリの盲腸の切除を行なったところ、赤血球数が減少する傾向が見られたと報告しています。千島やデュラン・ジョルダの腸造血説と関係があるかもしれず、興味深い研究です。
⑥栄養源としての細菌・藻類その他の微生物
ちかごろは細菌やクロレラを食物として利用しようとする傾向が現れてきました。
(略)




本田友人

2018年10月20日 (土)

生命・細胞・血球の起源⑧-4

( リンク )続き
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○細胞の起源と共生微生物との関係についての要訣
前述したような事実や考えからみて、細胞は今より下等段階の生活体(微生物)の集合、融合、分化という過程をもって新生するというのがこの項の要訣となります。
このことは進化論的にも当然考えられることです。しかも現在の地球上においてそれを反復している証拠もあり、ウイルヒョウの「細胞は細胞の分裂によってのみ生ずる」という細胞学の鉄則は根本的な再検討を要することになります。
(1) 各種原生動物の細胞内に共生微生物といわれる細菌、藻類、酵母などを含み、時にはこれら共生微生物で細胞は充満し、それと共生するといわれる細胞が、どの部分を占めているのか全く分からないもの、いわゆる微生物自体の集塊といった観を示すものが広範囲にみられ、そのうえ、これらの共生微生物を大食細胞なるものが捕食するという状態も確認することは至って困難です。このことは動物消化管壁の細胞内の細菌や酵母といった共生微生物についてもいえることです。これらの共生微生物は細胞内へ侵入したり、細胞に捕食されたものではなく、原則的には自ら集団を形成し、前述した集合、融合、分化という過程を経て、より高次の細胞構造へ発展していくことは千島の研究と観察によって明白です。
(2) 血球は共生微生物(ズークロレラ)に由来するという古典的な学説がありますが、これは決して奇想天外な説ではありません。千島はミミズの含糸細胞が糸状菌の集塊から分化することや、ウニの体腔液中の微生物と血球との間の移行像が見られることからも真実を含んだ学説です。古代の人の直観の鋭さが感じられます。
(3) 葉緑体は元来一個の独立した微生物(多分緑藻類だろう)に由来するというケラーの説も多分誤ったものではないと千島はいっています。クロロフィルと血色素の化学構造が酷似していることも血球とクロレラとの系統発生的関係を暗示しているようです。
(4) 動植物細胞質内のミトコンドリアは、共生菌の名残を示しているという説がありますが、これは妥当な説といえそうです。千島は細菌集塊、緑藻類(クロレラ)の集団の分化によって細胞が形成された名残がミトコンドリアであり、現在でもその過程は消化管壁細胞や昆虫の細菌細胞などの形成途中や、カイメン細胞などによって実証が可能であるといっています。
(5) 淋菌、結核菌、癩菌などが細胞内に充満して繁殖しているのは、多分、血球やその他の細胞が腐敗に陥る際、細胞内部に腐敗菌が自然発生するのと同じ原理で、細胞中に病原菌が新生したものだと推測できます。
(6) ポルチアたちが主張する細胞内共生菌はミトコンドリアの起源であり、これら共生微生物が正常な細胞の機能をまっとうするための基礎になるものだと主張したのに対し、それに反対した人もいましたが、これはポルチアたちの主張の根本的に重要な点を理解することなく、高等生物の一般的な細胞にそのまま適用できない点のみを捉えた結果であるといえそうです。細胞の起源と共生の問題を正しく理解するためには、下等単細胞生物、或いは腸壁細胞などが細菌、クロレラ、酵母などで充満していて、しかも最後にこれらは細胞に同化してしまうという事実を率直に観察することが必要です。それによって細胞というものは歴史的にいって下等微生物の複合体であるという千島の主張が理解できるのではないかと思います。
さらに高等生物のミトコンドリアが、人工的に培養できるとか、できないなどといったことを問題にして共生者の判定をしている一般的な考え方は余りにも、生物の歴史性を考慮に入れなさすぎるといえるでしょう。千島は細胞の起源は生物では今日でも血球、細菌、クロレラ、その他の微生物の集団と融合によって細胞という次段階の高次の細胞に進展していると確信しています。



