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2019年12月

2019年12月30日 (月)

クジラやトドらの大型化、理由を解明、定説覆す

哺乳類の中で最も大きいのはクジラだが、何故大きくなった?

引用元:リンク
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クジラは大きい。相当でかい。圧倒的に大きい。

 シロナガスクジラはあらゆる既知の動物の中で最大の種であり、記録では体長34メートルのものまで確認されている。その体重は190トンにもおよび、ホッキョククジラなら100トンだ。

 驚嘆すべき大きさであるが、彼らは一体なぜそれほどまでに大きくなったのであろうか?

クジラが巨大化したのは450万年以内
 ヒゲクジラ亜目(上記のクジラが属するろ過食動物)の巨大化について調べた研究によれば、彼らがここまで大きくなったのは450万年以内と比較的最近のことらしい。

 その原因は、気候変動によって食料が豊富になったことによる。

 クジラには面白い進化の歴史がある。5,000万年前は地上で暮らす有蹄哺乳類だったのだ。2,000~3,000万年前にろ過食の能力を発達させたクジラの祖先がおり、一飲みで小さな餌を大量に飲み込めるようになった。それでもしばらくは常識的な範囲の大型動物だった。

しかし突然ミニバンサイズのクジラからスクールバス2台分よりも大きな体へと変わった。米国立自然史博物館のニック・パイエンソン博士らは140体のクジラの化石を調べ、それを統計モデルに当てはめた。

 するとヒゲクジラ亜目の特に大きないくつかの種はほぼ同時期に巨大化していることが判明した。それはおよそ450万年前のことである。


環境の変化により、クジラにとって食べ放題のレストランが
 これはおそらく当時の環境的な変化が原因であると推測されている。調査からは、この時期は北半球で氷床が増えていた時期と重なることが分かった。

 氷河から流出した水は鉄などの栄養分を沿岸に流した。また激しい季節的な噴出サイクルによって冷たい水が深いところから湧き上がり、有機物を海面に押し上げた。

 この生態系的効果が大量の栄養を海に与え、海洋の食物系に連鎖反応を引き起こしたのである。

 動物プランクトンとオキアミは栄養素をむさぼった。すると長さ数キロ、厚さ20メートルに及ぶ局地的に密集した帯を作り上げた。クジラにとって食べ放題のレストランが登場したわけだ。

 ヒゲクジラの仲間たちは大量の餌を好きなだけ食べられるようになり、体はどんどんと大きくなった。しかしこれは部分的な答えでしかない。

餌を求めて長距離を移動する為の進化
 豊富な食料だけで巨大になったわけではない、と説明するのは同じく研究に参加したシカゴ大学のグラハム・スレーター博士だ。

 オキアミや動物プランクトンの大発生は季節的なものであったため、クジラは餌を求めて何千キロも旅しなければならなかった。

 このとき体が大きいクジラほど燃料タンクが大きく、長旅における生存に有利だったのである。長距離の移動は大きな体のほうが得するのだ。

 したがって餌の帯が遠く離れていなければ、クジラの巨大化はその環境に相応しいサイズで止まっていたはずなのだ。

 その場合、今日見られるような圧倒的な大きさを誇るクジラは出現しなかったであろうと推測される。

とは言えそこまで大きくなくても!っていうくらいクジラは大きい。クジラの大きさにはまだまだワケがありそうだ。

 そしてそこに壮大なるロマンを感じさせてくれるわけだ。

アメリカ・カリフォルニア州ニューポートビーチ沖で撮影された映像には、ザトウクジラが潮を吹いたところ、そこに美しい虹がかかっていた。これは相当なロマンである。

 

 

 

土偶

2019年12月28日 (土)

クジラやトドらの大型化、理由を解明、定説覆す

哺乳類の中で最も大きいのはクジラだが、何故大きくなった?

引用元:リンク
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クジラは大きい。相当でかい。圧倒的に大きい。

 シロナガスクジラはあらゆる既知の動物の中で最大の種であり、記録では体長34メートルのものまで確認されている。その体重は190トンにもおよび、ホッキョククジラなら100トンだ。

 驚嘆すべき大きさであるが、彼らは一体なぜそれほどまでに大きくなったのであろうか?

クジラが巨大化したのは450万年以内
 ヒゲクジラ亜目(上記のクジラが属するろ過食動物)の巨大化について調べた研究によれば、彼らがここまで大きくなったのは450万年以内と比較的最近のことらしい。

 その原因は、気候変動によって食料が豊富になったことによる。

 クジラには面白い進化の歴史がある。5,000万年前は地上で暮らす有蹄哺乳類だったのだ。2,000~3,000万年前にろ過食の能力を発達させたクジラの祖先がおり、一飲みで小さな餌を大量に飲み込めるようになった。それでもしばらくは常識的な範囲の大型動物だった。

しかし突然ミニバンサイズのクジラからスクールバス2台分よりも大きな体へと変わった。米国立自然史博物館のニック・パイエンソン博士らは140体のクジラの化石を調べ、それを統計モデルに当てはめた。

 するとヒゲクジラ亜目の特に大きないくつかの種はほぼ同時期に巨大化していることが判明した。それはおよそ450万年前のことである。


環境の変化により、クジラにとって食べ放題のレストランが
 これはおそらく当時の環境的な変化が原因であると推測されている。調査からは、この時期は北半球で氷床が増えていた時期と重なることが分かった。

 氷河から流出した水は鉄などの栄養分を沿岸に流した。また激しい季節的な噴出サイクルによって冷たい水が深いところから湧き上がり、有機物を海面に押し上げた。

 この生態系的効果が大量の栄養を海に与え、海洋の食物系に連鎖反応を引き起こしたのである。

 動物プランクトンとオキアミは栄養素をむさぼった。すると長さ数キロ、厚さ20メートルに及ぶ局地的に密集した帯を作り上げた。クジラにとって食べ放題のレストランが登場したわけだ。

 ヒゲクジラの仲間たちは大量の餌を好きなだけ食べられるようになり、体はどんどんと大きくなった。しかしこれは部分的な答えでしかない。

餌を求めて長距離を移動する為の進化
 豊富な食料だけで巨大になったわけではない、と説明するのは同じく研究に参加したシカゴ大学のグラハム・スレーター博士だ。

 オキアミや動物プランクトンの大発生は季節的なものであったため、クジラは餌を求めて何千キロも旅しなければならなかった。

 このとき体が大きいクジラほど燃料タンクが大きく、長旅における生存に有利だったのである。長距離の移動は大きな体のほうが得するのだ。

 したがって餌の帯が遠く離れていなければ、クジラの巨大化はその環境に相応しいサイズで止まっていたはずなのだ。

 その場合、今日見られるような圧倒的な大きさを誇るクジラは出現しなかったであろうと推測される。

とは言えそこまで大きくなくても!っていうくらいクジラは大きい。クジラの大きさにはまだまだワケがありそうだ。

 そしてそこに壮大なるロマンを感じさせてくれるわけだ。

アメリカ・カリフォルニア州ニューポートビーチ沖で撮影された映像には、ザトウクジラが潮を吹いたところ、そこに美しい虹がかかっていた。これは相当なロマンである。

 

 

土偶

2019年12月27日 (金)

猫の気持ち~人間の間違った研究で猫の居場所が失われる!?~

「猫がすり寄ってきても愛情を示しているわけではない」「猫は人間に無関心」など、猫の行動に関してはさまざまな解釈が行われていますが、実際のところ、猫は自己中心的で人間に愛情を示すことがない生き物なのか?という点を、ウェブマガジンのPopular Scienceが猫や犬について研究を行うJohn Bradshaw氏にインタビューしています。


◆猫は「べったりした愛」ではない
ロンドン大学のDaniel Mills氏らが行った研究で「猫は不慣れな状況に置かれた時、指図を求めて人間を見ることがない」という内容が発表されました。子どもや犬は未知の環境に置かれた時、飼い主や親の方に走っていくため、猫の行動は犬や子どもと異なり信頼を示していないようにも見えます。また別の研究では、20匹の猫を集めて、飼い主と飼い主以外の2人の他人がそれぞれの猫の名前を呼ぶ声を聞かせたところ、いずれの猫も耳の動きなどから飼い主の声を聞き分けていることはわかったのですが、鳴き声を上げたりスピーカーに近づいた猫は1匹もいなかったとのこと。

