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2019年7月25日 (木)

生物が発電できるメカニズム

346763 深海魚は、空気の少ない深海でどのように酸素を得ているのか?を読み、発電ができる海の生物について調べると次のような記事がでてきた。深海魚が発電して酸素を得ている可能性はあるかもしれない。

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海の中の生物たちのエネルギー効率がいいことは、本特集第2週目で述べた。実は、そんな“海の生物”の中には、大きなエネルギーを生み出す「電気魚」と呼ばれる魚たちがいる。彼らの発電する電気に注目し、世界初の研究に挑む理化学研究所集積バイオデバイス研究ユニット・ユニットリーダーの田中
陽氏に現状を聞いた。

魚がエネルギー問題の救世主に?

近年注目を集めている再生可能エネルギーの変換効率は、最も効率が良い風力発電でも25%。太陽光発電に至っては10%程度でしかないとされている。言い換えれば、この変換効率の低さこそが、再生可能エネルギーの普及を阻んでいる原因の一つとも言えるだろう。

では、仮にエネルギーを創出する際に一切のロスがない、つまり電力への変換効率が100%という発電方式があったとしたら、どうだろうか?

実は2016年5月に、理化学研究所の田中
陽氏の率いるチームが、この夢の発電方式を世界で初めて生み出している。

「私たちが開発したのは、強電魚(きょうでんぎょ)の一種であるシビレエイの電気器官を使った発電機です。シビレエイの背面には長さ10cm、幅3cmの電気器官が左右に並んでおり、そこに六角形の発電細胞が1000層近く積み重なっています。一つ一つの細胞が出す電気は弱いのですが、積み重なった細胞は直列につなげた電池のようになり、強い電気を生み出すのです」

発電魚または電気魚と呼ばれる魚は世界中に十数種類が存在するが、このうちシビレエイとデンキナマズ、デンキウナギの3種は、「強電魚」に分類される。

強電魚は、シビレエイが60V、デンキナマズが300V、デンキウナギが800Vをそれぞれ最大で発電し、その電気を主に捕食や防衛時の武器として使っている。デンキウナギに至っては馬のような大型動物までも感電させてしまうという。一方、その他の「弱電魚(じゃくでんぎょ)」は、発電した電気をエサや障害物の存在などを感知するレーダー、または仲間同士のコミュニケーションツールとして使っている。

「生物が発電するというと驚かれる方が多いのですが、実はヒトを含む多くの生物は体内で発電しているのです。例えばヒトは、心臓の鼓動のリズムや脳内の情報のやりとりを電気信号によって行っています。健康診断で行われる心電図や脳波測定は、この弱い電気の異常を見つけるためのものです。

この発電の基本的な仕組みはシビレエイもヒトも同じで、ナトリウムイオンなどプラスの電気を帯びた小さな粒を、細胞から出し入れすることで電気が発生します。シビレエイに代表される強電魚は、この際の変換効率が100%という、非常に貴重な生物なのです」

強電魚が変換効率100%となるゆえんは、発電器官となる細胞の管がナトリウムイオンの分子1つが通るだけのサイズしかないからだ。管の中に余分な空気や水分が混ざり込んだり、分子がどこかに漏れてしまったりしないため、ほぼ全てのナトリウムイオンをエネルギーに変えることができるという。

「しかも、これら強電魚が持つ電気器官は、細胞がATP(アデノシン三リン酸)を作り出している限り動き続けます」

ATPとは、全ての生物の細胞内に存在するエネルギー分子のこと。細胞の増殖や筋肉の収縮、植物の光合成、菌類の発酵などにエネルギーを供給するために用いられる化合物を指し、生物体内の存在量や物質代謝における重要性から「生体エネルギーの通貨」とも呼ばれている。

従って、地球上にはほぼ無尽蔵にATPが存在するため、シビレエイなど強電魚の電気器官を発電に利用すれば、ほぼ無尽蔵のエネルギーを100%電気に変換できるという、“夢の発電機”が登場することになる。

中略

世界で初めて、生物の組織を利用した発電方式(ATP系発電システム)を開発したのは約1年半前であるから、その技術は緒に就いたばかりといえる。シビレエイを使った発電機の実験は、これまでどの程度の成果を挙げたのだろうか。理化学研究所の発表資料には、次のようなことが記されている。

実験の最初の段階。シビレエイの頭部を指で継続的に圧迫すると、0.01秒以下のパルス電流を確認。この電流はピーク電圧19V、電流8Aで、LEDを点灯させたという。

次に、シビレエイから摘出した電気器官に神経伝達物質を注入すると、1分間以上の継続電流を確認。この実験で、摘出した電気器官で繰り返し発電が可能なこと、そして最大で1日程度は発電機能が維持されることが分かった。

最後に、3cm角にカットしたシビレエイの電気器官をデバイス化し、発電の安定性、電圧・電流の増強を調べた。すると、電気器官を直列につなげたところ、ピーク電圧1.5V、ピーク電流0.25mAを達成。電力がコンデンサへ蓄電され、電池のように利用できることが確認されたそう。
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引用終わり

 

 

 

 

 

松本翔

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