本田友人

菌類にまつわる10の秘密、最新研究で明らかに

リンク
ironnaより以下引用です
ヘレン・ブリッグス、BBCニュースより
それは、どこにでもある。土の中にも、私たちの体の中にも、空気にも。しかし大抵は、小さすぎて肉眼で見ることはできない。
菌類は薬にもなるし食物にもなる。また病気を引き起こして植物や動物に大きな被害をもたらすこともある。
菌界を大規模に評価した初めての報告書「State of the World's Fungi(世界の菌類の状態)」によると、菌界は地球生命にとって欠かせない存在だ。
しかし、世界にざっと380万種類あるとされる菌類の90%以上が、今のところ科学で解明されていない。
「菌類は非常に興味深い生物ですが、本当にほとんどが分かっていません」と話すのは、報告書を作成した英キュー王立植物園理事会で科学部門長を務めるキャシー・ウィリス教授だ。
「最も奇妙なライフサイクルを持つ本当におかしな有機体です。それでいて、地球の生態系での菌類の役割を理解すると、菌類が地球の生命を下支えしているのが分かります」
多くの人は、食用きのこや、ペニシリンを作り出すカビについてはよく知っている。しかし菌類は、極めて重要な役割をさまざまに担っている。植物が水や栄養素を土壌から吸い上げる手伝いから、血中コレステロールを下げたり臓器移植を可能にしたりする薬にまで至る。
また、菌類によるプラスチックの分解や新しいバイオ燃料の生成でも期待されている。しかし、ダークな一面もある。木や農作物などの植物を世界中で荒廃させたり、両生類などの動物を絶滅させたりするのだ。
・ジキル博士とハイド
エスター・ガヤ博士は、キュー王立植物園理事会で菌類の世界の多様性と進化を研究する調査プロジェクトを率いている。博士は、菌類が少しジキル博士とハイドに似ていると話す。
「菌類は同時に良くも悪くもなれる」とガヤ博士は語る。「同じ菌類が、有害で悪いものと見られることもあるし、また多くの可能性と解決能力を秘めている場合もあります」。
この報告書は、食料安全保障への答えとなりえる有機体の一群に関する知識のうち、これまで解明されていなかった部分に光を当てている。農作物の病原体で最も破壊力のあるもののいくつかも菌類だ。しかし一方で栄養素の再利用もすれば、二酸化炭素の排出を抑える役割も担う。
「我々は菌類を無視しているが、それは危険」とウィリス教授は話す。「もっと真剣に取り組まなければいけない分野です。気候変動など、さまざまな課題に直面している今は特に」。
・菌類の驚くべき事実
1.菌類は菌界として独自に分類されているが、植物より動物に近い
2.菌類の細胞壁にはロブスターやカニと同じ化学物質が含まれている
3.ある菌類は、たった数週間でプラスチックを分解できることがわかっている
4.菌類の一種のイースト菌は9000年も昔から蜂蜜酒を作るのに使われていたと思われる証拠がある
5.少なくとも350種が食品として消費されており、中には1個当たり数千ドルもするトリュフや、肉の代替品クオーン、そしてマーマイトやチーズに入っているものもある
6.車のプラスチック部品や合成ゴム、おもちゃのレゴは、菌類に由来するイタコン酸から作られる
7.216種の菌類に幻覚作用があるとされている
8.農産廃棄物をバイオエタノールに変換するのに菌類が使われる
9.菌類から作った製品が発泡スチロール、皮、建築素材の代替品になる
10.DNAの研究によると、1つの土壌サンプルには数千種類の菌類が存在する。しかしその多くは解明されておらず、人目にも触れないいわゆる「闇の分類群」
今回の報告書には18カ国100人以上の科学者が関わった。それによって解明されたことは以下の通り。
・毎年新たに2000以上の菌類が、人間の爪などさまざまなところから発見されている
・数百種が集められ食品として消費されており、食用キノコの世界市場は年間325億ポンド(約4兆7230億円)に達する
・国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種リスト「IUCNレッドリスト」で評価されている菌類はわずか56種類。一方で植物は2万5000種類、動物は6万8000種類
最新の統計では、英国内には少なくとも1万5000種類の菌類が存在し、一部は絶滅の危機に瀕している可能性がある。
市井の科学者が協力して全国での菌類の特定を進めており、データベースには1000件以上が新たに登録された。
「ザ・ロスト・アンド・ファウンド菌類プロジェクト」のブライアン・ダグラス博士は、菌類は蘭の花と同じくらい美しく、保護すべき大切なものだと語る。
「みんなに教えて、菌類を楽しむよう誘う必要があると思う」
ダグラス博士の同僚のオリバー・エリンガム博士は加える。「菌類は、植物や動物以上でなかったとしても同じくらいの多様性を誇る、独立した分野なのです」。
(英語記事Ten fascinating facts about fungi)
引用終わり