これらの研究結果から、「猫は飼い主に対して無関心である」と結論づける人も存在しますが、Bradshaw氏は「これらの研究をもって『猫が飼い主に対する愛情を持っていない』とすることはできない」と説明しています。猫と犬では進化の過程に違いがあり、犬は人間に依存するような形で進化してきましたが、猫はそうではありません。そのため、非日常的な状況に置かれた時でも「人に頼る」のではなく、「自分の頭で考える」傾向にあるとのこと。

「パーティーの間ずっと手をつないで互いとしかしゃべらないカップルが愛情深く、パーティーに到着すると別々に行動して新しい友人を作るカップルには愛がない」とは言えないように、未知の状況で人間の方に駆けていかなかったからといって愛がないわけではないのです。

◆猫は飼い主に対して愛情を示している
野良猫が自分のテリトリーであることを示すために木に体をこすりつけるマーキング行動を例に挙げ、「人が猫のいる部屋に入ってきた時に猫が人の足に体をこすりつけるのは、愛情表現ではなくマーキングである」とBradshaw氏は述べています。つまり、上記のような猫の行動は、犬が自分のテリトリーにおしっこする行動と同じであるというわけです。

しかし、Bradshaw氏によると、猫が飼い主の足に体をこすりつける行動は必ずしもマーキングであるわけではなく、しっぽを上げて体の片側を他の猫や人にこすりつけている時は「社会的活動」であるとのこと。しっぽを上げる行動は好意の表れであり、体の側面には臭腺がないので、マーキング行動とは異なるというわけです。

また、2013年の研究で、猫が過度になでられた時にストレスホルモンを放出するということが発表され、「猫は人間になでられるのを嫌う」と解釈されたことがありました。しかしBradshaw氏はこの研究がブラジルで行われたという点を指摘。ブラジルには「飼い猫」があまり多くなく、人々は猫の扱いに慣れていないため、まるで犬をかわいがるようにして猫を扱うとのこと。普段の生活でなでられること自体に嫌気を感じていたため、研究で集められた猫は拒否感を示したのだろう、とBradshaw氏は推測しています。

◆猫は環境を破壊しない


たとえ満腹でも、猫が小動物に対して攻撃を行い、その土地の環境を破壊する、という点も猫嫌いの人が主張するところ。しかし、猫は親から狩りの方法を学ぶため、親と離されて育った飼い猫は小動物と距離を詰めて殺す方法を知らず、環境を破壊することもない、とBradshaw氏は述べています。本来、猫は生まれてから8週間の間に狩りの方法を身につけますが、飼い猫がこの期間に行うのは「コットンボールを転がす」というような遊びです。もちろん、記憶の奥深くに狩りの本能は備わっていますが、猫は本来すぐれたハンターではないので、害獣の多い農場で育ったり、飼い主が狩りの方法を教えない限り、訓練無しで飼い猫が環境を破壊することはないそうです。

◆確かに猫は人を「狂わせる」

Stromberg氏は「猫はあなたを狂わせる」と主張しましたが、確かにこれは事実。恒温動物に寄生するトキソプラズマという原生生物はネズミなどの脳内に入り込むと、行動をのっとり、本来なら捕食者である生物を前にしても怖がらないように操作します。このトキソプラズマは猫用トイレなどを通じて人間に感染することもあるとのこと。

通常はトキソプラズマが体内に入っても免疫系が反応するため大きな問題となりませんが、研究者の中には「人間がトキソプラズマに感染すると、マインドコントロールのような形で思考が変化する」と考えている人も。過去にはトキソプラズマに寄生されることで、自分の評判に対して懐疑的で内向的な性格に変化した男性や、反対に寄生されることで外向的で人を信じやすくなった女性などが報告されています。

もちろん「トキソプラズマが人の思考を奪う」という説には反対する研究者も多く存在しますが、少なくともトキソプラズマは免疫不全の状態で感染すると致死的な状態を引き起こす可能性もあるため、Stromberg氏の主張する「猫は人を狂わせる」という説はある意味では間違っていないわけです。

 

 

 

道民

2019年12月25日 (水)

脊椎動物はなぜ4本脚なのか

私たちは「直立二足歩行」なので、動物園などで直立してよちよち歩くペンギン類を見ると、妙に親近感を抱いてしまう。しかし、動物園で見かける大半の「動物」は「四つ足」(よつあし)という言葉があるように4本足で歩くのが基本である。昆虫は6本足、クモは8本足だ。へびのように足がない動物もいる。なぜこんな風に足の数が違うのか。

以下『論座』(リンク)より

まず、4本足を脊椎(せきつい)動物の進化史から考えてみよう。脊椎動物には、無顎(むがく)類、軟骨魚類、硬骨魚類、両生類、爬(は)虫類、鳥類、哺(ほ)乳類の7つの綱に分けることが多い。前の3綱を魚類、後の4綱を四足動物とまとめることが出来る。


水中を泳ぎ回る魚類に足は不必要だが、不活発で海底をのそのそ鰭(ひれ)で歩くグループがいる。総鰭類(そうきるい)と呼ばれ、硬骨魚類の綱に入っている。その子孫が生きた化石として有名なシーラカンスだ。

この仲間の先祖がときどき水が干上がる環境にすんでいたと想定する。水中の時は浮力が働くが、干上がると、もろに鰭に体重がかかってくる。水たまりに急いで戻るには、鰭に多大な圧力がかかる。魚類には胸鰭・腹鰭・尻鰭・尾鰭があるが、尾鰭は水中での推進力を生み出すものなので、「歩く」力にはなりにくい。尻鰭は尾鰭の補助的役割を担っているので、これも外す。海底に近いところに生えている胸鰭と腹鰭が「歩く」足の候補だ。4鰭あれば、4点支持で立つことが可能である。3点支持しておいて、余った1点を前に進めると、「歩く」ことができる。

魚類を「0」足としよう。3点で平面が決まることを考えると(三脚をイメージして下さい)、最初の足は四足となるしかない。「0→4」への足の進化である。鰭の数からいけば、6足も8足も可能であるが、4足で事足りるので、それ以上の余分の足は「蛇足」というものだ。だから、足の数の進化は4でストップした。

ヘビ類は土中かそれに近い環境で、背骨をくねらせることで、推進力を得たので足が不用になった。クジラ類は水の環境に再侵入したことで、足が不要になった。いずれも「4→0」と進化(退化)した。モグラ類は、前足を強化して土を掘り進み、退化の道をたどらなかった。

 

 

柏木悠斗

人間と共生する生き物?可能性未知数のウイルスの正体(その2)

引き続き「EMIRA」(リンク)より引用します。

■ ■ ■

ウイルスは生き物なのか?

このウイルスの“活動”は、あくまで自分から何かを生み出し、消費するのではないという。

「ウイルスは基本的にエネルギーを作ったりはしません。自身では設計図を持っているだけで、それを誰かに渡して製品(遺伝子産物や子孫)を作ってもらっているような感じです。自分の製品をより多く作ってくれるところへ潜んでいき、そこで設計図を渡す。その動きだけを見ると、結構世渡り上手な感じですね。だからウイルス自身が何か生産的なことをしているというより、宿主の細胞に働きかけて上手にそのシステムを利用しているイメージです」

そして、自分の子孫をより多く作ってくれるように働きかける過程が、人間の体内では免疫を抑制することにつながっているそうだ。

「自身を増やす過程で、自分を排除しようとするものから巧妙に逃れる性質があります。この活動があるからこそ、ウイルスは増えていき、その結果、病気を引き起こすことにもつながっているのです」

これらの活動から考えると、ウイルスはまるで生きているかのようだ。“かの”とあえて付けたのは、ウイルス=生き物かどうか、には賛否両論があるからだ。

「自分では動けない、しかし自身を増やすことはできる。何をもって“生きている”と定義するかによるのですが、進化をして、子孫を残すという性質を重視すれば、生きていると考えることもできるように思っています」

人間が長い年月をかけて現在の形になったように、もしかしたら今から10億年後に、現在のウイルスを先祖として進化した“生物”がいるかもしれない。

ちなみに多くの場合、ウイルスは遺伝子を10個以下、少ない場合は1、2個しか持っていないが、最新の研究では、遺伝子を2500個以上も有する「パンドラウイルス」という巨大ウイルスが見つかったそう。遺伝子数で見れば、小型のバクテリアとほぼ変わらない存在だ。

「この巨大ウイルスが、遠い未来に意思を持つような生物になるかもしれませんね(笑)。実は、巨大ウイルスを研究していたところ、彼らに“寄生するウイルス”
(これは普通サイズ)というのが見つかり、寄生されると巨大ウイルスが病気になることが分かったのです。その後、巨大ウイルスは寄生したウイルスをやっつけるための免疫システムのようなものを持っていることも判明しました」

発見された「パンドラウイルス」と呼ばれる巨大ウイルス

つまり彼らは自己、非自己の認識ができて、非自己はやっつけるという仕組みを持っているということ。「巨大ウイルスが持つ“免疫”の仕組みは、バクテリアのシステムに似ている」と中屋敷教授は言う。

「こういった“生物的な”巨大ウイルスの活動を考えるともう、ウイルスを生き物の仲間に入れてあげてもいいんじゃないかと思いますね」

この巨大ウイルスのように、「進化」していることが分かると、今後のウイルス研究では、われわれの健康に役立つことも見つかるのではないだろうか?

