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2018年11月

2018年11月30日 (金)

生物は反エントロピープロセス~エネルギーの発散と収束

万物は、自然のままにほっておくと、そのエントロピーは常に増大し続け、外から故意に仕事を加えてやらない限り、そのエントロピーを減らことはできない。これが「エントロピー増大の法則」です。(エネルギーの分散化ともいえる)
しかし、一方では、エネルギー(電磁波の塊)が収束すると、物質化して、単純な無機物質から複雑な有機物質(アミノ酸等のタンパク質)→単細胞(生命体)そして多細胞へと反エントロピープロセスが進んでいく。(エネルギーの収束化)
その生命の進化の歴史を映像化したYouTubeがありましたので転載します。
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全地球史アトラス
 
第1章「地球誕生 」リンク
45億6700万年前、太陽系誕生ののち、45億6000万年前ごろまでに原始地球が誕生、そして、45億5000万年前には月ができました。この時の地球には、まだ海がなく、無大気・無海洋の裸の惑星でした。地球表層はマグマオーシャンの固化によってできたアノーソサイトを主成分とする原初大陸に覆われていました。
原始地球と同じ公転軌道上にあった火星サイズの天体衝突により、宇宙空間に舞ったちりから月が生まれた「ジャイアント・インパクト説」
第2章「プレートテクトニクス」
リンク
43.7-42.0億年前のあいだに、無大気・無海洋の地球に多数の氷惑星が降り注ぎ、水の成分が付加されました。その結果、地球にはじめて大気・海洋が誕生し、プレートテクトニクスが機能し始めました。しかし、冥王代の原始海洋は猛毒海洋で、生命が誕生できる環境ではありませんでした。
第3章「原始生命誕生」
リンク
生命の誕生への第一歩は、大陸内部の地下にあった自然原子炉間欠泉内部で起こりました。生命の構成要素は、自然原子炉からのエネルギーによって、間欠泉内部で絶え間なく無数に作り出され、それらが外部共生しながら原始生命体へと進化しました。




岸良造

生物は反エントロピープロセス~エネルギーの発散と収束(その2)

続き
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第4章「生命進化の第1ステージ」 
リンク
自然原子炉間欠泉で誕生した第一次生命体は、間欠泉の定期的な噴出によって冥王代表層環境へと運ばれました。そこでは太陽エネルギーを利用しながら生き延びる機能を身につけた第二次生命体が誕生しましたが、猛毒の海にさらされると次々と死滅していきました。しかし、その猛毒にも耐えうる機能を備えた生物が誕生しました。それこそが動植物の祖先である第三次生命体である原核生物でした。
第5章「生命進化の第2ステージ」
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始めての光合成生物は、酸素を出さない嫌気性細菌として始まったが、やがて生命は猛毒である酸素に耐え、利用する仕組みを生み出しました。こうしてシアノバクテリアが生まれました。27億年前ごろになると、地球の冷却に伴って上部マントルと下部マントルが入れ替わるマントルオーバーターンが起きました。
第6章「生命進化の第3ステージ」
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23億年前、天の川銀河と矮小銀河の衝突は超新星爆発を引き起こし、太陽のヘリオスフェアが縮退したため、地球は大量の宇宙線を浴びました。宇宙線は雲核生成作用を起こし、地球は雲で覆われたため、太陽エネルギーが地表に届かなくなりました。この結果、地球は全球凍結に陥り、生命が大量絶滅を起こしました。しかし、この極限環境を生き延びた原核生物たちがいたのです。彼らは、内部共生をさらに拡大し巨大化していきました。こうして、真核生物が誕生したのです
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その3へ




岸良造

2018年11月24日 (土)

「生物と非生物の境界」は非常に曖昧で、密接に繋がっている。

現在の生物学では、近代思想の破綻、そして新事実から、「自然界は、すべての物に意思があり、密接に繋がり、共存しているとする『人類古来の自然観』」に回帰するのではと考える。
リンクから転載
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【生物と非生物の境界、ウイルスとは何か】中屋敷均 / 分子生物学
 
世に多くある「境界」の中でも、人にとって最も冒しがたく明確な境界というのは、「生」と「死」の境界であろう。「生きている」ことと「死んでいる」こと、あるいは「生物」と「無生物」。その間には相互の往来が不能な絶対的な境界があると、思われがちである。しかし、結論から言えば「生物」と「無生物」の境界は、一般に思われているよりはるかに曖昧なものだ。その曖昧さを生み出している存在の一つが、本稿の主役、ウイルスである。
 