志水満 

2018年10月17日 (水)

生命・細胞・血球の起源⑧-3

( リンク )続き
○葉緑体、血球及び細胞の起源と共生体
①細菌と緑藻類・菌類とアメーバとの関係
淡水産カイメンの大部分を構成しているクロレラはバクテリア(球菌、桿菌、ビブリオ、螺旋菌、長・短糸状菌など)自体又はそれらの融合によって新生されるものと判断できる過程を千島は確認しました。牛乳、馬鈴薯、オートミール、血球、ワラの滲出液その他の腐敗過程においても、前に述べたように細菌集塊→芽胞・酵母→菌糸へと変化していくとしか判断しようがない過程も観察しています。このように異種の有機物や細菌が集塊となって、それが様々な細胞を形成していくという千島の考えに対し今日の生物学者は狂気の沙汰と罵るかもしれません。
(略)
○細胞内の病原菌とその意義
前にも述べたことですが、共生と寄生との間には厳密な一線を引き得ない場合もありますが、高等動物、特に人類における淋菌、チフス菌、結核菌、癩菌などは病的な細胞内で増殖し、細胞がこれらの病原体で充満すると、遂に細胞の崩壊を招くというのが現在の定説になっています。この問題についてラフォードの見解を紹介しながらそれについての千島の意見を記述したいと思います。
①淋菌及びチフス菌の細胞内増殖
淋菌は多型核白血球の細胞質内に多数含まれ、そこで増殖するといわれています。グッパスはチフス菌が消化管内腔や血液中で増殖する証拠は見られないといっていますが、チフス菌に感染すると廻腸のリンパ組織が侵され、プラズマ細胞の増殖が起こり、廻腸のリンパ細胞や腸間膜中のプラズマ細胞にグラム陰性菌を見出したといい、それを彼は「細胞内環境によって変化した特別小型なチフス菌」と呼びました。
この菌はあたかも細胞内で活発に増殖したかのように嚢に覆われた塊になっていて生体消化管でよく見出されます。グッパスはこのチフス菌は宿主細胞(プラズマ細胞)内で保護され、栄養を与えられたものだと解しています。
しかしこの場合、細胞内のチフス菌や淋菌は何れも細胞内に侵入したという過程も、また分裂増殖したという証拠も確認されていません。推測ですが、この細胞の環境が病的なものになっていてウイルスや細菌を発生しやすい状態だったために、正常な細胞原形質がウイルスから細菌へ、或いは直接に細菌へ発展していく自然発生だったのだろうと千島はいっています。この千島の説を否定する人は少なくないかもしれませんが、否定するべき証拠は誰にもないことでしょう。なぜなら、千島は腐敗菌が血球内に侵入してもいないのにそのなかに桿菌が自然発生する事実を確認しているからです。事実を否定をすることは不可能なことです。
②結核菌の細胞内での増殖
結核病巣を取り囲んでいる上皮様細胞やランゲルハーン氏巨態細胞と結核菌との関係についてはこれまで種々論議されてきました。マキシモウやハーゲンたちはウサギの組織観察において、上皮様細胞と結核菌とは共生の関係にあると唱えました。
ハーゲンは中度に感染しているウサギの肺を組織培養したが、対照とした健康な肺と等しく正常に機能していることを認め、また結核菌は大食細胞によく捕食されるがその後結核菌が細胞内で分裂増殖するか否かについては不明だといっています。
このハーゲンの報告に対し千島は「大食細胞が菌をその内部に取り込むというより、赤血球の融合によって大食細胞が形成される際、周囲の一部の細菌がそのなかに埋没してしまう可能性があると推定される。また病巣部では細胞が腐敗に似た課程をたどり大食細胞内に結核菌或いは他の細菌が分裂ではない新生によって増加する可能性も十分に考えられる」といっています。
(略)
③癩菌の細胞内増殖
ラフォードの見解によると「癩菌は非常に細胞内生活に適した菌で、細胞外にこの菌を見出すのは稀であり、その病巣の周囲には上皮細胞や巨態細胞を形成させ、それらの細胞内には癩菌が充満している。病巣は次第に周囲組織を浸潤していく。これは大食細胞の有糸分裂ではない付加的増加である。癩菌に侵された正常細胞は崩壊して病巣は次第に拡大していく」といいます。
ビオーレンスカヤは「癩菌を正常および白血病患者の血液、人の胎児の肝臓、脾臓そして肺に組織培養を試みたが癩菌はこれらの細胞や血球に有害な作用はまったく見せず、また組織片から離れた大食細胞は活発に癩菌を捕食しその結果、5~7日後には大食細胞が癩細胞に変わるのを見た。これらの細胞は細胞融合の結果として多核になり多数の癩菌を含んでいる。細胞質は多数のリポイド性液をもち、しかも泡だったような外観をもち、間もなく細胞は崩壊する。貪食された癩菌は細胞内で増殖し、いわゆる「巻き煙草の袋」といわれる充実した形の細胞形態をつくる。癩菌のあるものは崩壊して黄色の色素顆粒になる」と述べています。
この報告に対し千島は「私の推測だが、癩菌は細胞に対して無害であったわけではなく、結局数日後には細胞が死滅過程(一種の腐敗又は化膿現象)をたどり、その結果、細胞を母体として細菌が新生したものだろう。
(略)
④病原体の細胞内侵入の方法
これまで細菌学者の殆どが、細胞内の病原菌は食菌作用によって捕食したものだと考えています。アメーバや白血球が細菌を捕食する様子を実際に観察したという研究者はメチニコフ以来、沢山います。しかし千島は細心の注意を払った観察でも、そのような過程を確認する機会には遭遇しなかったといっています。
(略)
千島は血球の腐敗現象を研究していた折、生体にある結核、癩、チフスその他の病原体が細胞内に見られるのは多分、外部から侵入したものなどではなく、血球の腐敗過程に見られるように、細胞内部にウイルス的前駆物体を経て自然に発生したものと推定しています。




