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2019年8月

2019年8月30日 (金)

円偏光性の電磁波が螺旋構造を作り出す

生命体にとって螺旋構造は要を成す構造である。しかもDNAは、必ず右巻き状になるなど特定の方向性を持っている。その理由について考えてみた

地球上の生物の基本的な構成物質であるタンパク質は、アミノ酸から構成されている。アミノ酸は原子が立体的に組み合わさった分子で、左手と右手のように互いに鏡像関係にあるもの(鏡像異性体)が存在する。アミノ酸の鏡像異性体はL型(左型)とD型(右型)に分類され、自然界では通常はほぼ等量生成されることが知られている。
しかし、地球上のすべての生命体を構成する成分として,タンパクはL-アミノ酸だけからできている。
またDNAの核酸塩基も鏡像異性体を持っており、DNAはD-デオキシリボース(D型核酸)に核酸塩基とリン酸基が結合してできたデオキシヌクレオチドがつながったもの,RNAはD-リボースに核酸塩基とリン酸基が結合してできたヌクレオチドがつながったものだ。
 
この様に核酸とアミノ酸は逆の鏡像にあり、
RNAの成分はD-糖で、タンパクはL-アミノ酸からできているから,タンパク合成の原料であるアミノ酸のDとLを簡単に見分けてL-アミノ酸しか受け付けない。RNAを元にアミノ酸タンパクが作られるので鏡像関係としては逆になるようだ。しかし、いずれにせよ片方の鏡像しか使われていない。

この鏡像体が一方しか使われない理由は長年の謎だったが、最近、星・惑星の誕生領域の赤外線が、周辺の磁場などの影響により、螺旋運動を伴う円偏光という赤外線(電磁波)として複数の場所から観測された。その影響範囲は、太陽系の600倍にも及ぶらしい。

この、円偏光の赤外線(概ねテラヘルツ波で生物にとって重要な電磁波)の中では、アミノ酸は片側だけ(方向が合えばL型)優位になることがわかってきた。これらから、宇宙を漂ってきた隕石内で発見されたL型アミノ酸が生物誕生に関係しているという説がで登場している。つまりこれは、生命にとって重要な宇宙の電磁波を受け取るためには、特定の鏡像が必要であることを意味する
リンク 

更に、この電磁波説を補強するばかりか、円偏光した電磁波が螺旋構造を作り上げるということを示すと思われる実験結果が最近発表された(東京大学)

筒状のカーボナイトナノチューブ分子が、螺旋構造となり円偏光性(円偏光した光を効率よく吸収し強く発光する)を示したのである。 

この炭素と水素からなる筒状分子(カーボンナノチューブ分子)が、円偏光の電磁波を吸収することで二重のらせん階段状に組み上がる(テスラコイルの形)。そして、この二重らせんが形づくられる際、筒状分子の右手性・左手性が、らせん階段の左巻き・右巻きを決定している。二重らせんのような高次な集積構造は、核酸分子やたんぱく分子などにおいて自然界ではよく見られるが、炭素と水素のみからできている分子(炭化水素)では見つかったことがない。
なぜらせん形状の形成が促されたのか?その秘密は、「筒状構造」にある。光という電磁波を分子に照射すると、その分子の上にある電子がわずかに動くことで光を吸収・発光する。この電子のわずかな動きは、「筒状分子上で回る」かたちになる。その結果、筒状構造では対面の壁上の電子は反対方向を向いて動くことになる。ところが「電子が筒状分子の上を回転する」と、そこには磁気が生じることとなり、「右ねじの法則」としても知られる「アンペールの法則」が現れる。この磁気モーメントが円偏光性を生み出す原動力となっているのである。
 リンクより抜粋、要約

 

 

 

北村浩司

2019年8月28日 (水)

地球上の生命にとって最初のアミノ酸やペプチドはどうやって生まれたのか?

原始の海中の中で無機物からタンパク質につながるペプチドが生成された可能性。

知的好奇心の扉「トカナ」リンクより転載します。
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 アミノ酸は地球上すべての生物の体に存在する最重要物質の一つだ。生物の体内でアミノ酸は鎖状に連なってペプチドになり、ペプチドは組み合わさってタンパク質になり、様々な役割を果たしているのはご存じの通りだ。では、地球上の生命にとって最初のアミノ酸やペプチドはどうやって生まれたのか? 生命の起源に迫る新たな研究結果が発表された。今月12日付で宇宙系ニュースサイト「UNIVERSE
TODAY」が報じている。

 生体内ではペプチドやタンパク質が酵素として働き、他のペプチドやタンパク質の合成や形成を助けている。だが、そのような手助けのない原初の海で最初のペプチドはどうやって作られたのか? それは自然に起こりうるのか? 英ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの化学者マシュー・ポウナー氏らは、この「卵が先か、鶏が先か」とも似た問題を実験で検証することにした。

 これまでの研究により、原始地球で無機物からアミノ酸が自然に生成された可能性は示されていたが、その先については未だよくわかっていなかった。チームは原初の海の中で、最初のペプチドは自然に形成されるのかを検証したのである。

 実験の結果、研究者らは水中でアミノ酸なしにペプチドを合成することに初めて成功した。実験に用いられたのはアミノニトリルと呼ばれるアミノ酸の前駆体で、この物質は硫化水素やフェリシアニドといった別の分子の助けを借りて反応を起こし、水中で容易かつ選択的にペプチドを形成したのである。ペプチドのアミド結合形成を助けた分子は、原始地球でも火山活動によって放出されていたと考えられる。

 今回提案された反応は比較的穏やかな条件下で可能だといい、原始の海の中でも起きていた可能性は十分にあるという。アミノ酸やペプチドは隕石と共に地球上に運ばれてきたという説もあるが、今回の研究はそれらの物質が地球上で自然発生したという説を補強するものとなる。

 論文は今月10日付で科学誌「Nature」に掲載された。研究チームはさらに研究を続け、初期の地球でペプチドが生命誕生に果たした役割を追求していくという。また、今回の成果は合成化学分野においても有用だといい、従来法に比べてコストも安く効率的にペプチドを作ることができるそうだ。様々な意味で、今後の研究が楽しみである。
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転載終わり

 

 

 

 

中田燿平

その魚は、かくして「性転換」する──メスがオスに変わるメカニズムが解明される

ブルーヘッドというベラ科の魚は、成熟後にメスからオスへと性転換することで知られている。種の継続のために進化してきた独特の生殖戦略のメカニズムが、このほど初めて解明された。DNAの配列変化を伴わず、特定の遺伝子のオンとオフを制御するエピジェネティクスと呼ばれる遺伝子制御機構は、いかに作用するのか。
以下「WIRED.JP」(リンク)より引用します。

■ ■ ■

動物の肉体的な性別は出生時には決定されており、変わらないものだと思ってはいないだろうか?
実は魚のうち約500種は、環境的なきっかけによって自然に性転換する。それは種の継続のために、長い間かけて進化してきた生殖戦略なのだ。

今回の研究で焦点が当てられたのは、ブルーヘッド(Bluehead
Wrasse)と呼ばれるベラ科の魚で、この種は成熟後にメスからオスへの性転換が可能である。体色は黄色から青い頭部をもつものになり、生殖腺は卵巣から精巣へと変わる。これまで謎に満ちていたその秘密が、オープンアクセスの科学学術誌「Science
Advances」で明かされている。

数時間で性転換の兆候をみせるメス

「わたしはブルーヘッドと呼ばれる魚を何年も追跡してきました。この魚は視覚的な刺激をもとに、非常に素早く性転換するのです」と、オーストラリアにあるラ・トローブ大学の遺伝学者、ジェニー・グレイヴス教授は語る。「性別がこれほど見事に転換する仕組みは、何十年も前から謎でした。遺伝子自体は変化しないので、視覚的合図によって遺伝子スイッチが切り替わっているに違いありません」

遺伝子スイッチの切り替えとは、つまりDNAの配列変化を伴わずして、特定の遺伝子のオンとオフを制御する、エピジェネティクスと呼ばれる遺伝子制御機構のことだ。

ブルーヘッドはカリブ海のサンゴ礁で、青い頭をもつ1匹のオスが、黄色いメスのハーレムを築いて暮らす魚である。ところが、このオスが群れからいなくなると、いちばん体の大きなメスが10日ほどで性転換する。それは人間のわれわれからすると考えられない“早技”だ。

オスが消えて数時間のうちに、いちばん大きなメスはストレス誘発反応を制御するコルチゾールの影響で気性が激しくなり、さらにオスのような求愛行動を見せるようになる。そしてオスへの移行期にあるメスは、1~2日で群れでの優位性を確立する。このころには女性ホルモンの血清エストロゲン濃度が低下して、卵巣閉鎖が観察できるという。

さらに3~4日経つと卵巣閉鎖が進行し、4~5日目には精巣組織が観察できる。6~7日経つと男性ホルモンの一種であるケトテストステロンが上昇して精子形成が始まり、8~10日以内には成熟した精子を生産して繁殖できるようになる。そして20日以内には、オスに典型的なあざやかな青い頭に着色する。

性転換で著しく変化する遺伝子発現

研究チームは、生殖できようになるまでの、10日間にわたるこの劇的な性転換を遺伝子レヴェルで理解するため、RNAシーケンス解析により生殖腺の遺伝子発現変動を分析した。すると、メスからオスへの移行期には、生殖腺の遺伝子発現に著しい変動が観察され、それらは段階的に分類されていることがわかった。

まずコルチゾールの刺激を受けたメスの脳では、イソトシン(isotocin)と呼ばれるホルモンが発現し、それは社会的優位性を確立するためのオス特有の行動を促す。次にアロマターゼ(cyp19a1a)の抑制がエストロゲンを停止させ、メス特有の遺伝子を抑制する。続いて抗ミュラー管ホルモン(amh)がオス化を促し、アンドロゲン遺伝子(cyp11c1およびhsd11b2)が精巣の発達に関与する。

この過程は性転換の中間期が、単純に“半分メス、半分オス”といった生殖腺細胞の雌雄の割合が変化するだけの組織分化をたどるのではなく、独特の細胞再プログラミングが起きていることを示唆しているという。

「性別変化には、生殖腺の完全な遺伝子再配線が行われていることがわかりました」と、共著者であるニュージーランドのオタゴ大学のエリカ・トッド博士は言う。「卵巣の維持に必要な遺伝子をまず停止させ、次に精巣形成を促進するための新しい遺伝回路を作動させるのです」

この研究は、ブルーヘッドにおける雌性先熟の性転換が起きるエピジェネティックなメカニズムを明らかにしたものだが、性転換する魚のなかには、オスからメスへと性別を変える種(雄性先熟)や、雌雄両方の生殖腺があるため両方向に何度も性転換する種もあるという。

この知見は、脊椎動物における性転換の詳細な分子像や、性決定におけるエピジェネティクスの役割を明確にしたのではないだろうか。研究チームはこれにより、さまざまな組織に分化する能力をもつ多能性細胞や、組織再プログラミングがどのように制御されているかの理解に役立つだろうと締めくくっている。

 

 

 

 

末廣大地

2019年8月27日 (火)

眼も心臓も、イカの体は驚くほどハイスペックだった~2

〇 巧みな眼、体色変化に墨吐き・・・ハイスペックなイカの体

 イカの発達したカメラ眼には、実はヒトのカメラ眼と異なったところがある。それは、ヒトの眼には光を受容できない「盲斑(もうはん)」という部分があるのに対して、イカの眼にはそれがないという違いである。ヒトの眼の視神経につながる神経線維は光が当たる側に配置されているために、どこかにその視神経の出口をつくらないと脳へ情報を伝達することができない。その出口が盲斑である。

 一方、イカの眼では神経線維は光を受容する裏側に配置されているために、視神経への出口をつくる必要がないのだ。つまりイカの眼には「死角」がない。一方、死角が生じうるヒトの眼は、工業製品として見れば明らかに進化上の設計ミスとしかいいようがないだろう。