「ウイルスが生きている」のは、当たり前という感覚は、やはりウイルスが私たちに病気をもたらす存在であるからだろう。ウイルスは、インフルエンザやエイズに代表されるような様々な感染症を引き起こす存在であり、コレラ菌とかペスト菌とかと同じような微生物の一種と思われがちである。「生きてもいないものが、どうして感染症を引き起こすのか?」というのは、自然な感覚である。
 
一方、「“ウイルスは生きている”とは、挑戦的な」というのは、生物学の世界では一般にウイルスは「非生物」と扱われており、その常識に反しているからである。「ウイルスは生物ではない」と書かれている教科書で生物学を学んだ人も多いはずだ。
 
さて、一体、ウイルスは生物なのか、非生物なのか?その本題に入る前に、まずウイルスとはどんなものか、簡単に紹介したい。ウイルスが、生物学で生物とされない最大の理由は、「細胞」という構造を持たないからである。
 
細胞は、元々「小部屋」を意味する言葉に語源があるが、細胞膜という薄い膜に囲まれた構造をしている。生物は、その膜による囲いの中に「自分の部屋」のような空間を作り出し、生存に必要なエネルギーの産生、物質の代謝や遺伝子の複製といった様々な化学反応に適した環境を作り出している。また、細胞は一般的に増殖の単位でもあり、この細胞が分裂することで、自分の子孫(コピー)を生み出す。このように細胞という構造は、増殖や代謝といった生物の基本的な性質を支える非常に重要な役割を果たしている。
 
一方のウイルスであるが、大掴みで言えば、ウイルスはその細胞から遺伝子が飛び出し、キャプシド(注1)というタンパク質からなる殻を被って、一人で放浪しているような存在である(図1)。キャプシドタンパク質も遺伝子である核酸も比較的単純な物質であり、高度に純化すれば、ウイルスは鉱物のように結晶化してしまう。
 
(注1)「キャプシド」
ウイルス核酸を包む殻のこと。複数のキャプソメアと呼ばれるたんぱく質の集合体で出来ている構造である。ウイルスの種類によって、キャプシドの形は変わる。
 
また、ウイルスは自分の部屋を持っていない。だから一人ではエネルギーの生産も代謝もできず、どこかに居候させてもらえないと生きていけない。まるで「家なき子」のような存在である。このようなウイルスは、普通に考えると、教科書が教えるように、一人前の生物だとは思えない。「ウイルスは非生物」という生物学の常識は、このように確かに根拠のあるものである。
 
しかし21世紀になり、その生物学の常識が大きく揺らぎ始めている。その揺らぎは、異なった二つの方向からの発見が震源となった。一つは、他人の部屋に「犬小屋」のような部屋を持ち込んでいる生物が見つかったことである。
例えばカルソネラ・ルディアイというキジラミ(注2)の細胞内に共生している細菌では、独立して生きていた時には4,000個程度の遺伝子を持っていたと考えられているが、現在ではわずか182個の遺伝子しか持っていない。基本的な環境は母屋の方で整えてくれるので、自分の小屋には冷暖房も要らないし、食事も母屋から出してもらえるので台所も要らない。着る服まで借りるといった有様である(注3)。そんな彼らは、当然もう母屋から出て自力で外で生きていくことは出来ない。完全無欠の引きこもり、ニート状態である。では、そんな「ニート」と「家なき子」と、一体何が違うのか?お互い遺伝子は持っているが、母屋に頼りきりで居候しているのは一緒ではないか?
(注2)「キジラミ」
アブラムシ(アリマキ)に近縁の半翅目キジラミ科昆虫の総称。体長1~4mmほどの微小昆虫であり、幼虫は植物から吸汁して成長する。
 
(注3)カルソネラは、生命活動に必須と思われる非常に多くの代謝系の遺伝子セットの一部、または全部を失っている。代表的なものだけでも、遺伝子の複製、転写、翻訳などに関与する遺伝子、また細胞膜の合成酵素やエネルギー生産に必要なTCA回路の遺伝子等、多岐にわたるものが挙げられる。これらはすべて宿主の遺伝子あるいは代謝系を借りることで生存していると考えられている。
 
そしてもう一つ、その境界を揺るがす激震だったのが、巨大ウイルスの発見である。「ウイルスは遺伝子が細胞から飛び出したような存在」と上述したが、それはそれまで知られていたウイルスの大多数が、生物と比べると非常に単純な姿・形をしており、遺伝子も数個から十個程度で構成されていたからである。
 
しかし、2003年に報告されたミミウイルスを筆頭とする巨大ウイルス達では、保有遺伝子の数がなんと4桁の大台を突破し、最大2,500個ほどに達した。
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岸良造

2018年11月22日 (木)

