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2019年8月30日 (金)

円偏光性の電磁波が螺旋構造を作り出す

生命体にとって螺旋構造は要を成す構造である。しかもDNAは、必ず右巻き状になるなど特定の方向性を持っている。その理由について考えてみた

地球上の生物の基本的な構成物質であるタンパク質は、アミノ酸から構成されている。アミノ酸は原子が立体的に組み合わさった分子で、左手と右手のように互いに鏡像関係にあるもの(鏡像異性体)が存在する。アミノ酸の鏡像異性体はL型(左型)とD型(右型)に分類され、自然界では通常はほぼ等量生成されることが知られている。
しかし、地球上のすべての生命体を構成する成分として,タンパクはL-アミノ酸だけからできている。
またDNAの核酸塩基も鏡像異性体を持っており、DNAはD-デオキシリボース(D型核酸)に核酸塩基とリン酸基が結合してできたデオキシヌクレオチドがつながったもの,RNAはD-リボースに核酸塩基とリン酸基が結合してできたヌクレオチドがつながったものだ。
 
この様に核酸とアミノ酸は逆の鏡像にあり、
RNAの成分はD-糖で、タンパクはL-アミノ酸からできているから,タンパク合成の原料であるアミノ酸のDとLを簡単に見分けてL-アミノ酸しか受け付けない。RNAを元にアミノ酸タンパクが作られるので鏡像関係としては逆になるようだ。しかし、いずれにせよ片方の鏡像しか使われていない。

この鏡像体が一方しか使われない理由は長年の謎だったが、最近、星・惑星の誕生領域の赤外線が、周辺の磁場などの影響により、螺旋運動を伴う円偏光という赤外線(電磁波)として複数の場所から観測された。その影響範囲は、太陽系の600倍にも及ぶらしい。

この、円偏光の赤外線(概ねテラヘルツ波で生物にとって重要な電磁波)の中では、アミノ酸は片側だけ(方向が合えばL型)優位になることがわかってきた。これらから、宇宙を漂ってきた隕石内で発見されたL型アミノ酸が生物誕生に関係しているという説がで登場している。つまりこれは、生命にとって重要な宇宙の電磁波を受け取るためには、特定の鏡像が必要であることを意味する
リンク 

更に、この電磁波説を補強するばかりか、円偏光した電磁波が螺旋構造を作り上げるということを示すと思われる実験結果が最近発表された(東京大学)

筒状のカーボナイトナノチューブ分子が、螺旋構造となり円偏光性(円偏光した光を効率よく吸収し強く発光する)を示したのである。 

この炭素と水素からなる筒状分子(カーボンナノチューブ分子)が、円偏光の電磁波を吸収することで二重のらせん階段状に組み上がる(テスラコイルの形)。そして、この二重らせんが形づくられる際、筒状分子の右手性・左手性が、らせん階段の左巻き・右巻きを決定している。二重らせんのような高次な集積構造は、核酸分子やたんぱく分子などにおいて自然界ではよく見られるが、炭素と水素のみからできている分子(炭化水素)では見つかったことがない。
なぜらせん形状の形成が促されたのか?その秘密は、「筒状構造」にある。光という電磁波を分子に照射すると、その分子の上にある電子がわずかに動くことで光を吸収・発光する。この電子のわずかな動きは、「筒状分子上で回る」かたちになる。その結果、筒状構造では対面の壁上の電子は反対方向を向いて動くことになる。ところが「電子が筒状分子の上を回転する」と、そこには磁気が生じることとなり、「右ねじの法則」としても知られる「アンペールの法則」が現れる。この磁気モーメントが円偏光性を生み出す原動力となっているのである。
 リンクより抜粋、要約

 

 

 

北村浩司

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