 他にも、イカは体表の色素胞を変化させて、まるで光学迷彩のように、体色や模様を瞬時に周囲と同化させることのできる種も多い。天敵から身を隠したり、獲物を狙ったりするときに大いに役立っていることだろう。

 そして、イカは天敵に対峙しても、ご存知のように墨を吐いて姿をくらますこともできる。その際には体内で水流を生み出して漏斗(「口」のように見えているところ)から噴出させるジェット推進の原理で高速移動する。しかも、その漏斗の向きによってどのような方向転換も可能だ。その高速運動を維持するためのえら呼吸も、本体の心臓のほかに、副次的な2つの心臓によって効率的に維持されている。

 さらにいうなら、イカの脳は、その体重比で見ると鳥類や哺乳類に次ぐ大きさがあり、高い学習能力があるとされる。

 これだけ書き並べるとイカのハイスペックぶりを痛感するほかない。だが、裏を返せば「殻による防御はしない」という選択を数億年前にしたことによる結果ともいえるかもしれない。

〇 ヒトにとっては食べやすい生物

 しかし、不運にもヒトに捕獲されてしまったイカは、表面に殻がない故に非常に調理がしやすい食材となる。内臓やえらなどのわたと殻の名残を抜き取り、薄皮を剥けば、あとはすべて高タンパクな可食部である。

 なぜ高タンパクかといえば、高度な運動能力を獲得する中で筋肉を発達させたからである。重量あたりの可食部の比率はかなりよいほうではないだろうか。実に食べ応えがあり、しかもさまざまな料理に使うことができる。数億年の進化の成果もヒトの食欲の前では無力なのだ。

 しかし、ヒトは「殻を剥いてでも食べたいものは食べたい」とも願う貪欲な生き物である。次回はそんな「殻付き」の生物の進化を見ていこう。

 

 

 

津田大照 

眼も心臓も、イカの体は驚くほどハイスペックだった~1

 私たちが日ごろ食べているもののほとんどは生物である。そして、多くの食材の直系の祖先は私たち人類より先に地球上に現れている。なぜヒトは「その食材」を食べることになったのか。その疑問を解くカギは、この地球上でヒトと生物がたどった進化にある。ふだん何気なく食べているさまざまな食材を、これまでにない「進化の視点」で追っていく。それぞれの食材に隠された生物進化のドラマとは・・・。

生物進化を食べる(第3話)軟体動物篇
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 日本のプロ野球チームのマスコットはほぼすべて脊椎動物がモデルである。幻獣のようなマスコットにも脊椎くらいはありそうだ。やはり、ヒトと体のつくりが似ており眼が2つあると、マスコットとして感情を移入しやすいと判断されたのであろう。いくらヒトと系統的に近くても、手足や眼が見当たらないウニではかなり強引なデザインにしないかぎり擬人化は困難である。

 一方、各地のゆるキャラまで含めれば、脊椎動物に次いで擬人化されやすいのは、タコ・イカ・カニである。生物学的に落ち着いて見れば、ヒトの体のつくりとはまったく異なるが、やはり2つの眼の存在が「顔のパーツ」として認識されることが大きい。また、カニにはハサミ、イカには長い一対の触腕があり、ヒトの手の代わりにするのにちょうどよい。

 ただし、実際のカニの眼をよく見ると、昆虫などと同じ複眼であり、ヒトの眼とはだいぶ違う印象だ。一方、イカの眼はつぶらな瞳があるようにも見え、より親しみやすさがあるといえる。

 実は、イカの眼はレンズでピント調節をする「カメラ眼」であり、ヒトと同じタイプである。レンズがあるために、つぶらな瞳に見えるのだ。カメラ眼は、多くの光を集めて対象物をより高解像度で見るという利点があるのだが、では、イカの高性能な光受容器は、どのように発達したのだろうか。

〇 祖先を求め「大爆発」期へ、だが姿ははっきりしない・・・

 その経緯は、前回の第2話「棘皮動物篇」でも紹介した、約5億4000年前の「カンブリア紀の大爆発」にさかのぼる。カンブリア紀の大爆発では実にさまざまな動物の原型が登場したが、別の視点で見れば生存競争が激化した時代だったともいえる。現在までに分かっている限りでは、カンブリア紀の大爆発以前の「エディアカラ生物群」とよばれる6億年ほど前の生物には、積極的に自分で動いて餌を探す体制のものはあまりいなかったと考えられている。

 しかし、カンブリア紀の大爆発では、甲羅や殻を発達させた動物が増える。と同時に、運動できる体のつくり、すなわち筋肉を発達させた動物も激増した。殻で天敵から身を守るか、あるいは積極的に餌を捕らえに行くか。すなわち「食うか食われるか」の世界が始まったのだ。

 そして、「攻撃は最大の防御」とばかりに、運動性能をさらに向上させ、獲物(あるいは天敵)をより鮮明に認識するために眼を発達させた動物が覇者になっていった。前回登場した「アノマロカリス」はその典型例である。カンブリア紀の大爆発は、眼という感覚器の発達によって加速されたと考える研究者もいるくらいである。

 現在もイカが生き残っているということは、イカの祖先もおそらくはカンブリア紀の大爆発の「攻撃は最大の防御」の流れに乗ったのだろう。ただし、カンブリア紀のイカの祖先の姿ははっきりしない。殻の化石は残っているものの、中身の化石がないのである。それはイカと近縁で、カンブリア紀以降に大繁栄するアンモナイトも同様である。世界中で大量に発掘されるが、殻から顔や体を出しているようなイラストはあくまで想像図であって、化石として残っているのは殻だけだ。


〇 「殻を体の内部にしまい込む」というイカの進化

 現在、私たちが食べているイカの系統的な位置は、大きい分類では「冠輪動物」であり、その中の「軟体動物」ということになる。軟体動物には貝類やナメクジなども含まれるが、その中でもイカは「頭足類」というかなり高度に進化したグループに入る。

 しかし、現在のイカには近縁のアンモナイトと違って殻がない。殻はどこにいってしまったのだろうか。実は、イカは殻を体内に隠し持っているのだ。紋甲イカなどを捌いているとプラスチック製のヤスリのような構造物が出てくる。物質としては炭酸カルシウムで、まさに貝殻そのものである。つまり、それは祖先の殻の名残である。インコなどのカルシウム源として与えている人も多いだろう。

 では、イカの祖先は殻をいつごろ内部にしまい込んだのかというと、約2億年前の中生代三畳紀に登場した「べレムナイト」からといわれている。保存状態のよいべレムナイトの一種の化石を見ると、ほとんど現在のイカと変わらないように見える。

 ともあれ、殻を内に秘めたイカの仲間の一部は、恐竜大絶滅の時代を生き抜いて、初登場から現在まで数億年にわたって生きのびている。中生代に大繁栄したにもかかわらず、6600万年前の白亜紀末に完全に絶滅してしまったアンモナイトとは対照的である。運もあるだろうが、やはり生存に有利なさまざまな形質を試行錯誤してきたことが大きいだろう。そのひとつが、イカのカメラ眼であるといえる。

 

 

 

津田大照

2019年8月24日 (土)

「粘土鉱物」と「海底の温泉源」が生命誕生の基礎をつくった

生命の起源に関する研究は「粘土鉱物」と「海底の温泉源」が生命誕生の基礎をつくったことを明らかにしつつある。

確かに「粘土鉱物」と「海底の温泉源」には「高分子化」「代謝」「膜」「自己増殖」をつくりだす力があります。

1.粘土鉱物の表面(界面)でアミノ酸の重合反応→「高分子化」が引き起こされた。

>有機分子の重合反応は、どこでどのように進んだのでしょうか?粘土鉱物の表面(界面)でアミノ酸の重合反応が起きるという説が1959年に提唱されました。なぜ鉱物の「表面」なのかというと、溶液中よりも表面の方が、分子が自由に動けない分、分子の結合反応が起きやすいからです。鉱物の表面が化学反応の触媒として機能するのです。

2.粘土鉱物が「エネルギーと物質代謝の基礎」をつくった。

>黄鉄鉱上で有機物の合成反応が起きやすいのか? それは、この鉱物表面上で、エネルギーを生み出してCO2から有機物を固定すること、つまり代謝(最も原始的な)が可能だからです。この反応は、FeS
+ H2S → FeS2 +
H2 で表され、黄鉄鉱の周囲に鉄イオン、硫化水素があれば、自発的に水素イオンと電子を放出する最もシンプルなエネルギー代謝反応です。さらに、周囲にCO2が溶け込んでいれば、自発的にギ酸(HCOOH)を生成します。外部のCO2を有機固定するシンプルな物質代謝反応です。

>つまりこれは、黄鉄鉱の周囲に「化学的な不安定さ」が用意されていれば、そこから電子を取り出して栄養源とする代謝系(独立栄養代謝系)で、細胞膜に包まれていなくても黄鉄鉱の表面で代謝が可能ということを意味しています。酵素(タンパク質)が存在しない初期地球では、黄鉄鉱が酵素の代役をしていたというわけです。

>この原始代謝系を「Fe-Sワールド」といいます。

3.深海の温泉で「無機的な膜」がつくられた

>細胞膜はリン酸脂質とコレステロールの二分子膜構造です。実は、深海の温泉で無機的に膜をつくことができるのです。原始の海は高温・酸性でFe2+に富みます。一方、熱水は高温・アルカリ性で硫化水素に富むと言われています。これらを高温で混合すると、硫化水素とFe2+イオンが急速に反応して硫化鉄が析出し、硫化鉄の膜で覆われた微小な泡(小胞)がたくさんできることが実験室で再現されています。


4.粘土鉱物の特徴は「1ミクロン以下の大きさで水に飽和されたカードハウス状構造(トランプカードを積み上げることでできあがった立体構造)をしており、水理学的な力・化学的・電気的力を借りて自己増殖する」。


「地中生命の驚異」(デヴィド・W・ウォルフ 著 青土社
刊 @2400)では生命の起源は粘土としている。粘土鉱物は1ミクロン以下の大きさで水に飽和されたカードハウス状構造をしている。カオリナイト・モンモリロナイト・ハロイサイト・イライトなど種類があるが、水理学的な力・化学的・電気的力を借りて自己増殖し、現代の地層を作っている。

>その自己複製の仕組みはRNAが鋳型として分子を集めるのと同じである。もともとの粘土鉱物の格子欠陥があったとすると、それは次々と遺伝のように踏襲されて、同じ欠陥を持った粘土鉱物の集合体となるそうだ。

>生物細胞の化学作用は細胞膜の上で行われる。粘土鉱物は1ミクロン以下の大きさの膜構造であり、電荷を持ちその表面が触媒作用も行い、原始生命を組み立てる能力もある。その上、現在生命のエネルギーを運ぶATPは粘土鉱物と反応すると言います。

こうした「高分子化」「代謝」「膜」「自己増殖」の上に、自己複製機能が構築されれば、生命体の誕生といっていいでしょう。(続く)

引用元
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山澤貴志

生命誕生の鍵を握る驚異の「リボソーム」

生命誕生の鍵を握る驚異の「リボソーム」
リンク
より引用です。
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「僕がおもしろいと思うのは、このリボソームというのは、実はそれ自体、RNAとタンパク質の両方からできている分子だということです。タンパク質をつくるときに、mRNA(伝令RNA)がリボソームに結合して、そこにtRNA(転移RNA)がアミノ酸をつれてきてタンパク質を合成するわけですけど、実はその舞台となるリボソーム自体、RNAとタンパク質の複合体なんですよ」

 リボソームは数十種類以上のタンパク質と、数種類のRNA分子(リボソームRNAと呼ばれる)からできている。立体的な構造は代表的なものをネットでいくつも見ることができるのだが、それらは本当に「絡まり合っている」というのがふさわしい。
2種類の「紐」が、解きほぐし難く一つの構造物を作り上げ、そこで、紐1(核酸)の情報から紐2(タンパク質)の合成が行われる。リボソームそのものが、二重の意味で、2つの「紐」が交わるところになっている。