シアノバクテリアが太陽光の届かない地底に存在していた

シアノバクテリアは最古の生物の一種であり、数十億年前から地球上に存在していました。海洋等で太陽光を利用して光合成を行い、地球上に多くの酸素をもたらした生物です。
これまでに発見されたシアノバクテリア(の痕跡)は、太陽光が届く場所でしたが、新たに地下600m超の場所で発見されました。
この地底生息のシアノバクテリアは光合成を行う構造を持っていませんでしたが、水素電子のなかったようですが、これらが上方へ進出して光合成能を獲得し、地球環境を大きく変えた可能性があります。
◇光合成を行うはずのバクテリアが太陽の光の届かない地底で発見され科学者が驚愕
<Gigazine>より
////////↓↓転載開始↓↓////////
光合成によってエネルギーを生産すると考えられてきた微生物が、太陽の光が届かない地底深くから発見されました。定説をくつがえす「ありえない」発見に、科学者からは驚きの声が上がっています。
シアノバクテリア(藍色細菌)は最古の生物の1つで、数十億年前から地球上に存在していることが確認されています。シアノバクテリアは太陽の力を使って二酸化炭素を糧に成長して酸素を放出し、地球を酸素の豊富な惑星にするという大きな役割を果たしました。
2018年の時点で、シアノバクテリアは砂漠から海洋までさまざまな場所で発見されていますが、これまでに発見された場所はいずれも「太陽の光が当たる場所」でした。太陽の光の届かない地底でシアノバクテリアが発見されたという報告には、多くの科学者が驚いています。
スペイン南西部のイベリア半島にある「イベリア黄鉄鉱帯」と呼ばれる地域の地下には豊かなエコシステムが存在するということは、これまでの調査で研究チームが報告していました。2度目の調査で、これまで足を踏み入れなかった場所が調べられたところ、地下613メートルで研究者が予想していなかったシアノバクテリアが発見されたとのこと。研究者が持ち帰ったサンプルの中でシアノバクテリアは最も多く存在した有機体だったそうです。多くの場合、このような地底では目を持たないfanged crustaceanやBlind Cavefishなどが生息しています。
研究者がサンプルを調べたところ、地底に生息するシアノバクテリアは地上に生息するシアノバクテリアと生物学的にあまり違いはないことが判明。ただし、エネルギーを生成するプロセスは異なり、地底のシアノバクテリアは光合成を行う構造を持ちません。地底のシアノバクテリアの多くは水素が豊富な場所に集中していたことから、これらは水素電子を地底のさまざまな場所に運ぶことでエネルギーを得ているのではないかと研究者はみています。
遺伝子解析の結果、地底のシアノバクテリアの祖先は太陽光がほとんど届かないような洞窟の奥深くなどに存在した可能性が示されたとのこと。研究者は今回の発見について「これまで知られていなかったシアノバクテリアの生態的地位は、彼らの起源と進化に関する研究への道を開きます」と語っており、「火星など地球以外の星で生物が存在できたのはなぜか」といった疑問点の理解の助けになるとしています。
////////↑↑転載終了↑↑////////




稲依小石丸

2018年11月20日 (火)

なぜ哺乳類と鳥類は大きな脳を進化させることができたのか? -ビッグデータが解明する脳サイズ進化の謎①

■脳サイズ進化の謎
ヒトを含む哺乳類と鳥類は、同じ大きさの魚類や両生類と比べておよそ10倍~20倍大きな脳を持っています。哺乳類と鳥類のなかに高い学習能力や社会性を持つ動物が多く見られるのは、このように大きな脳を持っていることと関係しています。
体のわりに脳が大きく進化する現象は「大脳化」と呼ばれています。大脳化は高度な認知能力とそれに付随するさまざまな行動を可能とするため、いろいろな環境下で生存・繁殖上の利益をもたらすと考えられています。こういった適応的側面だけを考えれば、すべての脊椎動物に大脳化の機会があったと考えるのが自然です。しかし、大脳化はごく少数の例外を除いて哺乳類と鳥類でしか生じていません。なぜ、哺乳類と鳥類だけが大脳化に成功したのでしょうか?私たちはこの謎に迫りました。(リンク)
■アロメトリーと進化的制約
体の大きさはさまざまな生命の営みと密接な関係を持っています。体重をx、対となる指標をyとすると
y=axb
の式で寿命・行動圏・代謝の速さなど、さまざまな生命活動のサイズ依存性を記述することができます。この関係をアロメトリーと呼びます。アロメトリーは、本川達雄著『ゾウの時間ネズミの時間(中公新書)』でわかりやすく説明されているため、読者のなかにもご存知の方がいるかもしれません。
脳重量はアロメトリーを示す典型的な例です。この場合、xは体重、yは脳重、係数aは体重が仮に1gであったとしたときの脳重、指数bは一定の体重増加に対する脳重(以下、脳サイズとします)の増加率をそれぞれ表します。これまで古今東西の生物学者が、さまざまな動物で脳サイズのアロメトリーを記述してきました。その結果、どんな分類群で脳サイズのアロメトリーを求めても指数bはおよそ0.67から0.75の間の値を取ることがわかりました。
動物の住む環境が変わって大きな脳サイズが有利となる状況が生まれたとしましょう。この場合、自然選択の対象は脳サイズですから、体の大きさを変えることなく脳の大きさだけが進化するのが自然な帰結に思えます。ところが、実際はそうなっていません。脳サイズのアロメトリー指数がどんな動物でも似た値であることは、脳サイズ進化には決まったやり方があって、動物の脳サイズが進化するときは大抵体サイズも一定の割合で一緒に進化しているということを意味しています。
この現象を適応とは逆の視点から考察すると、もし大きな脳サイズが適応的となる状況が生じても、大きな体を進化させることのできない理由が他にある場合、脳サイズは進化しなかったのだろうと考えることができます。このように、適応進化を制限する要因は「進化的制約」と呼ばれています。
~②へ~