「今までウイルスは、それを原因とした病気の発生を通して見つかるという歴史でしたが、次世代シーケンサー(遺伝子の塩基配列を高速に読み出せる装置)と呼ばれる技術の発展により、病気を起こさないウイルスというのが生物界に広く存在していることが明らかになりつつあります。そういったものの中には、病気やストレスに対するワクチンのような効果を持つことが分かったものも少なくありません。ウイルス研究が進めば、これからさらに“共生体としてのウイルス”の良い面がどんどん分かってくるかもしれません。今からのウイルスの研究は、これまでと一味違うものになっていく可能性がありますし、その動きは既に始まっています」

ウイルスとは何かを突き詰める教授の研究が、いずれ日本の医療に大きな進歩をもたらすのかもしれない

人間にとっては善でも悪でもあるウイルス。しかしその活動や進化の状況を考えると、善の側面が将来的には広がり、ウイルス=悪いものという存在ではなくなっていくのかもしれない。

 

末廣大地

人間と共生する生き物?可能性未知数のウイルスの正体(その1)

最近は、生物の進化にも関わっているといわれているウイルスの正体は何なのか?以下「EMIRA」(リンク)より引用します。

■ ■ ■

ウイルス=病原体とは限らない

「ウイルスとは、バクテリア(細菌)、菌類、微細藻類、原生動物などとともに、よく“微生物の一種”と思われています。中でもウイルスは、一般的に病原体、つまり“悪いもの”というイメージですね」

神戸大学大学院農学研究科の中屋敷
均教授がそう話すとおり、「ウイルス」と聞くと、悪いイメージを持つ人が大半だろう。しかし、「病原体」とされる微生物には他にバクテリアや真菌(カビや酵母の総称)などもあり、必ずしもウイルスだけが“悪者”というわけではないという。その理由を知るためには、まずはそもそもウイルスとは何者なのかを理解する必要がある。

「よく大学の新入生に、大雑把なイメージをつかんでもらうために、真菌はわれわれと同じ多細胞生物、バクテリアはその体の一つの細胞が飛び出して独立して生きているもの、そしてウイルスは、その細胞の中の遺伝子が細胞から飛び出て“独立”したようなもの、と説明しています。もちろん遺伝子だけだと何もできませんから、細胞の中に入ることで初めて活動できるのがウイルスなんですよ。学術的には『ヌクレオキャプシド(nucleocapsid)』と呼ばれていて、遺伝子である核酸(DNAやRNAの総称)をキャプシドと呼ばれるタンパク質の殻が包み込んで粒子を作っているものとされています。つまり、核酸とタンパク質の複合体がウイルスに共通するコアな構造ということになります」

細胞からは独立した存在だが、宿主の細胞に入ると遺伝子として機能する。侵入した細胞のタンパク質を利用するなどして、活動できるようになるのだという。要するにウイルスは、人間などの細胞を構成している一つのパーツのような存在なのだ。

ちなみに、テレビなどでは菌のことをウイルスと表現することもあるが、「そこは区別しておきたい」と中屋敷教授は言う。

「ウイルスがバイ菌の中に含まれて表現されることがあります。しかしウイルスは『菌と呼んでくれるな』と思っているでしょうね」

ここまで聞くと、ウイルスは人間の体内で次から次へと細胞に侵入し、グループをつくっていくように感じるが、「ウイルスは人間と違って、意思を持って行動しているわけではないので、仲間を作ろうとか、他のウイルスと仲良くやろうとか、言ってしまえが、自分を増やしていこうとも思っていない」のだそう。

「“増やす”ではなく、正確には環境を与えられたので、“増えられるから増えている”ものだと思います。その中でより増えることができたものが残っていくのですが、まれにウイルス同士で助け合うこともあります。調べてみると、ウイルス集団の中には、しばしば自分だけでは増えることができないものが見つかり、他のウイルスからタンパク質をもらうことで、生きているようです。共助ですね」

積極的に増殖するのではなく、他人を利用して増えられるなら増えていく。ちゃっかり者のような存在なのかもしれない。

しかし、「ウイルスの全てが病気の元になっているわけではないのです。いることによって何かしらの役に立っているものもあるんですよ」と教授は続ける。

現に、われわれの根本であるヒトゲノム(人間の遺伝情報)の45%が、「ウイルス」や「ウイルスのようなもの」で構成されていることが示されている。「ウイルスがいたからこそ人間はここまで進化できた」と中屋敷教授は言うが、そうなると、やはり「=病原体」ではないのかもしれない。

人体にとってウイルスは善か、悪か?

とは言うものの、現実問題としてさまざまなウイルスに人間は感染し、病気にかかってしまう。例えば、大腸にはもともとさまざまな大腸菌が存在している。そこに、ウイルスの介在によってコレラ菌から毒素遺伝子が大腸菌に運び込まれることで、人を病気にする腸管出血性大腸菌「O-157」が出現したとのことだ。ここでは完全に“悪役”だ。

「ウイルスは一般的には病気の元になりますし、それは事実。一方でウイルスがあるからこそ元気でいられることもあるんです。例えば、子宮で子供を育てるという戦略は、哺乳類が繁栄できているキモだと言われています。実は、子宮の胎盤形成に必須の遺伝子の一つがウイルス由来のもので、胎盤の機能を進化させる上で重要な役割を果たしていることが知られています。現在でも、その遺伝子がなければ胎盤は正常には作れません」

また、ウイルスには他の病原体の感染をブロックしてくれるような存在意義もあるそう。
「例えばヘルペスのように、それがいることで他の菌に感染しにくくなっている、と報告されているものがあります。あるウイルスのおかげでわれわれの体は他の菌やウイルスに対して強くなる。つまり、ワクチンを打っているようなものかもしれませんね」

ウイルスは遺伝子として機能するため、ゲノムの中に存在するウイルスは、多様で重要な役割を果たしていることが、次々と分かってきているという。中屋敷教授が、「そもそもわれわれの進化も、そういったウイルスや“ウイルスのようなもの”のおかげで加速されてきた側面があると思います」というように、DNAにウイルスが入ってくることで変革が起こり、それが長いスパンで見ると“進化”の引き金になったとこともあるそうだ。

(その2へ続く)

 

末廣大地

「男と女」生殖器は形成過程の駆動物質により、そのときの可能性に収束する①

人間の赤ちゃんが母親のお腹の中で成長する過程では、脊索を獲得し、えら呼吸から肺呼吸を得て、胎生獲得→汗腺機能→授乳→体毛の獲得といった生物進化史を体現しながら進むのだろうか?

少なくとも生殖器は原始生殖細胞が安定と変異を相互に連動しながら、一方を退化・消失させたり、もう一方を進化・形成したりといった活動を繰り返す。元は、両性の機能が用意され、駆動物質(エンドルフィンorテストステロンなど)によって、どちらかの性に収束するという過程がわかった。

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発生学では、男女、どちらが進化形?
リンク

「男」と「女」の違いをしめす構造体は数多あるが、決定的な差異は男女の生殖器の構造に見ることができる。いまさらながらの疑問であるが、似ても似つかない男女の生殖器はどのようなメカニズムで生みだされるのか。

最新の発生生物学の知見で、生殖器の分化のしくみを探っていくと、そこには造化の神の意思さえ感じさせる、なかなか巧妙なしくみがあった。

なんと、人を創造した造化の神は、「最初に男女ともいずれの生殖器になる器官を用意してから、片方をぶっ潰す」というかなり荒っぽい方法を採用していたのである。


■なんといっても形が違う!
ほかに特徴は?