生命の起源の議論では、RNAが先か、タンパク質が先かという議論があって、それぞれ、RNAワールド仮説、プロテインワールド仮説、などと呼ばれている。リボソームは、セントラルドグマの中で重要な役割を果たすものだから地球生命の進化のきわめて早い段階からないと困るのに、いきなり両方が絡まり合って存在しているから謎が深まる。

「そこで、僕の立場は、RNAが先かタンパク質が先かという話ではなく、恐らく同時に進んできたのではないか、というものです。原始地球の頃からRNAとタンパク質の紐が共存していて、両方の紐が同時にあることがお互いにそれぞれ有利に働くような共進化が働いて、そのおかげで徐々に大きいリボソームのようなものができてきたんじゃないかというふうに考えています」

 RNAが先でも、タンパク質が先でも、両方が絡まり合ってできているリボソームの起源は説明しにくいのだとしたら、両方が共存してともに進化しきた可能性があるのではないか、というのが藤島さんの見立てだ。

「RNA、つまり核酸の紐と、ペプチド、つまりアミノ酸の紐、2種類の紐が共存している世界があったと仮定して、2つが同時に存在することがそれぞれの進化にとって有利だったということを証明したいんです。それがもし証明できれば、タンパク質とRNAからなるリボソームができた過程も分かるでしょうし、そもそも、地球の生命が核酸とタンパク質の2つの紐をかくも見事に協調させて使っていることの説明もできるはずです」

 具体的には、藤島さんは徹底的、網羅的な手法を取る。あたかもコンピュータの中でシミュレーションのプログラムを走らせるかのように総当たり的な組み合わせを実際に試す。

「今、合成生物学の世界では、ランダムな配列のDNAをデザインして注文することができて、それだと10の13乗ぐらいの異なる配列のDNAが手元に届きます。そこから転写して、10の13乗種類のRNAを作り、さらにそれを翻訳してタンパク質を作るものも市販されているので、試験管の中でまぜまぜしてRNAとタンパク質のカクテルを作ることができます。その時に、できたタンパク質が逃げてしまわずにそのままRNAとくっついているような化学物質を加えておくと、RNAタンパク質複合体ができます。そして、その中から、何か特定の機能を持っているものをスクリーニングしていきます」

 藤島さんが考える原始の「RNA・ペプチド共存ワールド」では、RNAとそこから翻訳されたペプチドが一緒にいることで有利になったと想定されるので、それが実際に起きるかを見ていく。

「これまでの過去の実験事例から、RNA自体が折りたたまって、それ自体、触媒活性を持ったり(リボザイム)、特定の分子に結合能があるもの(アプタマー)が見つかっています。つまり、それらは、原始地球でRNAワールドがあったという時に引き合いに出されるものです。でも、RNAだけよりも、タンパク質も一緒にあると、より適応度が高くなるような状態を示したいわけです。これもう、黒板に書いてしまいますね──」

 藤島さんはさっと立ち上がって、黒板になにやら図表を描き始めた。
 3次元の座標がまずあって、その「底面」から山がいくつも立ち上がる。

「こういうのを適応度地形と言います。縦の軸は『適応度』といって、どれくらい分子が環境に適応しているか、この場合は、RNAの機能の高さを測った尺度だと解釈してください。そして、横軸といいますか底面は、配列空間です。たとえば、RNAの配列に応じて、この底面に点を打てるわけです。そして、それぞれのRNAについて『適応度』を見ていきます。『適応度』の尺度には、ここでは、RNAがエネルギーの共通通貨といわれるATPという物質と結合する能力を考えましょうか。最初のスクリーニングをすると、結合能が高いものが小さな山として立ち上がって見えてくるので、今度はそういった能力が高いものを集めてまたスクリーニングするというサイクルを繰り返します。すると、最終的にある程度高い山がいくつかできていきます。こうやってRNAの機能が高いものの配列がとれます」

(中略)

「結局、環境中を考えると、RNAのような複雑な分子がそれ単独で存在しているなんてことはあり得ないですし、RNAがある世界では、それよりも出来やすいペプチドはもうあったはずなんです。RNA・プロテインワールド、つまり両方の紐が共在していた世界ですね。そういう前提で考えると、RNA単独では見られなかったようなところにも山が立ち上がってくるはずです。そうなると山の裾野同士がオーバーラップする場所がでてくるかもしれない。そうすると一つの機能に対して、より高い山に登りやすくなる、つまり進化が連続的に起きやすいということでもあります。RNA単独、ペプチド単独よりも、両方存在する時により連続的な高分子の進化が成り立ちやすいんだということを示せれば、ながらく謎だったリボソームの起源にも近づけると思っています」

 

 

 

 

時田 弘

2019年8月21日 (水)

「絶滅した2種類の未知の人類」の痕跡が現代に生きるヒトのDNAに存在している

リンク
より引用してます。

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現生人類はアフリカを起源として世界中に広まったとされていますが、その過程では約2万年前に絶滅したネアンデルタール人や、ネアンデルタール人から分岐したデニソワ人と交雑したことが明らかになっています。さらなるDNA解析の結果、現代のヒトのDNAにはこれまでに確認されていない「2種類の未知の人類」の痕跡が存在し、過去に現生人類と交雑していたことがわかりました。

ヒトがアフリカからユーラシア大陸に広がった際、既に多くの場所にはネアンデルタール人やデニソワ人が、ヒトよりもさらに古くから住んでいたとされています。その中でヒトは交雑を行い、そのDNAが現代のヒトにも受け継がれていることが判明しています。

オーストラリアのアデレード大学で生物学を研究するJoão
Teixeira氏らの研究チームは、ヒトのDNA中にはネアンデルタール人やデニソワ人以外にも、2種類の「既に絶滅した未知の人類」のDNA中が受け継がれていると発表しました。Teixeira氏は「私たちはそれぞれが過去の交雑イベントの遺伝的痕跡を残しています」「今回発見された未知の人類グループは広範囲に存在し、遺伝的に多様であり、私たちのDNAの中に生き残っています。絶滅した人類の物語は、私たちがどうやって進化してきたのかを考える上で必要不可欠な部分です」とコメントしています。

研究チームは現代のヒトのDNAをAIなどの力を借りて注意深く分析することにより、2種類の「絶滅した未知の人類」の痕跡を発見しました。さらにTeixeira氏らはヒトと未知の人類との交雑がどこで発生したのかを調査したとのこと。たとえばTeixeira氏によると現代のヒトのDNAはおよそ2%がネアンデルタール人由来だそうで、「これはヒトがアフリカを出てからすぐにネアンデルタール人との交雑が行われたことを意味しており、交雑イベントは約5万年前~5万5000年前に中東付近で発生したのでしょう」とTeixeira氏は述べました。

続いてヒトの先祖がユーラシア大陸を東の方向へ、つまりインドや東南アジアの方に向かって移動している最中に、ヒトはネアンデルタール人ではない新たな人類のグループと遭遇したそうです。Teixeira氏は、「少なくとも3種類の別の人類が東南アジアに住んでいたようであり、彼らが絶滅する前にヒトとの交雑が行われました」とコメントしています。


ヒトがアジアで遭遇した3種類の人類のうち1つは以前から存在が知られているデニソワ人でしたが、残りの2つはこれまで存在が確認されていない未知の人類でした。未知の人類はそれぞれ「EH1(extinct
hominid 1)」「EH2(extinct hominid
2)」と名付けられています。

EH1はデニソワ人およびネアンデルタール人から遺伝的に等距離で、アジア人やパプア人の先祖がEH1との交雑を行ったと推測されています。現代のアジア人やパプア人のDNAにも2.6~3.4%ほどEH1のDNAが受け継がれているとのこと。EH1のDNAを受け継ぐ人々が東アジアやアンダマン諸島、オーストラリア先住民などからも発見されていることから、ヒトがEH1と出会ったのはインド北部であったと研究チームは推測しています。また、EH1との交雑が行われた後でヒトはデニソワ人との交雑を行ったとみられており、東アジアやスンダ列島、フィリピン付近で交雑が行われたとのこと。

続いて過去のヒトはインドネシアのフローレス島でも、EH2との小規模な交雑を行ったとみられています。EH2のDNAは現代のヒトの中でも、フローレス島で発見された小型のヒト属ホモ・フローレシエンシスが発見されたリアンブア洞窟付近に住む、低身長の人々の中にだけ見られるそうです。そのため、EH2の遺伝子は非常に小規模な集団内でのみ受け継がれていて、他の地域には広がっていません。

ネアンデルタール人、EH1、デニソワ人、EH2との交雑が発生した場所について示した図が以下。「N」と書かれた地点でヒトとネアンデルタール人の交雑が、「1」の地点でEH1との交雑が、「2」「3」「4」の地点でデニソワ人との交雑が、「5」の地点でEH2との交雑が行われたとされています。


「アフリカからヒトが広まった過程は単純なものではないことは知られていましたが、これまで考えられていた以上にヒトの歴史は複雑なようです」とTeixeira氏はコメント。東南アジア付近はヒトが辿り着くよりもずっと前から別の人類グループが住んでいたようですが、残念ながらヒトの到着によって古代人類は絶滅してしまったと考えられています。

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匿名希望

2019年8月16日 (金)

細胞膜は、内側に代謝機能を制御する“膜骨格”がある「三重構造」!?

生命の代謝機能を司る細胞膜は、どのようにして球体状の形になったのか?
また、細胞膜には、様々な代謝機能の役割を担う様々な蛋白質が備わっているが、それはどのようなものでどのような構造、機能になっているのか?
現状、これらについてはっきりとわかっていないが、細胞膜が球体状になるのは、下記のように考えられている。

細胞膜は、球体に2本の足がついた形の「リン脂質」分子を主成分とし、球体状の頭の部分は“親水性”、2本の足のほうは“疎水性”の性質をもつ。細胞膜は、一つの分子の中に正反対の性質を持つリン脂質で形成されている。

リン脂質の分子群を水に入れると、水に落ちた油のように寄り集まり、親水性の球体状の頭の部分を外側(水側)に、水に触れないように疎水性の足を内側に向けた、塊(かたまり)をつくる。
そして、リン脂質の量が増えると、塊(かたまり)では納まりきらなくなり、外側に頭、内側に足を向けた、シャボン玉のような「球体」になる。
ここで重要なのは、シャボン玉の内側も水になっているので、シャボン玉の膜は、球体の外側も内側も親水性の頭を向ける構造になるために、リン
脂質分子同士が疎水性の足を向け合った「二重の構造」になる。

上記の説明では、なぜ、リン脂質の量が増えるとシャボン玉の球体になるのか、また塊(かたまり)からリン脂質が平面的に重なる二重構造になるのかもすっきりしないが、、、
この二重構造の細胞膜に対し、赤血球を素材とする研究で、細胞膜は二重構造の細胞膜を内側から裏打ちしている“膜骨格”がある「三重構造」である。そしてこの膜骨格が細胞膜の代謝機能の制御に関与している、という報告を紹介します。

「細胞膜を内側から眺める:膜骨格の機能とその調節リンク
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1. はじめに
生命の最小単位である細胞の内部環境の独自性を保つために細胞膜にはさまざまな装置が組み込まれている。その膜構造の基本は「流動モザイクモデル」(Singer
&
Nicolson,1972)であるが、現在では細胞膜を裏打ちしている膜骨格を含めて生体膜を三重層として捉えるのが妥当である。
膜骨格の研究は主に赤血球を素材として進められてきたが、全ての細胞に類似の構造が存在すると考えられる。
本総説では、細胞膜を内側から眺め、膜骨格の機能を縦軸(Y軸)、構造を横軸(X軸)にとり両者の相関およびその調節について、赤血球を例に解説する。

