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2019年8月 3日 (土)

深海生物「チューブワーム」は、動物なのに物を食べない

生物の代謝(エネルギー)は、植物では光、動物では食べ物が必要ですが、殆ど不食状態で生きている人が居ます。
一方で「チューブワーム:光の無い深海生物」という口も消化器官も肛門もなく、何も食べない動物が注目を集めています
チューブワームは体内に共生する微生物(イオウ酸化細菌)から栄養を受けているのです。
要するに植物も動物も生物は自然界(すべての生き物)と共生する事で、外圧適応(代謝と分裂)してきたと言えます。
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辺境生物はすごい!リンク
より転載します。

【謎の深海生物「チューブワーム」が生命の起源の謎を解く長沼毅】
(前略)
 多くの研究者が集中するのは海底火山の周辺です。もちろん、深海はアクセスが困難なのでそれ自体が「辺境」といえるでしょうが、その中にも、サンプルを集めやすい場所とそうではない場所があるのです。
 とくに海底火山の周辺にある「熱水噴出孔」は、生物の宝庫。そこまで行くのは大変ですが、いったん行けば、さまざまな生物をごっそり持ち帰ることができます。
 ちなみに、私が生物学の世界に進むきっかけのひとつだった「チューブワーム」も、海底火山周辺の熱水噴出孔で発見されました。最初に見つかったのは、1977年のこと。
 チューブワームは、実に奇妙な生物です。その名のとおり、1本の白い筒(チューブ)の先に赤い花のような物がついた形をしているのですが、そこには口も消化管も肛門もありません。「それではエサが食べられないじゃないか」と思うでしょう。でも、心配はご無用。チューブワームは、動物なのに物を食べないのです。
 物を食べずに生きているなら、それは動物ではなく植物のような気がしてきますが、それはあり得ません。チューブワームが発見された深海には、太陽の光が届かないからです。
 植物の特徴は「光合成」をすること、すなわち、光エネルギーを使って水と二酸化炭素から炭水化物(たとえばデンプン)を作ること。だから、光のない深海で植物は生きられない、したがってチューブワームは植物ではない、ということになるのです。
 では、物を食べず、光合成もしないチューブワームは、どうやって栄養を得ているのでしょうか。
 驚いたことに彼らは「光合成とほぼ同じこと」をほかの生物にやらせています。体内に共生する微生物(イオウ酸化細菌)が、チューブワームのために栄養を作っているのです。
 そのエネルギー源は、海底火山から噴出する硫化水素という火山ガス。イオウ酸化細菌はそれを燃やして化学エネルギーを取り出し、それを光エネルギーの代わりに使って、自分自身とチューブワームのための栄養を二酸化炭素から作り出します。
 この仕組みは、太陽の光エネルギーと水と二酸化炭素から栄養を作る植物の光合成とほぼ同じ。いわば「暗黒の光合成」です。
「生命の起源」をたどる
 光合成をしないという意味では植物ではなく、物を食べないという点では動物ともいいがたい──そんなチューブワームは、生物の「共生」を考える上でも重要な意味を持つのですが、それについては別の章で詳しくお話ししましょう。
 私がチューブワームに惹かれたのは、それが「生命の起源」という大テーマと関係がありそうに思えたからでした。地球最初の生命はおよそ40億年前に誕生したと考えられていますが、それがどこでどのように生まれたのかはまだわかっていません。しかし、仮説はいろいろあります。
 たとえば、「原始のスープ」という言葉を見聞きしたことのある人は多いでしょう。40億年前の海にはアミノ酸や糖などの有機物が豊富に含まれており、その「スープ」の中で有機物が化学反応を起こして生命が生まれた──という考え方です。
 では、その有機物はどうやって作られたのか。
 それを説明するために行われたのが、有名な「ユーリー=ミラーの実験」(1953年)です。この実験では、地球の原始大気に含まれていたと思われるメタン、水素、アンモニア、水蒸気をガラス容器に封入し、そこに6万ボルトの高圧電流を放電しました。ちょうど、原始の大気中に雷が発生したのと同じ状態です。
 これによって数種類のアミノ酸が発生することがわかり、太古の地球で無機物から有機物を作ることが可能だったことが実証されました。
 ただし、無機物から有機物が作られるのは大気の中だけとはかぎりません。
 そこで注目されるのが、海底火山の熱水噴出孔です。そこで起きている熱水循環という現象を実験室で再現したところ、やはりメタンやアンモニアなどの無機物からアミノ酸などの有機物が生成されることがわかりました。そのため、海底火山が「生命の起源」として有力視されるようになったのです。
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岸良造

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