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2019年8月24日 (土)

「粘土鉱物」と「海底の温泉源」が生命誕生の基礎をつくった

生命の起源に関する研究は「粘土鉱物」と「海底の温泉源」が生命誕生の基礎をつくったことを明らかにしつつある。

確かに「粘土鉱物」と「海底の温泉源」には「高分子化」「代謝」「膜」「自己増殖」をつくりだす力があります。

1.粘土鉱物の表面(界面)でアミノ酸の重合反応→「高分子化」が引き起こされた。

>有機分子の重合反応は、どこでどのように進んだのでしょうか?粘土鉱物の表面(界面)でアミノ酸の重合反応が起きるという説が1959年に提唱されました。なぜ鉱物の「表面」なのかというと、溶液中よりも表面の方が、分子が自由に動けない分、分子の結合反応が起きやすいからです。鉱物の表面が化学反応の触媒として機能するのです。

2.粘土鉱物が「エネルギーと物質代謝の基礎」をつくった。

>黄鉄鉱上で有機物の合成反応が起きやすいのか? それは、この鉱物表面上で、エネルギーを生み出してCO2から有機物を固定すること、つまり代謝(最も原始的な)が可能だからです。この反応は、FeS
+ H2S → FeS2 +
H2 で表され、黄鉄鉱の周囲に鉄イオン、硫化水素があれば、自発的に水素イオンと電子を放出する最もシンプルなエネルギー代謝反応です。さらに、周囲にCO2が溶け込んでいれば、自発的にギ酸(HCOOH)を生成します。外部のCO2を有機固定するシンプルな物質代謝反応です。

>つまりこれは、黄鉄鉱の周囲に「化学的な不安定さ」が用意されていれば、そこから電子を取り出して栄養源とする代謝系(独立栄養代謝系)で、細胞膜に包まれていなくても黄鉄鉱の表面で代謝が可能ということを意味しています。酵素(タンパク質)が存在しない初期地球では、黄鉄鉱が酵素の代役をしていたというわけです。

>この原始代謝系を「Fe-Sワールド」といいます。

3.深海の温泉で「無機的な膜」がつくられた

>細胞膜はリン酸脂質とコレステロールの二分子膜構造です。実は、深海の温泉で無機的に膜をつくことができるのです。原始の海は高温・酸性でFe2+に富みます。一方、熱水は高温・アルカリ性で硫化水素に富むと言われています。これらを高温で混合すると、硫化水素とFe2+イオンが急速に反応して硫化鉄が析出し、硫化鉄の膜で覆われた微小な泡(小胞)がたくさんできることが実験室で再現されています。


4.粘土鉱物の特徴は「1ミクロン以下の大きさで水に飽和されたカードハウス状構造(トランプカードを積み上げることでできあがった立体構造)をしており、水理学的な力・化学的・電気的力を借りて自己増殖する」。


「地中生命の驚異」(デヴィド・W・ウォルフ 著 青土社
刊 @2400)では生命の起源は粘土としている。粘土鉱物は1ミクロン以下の大きさで水に飽和されたカードハウス状構造をしている。カオリナイト・モンモリロナイト・ハロイサイト・イライトなど種類があるが、水理学的な力・化学的・電気的力を借りて自己増殖し、現代の地層を作っている。

>その自己複製の仕組みはRNAが鋳型として分子を集めるのと同じである。もともとの粘土鉱物の格子欠陥があったとすると、それは次々と遺伝のように踏襲されて、同じ欠陥を持った粘土鉱物の集合体となるそうだ。

>生物細胞の化学作用は細胞膜の上で行われる。粘土鉱物は1ミクロン以下の大きさの膜構造であり、電荷を持ちその表面が触媒作用も行い、原始生命を組み立てる能力もある。その上、現在生命のエネルギーを運ぶATPは粘土鉱物と反応すると言います。

こうした「高分子化」「代謝」「膜」「自己増殖」の上に、自己複製機能が構築されれば、生命体の誕生といっていいでしょう。(続く)

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山澤貴志

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