2. 赤血球は細胞膜研究のモデルとして適している。
赤血球は成熟の過程で核や細胞内小器官を失った袋状の細胞で、純粋な細胞膜を調製できる点で細胞膜研究の素材として適している。
実際、電子顕微鏡や原子問力顕微鏡を用いて赤血球膜を内側から眺めてみると、網目状の膜骨格が細胞膜に寄り添っている像を見ることができる。
SDS、PAGEや精製した蛋白質の解析から、膜骨格はスペクトリンspectrin
、アクチンactin、4.1蛋白質protein4.1などの「横のつながり」により網目状の平面的な構築を保ち、
アンキリンankyrinなどを介する「縦のつながり」により膜貫通蛋白質(バンド3band3、グリコフォリンCglycophorin
C(GPC))に結合して細胞膜を裏打ちしている。

膜貫通蛋白質は「縦のつながり」の足枷または膜骨格の網目により膜内可動性が制限されている。
実際、金コロイドを結合した抗バンド3抗体を用いてバンド3粒子の動きを経時的に追跡すると、あるものは殆ど動けず、動けるものもその範囲が膜骨格の網目の中に制限されている(フェンスモデル)。この結果、バンド3は赤血球膜に均等に分布し、陰イオン(HCO3-とCI-)を効率良く交換することで、二酸化炭素(CO2)の運搬に重要な役割を果たしている。

<中略>

終わりに
細胞膜には多数の蛋白質からなる複雑な装畳が備わっているが、本稿ではそれらを膜の内側(細胞質側)から眺め、主に膜骨格についてその構造と機能およびその調節について解説した。
細胞膜三重層の第3層にあたる膜骨格は細胞膜機能の制御に重要な役割を果たしているが、赤血球のような単純なモデルにおいてさえ不明な点も多い。
赤血球以外の全ての細胞にも赤血球に類似の膜骨格構造が存在し、それぞれの膜機能に重要な役割を果たしていると予想される。
今後、それぞれのファミリー蛋白質の解析を端緒として研究が進むと思われる。
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麻丘東出

性淘汰理論をうみだしたチャールズ・ダーウィン

進化論を唱えたダーウィンだが、追求し続けた結果自然淘汰だけでは説明できない進化である性淘汰理論に行きついた過程に迫る。

リンク

■自然淘汰では説明できない進化
ダーウィンというと、みなさんが思いつくのは「種の起源」という本に書かれた進化論でしょう。親とは体のつくりが異なる子供がうまれ、その体のつくりは孫へと遺伝し、さらに体のつくりによって寿命や子供をのこす数に差がある場合に、結果として体のつくりの異なった新しい種が広まるという「自然淘汰」のしくみを見いだしたことは、彼のなしとげた代表的な仕事であることは確かです。

しかし、自然淘汰にたどりついたダーウィンをなやませた動物がいました。それが「オスだけが角をもつシカ」や「オスだけが派手な羽根をもつクジャク」だったのです。自然淘汰のしくみでは、これらのメスが角や派手な羽根をもたないことは説明がつきません。たくさんの生き物を見わたして考えをめぐらせた結果、ダーウィンの出した答えが「性淘汰」というしくみだったのです。「人間の進化と性淘汰
(The Descent of Man and Selection in Relation to Sex)
」という2巻立ての著書でそのアイデアを披露しました。「種の起源」から12年後の1871年のことでした。

ダーウィンは性淘汰が起こる要因について、オスどうしのたたかいはオスに備わったライバル心によるもの、オスのハデさはメスに備わった審美眼(しんびがん)を示すものという説明を試みました。このような擬人(ぎじん)的な考え方は現在では支持されませんが、求愛の過程でこれらの進化が起こるという現象面において、ダーウィンは的確に性淘汰をとらえていました。20世紀にはいり、近代生物学は性淘汰の理論をさらに精密化し、多くの動物で検証がなされ、進化メカニズムとしてはほぼ正しいことが証明されています。

ダーウィンが性淘汰の理論を見いだした背景には、彼が実にさまざまな動物を観察し、洞察(どうさつ)を深めていたことがあげられます。ここでは、「人間の進化と性淘汰」の中から、ダーウィンの観察眼の鋭さをうかがい知るページを紹介します。

□昆虫における第二次性徴
「多くの甲虫類で最も顕著な雌雄の違いは、雄の頭部、胸部、額板などから生えている角であり、いくつかの稀な例では、からだの下面から生えていることもある。lamellicornsの科の角は、シカやサイなどの四足獣の角と似ており、その大きさにおいても、多様な形態においても目を見張るほどだ。それらを言葉で記載する代わりに、最も素晴らしいいくつかの種について、雄と雌の図を載せておいた。雌は、一般にこぶや稜の形で角の痕跡をとどめているが、そのような痕跡さえまったくもたない種類もある。」

□鳥類の第二次性徴
「しかし、最も奇妙な例は、オーストラリアの三つの近縁な属に属する鳥たち、すなわちあの有名なアズマヤドリであろう。この鳥たちはどれも、はるか昔に、愛の道化を演じるためにあずまやをつくりあげるという奇妙な本能を最初に獲得した鳥の子孫であるに違いない。あずまやは羽、貝殻、骨、木の葉などで飾られ、求愛のためだけに地面の上につくられる。(中略)これらの奇妙な構築物は、まったくお見合いの部屋としてのみ使われており、両性が求愛をして楽しむところであるが、これをつくるのは鳥にとってかなりな作業に違いない。」

「タマシギ属
(Rhynchaea) の3種
の雌は、雄よりもからだが大きいばかりでなく、色彩も豊富である。他の鳥では、気管の構造は雌よりも雄の方が複雑でよく発達しているのであるが、Rhynchaea
Australisでは、単純なのが雄の方であり、雌の気管は肺に入る前に四つのはっきりした渦巻きをつくっている。このように、この種の雌は、雄に特徴的な形質を備えているのである。(中略)スウィンホウ氏は、夏が終わる前に雌たちがミフウズラと同様の集団をつくっているのを見ているので、この種でも抱卵の仕事は雄が請け負っていると考えるに足る証拠がある。」

□哺乳類の第二次性徴
「角が今のような長さと奇妙な位置にあるようになったのは、捕食者から身を守るためであったとは考えにくい。遠い過去のオリックスの祖先の雄が、ほんの少し後ろに曲がった長めの角を獲得するやいなや、現在雄たちがやっているように、競争者の雄との闘いでは頭を下げざるを得なくなったのだろう。そして、膝をつく行動は、初めはときどきしかみられなかったのが、だんだんと、そしていつもするようになったとは考えられないだろうか。この場合、最も長い角を持っていた雄が、より短い角を持った雄よりもずっと有利だったことは確かであり、角の長さは性淘汰を通して徐々に長くなり、現在見られるような極端な長さと位置にまでなったものと考えられる。」

 

 

 

 

長曾我部幸隆

2019年8月14日 (水)

プラズマ状態で「無機的な生命」が誕生

ロシア科学アカデミー他の国際研究チームは、無機塵が、プラズマ状態において、「自律的で、再生産し、進化する」する、つまり「無機的生命体」の可能性を示唆した。

生命体の前駆形態が雷が降り注ぐ、プラズマ=高エネルギー状態で形成されたと考えるのはありうることである。


リンク

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生命は有機的とは限らない。持続する組織とエネルギー流のパターンこそが生物の本質なのかもしれない――無機塵をプラズマ状態にすることで、自己組織型のらせん構造体が形成されるという研究が行なわれている。自律的、再生産性、進化することなどの特質を持っており、「無機生命体」と呼びうるものだという。



生物は炭素からできているはずという考え方は、かなり時代遅れになっている。現代の考え方は、持続する組織とエネルギー流のパターンこそが生物の本質、というものだ。

実際、私たちが有機体だからといって、エイリアンも有機体である必然性はない。

そんなわけで、地球上の生命のかたちにこだわるのはやめて、広い心を持とうではないか。『Science
Daily』の記事『物理学者が、生物に似た特質を持つ無機塵を発見』から引用する。


国際的なチームが、適切な条件下で、無機塵の粒子がらせん構造体を形成し得ることを発見した。こうした構造体は、一般に有機化合物や生命体に見られるのと同じ方法で、相互に働きかけることができる。

ここでの「適切な条件」とは、無機塵をプラズマの状態にすることだという。記事には、「プラズマは、固体、液体、気体いずれとも異なる第4の物質の状態で、そこでは原子から電子が切り離され、荷電粒子による特殊な状況が生じる」と書かれている。

この研究は、ロシア科学アカデミー、シドニー大学、マックス・プランク宇宙物理学研究所の研究者によって行なわれたもの。論文は『New
Journal of
Physics』に掲載された。

コンピューター・モデル上において、プラズマ状態にある無機塵が自己組織化し、外見と働きがDNAに似たらせん構造体を形成することが観察されたという。


たとえば、(プラズマ状態の無機塵が)分裂や分岐によって、オリジナルの構造のコピーを2つ形成することがある。こうした新しい構造体はまた、周囲と反応して変化を引き起こすこともあるし、安定性の低いものが崩壊して多数の構造体へと姿を変え、プラズマ状態に最も適応する構造体だけが残るということもある(中略)。

「こうした自己組織型の複雑なプラズマ構造体は、無機生命体の候補として分類されるために必要な特質をすべて持ちあわせている。自律的であること、再生産すること、進化することという特質だ」と、(ロシア科学アカデミーの)V.N.
Tsytovich氏は述べている。


プラズマ状態はどこに生じるかといえば、宇宙のほか、地球上では落雷時だ。地上の生命の起源のメカニズムとしてはもっともらしい話だ。

一方、ミズーリ大学の研究者は、DNAを構成する塩基成分のひとつアデニンの起源は宇宙塵だという論文を発表している。

 

 

 

 

山澤貴志

ミトコンドリアは永遠に細胞分裂を繰り返し自己保存する不老長寿の生き物

生殖の新たな定義「過栄養の排泄」(その1:複相の真核生物の誕生)リンクから引用させていただいます。
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 もう1つ不老長寿の生き物ではなかろうかと思わせる生き物がいる。それは細胞内小器官のミトコンドリアである。DNAの遺伝子解析が進み、一躍注目されるようになったミトコンドリアは、他の細胞内小器官とは全く異なり、二重の膜で保護されており、かつ、独自のDNAをその中に持っていて、遺伝子情報の言語も異なるという。
 哺乳類にあっては、ミトコンドリアは、通常1つの細胞内に数十個から数百個は存在し、生体が必要とするエネルギーの95%を生産する重要な器官である。
 その起源は、宿主の球状単細胞生物の中へ、極小の単細胞生物・ミトコンドリアが数多く侵入して寄生したのが始まりのようである。その後に共生関係を築き、さらに生物合体を成し遂げたと考えられている。
 こうした単細胞生物の合体は他にもあったようであるが、それぞれのDNAは繋ぎ合わされたり、1箇所に寄り集まって完全に一体化しているのに対し、不思議なことに、ミトコンドリアのDNAだけは合体を果たしていないのである。ただし、部分的に切り離され、宿主のDNAに入り込んでいるようではある。
(中略)
このミトコンドリアは、生物合体を成し遂げたものではなく、いまだ宿主細胞に半寄生・半共生の状態にあると捉えたほうが良いと小生は考えている。たしかにミトコンドリアは宿主細胞に膨大なエネルギーを供給するのだが、ミトコンドリアは高濃度の酸素を要求するのに対し、宿主細胞は酸素を嫌っているからである。よって、宿主細胞は過剰な酸素によって生ずる活性酸素によって痛め付けられ、寿命を短くさせられてしまうのである。
(中略)
 さて、ミトコンドリアは卵子の中に万単位で存在するのであるが、精子(卵子と合体しない尻尾を除く)には全く存在せず、卵子と精子の頭部が合体し、その後、受精卵は急激に細胞分裂を開始するのであるが、卵子に存在するミトコンドリアだけが分裂した全細胞にばら撒かれるとともに自己増殖していくのである。
(中略)
 これが意味することは重要であり、ミトコンドリアはメスからのみ引き継がれるのであり、ミトコンドリアという生命体の立場に立ってみれば、そのメスの体を構成する全細胞に散らばっているミトコンドリアはクローンであるから、その全部が皆、自分であり、たまたま卵子に入ったものもクローンであって、これも自分である。従って、ミトコンドリアは永遠に細胞分裂を繰り返し続けて自己保存する不老長寿の生き物だ、ということになる。
 ところで、そうした自分が1宿主細胞の中に少なくとも数十個体が存在するのであるから、話がやや複雑になる。なぜならば、1宿主細胞の中にそれだけの数のミトコンドリアがいつもいて、宿主細胞の分裂に併せて、それぞれのミトコンドリアも分裂して先々まで各宿主細胞に存在し続けるからである。あたかも数十個体からなる生物が群を成して存在するかのごとくの様相を示し、1宿主細胞の中のミトコンドリア個体間の関係は他人ということになる。
 しかし、その数十個の他人の中には、まれにDNAに傷が付いたりして分裂する力が弱まり、消滅せざるを得ないものも生じてくる。そうなると、健全なミトコンドリアの再分裂で不足分を穴埋めし、これが何度も繰り返されるうちに、やがては1宿主細胞に存在するミトコンドリアは、どれか1個体の分身ばかりで占められるようになるであろう。
 その宿主細胞のうちの特定なものが卵細胞となり、皆、クローンであるミトコンドリアが爆発的に数を増やし、クローンを作り続け、不老長寿の生き物として存在し続けるのである。
----------------------------(引用終わり)----