A.i

2018年11月12日 (月)

40億年前の地球は生命誕生の「温床」だった~地球のタイムカプセル「ジルコン」から探る生命の起源~

地球上の最初の生命誕生はどのような環境で起こったのか。
参照記事にあるジルコンという鉱物は初めて知ったが、同位体を持つケイ素と酸素から構成されるこの物質が、初期の生命起源の温床となった可能性があるという。
リンク
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 40億年前の地球はどんな姿をしていたのだろうか。そのヒントをくれるのが、ジルコン(ZrSiO4)という非常に頑丈な鉱物だ。
 ジルコン結晶は破壊することがほぼ不可能で、古いものは44億年近く前から存在する。小さなタイムカプセルとも言えるこのジルコンの中には、太古の化学的な「指紋」が残されている。「ジルコンは、わたしたちに地球の形成段階を垣間見せてくれる唯一の窓です」と、米ロチェスター大学のダスティン・トレイル氏は言う。
 9月24日付け学術誌『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に発表された論文において、トレイル氏のチームは、40億年前の地球表面が正確にはどのような状態にあったのかを明らかにした。最初の生命が誕生した環境が徐々に解明されようとしている。
●絶えずリサイクルする地球
 地球が形成された45億年以上前、表面の状態は現在とはまるで違っていたと考えられる。科学者たちが一般に考える初期の地球とは、ひっきりなしに隕石が降り注ぎ、火山からは溶岩がゴボゴボと音を立てて流れ出す、地獄のような場所だ。
 しかしこれらはすべて推測であり、地球最初期の数億年間から現在に至るまで残っている物理的な証拠は何もない。地球は究極のリサイクル・システムを持っており、プレートテクトニクス運動により、古い岩盤は絶えず新しいものとして再利用され、溶岩流が固まって新たな景色を形作っている。
 ジルコンの結晶はしかし、非常に硬いため、このリサイクル・プロセスにおいてさらされる非常な高温や高圧力に耐えることができ、その内部には結晶が最初に形成されたときの周囲の環境に関するヒントが残されている。ジルコン酸素同位体を用いたこれまでの研究では、43億年ほど前には、地表の一部を液体の水が覆っていたことがわかっている。これはつまり、地球の表面が、地球形成からわずか数億年後には冷えていたことを示唆している。そして昨年には、41億年前のジルコンから、初期の生命の痕跡とも考えられる炭素に富んだ含有物が見つかった。
 しかし、こうしたわずかな情報以外には、この時期の地球表面で生命を生み出すような化学反応が起きていたかどうかについては、ほとんどわかっていなかった。
●ジルコンに含まれる40億年前のヒント
 その答えを求めてトレイル氏のチームが注目したのが、ケイ素と酸素だ。ケイ素と酸素は、両方合わせると、今日の地球に存在する岩石のほぼ75パーセントを占める。この二つの元素にはまた、調べがいのある特性がある。ともに、同位体を持つことだ。
 岩石ができたり変性したりすると、そこに含まれる同位体の特性が変化する。よってたとえば、溶岩が冷えてできる岩と、風雨にさらされた岩から採取される粘土とでは、含まれる同位体の特性は大きく異なる。そしてジルコンは、地球初期の堆積物の特性を今も有している。
 ジルコンに含まれるケイ素と酸素を精密に分析するため、研究チームは、米カリフォルニア大学にある高解像度イオンマイクロプローブを使用した。電荷を帯びた原子のビームを微小なサンプルに当て、跳ね返ってくるイオンを計測するものだ。
 研究チームは今回の分析のために、オーストラリア西部のジャックヒルズ地域から、40億年以上前のジルコンだけを採取した。ジルコンひとつの大きさは、幅が100ミクロン、つまり人間の髪の毛程度だ。研究者らはこの古代の鉱物の化学的性質を、性質がよくわかっているジルコンと比較し、同位体の割合の違いを解釈するための手がかりとした。
●水と岩の相互作用があった
 分析にかけられた古代のジルコンの半分以上が、初期にさまざまな環境下において、水と岩の間で相互作用があったことを示していた。
 一部のジルコンには、岩が水にさらされて粘土となった化学的痕跡が見られた。このほか、融解した鉱物の痕跡を含むジルコンもあった。こうした融解鉱物は、湖や海の中で結晶化して、チャートや縞状鉄鉱床のような岩を形成する。また別のジルコンからは、蛇紋岩化と呼ばれるプロセスの痕跡が見つかっている。蛇紋岩化の過程では、水が鉄やマグネシウムの豊富な岩と反応し、水自体が鉱物組織の中に取り込まれる。
 さらに重要なことは、これらそれぞれのプロセスが、新たな環境的ニッチを生み出していた可能性があることだ。つまり、初期の生命が誕生する温床、生化学反応が起きる環境となっていた可能性が出てきた。
「これは見事な結果です」と、米カリフォルニア大学の地球科学者、エリザベス・ベル氏は言う。ベル氏は、2017年の研究において、41億年前のジルコンから生命の痕跡を発見している。今回の研究成果は、ベル氏の発見をはじめさまざまな初期地球の解釈を裏付けるものだ。「すべてがちょうどいいところに収まったという印象です」
 トレイル氏は言う。「わたしたちは今、非常に興味深い地点にいます。地球が40億年前にどんな姿だったのか、その全貌がいよいよ見え始めようとしているのです。実にわくわくしますね」
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二郎板 