生殖器官は、大きな特徴を持っている。
男女間の性差が極めて顕著だということである。一見しただけでも、男性のものか、女性のものかが明瞭である。それぞれ、まったく異なる器官を持っているかのごとくにも見えてくる。
男性では尿の通路である尿道の一部を精子の通路として利用している事実もある。尿道もまた、男性が16-18cmほどの長さなのに対して、女性は3ー4cmにも満たず、ここでも大きな性差を見ることができる。

もう1点、それは、太いか細いかは別にして、泌尿・生殖器の器官はすべて、管そのもの、あるいは管の集合体だという点である。管も単純な管ばかりではなく、部分的にふくらむと袋のようになって、その両端が管につながる。
そのようなわけで、泌尿生殖器に属する多くの器官は、細い管をいやというほどたくさん集めてできているということができる。
たとえば、男性なら精巣、女性なら卵巣・子宮が主要な生殖器官で、精巣で生まれた精子、卵巣で生まれた卵子を運びだす"管"(導管)が精巣であり、卵管である。子宮は管がふくらんだ袋状のものだ。
こうした、管はどのようにして、できてくるのだろうか? はじめから男性は男性の、女性は女性の、袋と管が独立してできるのだろうか? その生い立ちを追ってみたい。


■生殖器のもとになる細胞が動きだす

精子や卵子のおおもとになるのは、「原始生殖細胞」である。原始生殖細胞は、卵黄嚢(将来、胃腸管などに変わる)という袋の壁に出現してくる。
受精後4週目ごろになると、原始生殖細胞は原始腸管をからだにつなぎ止めている腸間膜という膜の間を通って、からだの背中側(後体壁)へ向けて大挙して移動し、生殖堤という集塊をつくるようになる。もしこの時期の胚子を解剖していけば、顕微鏡的ではあるが、生殖堤を高まりとして認めることができる。これが将来、精巣や卵巣のいずれか一方の組織になっていく。


■なんと、はじめは男女、両方の器官を用意する!

原始生殖細胞の集まりは、まだ精巣、卵巣、いずれにも分化していないので、この段階では、未分化性殖腺、あるいは未分化性腺とよんでいる。
受精後5週目ごろになると、未分化性腺と隣り合うように泌尿器官(腎臓)の前段階にあたる中腎もできてくる。そのため、中腎から尿を運びだす中腎管(ウオルフ管)、それと未分化性腺の導管であるミュラー管(中腎傍管)もできてきて、その末端は将来の膀胱の下端部になる尿生殖洞につながっている。
この時、ミュラー管は右と左のものが正中部で合一して、尿生殖洞に開口するようになる。

※5週目ごろの胚子で、生殖腺と関連する器官
・未分化性線:将来の精巣、もしくは卵巣
・中腎:腎臓の前段階のもので、いずれ退化・消失
・中腎管(ウオルフ管):中腎の導管。男性では、将来の精管
・ミュラー管(中腎傍管):未分化性腺の導管。女性では、将来の卵管

このようして、まず生殖器ならびに泌尿器の2系統の装置とそれらの導管が確保されるというわけだ。
往々にして、生殖器は、泌尿器とともに「泌尿・生殖器系」とひとまとめにされることも多いが、こうした器官の出自を見ても、お互いに交錯する部分が多いため、その妥当性にも多いにうなづける。
そして、見逃せないのは、この段階の胚子では、〈精巣ー精管〉の男性、〈卵巣ー卵管〉の女性、両様の性に備えて、どちらの性にも転がり込んでいける素地を装備している点である。

(次に続く)

 

 

たかじん

「男と女」生殖器は形成過程の駆動物質により、そのときの可能性に収束する②

続き

■不要なほうを削除! どう決まるのか?

両方の性の素地を備えた状態を略図にすると、下のようになる。略図は、受精後6週目ごろをモデルにしているが、このころまでは男女両性の素地を備えている。

では、どのようにして分化していくのか、まずは女性の場合から見てみよう。
原始生殖細胞は卵細胞の祖先型である卵祖細胞に向けて発達し、それに呼応して生殖堤の組織(未分化性腺)は卵巣に向けて発展するようになる。
この時その導管であるミュラー管は、まわりに平滑筋などを巻き付けて、卵管、子宮へと発展する。ミュラー管の発達には、女性ホルモンであるエストロゲンの作用を受けて行われる。
一方、腎臓は後腎という組織から新たに生まれてくるので、中腎は中腎管ともども退化的な組織で、特別な手立てを求めることなく消滅していくので、胚子がそのまま素直に発達していくだけで、女性の生殖器官が生まれてくる。

コンピューターの用語に、「なんの設定変更も実行せずにそのまま」を意味するデフォルト(default)というものがあるが、女性の生殖器官の発生にはこの言葉が当てはまる。


■男性になる場合は、ちょっとやっかい

ところが、その個体がY染色体を持っていて、遺伝的に男性であるならば、話は少しややこしくなる。
Y染色体の上にはSRYという男性を作る遺伝子が乗っていて、そのSRY遺伝子の作用を受けたSox9遺伝子によって、生殖堤の中にある原始生殖細胞は精子を生みだす細胞の祖先型である精祖細胞へと分化し、それにあわせて、未分化性腺は精巣に向けて発達していくのである。
その途上で、精巣の中にホルモンやホルモン様物質を産生する2種の細胞が生まれていくる。1つは男性ホルモンであるテストステロンをだす間細胞で、もう一方はミュラー管抑制因子をだすセルトリ細胞である。
ミュラー管抑制因子は、その名のとおりミュラー管の発達を阻害するので、女性の器官である卵管や子宮のもととなるミュラー管は消滅していく。
一方、強力な男性ホルモンとして知られるテストステロンの作用によって、退化傾向にあった中腎管は勢いを盛り返しすばかりか、滅びる運命にある中腎には見切りをつけて、そばにある精巣に近づき、精巣の導管(精管や精巣上体管)へとなっていく。

この後、後体壁の前にできた精巣は、鼠径部にある陰嚢に向けて降下していくという、次のステージに移る。
間細胞は、成体になっても精巣中でテストステロンを分泌し、思春期の第二次性徴のころには男性らしいからだつきをつくるという大きな役割を果たす。また、ミュラー管抑制因子をだすセルトリ細胞は、精巣の精細管の壁にあって、この壁を保持するとともに、精子の形成場所を提供する。


■で、男性は進化形なの?

このように男性に進む個体は、手を加えなければ女性の器官になるものを、強制的にワンランク上に進める手立てを使って男性の器官を生みだしてきたとみることができる。
だから、この点だけを見ていれば、男性の方が女性よりも一段発展しているようにも見える。
しかし、女性では、Wnt4という卵巣を決定する働きを持つ遺伝子が作動して、その効果により未分化性腺から卵巣に向けた分化が進行する一方、Wnt4の調節を受けて作用するDAX1遺伝子にはSox9遺伝子を阻害する効果があるとされている。
つまり、女性も「男性にはならずに女性になるのだ」という強い意志のもとに発生が進行しているため、単純に女性がデフォルトで、男性が女性の発展型とはいえなようだ。

(以上)

 

 

たかじん

巨大ウイルスが生物進化に深く関わっていた

生物はウイルスが進化させた」(ブルーバックス)の著者の記事
真核生物の誕生と進化に、ウイルスが関与してきた、という主張


リンク

◇史上最も生物に近いウイルス!?
本書では、巨大ウイルスの進化の過程におけるきわめて興味深い事例として、「アミノアシルtRNA合成酵素」遺伝子に関する話を展開した。
この遺伝子もまた、タンパク質の合成に必須であり、それまでのウイルスはもっていなかったものだ。
ところが、2003年に発見されたミミウイルスで4種類、2011年に発見されたメガウイルスで7種類のアミノアシルtRNA合成酵素が見つかった。

(中略)