 

 

 

 

上前二郎

[衝撃] 2億5000万年前の地球史上最大の大量絶滅では「まず植物が先に絶滅」し、それから他のすべての絶滅が始まったことが判明。そこから思う「今まさに進行している地球の6度目の大量絶滅事象」②

⇒②より

ニッケルと植物の死 : 地球の歴史上最大の大量絶滅は、まず植物から起きたと見られる
大絶滅として知られる地球の歴史上最大の大量絶滅では、当時の地球上にいたほとんどの生命が生き残ることができなかった。しかし、ネブラスカ大学リンカーン校が率いる新しい研究は、多くの動物たちが絶滅するよりずっと以前に、まず植物から絶滅が始まったという強い可能性が見出された。

約 2億2500万年前、地球では、パンゲアと呼ばれる超大陸が激しく大地の分裂を起こしていた。地球内部からはスーパープルームが上昇し、世界各地の火山活動が活発となり、現代のシベリアにある火山群が次々と噴火し始めていた。

その中で、多くの火山の噴火は、約 200万年間ものあいだ、地球上の大気に炭素とメタンを吹き込み、これらの噴火により、海洋生物の約 96パーセントが絶滅し、陸上の脊椎動物の 70パーセントが姿を消した。これは地球の歴史上で最大の大量絶滅だった。

しかし、新しい研究によれば、噴火の副産物である「ニッケル」が、およそ 40万年前にオーストラリアの植物を絶滅させたかもしれないことを示唆している。

ネブラスカ大学リンカーン校の地球大気科学部の教授で、論文の執筆者であるクリストファー・フィールディング(Christopher Fielding)氏は以下のように述べる。

「これは大きなニュースです。これまでも、そのことについての示唆はあったのですが、そのことが具体的に突き止められたことはなかったのです。今回の研究で、地球の歴史がまたひとつ明らかになろうとしています」

研究者たちは、化石化した花粉、岩石の化学的組成と年代、そしてオーストラリア南東部の崖の底から採取した堆積物の層を研究することによって、今回の結論に達した。

研究者たちは、オーストラリアのシドニー盆地の泥岩の中で、驚くほど高濃度のニッケルを発見した。

地球大気科学部の教授のトレイシー・フランク(Tracy Frank)氏は、この調査結果はシベリアのニッケル鉱床を通じた溶岩の噴火を示していると述べる。

その火山活動がニッケルをエアロゾルに変え、そこから、地球上の植物の生命の大部分がニッケルに毒されるほど南に何千マイルも大気中を流れた可能性がある。ニッケルの同様の急増は、世界の他の地域でも記録されたとフランク教授は言う。

フィールディング教授は以下のように言う。

「それは状況の組み合わせでした。そして、それは地球の歴史における5回の主要な大量絶滅のすべてを通じて繰り返しされています」

もし、そうなのだとすれば、確かに、その後の大量絶滅でも、植物の絶滅が先駆けた後に、他の大半の動物たちが絶滅する引き金となったかもしれない。

植物の不足で死ぬ草食動物、そして草食動物の不足で死ぬ肉食動物、そして、毒性の物質が川から海に流れ、結果として二酸化炭素が上昇し、酸性化と気温の上昇が進む。

研究チームはまた、別の驚きの証拠を見出した。これまでは赤道近くの場所で行われることが多かった、この地球上最大の絶滅に関する以前の研究の多くでは、その間に堆積した堆積物の急激な着色の変化を明らかにしていた。

灰色から赤色の堆積物への変化は一般的に、火山活動による灰と温室効果ガスの放出が世界の気候を大きく変えたことを示していると研究者たちは述べていた。

それでも、その灰色 - 赤色のグラデーションは、シドニー盆地でにおいては、はるかに緩やかなものであり、噴火からの距離は当初、他の場所で見られる激しい気温上昇と乾燥からそれを緩衝するのに役立ったことを示唆した。

この 2億2500万年前の大量絶滅の時間的進行とその規模は、地球の現在の生態学的危機を超えたものではあるが、しかし、 2億2500万年前の大量絶滅と現在には類似性がある。

研究者たちは、特に温室効果ガスの急増と種の絶え間ない絶滅の連続が似ているとして、これらは研究の価値があるものになるだろうと述べている。

そして以下のように述べた。

「地球の歴史の中でこれらの大量絶滅事象を振り返ることは、私たちに何ができるかということを知ることができるという意味において意味があります」

「地球の状況は過去にどのように混乱したのか? いったいどんなことがあったのか? そして、その変化はどのくらいのスピードで進んだのか。そのようなことを研究することは、私たちが、『今の地球で何が起きているのか』を知り、研究することの基礎になるのです」

この研究は、アメリカ国立科学財団とスウェーデン研究評議会よって資金が供給され、論文は、科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表された。

⇒③に続く

 

 

土偶

[衝撃] 2億5000万年前の地球史上最大の大量絶滅では「まず植物が先に絶滅」し、それから他のすべての絶滅が始まったことが判明。そこから思う「今まさに進行している地球の6度目の大量絶滅事象」①

過去の大量絶滅は植物の絶滅から始まっていた!?現代も海の植物達が次々に死滅している...地球が本当に危ない!!

引用元:「In deep」 リンク
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すべての他の生命の登場に貢献した「植物」という存在。その植物が消えた時には他のすべての生命は再び消える
このブログでは、「植物」というものについて取りあげることが多いです。

植物に対しては、いろいろな考え方があると思いますが、私自身の植物に対しての考え方、そして最近では、微生物に対してもそうですが、おおむね以下のような考えでここ数年固定されています。

これは、以下の過去記事から抜粋させていただきます。

・微生物、植物…。地球上のすべてが人類と共生関係であり表裏一体であるかもしれないことを確認させてくれる「人間と細菌たちの共存=マイクロバイオーム」の概念

In
Deep
の過去記事からの抜粋
昨年、「植物が「緑色」であり続ける理由がわかった…」という記事を書いている時に、「植物がこの世にある意味」というようなことが、おぼろげながらわかってきたのです。

その意味は、おごった意味としてではなく、

「植物は人間のために存在している」

ということです。

「植物は人間のために存在している」というような響きはおごっているように響くかもしれないですが、なぜ、これがおごっていないかというと、

「人間も植物のために存在しているから」

です。

完全な共生。
完全な表裏一体。

それが植物と人間の関係だと認識するようになりました。

そして、今、「微生物もそうだった」ということが、今回のマイクロバイオームについて知ったことで理解できてきたのです。

「微生物(細菌、真菌、ウイルス)は人間のために存在している」

と共に、

「人間は、微生物のために存在している」

とも言えるはずです。

どちらが「上」ということはなく、すべてが共生しているということなのだと理解します。

こういう感じなのですけれど、そもそも、この地球の生命体系というのは、「海にいた古代の藻が、4.5億年前に地上のバクテリアと共生して最初の植物に進化した」ことによって始まり、この時の植物の誕生から他のすべての生命が花開いていったということが、2015年に国際共同研究者たちによって突き止められたのですけれど、これは当時、私は大変に感動したものでした。

海にいて「水のない場所での生活を知らないはずの《藻》」が、地上のアーバスキュラー菌という微生物と「共生する」ことで、

「この地球に最初の植物が誕生した」

のです。当然、この地球には、植物が最初になければ、他の生命の息吹は何も生まれなかったはずです。

4億5千万年前に、「古代の藻と微生物が共生したとき」から、地球のすべてが始まった。

これに関しては、以下の記事でご紹介させていただいています。

私やあなたはなぜ地球にいられる? それは「4.5億年前の藻が植物として地球を支配するため」に上陸したから

英国の専門機関により初めて解明された「植物はいかにして地球に誕生したか」



さて、この

この地球の生命体系は、植物がいなければ成り立たない

ということがはっきりしたというようなことが、最近の米ネブラスカ大学の研究で明らかになったのです。

それは、地球の歴史上最大の大絶滅があったときに、

まず最初に植物が絶滅していた

ことが判明したのでした。

この地球では、5回の大量絶滅が起きたとされていますが、この研究は、その中で最大の事象であった大量絶滅に対してのもので、以下のような事象です。

ペルム紀末の大量絶滅
-
Wikipedia
古生代後期のペルム紀末、P-T境界(約2億5100万年前)に地球の歴史上最大の大量絶滅がおこった。

海生生物のうち最大96%、全ての生物種で見ても90%から95%が絶滅した。

これらの生物種の大絶滅に先駆けて、「まず地球上から植物たちが消えていた」ということのようなのです。

とりあえず、ネブラスカ大学のニュースリリースをご紹介しますので、お読みくだされば幸いです。

⇒②へ続く

 

 

 

 

土偶

ソマチッドと珪素の関係

看護師・音楽療法士・ソマチッド研究家 甲斐さおりさんのブログより引用させていただきます。リンク
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岡部賢二さんが、ケイ素(シリカ)の効能リンクをまとめて下さっていて、すごく分かりやすかったので、シェアします。

ちょっと補足します。

2014年の日本珪素医科学学会や、ソマチッドお話会でもお話している、
常温原子転換の話です。

C炭素の原子量が12、
O酸素の原子量が16なので、
12+16=28で、
原子量28のSiケイ素に原子転換できます。

これは、鶏に、
カルシウムの入っていない餌(黒雲母と土)を与えても、
カルシウムでできた殻のある卵を産むことから、
体内で、常温原子転換ができると、
証明されています。

ケイ素28+炭素12=カルシウム40
になるからです。

貝なども、常温原子転換で、
砂から、殻を作っていると思います。

黒焼きや炭がいい理由も、
ケイ素に原子転換するからだと、
書いて下さっていて、
うれしいです。

よく、ソマチッドが、炭素とケイ素でできている、という方がいるのですが、それは、原子転換の途中だと思います。

ソマチッドは、水H2Oと珪素Siのコロイド粒子(=自然界の水。水は、H2Oの純水ではない、必ず珪素とコロイド粒子を形成している→中嶋敏樹先生の説)だと、2014年の日本珪素医科学学会で、私が発表しました。

要するに、ソマチッドは、
水素Hと、酸素Oと、珪素Siでできています。

よく、
水素だけを勧める人、
珪素だけを勧める人、
酸素だけを勧める人、
水だけを勧める人、
サプリだけを勧める人、
意識の介入だけを勧める人がいますが、
実は、全部大事です。