2018年11月 8日 (木)

光合成する微生物を地下深くで発見-太古の地球で酸素を増やしたシアノバクテリア、暗闇の極限環境に生存の意味は?-

以下引用
(リンク)
スペイン南西部のイベリア黄鉄鉱ベルト地帯は、まるでエイリアン映画のセットのようだ。鉄を豊富に含んだ大地にさび色の湖が点在し、スペイン語で「赤い川」という意味のリオ・ティント川が、暗い色の岩石の間を縫いながら鮮やかな赤色に輝いている。だが、その足元にはさらに奇妙な世界が広がっていた。
この黄鉄鉱ベルトでボーリング調査を行い、岩石コアサンプルを取り出したところ、太陽の光も届かず、水や栄養も乏しい地下600メートル付近でシアノバクテリアが大量に見つかり、研究者らを驚かせた。シアノバクテリアは環境適応力が高く、地球上のあらゆる場所で見つかっているが、これまで太陽光がなければ生きられないと考えられてきた。この研究成果は、10月1日付けの学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表された。(参考記事:「シアノバクテリアはこんな微生物」)
「砂漠へ行っても海へ潜っても、シアノバクテリアを見つけることはできます。国際宇宙ステーションへ持って行って、生きたまま連れ帰ることだって可能です」。論文の筆頭著者で、スペインの国立生物工学センターの博士研究員であるフェルナンド・プエンテ・サンチェス氏は言う。
「見つけられなかった場所は、地下だけです」
■「博士号はもう無理だ」
スペインの宇宙生命学センターで大学院生として研究していたプエンテ・サンチェス氏は、最初からシアノバクテリアを探していたわけではない。研究チームは、岩石コアサンプルのなかから、鉄や硫黄を酸化させる微生物など、地表にいる細菌と似たような何かが出てくるだろうと期待していた。
しかし、その類のものは一切見つからず、代わりに岩の表面を覆う大量のシアノバクテリアを発見した。最初は、誤ってサンプルが汚染されたのかと思い、「博士号はもう無理だ。指導教官にめちゃくちゃ怒られる」と悩んだことを振り返る。
だが、比較用のサンプルのおかげで、微生物は汚染されて付着したのではないと結論付けられた。また、もしサンプルが汚染液にまみれたのであれば、シアノバクテリアはサンプルのどの場所で見つかってもおかしくはないが、実際は岩石の亀裂に沿ったわずかな空間に集中し、かろうじて生き延びていたのだ。
さらに、見つかったシアノバクテリアは今も生きていることが確認された。これには、細胞のなかの遺伝物質を特定できるCARD-FISH法と呼ばれる手法を用いた。細胞が死ねば、デリケートな遺伝物質はあっという間に崩壊してしまう。
シアノバクテリアが生きていることは分かったが、「ならばあんなところで一体何をやっていたのか、どうやって生存していたのかという疑問が持ち上がります」と、プエンテ・サンチェス氏は問う。
(省略)
■光合成の機能を再利用
米デラウェア大学微生物生態学者のジェニファー・ビドル氏は、今回の研究には関わっていないが、「もともと備わっている機能を大きく変えることなく適応するという、すぐれたやり方だと思います」と述べている。
一方、海洋・地下生物圏を専門とする微生物学者のバージニア・エッジコム氏は、光合成機能の再利用はそれほど意外なことでもないと語る。厳しい環境にすむ微生物は、生存するために高い適応能力を持っていなければならない。エッジコム氏もまた、研究には関わっていない。(参考記事:「海底下1万mに生命か、深海の火山から有機物」)
「有り金をすべて1カ所に投資するのはよくないのと同じです。制限された条件や、予測不可能な状況では、手に入るものを利用できるようにしなければ、生きていくのは難しいでしょう」