驚くべきことに、本書の原稿が完成し、すでに刊行を待つばかりとなっていた4月の上旬、アメリカの研究グループによる刺激的な論文が科学誌『サイエンス』に掲載されたことで、本書の内容は刊行早々、ちょっとばかり古びることになってしまった。
その論文は、「メタゲノミクス」というまるでブルドーザーのように一定範囲に存在するゲノムを一網打尽に解析する手法により、未知の巨大ウイルスである「クロスニューウイルス(Klosneuvirus)」の存在を明らかにしたものだった。

驚くべきことに、そのゲノムサイズは、現時点で最大を誇るパンドラウイルスのそれ(248万塩基対)には届かぬものの、ミミウイルス(118万塩基対)を大きく上回る157万塩基対もあることが推定された。さらに驚くべきことに、クロスニューウイルスのゲノムには、なんとくだんのアミノアシルtRNA合成酵素遺伝子が「19種類も!」存在していたのである。しかもその19種類は、それぞれ異なる19種類のアミノ酸をtRNAに転移する酵素であった。

生物がタンパク質をつくるために使用するアミノ酸は20種類しかない。
これはすなわち、あと1種類あれば、生物のタンパク質を構成する全20種類のアミノ酸に対応できる体制が整うということだ。
この論文では、クロスニューウイルスとともに、よく似た3種類のウイルス、「カトウイルス(Catovirus)」、「ホコウイルス(Hokovirus)」、「インディウイルス(Indivirus)」の存在も明らかにされ、それらもまた、多くのアミノアシルtRNA合成酵素遺伝子を持っていた。

さらには、クロスニューウイルスが唯一もっていなかった最後の1種類のアミノアシルtRNA合成酵素遺伝子を、カトウイルスがきちんともっていることもわかったのだ。
すなわち、この新しい巨大ウイルスの一群全体で見ると、生物のタンパク質を構成する20種類のアミノ酸に対応できる体制が、きっちりと整っていたのである!
なんということだろう。

巨大ウイルスは、生物が使う20種類のアミノ酸に対応できるアミノアシルtRNA合成酵素遺伝子を、すでに手に入れていたのだ。
しかもそれだけでなく、クロスニューウイルスは25種類ものtRNA遺伝子と、20種類以上もの翻訳関連遺伝子(翻訳開始因子、翻訳伸長因子、翻訳終結因子など)も備えていた。
これだけ多くの翻訳関連遺伝子は、ミミウイルスにもパンドラウイルスにも見られておらず、クロスニューウイルスは、現時点で史上最も生物に近いウイルスであるといえるかもしれない。

◇生物の進化にウイルスは欠かせなかった?
巨大ウイルスの可能性がさらに広がったことに、私はかつてないほどの興奮を味わった。
それは、まさに常識外れの巨大さを誇るパンドラウイルス発見の報に触れたとき以上のものだった。

(中略)

もちろん、ウイルス「だけ」が生物を進化させてきたわけでは決してない。生物が生物として存在し、これほど多様な発展を遂げてきたしくみのごく一部に、ウイルスによる作用があったというだけなので、大袈裟といえば大袈裟なタイトルだ。
しかしながら、その「ごく一部」の中にとてつもなく大きな意味が隠れていると、私は考えている。
それこそが「真核生物の誕生・進化」という一大イベントである。
真核生物とは、生物にとって最も重要な遺伝子の本体であるDNAを格納する細胞核をもつ生物で、この真核生物が誕生したことで、現在のような生物の発展が可能となった。その真核生物の誕生と進化に、ウイルスが関与してきたのである。

◇深まる謎
本書でいわんとしていることの中で、最も重要な主張は二つある。
一つは、生物の細胞は、ウイルス(作中では「ヴァイロセル」)にとって増殖のための「土台」にすぎないということであり、
いま一つは、真核生物の細胞核は、ウイルス(特に巨大ウイルスの祖先を想定して)の増殖のための「ウイルス工場」が進化したものだ、ということである。

前者は、あくまでも「目線」の問題であって、ウイルス(ヴァイロセル)の目線に立てばそのように見えるが、細胞の目線に立てばまた違った現実が見える。
しかし後者は、続々と積み上げられつつある巨大ウイルスに関するいくつかの研究が、そうであったことを示唆するデータを出し続けている。

(中略)

論文の著者たちがいうように、クロスニューウイルスがもつ19種類ものアミノアシルtRNA合成酵素遺伝子は、その祖先がかつては独立した細胞であって、現存する三つのドメイン(バクテリア、アーキア、真核生物)に加え、「第4のドメイン」を形成していた可能性を示唆しているのかもしれない。

(中略)

してみると、クロスニューウイルスが、タンパク質を合成する「翻訳システム」に関する多くの翻訳関連遺伝子をもっているということは、彼らは比較的最近、生物から巨大ウイルスへと進化したということなのだろうか。

論文の著者により構築されたアミノアシルtRNA合成酵素遺伝子の分子系統樹は、クロスニューウイルスの“根”が、真核生物の中の深いところにあることを示唆している。
ということは、比較的最近とはいっても、それは約19億年前に真核生物が誕生した直後か、または真核生物の長い進化の中でも比較的初期の段階だったのか。
そして、そもそもクロスニューウイルスの祖先は「真核生物だった」のか、それともやはり第4のドメインに分類すべき、すでにこの世に存在しない生物だったのか
考えれば考えるほど疑問は尽きず、最新刊を書き上げたばかりだというのに、さらなる謎の探究にうずうずしている自分がいる。

(後略)

 

大森久蔵

冬眠という奇跡

リンク より引用

(前略)

冬眠の最大のナゾは、どのようなメカニズムで低体温が生じるのか、そしてナゼ低体温でも生きながらえることができるのか、の2点である。先に紹介した近藤博士らはこの2つのナゾをかなりの部分まで解き明かしたのである。

ブレイクスルーはまず低体温でも生きながらえるメカニズムに関する研究で起こった。やや難しくなるが、生存に最も重要な心臓を例にとって解説しよう。血液を循環させるには心筋の収縮と弛緩(心拍)が繰り返される必要があるが、そのスイッチの役割を果たすのが細胞内のCaイオン濃度である。心筋はCaイオンの濃度が高くなると収縮し、下がると弛緩する。ふだんは細胞膜上にあるCaイオンの通り道(Caチャンネル)が頻繁に開閉することで、心臓の心拍をきちんと保っている。しかし、人の場合、低体温になるとこのチャンネルの開閉が遅くなり、心筋細胞内にCaイオンが蓄積して心臓が停止してしまう。これが低体温による直接的な死因となる。

ところが、冬眠動物では低体温に陥るとまずCaチャンネルを閉じてCaイオンの過剰流入による心筋のダメージを防止する機構が働く。それだけでは心拍も止まってしまうが、代わりに細胞内の器官である小胞体がCaイオンを積極的に出し入れして心筋細胞内のCa濃度を変化させ、心拍が途絶えないようにサポートする。すなわち低体温になると小胞体がCaチャンネルの肩代わりをするようになるのである。

小胞体は普段からたんぱく質の合成やCaイオンの貯蔵を行っているが、冬眠中にそのパワーが全開、いや大幅に増強されるのだ。このようなバックアップ機能は冬眠しない動物では備わっていない。心筋以外の組織ではどのような低温対策がとられているのか不明な点も多いが、冬眠中でも筋肉量が維持され、免疫能が低下しないなど身体機能は傷害されずに保たれているから実に不思議である。

次に、冬季に体温が自動的に低下するメカニズムが明らかになった。近藤博士らは心筋の研究に引き続いて、冬眠を引き起こす特殊なたんぱく質(HP:
hibernation-specific
protein)をも見いだした。膨大な生体物質の中からこのような特殊な機能を持つたんぱく質を探し出すのは至難の業だが、自らが発見した心筋の機能変化を指標にして、効率的に生体物質をスクリーニングできたのが勝因である。HPは現在までに冬眠との関連がはっきりと証明されている唯一の物質である。

不思議なことに、血中のHP濃度は夏場に高く冬場に低い。冬眠を引き起こす物質ならば冬場に増加しても良さそうなものである。あまりにも専門的になるので詳細は省くが、実は冬には血液中から脳内に移行して体温中枢に作用して低体温を引き起こしていたのである。実際、特殊な方法で脳内のHPを働かないようにすると冬場でも冬眠が生じなくなる。

