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2019年2月

2019年2月11日 (月)

哺乳類は腸管表面のバリア免疫機構を失うことで腸内細菌の定住を可能にした

哺乳類の消化管には多くの細菌が存在し、栄養の分解・消化・吸収作用や免疫系の発達に重要な役割を果たしています。ヒトにおいては、性格や脳の構成への影響をもたらしていることも知られています。
このような腸内細菌の腸管表面への定住は、哺乳類が無脊椎動物時代から存在した腸管表面のバリア免疫機構を失うことによって可能になったことが明らかになりました。
◇脊椎動物の腸の進化から哺乳類の腸内細菌の特殊性を解明リンク
<マイナビニュース>より
////////↓↓転載開始↓↓////////
沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、哺乳類の腸管表面の粘液層に定住する腸内細菌が、「キチン」を主要素としたバリア免疫機構を失うことと引換えに成立していること、また、それが動物進化の観点から見ると新しい存在であることが明らかになったと発表した。
同成果は、マリンゲノミックスユニットの中島啓介研究員らの研究グループによるもの。詳細は英国科学雑誌「Nature Communications」に掲載された。
ヒトを含めた哺乳類の消化管には多様な細菌が存在し、消化吸収はもちろん、神経系や免疫系の発達においても重要な役割を果たすことが知られている。こういった腸内細菌は腸管表面に定住し、粘液層の主構成タンパクであるゲル形成ムチンの糖鎖部分を消費しているとされ、この役割は多数の動物に共通しているものと考えられてきた。
一方、昆虫などいくつかの無脊椎動物において、腸管表面から分泌されるキチンナノファイバーが網目状のチューブ(囲食膜)を形成し、栄養分は通過するが細菌は通過できないという、バリア免疫機構として機能することがわかっていた。
哺乳類の粘液層と無脊椎動物の囲食膜の働きは、腸内細菌への対処や消化吸収への貢献という意味ではよく似ているものの、それぞれの動物グループで成立した別個な存在と見なされてきた。そこで、無脊椎動物の昆虫と哺乳類の間を埋める知見が得られるとの考えから、脊椎動物を対象に研究は進められた。
まず、ホヤにおいて、昆虫同様に囲食膜の存在し、これが腸内細菌に対するバリアとして機能することを確認した上で、同様の構造がナメクジウオ・ヌタウナギ・真骨魚にも存在することを確認した。
これまで、真骨魚の腸管表面は哺乳類同様に粘液層に覆われ、そこには腸内細菌が定住していると考えられてきたが、今回の研究によると、囲食膜の存在により、粘液層に直接触れることはなかったという。これに対し、哺乳類であるマウスの腸管にはキチンは検出されず、粘液層に大量の腸内細菌が定住していた。
この結果から、キチンによるバリア免疫機構は、脊椎動物にとっては祖先的な特徴に過ぎないとされ、今もなお多くの動物グループで保持されているものの、少なくとも哺乳類においてはそれは失われ、初めて腸内細菌による粘液層への定住が可能になったという説が得られるという。
研究グループは、今回の成果は、動物とその腸内細菌の共生関係がどのように成立したかという進化的な疑問への回答であるとともに、哺乳類の腸内細菌の特殊性を説明するものになるとしており、同成果が、ヒトの予防医学や、畜産や魚の養殖などの研究に役立つことが期待されるとしている。
////////↑↑転載終了↑↑////////




稲依小石丸

2019年2月 9日 (土)

