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2019年11月 4日 (月)

カンブリア紀、眼のある生き物はどのように登場したか?

カンブリア大爆発において、眼のある生物が登場した。
どのようにして登場したのか、なぜそれが他の生物にまで広まったのか。

田中源吾氏の「光スイッチ説」とカンブリア紀の大進化

リンク
より抜粋する。

***********

からくりはこうである.
先カンブリア時代の生物の中に,眼を持つもの
が突然現れた.眼を獲得した動物は,獲物を効率よく探
せる.一方で被食者は,簡単には食べられまいと,硬い
殻や棘を持ったり,堆積物中に潜ったりするようになっ
た.被食者は,さらに精度の良い眼を獲得し事前に捕食
者から逃れることもできるようになった.そこで捕食者
は,さらに精度の良い眼や,速く泳げるひれを獲得した.
こうしたイタチごっこが,カンブリア紀になって様々な
外部形態を持った生物を生み出した(「光スイッチ説」).
実は「光スイッチ説」を初めて世に出したのはParker
(2003)ではない.Parkerはすでに1998年に,バージェ
ス頁岩動物群のいくつかの動物について構造色が保存さ
れていることを報告した論文のなかで,カンブリア紀の
生物の眼の誕生と,それによって引き起こされた軍拡競
争について,短い文章で言及している(Parker,
1998).

(中略)

光を感じる細胞の集まりからヒトの
眼に代表される高度なカメラ眼が進化するのに,1世代1
年として見積もると40
万年もかからない(Nilsson and
Pelger,
1994).つまり,眼は地質学的にみて短い時間で
進化しうる.

(中略)

最古の眼の化石

Parker(2003)は,最初の眼はFallotaspis
のような三
葉虫において,カンブリア紀前期(521
Ma)に誕生した
としている.さらにParker(2003)は,先カンブリア時
代末のエデイアカラ紀(約565
Ma)に,軟体性の三葉虫
が生息しており,複眼の前駆体が存在していたと考えて
いる.
最近出版されたエディアカラ生物群に関する書籍(Books
LLC,
2010)によると,オーストラリアのエディアカラ
丘陵(590 ~ 530 M a) で産出した三葉虫様の生物
Praecambridium
sigillum は,デッキンソニア科に属する
プロアーティキュラータに分類されている. H o u
et
al.(2004)は,チェンジャン動物群を産出するユアン
シャン層の最も下部からは,Parabadiella(三葉虫)や
Bradoriid[
かつてはオストラコーダとされていたが,Hou
et al.(1996,
2010)によって検討された結果,オストラ
コーダと頭部や胴部の付属肢の数,全体の付属肢の数や,
個々の付属肢の形態が大きく異なることから,オストラ
コーダではなく,カンブリア紀に絶滅した節足動物とし
て解釈されている]などの節足動物が発見されている.
Bradoriid
はクモの単眼のような,前方を向いた大きな眼
を1対持ち,立体視ができたことは間違いない.Fallotaspis
やParabadiella
の背側の眼はParker(2003)の言うとお
り前方を向いており,捕食者の眼のように見える.しか
し,この背側の“眼”に見える部分は眼ではなく,実際
の眼はこの眼のような覆いの側面に存在していたという
考えもある(鈴木雄太郎私信).だとすれば,これらの最
初期の三葉虫は,被食者を立体視できる眼を持っていな
かった可能性もある.

***********

 

 

 

 

久里亜 

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