本田友人

2018年10月 8日 (月)

生命・細胞・血球の起源⑧-2

( リンク )の続き
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○共生クロレラ集団から淡水カイメンの細胞新生
①淡水カイメンとクロレラ
1957年、岐阜大学・小泉清明教授によって長良川で淡水カイメンが発見されました。このカイメンは河川の流れがよどんだ、岸に近い川底に美しい緑色の群落を形成し、小石や岩の表面に付着して生活しています。千島はその組織を顕微鏡観察して極めて興味ある事実を発見しました。1957年11月7日のことでした。
カイメンが呈していた緑色は殆どその大部分が、共生しているクロレラの群体であることが分かったのです。クロレラは直径が1~2μで緑色をしており独立散在しているものや集まって直径が7~15μの集塊になっているものがあり、クロレラの集塊には核をもったカイメン細胞や、中膠細胞と呼ばれるものに至るまですべての移行段階を確認することができました。各種の細胞核は固定染色標本を位相差顕微鏡を使って観察しています。淡水カイメンを形成するものは実は共生クロレラだったのです。
②クロレラの集塊から細胞の新生
クロレラの集団は外縁が次第に円滑となり、透明な細胞質を生じ、中央部のクロレラは徐々に緑色の色素を失って溶解しあい、次いで塩基好性の核原基が現れ、染色することによって完全な核になるまでの移行型を見ることができます。核形成の初期段階では核内にクロレラが数個、未溶解のまま残っていることがありますが、時間の経過のなかで核に同化していきました。
カイメン細胞の隙間には多数の細菌が存在し、遊走したり個々のクロレラ或いはクロレラ集塊の表面に付着しています。これらの細菌類は推測ですがクロレラやクロレラ集塊の生長に栄養として役立っているものと考えられます。注意深くカイメン細胞を観察しても、細胞分裂を起こして増殖する過程は全く見ることはできないと千島は述べています。このようにクロレラの集塊からカイメン細胞が形成される過程は、カエルやニワトリの卵黄球(クロレラに相当)の集塊から間葉性細胞や赤血球母細胞が形成される過程と原則的に完全に一致したものと考えるのが妥当でしょう。
細胞形成の進行につれて、クロレラ集塊の外縁には明るい細胞質(アメーバの外肉と同じ形質をもつ)が現れて偽足を出し、完全なアメーバ運動を始めます。このような段階の細胞はカイメンの遊走性細胞又は血球に相当するものです。
ガーネットは英国産淡水カイメン(千島が観察した長良川産のものに酷似した種類)を観察し、この緑色を呈するのはクロレラがカイメンの細胞内に共生しているためだということを認めています。そして「カイメンは生物学者にとっては一つの謎であり、昔は植物と考えられていたが、明らかに動物的性質をもつものであるから動物とされている。何故なら鞭毛室の鞭毛によってカイメンの表面にある小孔を通して常に水流を起こしているからだ」と述べています。
③カイメンは動物か植物か
千島は淡水カイメンの観察範囲において、これは動物であるというより遥かに植物的であり、クロレラを主体とする植物の群体だと判断しています。確かに鞭毛室や鞭毛細胞が手間をかけたあげくにやっと見出されることがありますが、藻類には鞭毛をもつものがあり、これがカイメン組織内に多数みられたから動物の特性があるとはいえないでしょう。秋の初め頃になると多数のミドリムシ、珪藻、球菌、桿菌、その他のバクテリア類がカイメン組織中に存在するのを観察できます。これらはみな植物性のものです。もっともゾウリムシやその他の滴虫類といった動物性の虫もカイメン組織中に存在することから、カイメンは『生きたホテル』といわれています。
④芽球の形成
秋が深まり水温が低下した11月の半ば頃になると、以前にカイメン中にいたミドリムシやゾウリムシといった運動性のある原生動物は極端にその数を減らし、クロレラその他の細菌類も数が減り、反対に4個が連結した緑藻類が著しく増加し、しかもこれは肥大して長さが減り丸みを帯びた形になり、球形の緑褐色の小体となって花輪状になった集団を形成します。各々の表面はパンの断面のようになり、内部には珪藻や肥大と集合によって生じた小体や針骨を含んでいて、抵抗力を増した芽球になった越冬型になり翌春の発芽を待ちます。
⑤クロレラはカイメン細胞の共生者か。
多くの研究者たちはカイメン細胞内のクロレラは細胞内共生微生物だと考えています。たしかに、クロレラ集塊が細胞に発展する一定の段階までは共生と見られる面がありますが、これについて千島はクロレラ集塊がカイメン細胞に進化、発展するものだと確信をもって主張しています。
その根拠として、
(ア) カイメン細胞はクロレラ集塊のなかに細胞核を新生し、細胞質の分化を経て形成されるすべての移行過程を示している。
(イ) 顕微鏡下で連続観察をしていると始め分散していたクロレラが、段々集合し、カイメン細胞とだいたい等しい大きさと形をもつクロレラ集塊をつくり、細胞に変わっていく連続移行像がある。
(ウ) 淡水カイメンは冬が近くなると植物の胞子或いは果実の種子に似た芽球を形成しますが、これはカイメン細胞のほかにカイメン体腔内にある珪藻やその他の有機体によるものです。
(エ) 淡水カイメンはクロレラの群体で、そのクロレラはバクテリアに起源をもつ植物と考えられ、総合的に判断すれば、やはり動物ではなく植物とするのが妥当だと思われるわけです。




本田友人

2018年10月 7日 (日)