でも本当は、常温原子転換できるなら、
水さえ問題なければ、
特定の物質の不足による病気にはならないはずです。

ソマチッドを命名した、
ガストン
ネサンは、
16変態する、と書いていますが、
私はこう考えます。

ガストン
ネサンが見たソマチッドは、
その環境だと、16変態した、だけ。
ソマチッドが、水と珪素のコロイド粒子だとすると、
常温原子転換ができるので、
自然界の水から、様々な物質、様々な生命が誕生し得ます。

だから、NASAは、
惑星に水があるかどうかで、
生命があるかを判断します。

ソマチッドから、微生物になれば、
千島学説の菌の自然発生説。

腸から吸収されたソマチッドが、
赤血球やマクロファージなどの血球ができれば、
千島学説の腸造血説。

ソマチッドが、貝の殻になったら、
化石になって発見されたら、古代ソマチッドに。
当然、ソマチッドが、がんになることもあります。

ソマチッドは、エネルギーの物質化したものなので、
意識、周波数で物質が作られる、
結局、ひも理論の証明になります。
(後略)
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引用おわり

 

 

 

橋口健一

2019年8月10日 (土)

代謝機能の進化のために、生命体は「炭素」を主元素とする生物になった

波動エネルギーを吸収する生命前駆体(始原生命体?)のソマチッドは「ケイ素(Si)→SiO2」でつくられているが、人類も含めわかっているすべての生命体の身体は、水と「炭素(C)化合物」を主元素に構成されている。
(※それゆえ炭素を含む物質は生命体に由来することから「有機物」と呼ばれる。)
そのケイ素と炭素の元素は、どちらも4本の結合の手をもち、酸素や水素と結合し安定した構造になる性質をもつ。(※元素番号は、炭素7、ケイ素14で同族元素。)

Q.生命体を構成する主元素が「炭素」になったのは?

まず、生命を維持する物質の代謝機能には「膜」が不可欠になり、その膜は親水性と疎水性をもつ「リン(P)脂質」によってつくられている。
海中にはリン含有は少ないので、ケイ素(SiO2)による波動エネルギーの取り込みにより、元素番号14のケイ素の隣にある元素番号15のリン(P)への変換(核融合)か?
いずれにしろ生命は、リン(P)を獲得したことで膜の形成が可能となり、リン脂質の膜を通じて外部から物質を取り込み、不必要な物質を外部に放出する「代謝機能」を獲得し、細胞「分裂」を行う進化形態に変異した。

物質の代謝は、外部から(食べ物として)炭素化合物を摂取し、個体の炭素排出物や気体の二酸化炭素(CO2)などにして排出する。「炭素(C)」が代謝の物質源になっている。
それは、ケイ素と同じ4つの結合の手をもつ炭素は、海中ではケイ素より約60倍の濃度もあり豊富であったため取り込みやすいからであろう。(※ケイ素は岩石に固定され海中に遊離しにくい。)
ただ、エネルギー吸収する源である元素番号14のケイ素より元素番号6の炭素の方が軽い(→エネルギー量が小さい)。
その問題を克服したのが、リン脂質の膜による「物質の濃縮機能」。

また同時に、リン脂質の膜をつくることができるようになって、エネルギー貯蔵、エネルギー代謝を可能とするポリヌクレオチド(ATP)を形成することも可能となった。
そして、膜の形成による濃縮機能の獲得によって、原子番号7の低分子の窒素(N)を取り込み、窒素と炭素を使い生命分子のアミノ酸に重合することが可能になった。
さらにアミノ酸で構成されるタンパク質も、核酸(DNA、RNA)も、糖や脂質なども、高度に組織化された高分子を形成することが可能になった。

【1】ケイ素(Si)による生命前躯体(ソマチッド)の形成。
【2】ケイ素(Si)の波動エネルギー吸収によりリン(P)の獲得。
【3】リン脂質(P)の「膜」の形成により低分子から高分子への濃縮機能の獲得。
【4】低分子の炭素(C)物質による代謝機能の進化。
【5】低分子の有機物とリンなどが重合し生命分子のアミノ酸の形成。
【6】さらにタンパク質や核酸(RNA、DNA)など高度に組織化された高分子を形成。

 

 

麻丘東出

「炭素系生命体」と「ケイ素ベースの生命体」

GIZMODE より引用です。
リンク

地球外生命体の真の姿とは?からスタートしてますが
炭素系生命体とケイ素ベースの生命体の話はなかなか面白い。

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地球外生命体の真の姿とは?
科学的に考えてみる
2011.03.28
22:00

(前略)

「炭素系生命体」という言葉を聞かれたことがあるかもしれませんが、それはどういう意味でしょう?


炭素は、酸素や水素、窒素といった他の元素と組み合わされて、地球上の全生命体の基礎となっています。なので多くの人は、他の星にいる地球外生命体も炭素系だろうと何となく思っています。我らがカール・セーガンはこうした思い込みを「炭素排他主義」と名付けています。


炭素は生命の基盤として非常に優れています。炭素を基本骨格として安定した結合ができるのですが、これは他の元素にはできないことです。また、より複雑な分子をその上に構築するための基礎としても非常に適しています。というのは、炭素原子にはペアを持っていない電子が4つあり、他の元素と安定した共有結合を作ることができ、なおかつ結合を解くことも容易にできるためです。古い星では、炭素が窒素や酸素とともに自然に作り出されるので、宇宙には大量に存在すると考えられます。


ただ、この種の話を専門とする科学者の間でも、地球外生命体が炭素系かどうかについては意見が分かれています。NASAの宇宙生物学者のリン・ロスチャイルド氏は「絶対に炭素系だ」と言い切ります。またSETI(Search
for Extra-Terrestrial
Intelligence、地球外知的生命体探査プロジェクト)の上級宇宙生物学者のセス・ショスタク氏は、炭素は「生物学的に不可欠である可能性が高い」と言います。


さらに、ペンシルバニア州立大学の地球科学者、ジム・ケイスティング博士は言います。

”ケイ素は周期表上で炭素のすぐ下にあり、多少の結合を形成できる。でも酸素との結びつきが強すぎて、基本的に岩石のようになってしまう。私が思うに生命とは炭素ベースのものであり、液体状の水またはそれに非常に近いものも必要だと思われる。アンモニアと水の混合でもいいかもしれない。”

ケイ素ベースの生命体に異を唱える人は他にもいます。NASAの宇宙生物学者マイケル・ニュー氏は、ケイ素の結びつきは反応しやすいので、長い間安定を保つのが難しいとしています。


でも、コロラド大学の宇宙生物学者、マーク・バロック博士はもっとオープンマインドです。

”我々のように、水の星にいる生命体はおそらく炭素系だろう。でも、より高温の惑星は、原則としてケイ素ベースの生命体を持ちうるだろう。そうした生命体はもっと結晶性で岩石っぽい外見で、それでも動きは機敏である必要がある。他にも可能性がいろいろあり、たとえばガスの巨星にいる巨大な風船みたいな生命体や、宇宙を飛び回る知能を持ったプラズマ雲とかが考えられる。”

バロック博士は『スタートレック』に出て来る生き物、特にエンタープライズ号が出くわす宇宙アメーバなどを称賛しています。ものとしての出来栄えはともかく、コンセプトとして素晴らしいと言います。


ケイ素以外では、どんな元素が生命を作れるんでしょう?
たとえば、リンはチェーン状の分子をそれ自体で作ることができ、窒素との組み合わせではさらにいろいろな分子を作ることができます。ホウ素の化合物も炭素以上に多様なんですが、ケイ素同様、存在する量が少なすぎるかもしれません。硫黄も長いチェーンの分子を形成できるものの、ケイ素と同じ問題があるのですが、映画『スターゲイト』に登場したガドミーア人は硫黄ベースの生命体でした。また、『スタートレック』では鉱物風のソリア人、『ドクター・フー』ではテルルベースの生命体クロトン、といったキャラクターが見られました。


もちろん、地球外生命体が何かまったく未知の元素からできていて、DNAやRNA、アミノ酸とはまったく無縁である可能性もあります。


前出のニュー氏は、炭素系生命体の中だけでも幅広い生化学的組成やライフサイクルがありうることを指摘しています。この地球においてさえ、原核生物から菌類、原生生物などなどがあり、生命とは非常に多様なものであることを証明しています。かつて2007年、米国研究評議会は「奇妙な生命(Weird
life)」という報告書を発表し、炭素系生命体であっても地球上の異なる環境にあれば生物学的に異なってくることを明らかにしています。

(後略)

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(引用おわり)

 

 

 

 

孫市

眼も心臓も、イカの体は驚くほどハイスペックだった

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 ただし、実際のカニの眼をよく見ると、昆虫などと同じ複眼であり、ヒトの眼とはだいぶ違う印象だ。一方、イカの眼はつぶらな瞳があるようにも見え、より親しみやすさがあるといえる。

 実は、イカの眼はレンズでピント調節をする「カメラ眼」であり、ヒトと同じタイプである。レンズがあるために、つぶらな瞳に見えるのだ。カメラ眼は、多くの光を集めて対象物をより高解像度で見るという利点があるのだが、では、イカの高性能な光受容器は、どのように発達したのだろうか。

祖先を求め「大爆発」期へ、だが姿ははっきりしない・・・
 5億4000年前の「カンブリア紀の大爆発」にさかのぼる。カンブリア紀の大爆発では実にさまざまな動物の原型が登場したが、別の視点で見れば生存競争が激化した時代だったともいえる。現在までに分かっている限りでは、カンブリア紀の大爆発以前の「エディアカラ生物群」とよばれる6億年ほど前の生物には、積極的に自分で動いて餌を探す体制のものはあまりいなかったと考えられている。

しかし、カンブリア紀の大爆発では、甲羅や殻を発達させた動物が増える。と同時に、運動できる体のつくり、すなわち筋肉を発達させた動物も激増した。殻で天敵から身を守るか、あるいは積極的に餌を捕らえに行くか。すなわち「食うか食われるか」の世界が始まったのだ。

 そして、「攻撃は最大の防御」とばかりに、運動性能をさらに向上させ、獲物(あるいは天敵)をより鮮明に認識するために眼を発達させた動物が覇者になっていった。前回登場した「アノマロカリス」はその典型例である。カンブリア紀の大爆発は、眼という感覚器の発達によって加速されたと考える研究者もいるくらいである。

 現在もイカが生き残っているということは、イカの祖先もおそらくはカンブリア紀の大爆発の「攻撃は最大の防御」の流れに乗ったのだろう。ただし、カンブリア紀のイカの祖先の姿ははっきりしない。殻の化石は残っているものの、中身の化石がないのである。それはイカと近縁で、カンブリア紀以降に大繁栄するアンモナイトも同様である。世界中で大量に発掘されるが、殻から顔や体を出しているようなイラストはあくまで想像図であって、化石として残っているのは殻だけだ。

イカと近縁の生物、アンモナイトの一種の化石。殻のみが残されている。

「殻を体の内部にしまい込む」というイカの進化

 現在、私たちが食べているイカの系統的な位置は、大きい分類では「冠輪動物」であり、その中の「軟体動物」ということになる。軟体動物には貝類やナメクジなども含まれるが、その中でもイカは「頭足類」というかなり高度に進化したグループに入る。

 しかし、現在のイカには近縁のアンモナイトと違って殻がない。殻はどこにいってしまったのだろうか。実は、イカは殻を体内に隠し持っているのだ。紋甲イカなどを捌いているとプラスチック製のヤスリのような構造物が出てくる。物質としては炭酸カルシウムで、まさに貝殻そのものである。つまり、それは祖先の殻の名残である。インコなどのカルシウム源として与えている人も多いだろう。