ビドル氏もエッジコム氏も、過去に地下から採取したコアサンプルのなかにシアノバクテリアの痕跡を認めたことはあるものの、何かの汚染で入り込んだのだろうと思って詳しく調べたことはなかったという。
「この研究が発表される前は、地下生物圏サンプルのシアノバクテリアが汚染されたものではないことを示す有力な証拠はあまり存在しませんでした」と、エッジコム氏は言う。
■火星に存在の可能性は
プエンテ・サンチェス氏は、地球外生命体の探査にもこの研究が役立つかもしれないと期待する。特にリオ・ティント川周辺は鉄や硫黄が豊富で、火星の環境に似ているといわれている。
この研究は生命の適応力の高さを裏付け、破壊的な放射線にまみれている火星の地表を避けて地下に生命が息づいている可能性を示唆している。2020年には、火星で生命の痕跡を探すために欧州宇宙機関のエクソマーズと、NASAのマーズ2020が打ち上げられる。どちらも、太古の微生物の痕跡を探す目的で岩石コアを採取するドリルを搭載しているが、もしかするともっと最近の生命の痕跡も発見できるかもしれない。
「火星にシアノバクテリアがいると言っているわけではありません」と、プエンテ・サンチェス氏は言う。ただ地球外にどんな生命体が発達し、生存できるかについて、今よりももっと思考を広げて考えるべきだと話す。
「地下や火星などの極限環境でも、生命は存在しうるということです」




穴瀬博一

2018年11月 7日 (水)

永久凍土から3万年前の巨大ウイルスが復活

記事によりますと、巨大なウイルス(長さ1.5マイクロメートル、それは小さな細菌のサイズに匹敵)が、シベリアの永久凍土の地下30メートルで感染性を保持したままの状態で発掘されたようです。
この巨大ウイルスの1つであるマルセイユウイルス(Marseillevirus)を発見した、フランス国立科学研究センターのChristelle Desnues博士によると、巨大なウイルスのほとんどはアメーバをターゲットに感染するようです。
ロシア永久凍土の採掘から、感染性が保持されている多くの古代のウイルスが解凍された場合、その中には、おそらく人間の健康に脅威を与える可能性があるものが含まれることを懸念しているとも言われています。
未知のウイルスですね。
また、昔からよく知られるウイルスに関しても、近年猛威を振るい、人に感染しては致死させるという症例が後を断ちません。
最近では「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」という通称『人食いバクテリア』感染が増加傾向にあるとか。
詳細はこちら↓
劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは
劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、きわめて致死率の高い感染症であるとされ、子供から大人まで広範囲の年齢層に発症し、特に30歳以上の大人に多いのがひとつの特徴であるようです。
で、劇症型溶血性レンサ球菌感染症について3年前のニュースに、
 
「人食いバクテリア」患者263人 過去最多
(現在記事元は削除されています)
当時の記事によりますと、
急激に手足が壊死し、死に至ることがある「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者が1999年以降で最も多くなっているということです。
「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」は、主に溶連菌と呼ばれ、手足の筋肉が急激に壊死し、多臓器不全などを引き起こし、 致死率はおよそ30%にのぼり、「人食いバクテリア」とも呼ばれます。
都道府県別(2014年)では、東京が41人、神奈川が19人、愛知が18人などとなっているとのこと。
 