オス本来の役割は闘争課題を担いメスをサポートすること

雌雄分化は、元々環境が変わっても種が存続できるように、性質の異なる個体を増やすことを目的とした生物史の中でも生命の誕生や光合成に次ぐ大進化である。
雌雄分化により、メスはオスから遺伝子をもらい子孫を残し、オスもその遺伝子をメスに運ぶという役割が与えられた。どちらも重要な役割だが、メスは子孫を残すために大量のエネルギーを費やすため、オスが闘争課題を担い「コスト」のかかる作業を請け負うことで、メスも安心して子孫を残せるようになったのだ。
以下引用サイト
リンク
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■どうしてオスが必要なのか?
しかし、不思議である。もし、すべての個体がメスであれば、ペアになったどちらもが子孫を残すことができる。つまり、子孫の数は倍になるのだ。それなのに、どうして子どもを産むことができないオスという存在があるのだろうか。
じつは「どうしてオスが必要なのか?」というあまりに素朴な問いに対する明確な答えは、残念ながら出ていない。それでもしかし、世の中には「オス」が存在している。きっと、オスは確かな存在価値を持って存在しているはずである。男性の皆さんは、せめて、そう思うしかないだろう。
生物に二つのグループが作られたとき、最初からオスの個体とメスの個体とが作られたわけではない。もともと生物に作られたのは、生殖細胞としてのオスの配偶子とメスの配偶子である。配偶子は大きい方が栄養分を豊富に持つことができるから、生存に有利である。そのため、大きい配偶子は人気がある。大きい配偶子とペアになることができれば生存できる可能性が高まるからだ。
ただし、大きければ大きいほど良いというわけではない。配偶子が大きくなると、移動しにくくなってしまうのだ。遺伝子を交換して、子孫を残すためには、配偶子同士が出会わなければならないから、これでは都合が悪い。もっとも、人気のある大きな配偶子は、他の配偶子の方から寄ってくるから、そんなに動く必要はない。それでは、大きさに劣る配偶子はどうすれば良いだろうか。
ただ、待っているだけでは、人気のない配偶子はペアになれないから、自らが動いて、他の配偶子のところに行かなければならなくなる。移動するためには、大きな体よりも小さな体の方が有利だ。そこで、一方の配偶子は逆に体を小さくして移動能力を高めた。
こうして大きな配偶子は、より大きくなっていくし、小さな配偶子は、より小さくなっていく。こうして体の大きいメスの配偶子と体の小さいオスの配偶子が生まれたのだ。ちょうど卵子と精子のようなものだ。
オスの配偶子が、体を小さくすると、生存率は低くなってしまう。しかし、他の配偶子に負けないように移動しなければ、ペアになることはできないから、オスの配偶子は移動能力を優先して、メスの配偶子の元に遺伝子を持って駆け付けるだけの存在になった。こうして、遺伝子を運ぶだけのオスの配偶子と、遺伝子を受け取って子孫を残すメスの配偶子という役割分担ができたのである。
やがて、オスの配偶子のみを作る「オス」という個体と、メスの配偶子のみを作る「メス」という個体が発達した。こうして、子孫を産むことのない「オス」という特別な存在が誕生したのである。どんなに強がって虚勢を張ってみても、生物学的にはオスはメスのために作られた。これは紛れもない真実である。本稿はずっと「男と女」と書いてきたが、本当は「女と男」なのだ。
■すべてはメスのため
生物にとって子孫を残すことがもっとも大切であるとすれば、やはりメスの方が大切である。メスは子孫を残すために莫大なエネルギーを必要とする。これに対して、オスが繁殖に必要とするエネルギーは、メスに比べるとずっと少ない。そのため、オスは余ったエネルギーを使って、メスをサポートするようになったのである。
たとえば、オスは外敵と戦ってメスを守り、メスが安心して子孫を残せるようにする。あるいは、オス同士が戦い合うこともある。しかし、これも、強いオスを選ぶメスの手間を省いているのだ。メスは子孫を残すために、コストのかかる作業をすべてオスに任せているのである。
単独で子孫を残すことのできないオスは切ない。クジャクのように必死にメスにアピールするものもいれば、シカのオスのようにメスを巡って争い合うものもいる。ハーレムを作るゾウアザラシは、うらやましく思うかも知れないが、ハーレムを守るために神経をすり減らし、寿命が短くなってしまうというから切ない。
これもそれも、すべてはメスのためなのだ。男と女というのは、時間もコストも掛かる面倒くさいシステムである。しかし、男と女は生物の進化が創り出した発明だ。そして、男と女は、多様性ある子孫の残すためのものだった。それは、言いかえれば個性ある子孫と言っていい。
そうして苦労して手に入れた個性なのに、人間は、型にはめようとしたり、成績で比べようとしたり、と個性を失くそうと懸命なのが面白い。世の中に男と女がいる。そして、さまざまな個性がある。本当はそれだけで、十分に楽しく豊かなことなのである。
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西本圭