 では、イカの祖先は殻をいつごろ内部にしまい込んだのかというと、約2億年前の中生代三畳紀に登場した「べレムナイト」からといわれている。保存状態のよいべレムナイトの一種の化石を見ると、ほとんど現在のイカと変わらないように見える。

 ともあれ、殻を内に秘めたイカの仲間の一部は、恐竜大絶滅の時代を生き抜いて、初登場から現在まで数億年にわたって生きのびている。中生代に大繁栄したにもかかわらず、6600万年前の白亜紀末に完全に絶滅してしまったアンモナイトとは対照的である。運もあるだろうが、やはり生存に有利なさまざまな形質を試行錯誤してきたことが大きいだろう。そのひとつが、イカのカメラ眼であるといえる。

巧みな眼、体色変化に墨吐き・・・ハイスペックなイカの体

 イカの発達したカメラ眼には、実はヒトのカメラ眼と異なったところがある。それは、ヒトの眼には光を受容できない「盲斑(もうはん)」という部分があるのに対して、イカの眼にはそれがないという違いである。ヒトの眼の視神経につながる神経線維は光が当たる側に配置されているために、どこかにその視神経の出口をつくらないと脳へ情報を伝達することができない。その出口が盲斑である。

 一方、イカの眼では神経線維は光を受容する裏側に配置されているために、視神経への出口をつくる必要がないのだ。つまりイカの眼には「死角」がない。一方、死角が生じうるヒトの眼は、工業製品として見れば明らかに進化上の設計ミスとしかいいようがないだろう。

他にも、イカは体表の色素胞を変化させて、まるで光学迷彩のように、体色や模様を瞬時に周囲と同化させることのできる種も多い。天敵から身を隠したり、獲物を狙ったりするときに大いに役立っていることだろう。

 そして、イカは天敵に対峙しても、ご存知のように墨を吐いて姿をくらますこともできる。その際には体内で水流を生み出して漏斗(「口」のように見えているところ)から噴出させるジェット推進の原理で高速移動する。しかも、その漏斗の向きによってどのような方向転換も可能だ。その高速運動を維持するためのえら呼吸も、本体の心臓のほかに、副次的な2つの心臓によって効率的に維持されている。

 さらにいうなら、イカの脳は、その体重比で見ると鳥類や哺乳類に次ぐ大きさがあり、高い学習能力があるとされる。

 これだけ書き並べるとイカのハイスペックぶりを痛感するほかない。だが、裏を返せば「殻による防御はしない」という選択を数億年前にしたことによる結果ともいえるかもしれない。

 

 

匿名希望

巨大な単細細胞生物~海ぶどう

単細胞生物って、小さいものだと思っていたが、そのまま進化して巨大化していたものがあった。それも、一度は口にした事があろう「海ぶどう」が単細胞生物だったとは..

じつは単細胞
海ぶどうの謎~日経サイエンス2019年6月号より
リンク

沖縄科学技術大学院大学,全ゲノム解読で体形成メカニズムの一端を解明

プチプチの食感と適度な塩味がくせになる海ぶどう。細長い茎の先に無数の丸い粒が並ぶ姿は特徴的だ。しかしこの海ぶどう,アメーバやミドリムシと同様,単細胞の生物だという。「1つの細胞で,どうやってこの複雑な体を作り出せるのか」。様々な海洋生物のゲノム解析を手掛ける沖縄科学技術大学院大学(OIST)の佐藤矩行教授と有本飛鳥研究員らは海ぶどうの全ゲノムを解読し,体作りのメカニズムの一端を解明。DNA
Research誌に発表した。どうやら,この単細胞生物は体内で相当高度なことをやってのけているようだ。


あなどれない単細胞生物

海ぶどうは藻類,より正確には緑藻の仲間だ。食用に出回る養殖ものの海ぶどうは10~20cmの長さだが,自然では1mを超す場合もある。葉・茎・根に相当する部位を備え,その姿はとても1つの細胞には見えない(下の図)。学校の理科の授業を思い出してみよう。植物でも動物でも,1個の受精卵から細胞が分裂し,役割を分担しながら複雑な体を作り出すと学んだはずだ。それを海ぶどうは,なんと1個の細胞の中でやってのける。

海ぶどうは1つの細胞でありながら,多数の核を持つ生物でもある。これは菌類や藻類の仲間でしばしば見られる現象で,核が分裂しても細胞全体は分裂しないために1つの細胞の中に核が増えていく。そのため海ぶどうでは,葉や茎に相当する部位でそれぞれ多数の核が存在している。


たくさんの核で役割分担

研究チームは,次世代シーケンサーを用いてこの風変わりな生き物の全ゲノムを解読した。ゲノムサイズは約2800万塩基対。これは,球状の単細胞緑藻であるクロレラ(約4600万塩基対)より小さい。また,遺伝子の数は陸上植物のモデルとしてよく用いられるシロイヌナズナの約3分の1に相当する9311個だった。陸上植物と緑藻は,約7億年前には共通の祖先から分かれていたと考えられている。シロイヌナズナやイネ,各種の緑藻が持つ遺伝子と比較すると,現在の海ぶどうはこの共通祖先が持っていた遺伝子の一部を失っている。


単細胞で複雑な形を作り出すメカニズムの謎は,この厳選された9311個の遺伝子が握っているはずだ。海ぶどうに特異的な遺伝子を探索すると,いくつかの特徴が見つかってきた。(続く)

 

 

 

匿名希望

2019年8月 7日 (水)

メスだけで子孫を残せる生物は短命

生物はなぜオスとメスに分かれたのか?
と追求していく中で、メスだけでも生殖可能な生物は珍しくないことがわかりました。
しかし、彼らは短命なようです。

メスだけで子孫を残せる生物が短命なワケ(追記あり)
GIZMODOリンクより紹介します

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オスを必要としない、メスだけで生殖ができてしまう「単為生殖」は動物の世界において珍しいことではありません。線虫にはもともと雌雄異体での有性生殖だったものが、単体生殖に変化した種もいます。新しい研究では、単為生殖を行なう種の寿命が短いということがわかりました。そして研究者たちは短命になる理由を以下のようにあげています。

生殖する上で、オスを必要としなくなった種は複数存在します。多くは特異的なもので、例えばレイオレピス・ゴーヴァントリイというトカゲの一種は、自家受精をし遺伝子をミックスすることで、クローンではない子孫を交尾することなく残すことができます。また2012年には、4年連続で単為生殖を続けたトラフザメも確認されました。同様に、線形動物のPristionchus属には、オスとメスが交わることをやめ、単為生殖を選んだ種が複数存在します。発生生物学マックス・プランク研究所の研究者たちは、このPristionchus属に着目し、単為生殖と短寿命には関連性があることを発見しました。

まずはじめに研究者たちは、短寿命の要因とはならないある事実を発見しました。調査対象となった雌雄異体6種、雌雄同体5種、合計11種の中で、それぞれ産んだ子孫の数に違いは見られなかったというものです。つまり、単為生殖の線虫が、より多くの子孫を作っているから早く死んでしまうというわけではないということになります。

ではなぜ単為生殖の線虫は短命なのでしょうか。研究者たちは3つの理由をあげています。最初の2つはシンプルで、進化という点において成功していくには、子孫を残した後はそれ以上長く生きる必要がないという事実に関係しています。単為生殖する線虫は若いうちに繁殖期を迎え、必要な数の子孫を残した後、それ以上長く生きる必要がないのです。また、単為生殖という行為には寿命を縮めてしまう永続的な欠陥がある可能性も指摘されています。しかし、たとえ単為生殖が寿命を縮めていたとしても、同じ数の子孫を残している限り種を存続していくことができるのです。

3つ目の理由は、大変な交配の副作用のようなものとして、雌雄異体の寿命が長くなっているというものです。こちらが電子顕微鏡で見た線虫の交配の様子。どっちがどうなってるのか...。

研究者たちによると、メスはもともと交配を乗り切るために「タフ」な作りになっていて、それが長寿のカギかもしれないとのことです。人間も女性1人で赤ちゃんを産めたら一体どんな世の中になるのかなと考えてしまいますね。

 

 

 

 

久里亜

1週間で進化の系統を再現する「胎児の世界」が示す人間の可能性②

1週間で進化の系統を再現する「胎児の世界」が示す人間の可能性
リンク)より転載

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(その1のつづき)

●運動論・身体論からのアプローチ
脳だけではなく、それを含む我々のからだそのものが魚類→両生類→爬虫類→哺乳類という系統発生の進化史を抱え込んでいる訳だが、それを自覚的に遡ることでヒトの運動能力は極限まで開発することが可能であるとするのが、高岡英夫『究極の身体』(講談社α文庫、09年刊)である。序章「人間の身体はどこまで高められるのか?」の要旨はこうである。


人類は単細胞動物からずっと進化を繰り返し、今日の姿に至ったわけだが、その進化のルート上で経験したものは、その重要なものについてはすべて人間のDNAの中に保存されていると考えられている。そして私は、人間の「身体能力」というものも、構造上の制約があるためすべてではないにせよ、人類の祖先たちが経験した多くのものを内包していると考えている。


人類は最終的に「人間という形態」としての新しいDNAを持つに至った。その新しく持った人間らしい構造と機能によって、人間は広い意味での「身体文化」を創造してきた。たとえば日本舞踊やクラシックバレエは、安定的かつ直立的に屹立できるという人間のみが持っている能力がなければ成り立たないし、テニスも手がラケットを握ることができなければできない。同じようなことが、料理にも裁縫にも陶芸にも建築にも、他の一切の「文化」にも当てはまる。そういった「文化」というものは、人間の段階になって初めてできあがったもので、もっとも人間らしい運動機能によって生み出されたものなのだ。


そして「文化」は広がり、「高度化」していく。この文化の高度化というものは、個人の段階で見ると「上達」という言葉で表現できると思う。「上達」はある段階までは人間らしい身体構造・機能によって担われる。しかし、そこからさらに上の段階になると、人体の中に温存されてきた過去の遺産、つまり魚類や四足動物から伝承されてきたDNA情報や身体構造、あるいは潜在的な機能というものを、進化の流れとは逆に、発掘し直していく作業が必要になるのだ。


「四足動物」からさらにさかのぼって、爬虫類、さらにはその先の魚類の構造・機能まで開発すれば、不世出と呼ばれるような選手になれるはずだ……。

内なる自然への回帰である。「人間は、自然のうちで最も弱い1本の葦すぎない。しかしそれは考える葦である」とパスカルが言ったのはとんでもない間違いで、内なる動物性を捨て去って最も弱い葦に成り下がったこと自体を問題視せずに、それを論理的思考能力の優位性でカバーできると思い込んだのである。

新哺乳類的な理性脳である大脳新皮質の言語機能や論理的思考は確かに人間が人間であることの証ではあるけれども、それにばかり頼って、実はそれが爬虫類的な反射脳や前期哺乳類的な情動脳と連動することで初めて成り立っていることを忘れてしまうと問題が発生する。
脳だけではなく身体の全体も同じで、二本足歩行は間違いなく人間であることの証であるが、それによって四足歩行や爬虫類や魚類の時代に持っていた背骨のうねりによる優れた運動の能力を失ったことに気づかないと、本来持ち合わせているはずの力を発揮できない。

 

 

 

紀伊谷高那

1週間で進化の系統を再現する「胎児の世界」が示す人間の可能性①

1週間で進化の系統を再現する「胎児の世界」が示す人間の可能性
リンク)より転載

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■自分の祖先は魚類や爬虫類だったことを思い起こさないと──インフォメーションとインテリジェンス《その4》

(前略)

さて、生物進化の長い歴史が重層的に埋め込まれているのは、脳だけではない。ヒトを含むすべての動物のからだには、30億年前にこの地球で生命が誕生して以来の進化の歴史が「生命記憶」として埋め込まれ受け継がれていると、三木成夫『胎児の世界』(中公新書、83年刊)は述べている。