永久凍土から未知のウイルスが発見される可能性はあるかもしれません。
それが生物を死に至らしめるものだとしたら。
引用元:リンク



匿名希望

2018年11月 4日 (日)

腸細胞にもシナプスが存在する可能性~腸は「第二の脳」ではなく、脳をも支配している「第一の脳」かも知れない

腸は「第二の脳」と呼ばれ、脳と脊髄からなる中枢神経系から独立した腸管神経系を持つことが知られますが、最近ではそれだけでなく脳の発達や行動にまで関係があることが明らかになってきています。
しかし、「第二の脳」と呼ばれる腸からの信号が、脳へ伝わるしくみについては明らかになっておらず、血中のホルモンがこの伝達を間接的に担っていると予測されていましたが、最近の研究でホルモンよりももっと直接的かつ迅速な方法で行われている可能性が示されました。
腸から脳への情報伝達は、血中のホルモンを通じて時間を掛けて行われるだけではなく、腸細胞のシナプスがある種の神経回路と接触し、神経伝達物質がメッセンジャーとなって、瞬時に信号を脳へ伝達しているようです。
腸は「第二の脳」ではなく、脳をも支配している「第一の脳」なのかも知れません。
以下、『「第六感」は腸から来ていた? 腸細胞にもシナプスが存在することが示唆される』リンク より転載。
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Point
・腸から脳への情報伝達は、血中のホルモンを通じて時間を掛けて行われるだけではなく、迷走神経を直接経由して瞬間的に行われることが判明
・腸細胞のシナプスがある種の神経回路と接触し、神経伝達物質がメッセンジャーとなって信号を脳へ伝達する
・研究は、脳が空腹や満腹感を感じる仕組みを知る手掛かりになるとともに、”gut feeling(腸の感覚、直感的な感覚)”の存在を裏付ける
大事なプレゼンの前に吐き気がしたり、食べ過ぎた後に頭がぼーっとしたことがある人は誰でも、腸と脳の深い繋がりを意識したことがあるのではないでしょうか。
摂食障害から糖尿病、関節炎、うつ病にいたるまで、あらゆる病気が腸から始まるかもしれないことは、今や多くの科学者が知るところです。しかし、「第二の脳」と呼ばれる腸からの信号が、どのようにして脳へ伝わるかはこれまで明らかになっていませんでした。
これまで科学者らは、血中のホルモンがこの伝達を間接的に担っていると考えていました。しかし今回、デューク大学医科大学院の研究者による研究で、腸から脳への情報伝達は、ホルモンよりももっと直接的かつ迅速な方法で行われることが示唆されました。研究はScience誌に掲載されています。
A gut-brain neural circuit for nutrient sensory transduction
リンク
研究を行ったのはデューク大学の研究チーム。マウスの腸から脳幹へ送られる信号を追跡したところ、わずか0.1秒未満で信号がシナプスを通過することがわかりました。
脳は、皮膚や筋肉の下に存在する長いシナプスを通る電気信号から、五感で受け取った情報を受け取ります。電気信号の動きは速いため、「扉を開けた瞬間に焼きたてのクッキーの香ばしい香りを感じる」という現象が起きるのです。「いつお腹を満たすべきか」が分かることは生存に不可欠なので、腸は目や耳と同じくらい重要な感覚器なのです。
これまで腸の信号伝達は、腸内の栄養に刺激を受けてホルモンが放出され、食事から数分~数時間かけて血中に入り、最終的に脳へ作用をもたらす、という段階的かつ間接的なプロセスだと考えられてきました。これは部分的には正しく、たとえば食事に含まれるトリプトファンは眠気を誘う脳内物質セロトニンに変化することで知られています。
対してボオルケス氏は、腸内の感覚細胞が、舌や鼻の感覚細胞と同じ特徴を持ち合わせていることに気づき、腸が発信する合図を脳がもっと素早く受け取る方法があるのではないかと推測しました。
研究チームはまず神経回路のマッピングを試みるため、緑色の蛍光塗料で染めた狂犬病ウイルスをマウスの胃に投与し、ウイルスが腸から脳幹に到達する経路を調べました。すると、ウイルスが迷走神経を経由して脳幹に到達することが観察されました。迷走神経が、直接の回路だったのです。
次に研究チームは、マウスの腸の感覚細胞と脳の迷走神経細胞を一緒に培養し、「腸・脳一体型」の神経回路を再現しました。すると、迷走神経細胞が感覚細胞に結び付き、信号を発し始めたのです。さらにそこへ糖を加えると、信号の速度が上昇しました。糖からの情報伝達の速度は、驚くことに0.1秒にも満たなかったのです。これはまばたきよりも速い速度です。
この発見は、感覚の伝達に関与しているグルタミン酸などの神経伝達物質が、メッセンジャーとして働いている可能性を示唆しています。その証拠に、腸の感覚細胞のグルタミン酸放出を遮ると、伝達は止まりました。ボオルケス氏は、この回路の構造や機能はヒトでも同じだと説明しています。
今回の発見は、新しい感覚についての生物学的基礎を成すでしょう。「この研究は、脳が満腹感を感じる仕組みを知る手がかりになるだけではなく、第六感としての”gut feeling(腸の感覚、直感的な感覚)”が確かに存在することの裏付けにもなります」と、ボオルケス氏は研究の意義を語っています。
研究チームは今後、腸の感覚細胞が食物の栄養素とカロリー値を識別する仕組みを解明したいと考えています。
私たちの「第六感」や「直感」は、もしかしたら腸から来ているのかもしれませんね。