冬眠現象がHPだけで生じているのかまだ明らかになっていない。冬眠動物に特異的に認められる生体物質や、体内で濃度が季節変動する物質は他にも数多くあり、それらの一部が冬眠に関わっている可能性もあるだろう。しかし近藤博士らが発見したHPが非常に重要な役割を担っていることは間違いないと考えられている。
(後略)
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引用おわり

 

 

 

橋口健一

初期のヘビ、7千万年にわたり足があった 新化石から判明

最初に海底で生命が誕生して、やっと動物といえるレベルになったのは、きっとナメクジみたいな地味なヤツがゆっくり動いていたんだと思う。
そういうのがそのまま地上に上がったのが蛇みたいなやつか、と思っていたけど
生物が海から地上に上がるという時点で両生類なので、それがナメクジとかいうレベルでは無理だろう。
ヘビには足があったというのも、なるほど、と感じる。

CNN
リンクより引用。

(CNN) ヘビは7000万年にわたり後ろ足を持っていたが、その後の進化の過程で失われた――。新たな化石を分析した結果として、20日の米科学誌サイエンスアドバンシズにそんな論文が発表された。

【画像】ほぼ無傷の状態で見つかった頭がい骨

ヘビは1億7400万年前~1億6300万年前に出現。その後の進化で手足のない生態に適応したが、これまでの限られた化石記録からは変化の様子が分かっていなかった。

従来の説ではヘビに手足があった期間について、四肢のない現在の体形に適応するまでの過渡期に過ぎないとの見方もあった。

しかし、新たに発見された保存状態のよい化石を分析した結果、長期間にわたり後ろ足があったことが判明した。

分析対象となったのは、ナジャシュ・リオネグリナと呼ばれる初期の種。研究者はアルゼンチンのパタゴニア北部で8個の頭がい骨を発見し、そのうち1個はほぼ無傷の状態で見つかった。

ナジャシュには頬骨(きょうこつ)弓などトカゲに似た原始的な特徴がある一方、頭がい骨から頬骨につながる骨がない点を含め、現在のヘビに近い特徴も併せ持つ。あごの関節の一部などにはヘビとトカゲの中間的な特徴も見られる。

ナジャシュは7000万年の間、後ろ足を備えた体形で安定的に生息していた。この事実からは、後ろ足がヘビの役に立っていて、単なる過渡期ではなかったことがうかがえる。

 

 

久里亜

2019年12月24日 (火)

地球を襲った5回の「大量絶滅」と人類の未来への警告

地球史を振り返ると、大量絶滅の危機は5回あった。これらの絶滅は現代を生きる人類にどんな警鐘を鳴らすのか。

Forbesリンクより引用。
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地球の歴史が始まって以来、誕生した生物の99%が絶滅している。生命の歴史において絶滅は不可避であり、種の絶滅は常に起きている。ある種が絶滅して空いた穴は自然淘汰によって、生き残った生物や新たに誕生した生物が埋める。

一方で大量絶滅が起こった場合には、短期間に生物の多様性を大きく損なう規模の絶滅が起こり、新たに誕生する生物によってもその穴を埋めることができない。そういった大量絶滅は地質に残されている。

古生物学者らはこれまでに起きた5回の大量絶滅を特定している。4億4300万年前のオルドビス紀の終わり頃、推定86%の海洋生物が地球上から姿を消した。3億6000万年前のデボン紀の終わりには全生物の75%が絶滅した。2億5000万年前のペルム紀の終わりには史上最大の絶滅が起き、生物の96%が消えた。

2億100万年前の三畳紀の終わりには全生物の80%が姿を消した。最も有名な大量絶滅は6500万年前の白亜紀の終わりに発生した。このときは恐竜やアンモナイトを含む76%の生物が死に絶えた。他にも1万年前の、更新世の氷河期の終わりに起きたメガファウナ(巨大動物)の絶滅などもある。

大量絶滅の原因については、火山の噴火や隕石の衝突、気候変動などの天災が指摘されている。恐竜が消えた大量絶滅の原因として最も可能性が高いのは巨大隕石の衝突で、地球規模で生態系に影響を与えた。

氷河期の終わりに起きた大型哺乳類の絶滅の原因としては、気候変動に加えて人類による狩猟採の影響もあるかもしれない。

過去400年で数多くの哺乳類や鳥類、両生類、爬虫類が絶滅した。2011年にネイチャーで発表された論文では、現在の生物の絶滅率と、地質学的に平穏な時期と大量絶滅が起きた時期の率が比較された。その結果、現在の生物の絶滅率が過去よりも高く、大量絶滅に向かっていると結論づけられた。

人間の活動が地球規模で環境に影響を及ぼし、その悪影響は加速しているのだ。

国連が主催する政府間組織「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)」は5月6日、人間の活動によって100万種の動植物が絶滅の危機に瀕しているというレポートを公開した。

報告によると、現在知られている種の4分の1が絶滅の危機に瀕している。両生類が最も危険にさらされており、調査対象の種の40%が絶滅しかけている。続いて針葉樹が34%、サンゴ礁が33%、サメやエイなどの軟骨魚類が31%、哺乳類が25%、そして鳥類が14%だった。

無脊椎動物では調査対象となった甲殻類の27%が絶滅の危機に瀕している。昆虫の数が激減していることも、最近の調査から分かっている。

 

 

匿名希望

1160万年前に起きた大量絶滅の痕跡を発見

3億年前からこれまで、生物の大量絶滅は11回あったといわれている。
このうち、一番近い1160万円前の大量絶滅の原因は謎だった。その痕跡を日本の研究チームが発見したそうだ。場所は、小笠原諸島・南鳥島沖の水深約5600メートルの海底。堆積物を採取して分析したところ、巨大隕石の衝突と考えられる兆候が見られたという。

当該発見の発表内容:リンク

上記のサイトによると、全11回の大量絶滅の原因は、大きく分けて「火山活動・海水の無酸素化」と「隕石衝突」の2つと考えられている(両方が同時に起きたと考えられるものが1回ある)。
今回の隕石衝突説を加えると回数は以下。

 ・火山活動・海水の無酸素化:6回(火山・隕石
両方同時の1回を含む)
 ・隕石衝突:5回

我々個体のタイムスパンから考えると大変長い周期ではあるものの、概ね3000万年に1回は大量絶滅が発生している。

今回の発見で、最近3回の大量絶滅(1160万年前、3600万年前、6600万年前)は、いずれも隕石衝突が原因。同じ傾向が保たれるならば、これから2000万年先までに、隕石衝突を原因とする大量絶滅が発生するかもしれない。

しかし、この先も人類が地球を壊し続けたら、地球上の生物が2000万年先まで無事だといえるだろうか。隕石衝突よりこちらの方が心配だ。

私たちの直接の祖先=新人が誕生して20万年。この先数万年で地球の生物が滅んでしまったら、地球的タイムスパンで見れば短期間の死滅=大量絶滅になるだろう。
人類という種に起因する大量絶滅。まったく予想しなかった「境界」が地球史に刻まれるかもしれない。絶対にそんなことを起こしてはならないと思う。


(参考)
リンク
リンク
リンク

 

 

HAYABUSA

2019年12月23日 (月)

人間を欺く疑似生命体「バイオモーフ」

地球上で一番生命の少ない場所は?生物が住める限界を調査(エチオピア・ダナキル砂漠)からリンクの転載です。
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人間を欺く疑似生命体「バイオモーフ」

ナノスケールサイズの、二酸化ケイ素(シリカ)が豊富な小さな細胞にそっくりのたくさんの疑似生命体が見つかった。


バイオモーフとして知られるこれらの疑似生命体は「一種の警告だ」とロペス=ガルシア氏は言う。もし、別の惑星からロボットが採取してきたサンプルの岩石にこのバイオモーフがいたら、熱心な科学者が本物の生命の痕跡だと勘違いしてしまう可能性があるからだ。

だからといって利口な極限環境微生物がそこにまったくいないとは断定できない。

生命はわたしたちがありえないと思っている場所にも、いつだって生き延びる道を見つけ出すものだとプレストン氏は語る。
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ソマチッドが化石化したものか。極限環境の中で、生命に至ろうとする痕跡か。

 

 

生命材料、宇宙から飛来か 隕石から糖を発見

隕石から細胞内でタンパク質の合成に関わるリボ核酸(RNA)を構成するリボースという糖が発見された。40億年前に生命が誕生した際、宇宙由来の糖が使われた可能性があるという。

産経フォトリンクより、以下転載。
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生命材料、宇宙から飛来か 隕石から糖を発見
2019.11.19
07:00

 地球に落ちた隕石から生命活動に必須の糖が見つかったと、東北大や北海道大などのチームが18日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。細胞内でタンパク質の合成に関わるリボ核酸(RNA)を構成するリボースという糖で、40億年前に生命が誕生した際、宇宙由来の糖が使われた可能性があるとした。

 これまでもデオキシリボ核酸(DNA)の一部である核酸塩基などが隕石から見つかり、生命の材料が宇宙に存在することが分かってきている。東北大の古川善博准教授は「今後は他の隕石も分析し、地球にもたらされた糖の量を詳しく調べたい」と話した。.