●固体発生は系統発生を繰り返す

地質年代で言う始生代に多細胞動物の進化が始まり、原生代の海に原初の無脊椎動物が現れるが、それはホヤのようなもので、体軸は垂直で上に向かって口を開けた腸が尾の部分で海底に着地しているほとんど植物に近い姿をしている。

ところがそれが、波に揺られて口を開けて食物を待つだけでは飽き足らなくなり、横倒しになって海底から離れ、獲物に向かって泳ぎ寄っていくようになり、4億8000万年前の古生代シルリア紀に今のヤツメウナギのような最初の脊椎動物が誕生する。それが1億年かけて鰭と顎をもつ魚類に進化しさらにその一部は古生代終わり近くに両生類に変わる。次の中生代は恐竜≒爬虫類の時代で、その終わりに哺乳類が一挙主役に躍り出て新生代を迎えた……。
という、魚類→両生類→爬虫類→哺乳類という系統発生の進化史の概略は誰でも知っているけれども、その痕跡が実は、我々1人1人が母親の胎内に宿ってすぐに成長し始めて10カ月後に誕生するまでの胎児の個体発生の過程に、ものの見事に再現されているという驚天動地の事実を説いたのが三木前掲書である。「胎児は、受胎の日から指折り数えて30日を過ぎてから僅か1週間で、あの1億年を費やした脊椎動物の上陸誌を夢のごとくに再現する」。


受胎32日目、ということは母親が月経が来ないので妊娠したのかと気づく頃であるけれども、その時の胎児はアズキ大で、正面から見た顔は鰓(えら)を持つ魚である。2日後の34日目になると鼻や唇の形成が始まり、これが魚類から両生類への過渡なのだろう。さらに36日目には真横を向いていた瞳が正面を向くようになると共に、鼻が1つにまとまり、その上に脳が発達して前頭葉が顔にのしかかってくる。

38日目には鼻と両眼が真横に並び、その下の口もほぼ完成して、獅子舞の獅子頭そっくりの原始哺乳類の域に達する。そして40日目となると、これはもうヒトそのものである。

三木は「あとがき」で、この胎児の世界を公開することに躊躇いがあったと述懐している。「やはり人間社会には『見てはならぬもの』があろう。母胎の世界はその最も厳粛なものの1つである。……やはりそれは、永遠の神秘のかなたにそっとしまっておくというのが、洋の東西を超えた人情の常ではなかろうか」。と言いながら「しかし」と思い直して本書を上梓したのは「ユダヤ・キリスト教の人類至上主義(ヒューマニズム)に象徴される、あの根強い人間精神の存在……そうしてさらに、同じくいわゆる『左脳』の所産である自然科学が、ここでいう〔母なる海の〕『おもかげ』──直観の世界の排除にひたすら努め、そうした機械論に明け暮れてきたこと」への憂慮のためである。

古代の海がそのまま母親の羊水となり、その中で脊椎動物5億年の進化史がわずか1週間で再現されることを通じてしかヒトが生まれてこないことを知ることが、人間観・文明論の出発点でなければならない。

(その2へ続く)

 

 

 

紀伊谷高那

2019年8月 4日 (日)

中心体の起源は原生生物(スピロヘータ)との共生か

真核細胞の起源について、マーギュリスは、「繊毛、精子の尾、感覚突起、そのほか数多くの真核細胞の付属物が、嫌気性菌と遊走性細菌との融合から生じた。」との視点に立つ。

>中心小体/キネトソームになった外来者には、いまも自由生活をしている親戚がいる。古細菌の一種、スピロヘータである。スピロヘー夕の祖先であるくねくね動く乱暴者たちは、空腹のあまり死にものぐるいで多くの古細菌につっこんでいった。侵入された古細菌のなかには、今日のサーモプラズマに似たものもあった。侵入のあとに停戦がきた。私はスピロヘータと古細菌が合体した状態で生き残り、最古の真核細胞が生まれたのだと思う。
(『共生生命体の30億年』)
 > そこで何が起こったか。つねに乾燥や食物不足や有害物などの潜在的な災難にさらされている外に比べれば、細胞内環境は水分と栄養分に恵まれたところだ。古細菌の細胞膜という障壁を突き破ったスピロヘータ(あるいはそのほかの遊泳性の細菌)は、常にエネルギーと食物を享受できることになった。
 > 襲撃したものとされたものの増殖のしかたはしだいに関連してきた。生息の拠点となる元の細胞を制圧してしまったのでは、襲撃者も長くは生き延びられない。襲撃者は共生体となり、時の経過とともにオルガネラとなったのである。合体のあと新しい生き残りの策略が生まれたのだ。
 > 私は、くねくねと動く酸素に弱い細菌が食物を求めて古細菌を襲い、侵入していった場面を心に描く。動く細菌にすみつかれた古細菌は、そのおかげで速く動けるようになった。真核細胞は、「染色体のダンス」と呼ばれる有糸分裂をするが、これこそスピロヘータのたえまない動きに由来する。
中心体の起源が運動能力の高いスピロヘータの波動毛のモーターとして始まったが、体内共生後、それは有糸分裂における染色体をうごかすモーターとなったという訳だ。

マーギュリスは、最初はスピロヘータが古細菌に付着するための構造をつくったのだが、その付着部が、スピロヘータと古細菌の「共生発生的な統合の結果、今日の中心小体/キネトソームになったのだ」、と捉えている。また エネギュイとレンホセックは、動物細胞の中心小体とキネトソームか同じものであることに気づき、有糸分裂のあと中心体が極から移勣してキネトソームになるという考えを提示した。この説は彼らの死後に、電子顕微鏡の所見によって証明された
※キネソトーム(基底小体) 鞭毛、繊毛の基部にある粒状の構造。 周囲は9組の3連続小管で構成され、その構造は中心小体と相同。

マーギュリスは、性における中心体の役割についても言及する。
>中心体=キネトソーム小器官の起源がバクテリアにあることを示す興味ある証拠がある。この細胞内構造には、DNAとRNAの両方が見られるのである。
 >動物の細胞は、キネトソームをつくる(中心体から波動毛をつくる)か、それとも有糸分裂をすることができるが、両方はできない。・・しかし、動物はこの遺伝のジレンマへの答えを見つけたように見える。コロニーに固まって集まることによって、いわばケーキを持ちながら食べることもできるのである。細胞は「九(二)+二」小器官をつくった後は分裂できないという制約をコロニーをつくることで乗り越えた。大多数の細胞は分裂する選択肢を残していたが、少数の細胞は・・波動毛を持つようになった。

六億年たっても、動物が生殖する方法は、原生生物が交尾してあらたに原生生物をつくるやり方といっしょである。動物は目に見える生物や意識などの新たな次元を生み出すが、最後には性を通じて太古の単細胞の微生物状態に戻る。
精子とは原生生物そのものだった。体内に取り込まれたスピロヘータは、有糸分裂のモーターとして多細胞化を推し進めたが、同時に波動毛付きの原生生物から生物史をやり直すという減数分裂の仕組みをも併用した。しかもDNAよりも柔軟性に富んだRNAを持つ原生生物の状態に帰ることで変異性を生み出そうとしているのではないだろうか。安定化したDNAの前に可変性の高いRNAワールドがあり、原生生物はたぶんにこのRNAワールドの影響下にあったと考えられる。つまり、有性生殖とは、一旦原生生物に戻ることで原生生物のサバイバル能力を活用しようとした結果であり、それが私たちに受け継がれているのではないか。

 

 

 

北村浩司

2019年8月 3日 (土)

深海生物「チューブワーム」は、動物なのに物を食べない

生物の代謝(エネルギー)は、植物では光、動物では食べ物が必要ですが、殆ど不食状態で生きている人が居ます。
一方で「チューブワーム:光の無い深海生物」という口も消化器官も肛門もなく、何も食べない動物が注目を集めています
チューブワームは体内に共生する微生物(イオウ酸化細菌)から栄養を受けているのです。
要するに植物も動物も生物は自然界(すべての生き物)と共生する事で、外圧適応(代謝と分裂)してきたと言えます。
_____________________________________________
辺境生物はすごい!リンク
より転載します。

【謎の深海生物「チューブワーム」が生命の起源の謎を解く長沼毅】
(前略)
 多くの研究者が集中するのは海底火山の周辺です。もちろん、深海はアクセスが困難なのでそれ自体が「辺境」といえるでしょうが、その中にも、サンプルを集めやすい場所とそうではない場所があるのです。
 とくに海底火山の周辺にある「熱水噴出孔」は、生物の宝庫。そこまで行くのは大変ですが、いったん行けば、さまざまな生物をごっそり持ち帰ることができます。
 ちなみに、私が生物学の世界に進むきっかけのひとつだった「チューブワーム」も、海底火山周辺の熱水噴出孔で発見されました。最初に見つかったのは、1977年のこと。
 チューブワームは、実に奇妙な生物です。その名のとおり、1本の白い筒(チューブ)の先に赤い花のような物がついた形をしているのですが、そこには口も消化管も肛門もありません。「それではエサが食べられないじゃないか」と思うでしょう。でも、心配はご無用。チューブワームは、動物なのに物を食べないのです。
 物を食べずに生きているなら、それは動物ではなく植物のような気がしてきますが、それはあり得ません。チューブワームが発見された深海には、太陽の光が届かないからです。
 植物の特徴は「光合成」をすること、すなわち、光エネルギーを使って水と二酸化炭素から炭水化物(たとえばデンプン)を作ること。だから、光のない深海で植物は生きられない、したがってチューブワームは植物ではない、ということになるのです。
 では、物を食べず、光合成もしないチューブワームは、どうやって栄養を得ているのでしょうか。
 驚いたことに彼らは「光合成とほぼ同じこと」をほかの生物にやらせています。体内に共生する微生物(イオウ酸化細菌)が、チューブワームのために栄養を作っているのです。
 そのエネルギー源は、海底火山から噴出する硫化水素という火山ガス。イオウ酸化細菌はそれを燃やして化学エネルギーを取り出し、それを光エネルギーの代わりに使って、自分自身とチューブワームのための栄養を二酸化炭素から作り出します。
 この仕組みは、太陽の光エネルギーと水と二酸化炭素から栄養を作る植物の光合成とほぼ同じ。いわば「暗黒の光合成」です。
「生命の起源」をたどる
 光合成をしないという意味では植物ではなく、物を食べないという点では動物ともいいがたい──そんなチューブワームは、生物の「共生」を考える上でも重要な意味を持つのですが、それについては別の章で詳しくお話ししましょう。
 私がチューブワームに惹かれたのは、それが「生命の起源」という大テーマと関係がありそうに思えたからでした。地球最初の生命はおよそ40億年前に誕生したと考えられていますが、それがどこでどのように生まれたのかはまだわかっていません。しかし、仮説はいろいろあります。
 たとえば、「原始のスープ」という言葉を見聞きしたことのある人は多いでしょう。40億年前の海にはアミノ酸や糖などの有機物が豊富に含まれており、その「スープ」の中で有機物が化学反応を起こして生命が生まれた──という考え方です。
 では、その有機物はどうやって作られたのか。
 それを説明するために行われたのが、有名な「ユーリー=ミラーの実験」(1953年)です。この実験では、地球の原始大気に含まれていたと思われるメタン、水素、アンモニア、水蒸気をガラス容器に封入し、そこに6万ボルトの高圧電流を放電しました。ちょうど、原始の大気中に雷が発生したのと同じ状態です。
 これによって数種類のアミノ酸が発生することがわかり、太古の地球で無機物から有機物を作ることが可能だったことが実証されました。
 ただし、無機物から有機物が作られるのは大気の中だけとはかぎりません。
 そこで注目されるのが、海底火山の熱水噴出孔です。そこで起きている熱水循環という現象を実験室で再現したところ、やはりメタンやアンモニアなどの無機物からアミノ酸などの有機物が生成されることがわかりました。そのため、海底火山が「生命の起源」として有力視されるようになったのです。
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岸良造

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