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2019年9月28日 (土)

極限環境の強アルカリ性の泉に生息する、現時点の生命科学の知識では特定不能の未知代謝系を駆使して生きる「常識外れな微生物」

自然界で最もアルカリ性が強い極限環境の1つが、米国・カリフォルニア州にある「ザ・シダーズ」、最近の研究で、その地下にある蛇紋岩化反応を介して湧き出る強アルカリ性の水に超好アルカリ性微生物が生きていることが発見されました。その微生物のゲノム解析をしたところ、ゲノムサイズが非常に小さく、生命に必須といわれる遺伝子群が欠落しているなどしていて、常識外れな生物だそうです。

多くの生命が保有する機能の内、この微生物が保つのは、複製/転写・翻訳/細胞膜合成の機能だけ。ATP合成酵素/アミノ酸代謝/核酸合成/解糖系/呼吸系/嫌気的エネルギー代謝(メタン発酵、酢酸発酵等)はありません。どうも現時点の生命科学の知識では特定不能の未知代謝系を駆使して生きるようです。

このような特異なゲノム構造を持つ微生物は、この極限的な地下環境に適応するために、大規模なゲノムの再編集や代謝機構の特異化を余儀なくされた結果として創り出された微生物なのか、それとも、非常に原始的な生命の形を維持しているがために、現存する生命と異なるゲノム構造になっているのかは、明らかになっていません。

「ザ・シダーズ」は地球の初期環境と似ています。今後、これらの微生物の環境適応戦略や進化メカニズムの詳細を明らかにすることで、生命の進化や多様化の謎を知る手掛かりがつかめるかもしれません。


参考:地下深部の超極限的な環境に「常識外れな微生物群」を発見~マントル岩石と生命との関わりや地球初期の生命進化の謎の解明に前進~(リンク

 

 

 

 

斎藤幸雄

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