植物は、特定の波長の音や化学物質を受信・発信して相互にコミュニケーションを取っている。

微生物は特定の波長の電磁波を受信・発信して相互にコミュニケーションを取っていることが知られていますが、植物も人間には感じない方法で相互にコミュニケーションを行っていることを示す記事がありましたので紹介します。
波長や物質を使ったコミュニケーションは、進化した動物だけでなく、あらゆる生物が行っている事なのかもしれません。
(そうだとすれば生物の起源に近いのかも)
リンク
より引用
●植物は動物とまったく違った音を出して会話をしている
植物も音や化学物質を使ってコミュニケーションを取っているそうだ。にわかに言われても信じがたいかもしれないが、人間には聞こえない、見えない方法で、植物は日々仲間に危険を知らせたり、栄養素をやり取りしているらしいことが数多くの研究結果からわかってきている。
ここでは「音」「地下茎ネットワーク」に焦点を当てて、植物の会話に聞き耳を立ててみようと思う。
●まったく別の進化
植物と動物はおよそ15億年前に共通の祖先から分岐して別々の進化の道を歩んできたと考えられている。光合成の能力を手に入れた植物は、定住して自給自足の生き方を選んだ結果、地球上のあらゆる環境に適応して繁栄し続けている。New Yorkerの記事によれば、陸上のバイオマスのじつに99%を植物が占めているそうで、植物の生き方がいかに理にかなったものかを立証しているといえるだろう。
地に根を下ろして動かない植物は、一見受け身で無反応のように見える。しかし、動けないからこそ、植物は自分が置かれた環境に対して能動的にはたらきかけていることが徐々にわかってきている。その感覚機能は15にものぼるそうだ。それは私たち人間にも備わっている嗅覚、味覚(空気中、あるいは自分の葉についた化学物質に反応する)、視覚、触覚、聴覚に加えて、光、水、重力、温度、土壌、栄養分、毒素、微生物、草食動物(敵)や、仲間の植物からのメッセージを感知できるそうだ。
たとえば、マメ科のつる植物はほかの植物に巻きひげを絡ませて成長する。支えになりそうな樹木がどの方角にどのぐらい離れて立っているかを正確に把握し、無駄な動きを一切省いてまっしぐらにそちらに延びていくという。「目」という器官を持たない植物が、一体どのように支柱を探しているのだろうか?
●植物は音を出し、音を聞ける
こんな仮説がある。植物はその頂部から、あるいは根の先端部分から音を出し、その反響を頼りに周りのものの位置関係を探っているというもの。コウモリも使うエコーロケーションだ。イタリアの植物学者、ステファノ・マンクーゾ氏によれば、植物の細胞は成長する際に低い「カチッ」という音を出す。この音の反響を使ってエコーロケーションを行っているとも考えられるという。
別の植物学者、モニカ・ガリアーノ氏は、精密機械を傾けてトウモロコシの根から220ヘルツの小さな「ハミング音」を確認した。さらに、同じ周波数の音をトウモロコシに聞かせると、根が音の方向へ近づいてきたそうだ。根の出す音は地中でかき消され、人の耳には聞こえないものの、植物同士のコミュニケーションに使われているのではないかと推測される。
また、こんな研究もある。甘い香りのハーブとして親しまれているフェンネルだが、じつはとてもしたたかな植物で、まわりに生える他の種類の植物に対して成長を弱める化学物質攻撃をしかけるそうだ。そんな強気のフェンネルに箱をかぶせて化学物質を遮断したうえで、そのとなりにトウガラシの苗を置いた実験では、結果的にトウガラシの成長が早まったとされる。研究者の分析では、フェンネルが出す特定の音を聞きわけたトウガラシの苗が、自分を守るために成長を早めたのではないかとみられている。
●根っこのネットワーク
さらに驚くことに、植物は根っこのネットワークを使って地中で他の植物とコミュニケーションをとっているという。それはあたかも人間が開発したインターネットの世界のように地下茎でつながり、化学物質による情報のやりとりや、栄養素の貸し借りまでが行われているとされる。そしてその情報のやりとりに役立っているのが、植物の根に宿って栄養素の分解を助ける菌類ではないかといわれている。  
森林生態学者、スザンヌ・シマード氏は、森の中のモミの木に炭素の放射性同位体を注入し、ガイガーカウンター片手に炭素がどのように広がるかを観察した。数日の間に炭素は森中に広まり、30メートル離れた木にも確認された。古い木はハブのような役割をもっており、多い場合は1本の木が47本もの植物につながっていたそうだ。
このワールドワイドウェブならぬ「ウッドワイドウェブ」により、森の一部が害虫に襲われた場合でもいち早く仲間に危険を知らせたり、炭素、窒素、水など植物に必要な要素をシェアしたりするのに活用されていると考えられる。ネットワークを通じて森全体が健康になれる仕組みは、明らかに植物同士の意図的なコミュニケーションを意味している。



田村正道

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