斎藤幸雄

腸と脳をつなぐミッシングリンクを発見か?腸に神経伝達物質の存在が示唆される

以下リンクより
マウスを使った研究によって、腸と脳との関係についての理解が大きく進展したかもしれない。
 大切な用事がある直前にお腹が痛くなったり、ごちそうを食べた後でぼうっとしたことがあるなら、きっとあなたも腸と脳に何らかのつながりがあることをご存知だろう。
 実際に科学者らは、過剰な食欲や不振、肥満、関節炎、うつ病などのさまざまな症状が腸からまず始まっているのではと疑っている(該当記事)。
 しかし、この”第二の脳”と呼ばれる腸が、脳にどのようにしてメッセージを送っているのか明らかではなかった。
脳と腸をつなぐチャンネル解明への道
 昔は血流の中のホルモンが腸と脳の間接的なチャンネルではないかと推測されていた。だが最近の研究は、ホルモンによる伝達よりももっと直接的で迅速な伝達経路がある可能性を示唆している。
 脳は、皮膚や筋肉の下に張り巡らされている長い神経繊維を伝わる電気信号によって五感からの情報を受け取る。
 これらの信号が伝達される速度は非常に速い。そのために、家のドアを開けた瞬間に、キッチンから漂ってきた美味しそうな匂いに気がつくといったことができる。
 だが、生存に不可欠な空腹を感じる役割を担うことを考えれば、腸は五感に匹敵する重要な感覚器官と言えるというのに、これまで専門家はその信号は複数の段階を経て、ゆっくりと間接的に送られるのだと推測してきた。
 つまり食事を済ませてから数分~数時間かけて腸の中の栄養がホルモンの放出を促し、それが血中に入り、最終的に脳に知らせるというプロセスだ。
 この説は部分的には正しい。たとえば、食事に含まれているトリプトファンは、眠気を誘う脳内化学物質セロトニンに変化することで悪名高い。
腸細胞は神経回路を利用している可能性
 しかしアメリカ・デューク大学のディエゴ・ボオルケス氏らは、腸内に並ぶ感覚細胞が舌や鼻にあるものと同じような性質を持っていることに気がつき、もっと速い伝達経路があるのではないかと考えていた。
 自身のランドマーク的研究となる2015年に『Journal of Clinical Investigation』で発表された論文では、腸細胞にはシナプス(神経の末梢)が存在し、ある種の神経回路を利用していることを示唆している。
 今回の彼らの研究では、その回路のマッピングが試みられた。
 まず緑の蛍光色を付加した狂犬病ウイルスをマウスの胃に入れ、腸から脳幹までたどり着く経路を調べた。するとウイルスは迷走神経を経由していることが判明。これが脳へいたる直接の回路だったのである。
 次にマウスの腸内の感覚細胞を迷走神経と一緒に培養して、腸・脳間神経回路を再現。すると迷走神経は腸細胞に結びつき、発火して信号を生み出すようになることが確認された。
 さらにそこに糖を入れると、発火速度が上昇した。糖からの情報が伝達された速さは、驚いたことに、100ミリ秒にも満たなかった――つまり瞬きよりも速いのだ。
神経伝達物質が関与
 このことは、味や匂いなどの感覚を伝えるグルタミン酸塩のような神経伝達物質が関与している可能性を示唆している。
 それを裏付けるかのように、感覚腸細胞のグルタミン酸塩の放出を阻害すると、信号は送られなくなった。
 ボオルケス氏によれば、これは新しい感覚の基礎になる発見だという。脳がお腹いっぱいであることを知る仕組みであるとともに、第六感としての直感(英語で”腸の感覚(gut feeling)”という)が確かに存在することの裏付けにもなるそうだ。




落地独歩 

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