 チームは砕いた隕石から糖を抽出し、高感度で分析する手法を開発。オーストラリアとモロッコで見つかった隕石2点から糖を見つけた。リボースのほか、植物に含まれるアラビノースやキシロースも含まれていた。.

 地上で付着した糖の疑いもあったため、糖に含まれる重さの違う炭素原子の比も調べた。その結果、比が地球の糖とは大きく異なっており、宇宙から来たと判断した。
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転載終了

 

 

立川久

2019年12月20日 (金)

外骨格と内骨格の分化と逆境進化1

エディアカラ生物群はさまざまな進化を遂げたが、もとをたどればクラゲやイソギンチャクのような腔腸動物である。それが、タコ等の軟体動物、エビ、カニ、昆虫といった外骨格を持った動物、そして体の中心部に内骨格を持つ動物に、と3方向に枝分かれしていく。私たち脊椎動物は、内骨格を持つ動物の進化形である。

外骨格と内骨格の分化がどのようにして起こったのか?

腸は体の表面(皮膚)が内側に潜り込んで出来たものだ。だからもともと腸の入り口は1ケ所で、口と肛門は1つの器官であった。実際、クラゲもイソギンチャクも口からエサを食べて、消化したら食べかすを口から排出する。しかしこれでは、食べ終わって排泄するまで、目の前にエサがいても食べることができない。

そこで、内側の腸を口の反対側迄貫通させて、穴を2つにする進化が起こった。その際に、もともとあった穴を口にして、新しい穴を肛門にした動物(旧口動物)と、もともとあった穴を肛門にして、新たな穴を口にしたの動物(新口動物)とに分かれた。

そしてこの旧口動物から軟体動物が進化し、さらに外骨格を持つ動物に進化していった。他方、新口動物は内骨格を発達させて脊索動物そして脊椎動物と、内骨格を持った動物へと進化していく。(確かにタコは足の間、お尻から食べている・・・)

(以上、稲垣栄洋著「敗者の生命史38億年」からの要約)

しかし外骨格を作った動物は、大きくなるには脱皮するしかなく、大型化しにくい。他方、内骨格は、その先端を伸ばしていけばいいのだから成長が容易であり、大型化していった。口が先か、お尻が先かという小さな違いが、その後の進化を大きく分けていったのだから進化というのは不思議なものだ。ではなぜ、新口動物は新しい穴を口にしたのか?次稿で検討してみたい。

 

 

 

山澤貴志

生物はいつ「羽毛」を獲得したのか~「体毛」の薄い我々ヒトを考える

鳥類、哺乳類はなぜ、鱗を捨てて毛を獲得したのだろうか

引用元:リンク
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 寒くなりダウンジャケットを着た人を見かけるようになったが、我々ヒトにはほとんど体毛がないため、衣服の助けを借りざるを得ない。ダウンとは主にガチョウの羽毛(Feather)で、鳥類や哺乳類にはこうした羽毛や体毛が生えていることが多い。だが、生物進化の過程でいつ羽毛や体毛が出現したのか、いまだに議論が続いている。

翼の起源はいつなのか
 先日、空を飛ぶ爬虫類の翼竜にも羽毛があったという論文(※1)が出たが、この化石はジュラ紀(約1億6000万年前)のものらしい。だが、すでに現在の鳥類の羽に似た構造を持つ生物は、ジュラ紀の前の三畳紀(後期、約2億3700万~2億130万年前)に出現していた。

 ロンギスクアマ(Longsquama)という絶滅した爬虫類の仲間だ。ロンギスクアマが翼を使って空を飛んだ最初の脊椎動物と主張する研究者もいて、古生物学者の間ではこの羽のような構造物とその機能について議論になっている(※2)。

キルギスタンの三畳紀(後期)の地層(Madygen
Formation)から発見されたロンギスクアマの想像図。左右に対で広がる滑空翼のような構造だったのかもしれない。Illustration:John Ruben
and Terry Jones, Oregon State
University

 恐竜にも羽毛が生えていたという事実はすでに広く知られているが、現在の鳥類に進化したと考えられている獣脚類(ティラノサウルスやヴェロキラプトルなどを含む恐竜の種類)の化石に羽毛の痕跡が多く確認されている。恐竜の羽毛ではモフモフしているものもあり(※3)、また同じ種類の恐竜でも羽毛型とウロコ型がいるものもいたらしい(※4)。

 脊椎動物の進化で歯については、魚類の祖先が現れたかなり早い時期(約4億2000万年前)に備わったと考えられている(※5)。だが、魚類のウロコとは別の、外皮に生える羽毛や体毛の起源はいつ頃なのか、実はまだよくわかっていない。遅くともロンギスクアマがいた頃には、すでに羽毛か体毛のようなものを持った生物が地球上に出現していたはずだ。

歯と外皮の進化の関係は
 羽毛は恐竜から鳥類へ、体毛は哺乳類の祖先から連綿と受け継がれてきた。有性生殖で受精して生命が発生すると、卵生胎生に関係なく、各器官を形成する細胞と同じ遺伝子の調節過程(Wnt/βカテニンのシグナル伝達)をたどって羽毛や体毛、ウロコになる。

 鳥類は身体に羽毛が生えるが、脚はウロコでおおわれる種がほとんどだ。鳥類で羽毛とウロコが併存することは、前述した羽毛型とウロコ型がいたジュラ紀の恐竜とのつながりも示唆される(※4)。

 我々ヒトの場合、胎児には、受精後5カ月くらいで全身に毳毛(ぜいもう)という産毛が生え始めるが、出産前までに頭髪以外がほとんど抜け落ちる。寒いと「鳥肌」が立ったり恐怖で頭の毛が「総毛立つ」ということもあるが、これは皮膚の下にある立毛筋(起毛筋)という筋肉が収縮して起こる現象だ(※6)。

 哺乳類の発生過程の場合、外皮にある皮膚腺と発毛させる毛包(もうほう、Hair
Follicle)という器官に関係があり、前述したWnt/βカテニンのシグナル伝達が関与する。だが、別々の器官である皮膚腺と毛包の発生が、その過程でどのように重なり合うようになるのかもまだよくわかっていない。

 一方、恐竜についての研究では、生殖戦略など外界へアピールする羽毛の役割に注目する論文も多い(※7)。

 羽毛にせよ体毛にせよ外皮から生えているわけで、生物はすべからく外皮によって内界と外界を分け、外界からの刺激をセンシングしながら内界をコントロールし、あるいは外界の変化に内界を適応させつつ生存してきた。また、恐竜のように、何らかのアピールを内界から外皮を通じて外界へ発信するようなことも行ってきたのだ。

 実験動物を使った研究では、Wnt/βカテニンの経路シグナル伝達を遺伝子操作することにより、発生過程で歯の欠損と体毛の欠損に関係があることもわかっている(※8)。約4億2000万年前のオルドビス紀に出現した脊椎動物の先祖が歯を獲得し、爬虫類や鳥類の羽毛や哺乳類の体毛が先祖の外皮(ウロコ)から進化したとすれば、羽毛や体毛の起源も歯と同じくらい古いと考えることもできそうだ(※9)。

 恐竜は外界へのアピールや保温(?)のために羽毛を使い、やがて空を飛ぶための翼を獲得して鳥類になった。一方、ほぼ体毛を失った我々ヒトは、寒さに震えてダウン(鳥類の羽毛)をまといつつ冬を過ごしている。

 進化とは不思議なものだが、我々ヒトが裸になったのは内界を変えずに外界を変えようとしてきたからともいえる。そう考えると、羽毛や体毛の機能や我々ヒトが体毛を失った理由には深い意味があるのかもしれない。