男?女?それとも…?一生に1つとは限らない性別の不思議

人間は生まれる前から性別が分けられている。ほかの動物はどうなっているか?
人間の性別は遺伝子によって決まるが、他の動物もそうなのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー引用ーーーー
リンク
私たちヒトは、遺伝子によって性別が決まります。これはヒトだけでなく犬や猫などの哺乳類や、ハトやニワトリなどの鳥類も同じ仕組みです。
しかし生き物の中には、私たちとは全く異なる仕組みで性別が決まる動物がたくさんいることを知っていますか?今回はそんな面白い仕組みを持つ動物たちをご紹介します。
卵の温度で性別が変わる!?
カメの多くは卵の中にいる時は性別がないって知っていましたか?卵のあいだに過ごした環境の温度によって、オスになるかメスになるかが決まります。
この仕組みはワニやトカゲなど他の爬虫類にも見られます。このように温度によって性別が決まる仕組みを「温度依存性決定」と言い、恐竜が絶滅したのは隕石衝突による気温の変化でオスしか生まれなくなったせいという説もあります。
生まれた後にも変更可能!?性転換する魚たち
魚の性別の決まり方は種類によっていろいろあります。ヒトと同じように遺伝子で性別が決まる種類、カメのように気温で性別が決まる種類・・・そしてなんと、生まれた後に性別が変わる種類もいます!
例えばクマノミは、なるべくたくさん卵を産めるように、群れの中の一番大きな個体が唯一のメスになり、二番目に大きな個体がオスになります。このメスが死んだ場合、群れの中で一番大きいオスがメスに変化します。
他にも、体の大きさで性別が変化したり、メス同士の戦いに勝った方がオスに変化するなど、さまざまな性別の決まり方があります。
このように周りの環境にあわせて性転換することで、絶えず子孫を残せるようにしているのかもしれません。
男でもあり、女でもある。どっちにもなれるお得な生き物!
命を「男」と「女」だけに分けるなんてナンセンス。一つの花の中におしべとめしべがある植物のように、両方の役目を持つ動物がいても良いと思いませんか?
実はいるんです!雨上がりのアジサイで出会える可愛いぐるぐる巻き、カタツムリ。
カタツムリは男でもあり女でもある「雌雄同体」なので、どちらの役割も果たすことができ、性別に関係なく繁殖することができます。




匿名希望

2018年10月 5日 (金)

寄生虫の感染では、宿主と寄生虫の両方がカンナビノイド分子を産生する1/2

In Deep 【リンク】からの転載です。
寄生虫が人類と共存していたという研究発表。興味深い記事です。
転載開始
寄生虫は、その宿主の痛みや炎症を軽減させることによって自らが生き残るために役立つ可能性のあるエンドカンナビノイド系を持っていることが、学際的な研究チームにより発見された。
米カリフォルニア大学リバーサイド校の研究チームによる新たな発見によると、哺乳動物と同様に、寄生虫はエンドカンナビノイド系を持ち、これは宿主(寄生虫に感染した人や動物)の痛みや炎症を軽減することにより、感染する宿主と寄生虫に共に役に立っていると考えられることがわかった。
マウスで行われたこの研究は、エンドカンナビノイド系に関連する細胞シグナル伝達経路を同定することが目標であり、そのエンドカンナビノイド系は寄生虫感染の排除または寄生虫に感染した結果としての成果を目的とした治療法を開発できる可能性を持つ。
