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2019年11月12日 (火)

ヌタウナギからサメへ、太古の海が育んだ魚類の進化(2)

○肺を持つ魚は、私たちの直接の祖先

 硬骨魚の祖先は、なんとサメより少し早い古生代シルル紀(約4億2000万年前)にはすでに出現していたようだ。そして、やがて「条鰭類(じょうきるい)」と「肉鰭類(にくきるい)」の2系統に大きく分かれることになる。

 簡単にいうと、日常で目にする魚の大部分は条鰭類である。一方、胸びれの根元に骨と筋肉があるのが肉鰭類で、シーラカンスや肺魚などがいる。

 先に、硬骨魚の大きな特徴として「浮き袋」を持っていることを挙げた。しかし、これは条鰭類での特徴であり、肉鰭類のハイギョでは浮き袋ではなく肺を持っている。となると、浮き袋から肺が進化してきたように予想しがちであるが、順番は逆である。

 じつは、硬骨魚の祖先はすでに肺に似た器官を持っていたらしい。そして、その肺が変化して条鰭類の浮き袋になったと現在は考えられているのだ。つまり、魚の浮き袋の原型は肺だったのである。

 そして、一部の肉鰭類は肺が浮き袋にならずに肺のまま進化して、約3億7500万年前のデボン紀後期には陸上に進出して、両生類になってゆく。つまり、肉鰭類は私たちの直接の祖先である。

○浮き袋を持った魚は多様に進化

 一方、肺を浮き袋へと変化させた条鰭類は、古生代に別の道を歩みはじめた。そして、中生代から新生代にかけて、徐々に私たちになじみ深い魚の祖先が現れだす。

 一例として、硬骨魚としてのウナギを紹介しておこう。

 ウナギは約1億年前の中生代白亜紀には登場しており、現生の条鰭類の中では比較的古いグループに入る。ウナギは「レプトケファレス」という葉のような透明な幼体の時期を持つ。これは、深海を浮遊するのに適応した形態で、他の魚には見られない大きな特徴である。

 もともとウナギは、深海を浮遊する海産の魚だったのだ。産卵も南海の深海で行われるためにまったく人目につかず、ウナギの産卵場所が特定されたのはつい最近である。ウナギの完全養殖が非常に困難なのも、ウナギがたどった独特な進化による所が大きいだろう。生物進化への理解は、生物資源の管理にも大いに役立つことがあるのだ。

 

 

津田大照

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