エンドカンナビノイドは、免疫、行動、およびニューロンなどいくつかのプロセスを調節するために私たち自身の体内に自然に作られた大麻成分様の分子だ。大麻と同様に、エンドカンナビノイドは摂食行動を強化し、疼痛および炎症を軽減する。
今回の共同研究の責任者であり、カリフォルニア大学リバーサイド校の生物医学の助教授ニコラス.V.ディパトリツィオ(Nicholas . V . DiPatrizio)氏は、以下のように述べた。
「寄生虫に感染すると、宿主の腸は、これらの大麻様分子を、痛みの反応を抑えるためのセーフティネットとして作り出していることがわかったのです」
「私たちが今回発見したのは、寄生虫も感染過程全体を通じてこれらの天然のカンナビノイドを生産しており、特に寄生虫が皮膚に浸透したときに宿主の痛みへの反応を軽減することでした」
調査結果は医学誌「ジャーナル・インフェクション・アンド・イミュニティ( journal Infection and Immunity)」に掲載された。
研究者のひとりであるカリフォルニア大学リバーサイド校の生物医学助教授ミーラ . G . ネアー(Meera G. Nair)氏は以下のように言う。
「これまで寄生虫感染症のエンドカンナビノイドについての調査はされませんでしたが、寄生虫の感染後に宿主の体内のエンドカンナビノイドが上昇し、宿主の身体から排出すべき寄生虫を排除することにも貢献していることが判明したのです」
「これは、以前は私たち医学者が知らなかった寄生虫の感染の中で働く人体の保護経路なのです。寄生虫は、宿主に摂食行動を増やすようにし、つまり食べ物を増やすように促し、炎症や痛みの原因となる組織損傷を減らすことができるようになるのです」
エンドカンナビノイド系はすべての哺乳動物に存在するが、最近の研究は、それがより原始的(太古の時代から存在するシステム)であるかもしれないことを示唆している。
確かに、ある研究は、黒トリュフキノコが、トリュフを食べて胞子を分散させるトリュフ豚を誘引する機構として、エンドカンナビノイドの一種であるアナンダミドを作る可能性があると報告している。
寄生虫として知られる線虫「カエノラブディティス・エレガンス」は、その摂食を調節するために働くことができるエンドカンナビノイド系を有する。
エンドカナビノイドの研究にも詳しいパトリツィオ氏は、以下のように述べる。
「このエンドカンナビノイドのシステムは、疼痛反応を抑制することが知られています。寄生虫に感染すると、帰省された宿主の腸は、これらの大麻様分子を、おそらく疼痛反応を抑制するためのセーフティネットのような意味で生成しています」
「私たちが今回発見したのは、寄生虫自身もまた、感染過程を通してこれらの天然カンナビノイドを生産しており、特に寄生虫が皮膚に浸透すると、宿主の疼痛応答をさらに弱め、痛みを軽減するのです」
(※ 訳者注 / これは、人に痛みや炎症がある場合、人体の中でもカンナビノイドの働きによって痛みを軽減するメカニズムがあるのですが、寄生虫に感染すると、その寄生虫のカンナビノイドの効果が加わり、さらに痛みと炎症が軽減される作用を高めるという意味だと思われます)
そして、パトリツィオ氏は「これは、体内の生存促進シグナルの伝達経路であり、寄生虫感染の治療において、治療上の利点を有する可能性があります」と言う。
この論文の共同執筆者である寄生虫学者アドラー . R . ディルマン(Adler R.Dillman)氏は、蠕虫(ぜんちゅう)が自らの体内に大麻のような分子を自然に産生していることに驚いたという。
続く



匿名希望

寄生虫の感染では、宿主と寄生虫の両方がカンナビノイド分子を産生する2/2

In Deep 【リンク】からの転載です。
続きです。
 
ディルマン氏は以下のように述べる。
「私たちは、寄生虫が自らの体内に大麻様の物質を産生しているというこの発見にとても驚きました」
「そして、この研究で調べたほとんどすべての虫(線虫、蠕虫などのいわゆる寄生虫)にエンドカンナビノイドのシステムが存在することを考慮しますと、その経路は膨大な数の種に渡って進化的に保存されていると考えられます。つまり、体内の古い、そして重要なシステムなのです」
カリフォルニア大学リバーサイド校にあるディルマン氏の研究室では、ラットの胃腸に寄生し、広く研究されている寄生虫である N. ブラシリエンシス(N. brasiliensis)がエンドカンナビノイド、特にアナンダミド(人間などの体内でも産生されるカンナビノイド)を産生することを発見している。
今回の研究により、このシステムは、ヒトに寄生する最も一般的な蠕虫である回虫および鉤虫を含む多くの寄生線虫内で保存されていることが明らかになった。
ネアー氏にとっては、これがチームの「最も刺激的な発見で、そして最大の発見」だという。
ネアー氏は以下のように言う。
「これらの寄生虫のカンナビノイド・システムはヒトの行動、痛みの軽減に大きな影響を与えている可能性があり、それは寄生虫と宿主の双方に影響を与え合っている可能性があるのです。このカンナビノイド系が存在しなければ、感染した宿主は、より大きな負担を担うことになるでしょう」
実際に、研究室でのマウスでの実験では、寄生虫のこのカンナビノイド系の経路を遮断すると、体調がより悪化してしまった。
「私たちの現在の研究は鉤虫に焦点を当てていますが、現在、他の蠕虫を調査する準備が整っています。 宿主と寄生虫がエンドカンナビノイドを誘発し、それにより宿主の組織の炎症が軽減され、摂食行動が改善されるかどうかを調べるのです」
「寄生虫は宿主の栄養素を枯渇させるので、それが摂食改善の状態を引き起こすということは理にかなっています」
また、ネアー氏はさらに次のように語った。
「抗炎症性エンドカンナビノイド系は、鉤虫感染症だけでなく、セリアック病および炎症性腸疾患の治療のための可能性についても洞察されています」
ディルマン氏は、寄生虫がヒトのカンナビノイド系を、胃腸機能を含む多数の病理および行動において支配していると述べる。そして、これまで、寄生虫がこのエンドカンナビノイド経路を操作していることを誰も知らなかったことを強調した。
そして、ディルマン氏は以下のように言った。
「私たちの研究は、私たちが当初追求しようとしていたことより興味深い研究課題を引き起こすことになっています。これは将来的に有望な治療につながる可能性があります」
この研究は、アメリカ国立衛生研究所からの 275,000ドル(約 3000万円)の助成金によって支えられており、カリフォルニア大学リバーサイド校が追加の支援を行った。
以上転載終了




匿名希望

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