 

 

 

土偶

羽根がもっていた本来の機能は飛ぶためではなく、保温のためだった

羽根がもっていた本来の機能は飛ぶためではなく、保温のためだった。

◎性選択の重要性
リンク  より引用

外的自然が主体となる自然選択の働き方には、それほどの自由度がない。第3話の図3-7で示したオオガラパゴスフィンチのくちばしは、シメのくちばしとそっくりであるが、どちらも固い種子を食べることができるように進化したものである。固い種子を食べるためにはこのような太いくちばしが必然なのであろう。このように環境に対する適応には、ある程度決まったパターンがあり、そのために収斂進化がしばしば見られるわけである。
これに対して、配偶者を選ぶ際の好みが主体の性選択にはもっと多様な結果を生み出す力がある。メスがオスのどのような特徴を好むかには必然性はない。人間社会のブームのようなもので、種によって違うものである。メスの好みのちょっとした違いが種分化を引き起こすきっかけになることもあるだろう。

リチャード・プラムは、性選択は見かけの美しさだけではなく、機能的な新機軸を生み出す力にもなった可能性を指摘している。その一つが鳥の羽根である(Richard
O. Prum, 2017, “The Evolution of Beauty”, Doubleday)。

 以前は、鳥の羽根は、鳥が空を飛ぶために進化したと考えられていた。ところが、羽毛恐竜の発見などもあり、現在では、羽根がもっていた本来の機能は飛ぶためではなく、保温のためだったと考えられている。鳥のヒナはふわふわの綿状の羽毛に覆われている。いわゆるダウン(下羽)であり、確かに断熱材として保温に役立っている。そのような羽毛が進化して、飛翔のために使われるようになったというが、そのためには途中いくつかの段階を乗り越えることが必要である。はたしてそれが自然選択だけで進んだかが問題である。



ふわふわの綿状の羽毛では、飛ぶための翼は作れない。翼を構成する羽根は、羽軸の左右におよそ45°の角度で伸びたたくさんの羽枝が形成する平板であるが、このような構造を持つことによって、はじめて飛ぶための翼を作り得るのである。ところが、そのような構造が保温のために進化したと考える理由はまったく見当たらない。

ところが、空を飛ぶことができなかった非鳥恐竜のアンキオルニスも派手な装飾を持っていたことが明らかになり、羽根が配偶者にアピールするために進化した可能性が浮上してきたのだ。ふわふわの羽毛では、配偶者にアピールするような模様を描くのは難しいであろう。
プラムによると、平らなキャンパスを進化させたことによって、はじめてそこにいろいろな模様を描くことができるようになったという(図28-1)。最初保温のために進化した羽毛が、性選択によっていろいろな模様を描けるような平板状の羽根に進化し、それがたまたま飛ぶための翼として使われるようになったのではないか。


平らな羽根は、光の回折機能もあって、きらきらしたり、角度が変わると突然色が変わったりする。そのような色は色素によるものではなく、構造色である。実際にオスがメスに対してディスプレイする際に、このような色を利用してアピールする鳥のオスは多い。カザリキヌバネドリのオスの長い尾羽の緑色(図27-2)、ラケットハチドリのオスのラケット状尾羽の青色や胸の緑色(図28-2)、キジのオスの首のまわりや胸の青い色(図28-3)などもそのような構造色である。ラケットハチドリのオスは、ラケット状の尾羽をパタパタさせてメスに求愛するが、構造色がディスプレイの効果を高めている。


この連載で何回も強調しているように、進化は遠い将来を見据えた目標に向かって進んでいるものではない。いつも、差し当たり、あり合わせのもので何とかやりくりしながら進んでいる。従って当初の目的とはまったく違った使われ方がなされることがしばしばある。現在1万種を超える鳥類の繁栄を支えている飛翔のための翼は、もともとは配偶者を獲得するために派手な模様を描くためのキャンパスとして進化した可能性があるのだ。

 

 

 

 

匿名希望

2019年12月18日 (水)

「クジラ」を食べていた「シャチ」の祖先

現在シャチはサメも恐れおののく海の王者として君臨しているが、先祖はクジラをも食べていたそうです。

「やはり「クジラ」を食べていた「シャチ」の祖先」より
リンク

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クジラの進化は次第に明らかになってきているが、化石に残った胃の内容物からクジラの祖先が何を食べていたのかがわかる。最近の研究では、爬虫類時代が終わった後、クジラが海の捕食者、つまりシャチの祖先のような生態を持っていたことがわかってきた。

■肉食のまま水中へ進出

 恐竜が絶滅した後の地球では、我々ヒトの祖先でもある哺乳類が生態系の重要な位置を占めるようになった。これは海でも同じで、モササウルスやプレシオサウルスなど水棲の爬虫類が絶滅した後、哺乳類の中には海へ戻るものもいた。

 クジラ類の祖先は、すでに4800~5200万年前の始新世初期に出現していたと考えられている。それがパキケトゥス(Pakicetus)というキツネかコヨーテほどの大きさの生物で、現在のイルカのように水中生活に適した生理機能を持ち始めていたようだ。

 また、化石の分析からパキケトゥスが、偶蹄目(ウシ、シカ、ラクダ、ブタ)の祖先であり、DNA分析などの分子生物学の観点からクジラは現在のカバに最も近い遺伝子を持つことがわかっている。そのため、クジラ目と偶蹄目を合わせた分類も主張されるようになっているというわけだ。

 パキケトゥスは肉食だったが、草食の陸上生物が出現したのは約3億年前とされ、生物進化の上でそう前のことではない。栄養素をコスト・パフォーマンス良く摂取できるのは肉食であり、植物という莫大な資源を活用できる草食動物の生理機能が備わって初めて肉食・草食の食物連鎖が生まれることになる。

 オキアミなどを食べるヒゲクジラの仲間を含め、クジラ類は肉食だ。パキケトゥスというクジラの祖先は、草食にならずに肉食のまま水中・海中というニッチな環境へ進出することにしたのだろう。

 半陸上半水中という生活をしていたパキケトゥスから1000万年ほどすると、水棲の生態を完全に備えた現在のクジラに直結する祖先が出現する。それがバシロサウルス(Basilosaurus)だ。

 進化論が発達する以前、クジラの祖先の化石は爬虫類と間違えられることが多かった。バシロサウルスもクジラという哺乳類の仲間だが、化石が発見された当時、爬虫類と考えられ、「-saurus=サウルス」という恐竜にもよくつけられる接尾語がつけられて命名された。

■海洋の支配者バシロサウルス

 バシロサウルスの化石は世界各地で発見されているが、北米のものはバシロサウルス・セトイデス(Basilosaurus
cetoides)、エジプトなどで発見されたものはバシロサウルス・イシス(B.
isis)と分類されている。バシロサウルスの全長は約15メートル、大型のシャチでも約8メートルだから倍近い。

 化石からわかるバシロサウルスの全体像は、魚類でいえば巨大なハモやアナゴ、タチウオといった感じでその大部分が細長く、蛇行による泳ぎが主な行動だったようだ。エジプトから発見された化石の胃の内容物を分析した研究によれば、バシロサウルスは当時の海洋における生態系の頂点に位置し、それは現在のシャチのような存在だったという。

 これはドイツのフンボルト博物館などの研究グループによるバシロサウルスの最新の生態研究で、バシロサウルスはより小さなクジラ、当時のイルカのような存在である体長約5メートルほどのドルドン・アトロクス(Dorudon
atrox)や大型の全骨魚類ピクノドゥス類(Pycnodont)を食べていたという。ピクノドゥスは円盤状をした、大きなものでは体長2メートルにもなる魚類で、始新世で絶滅したとされる。

 バシロサウルスについては、これまで泳ぎがあまりうまくなかったであろうその体型からスカベンジャー(腐肉あさり)だったのではないか、という説もあった。だが。今回の研究により、当時の生態系の頂点に君臨する捕食者であり、現在のシャチのような存在だったことが示唆された。これは、クジラ類の祖先がどうやって海洋生態系に進出していったのかを探るヒントになると考えられている。

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西本圭

「4本足のクジラ」の骨がペルーで発見(水陸両生生活の証拠)

南アジアで、カバや牛などと同じ偶蹄目の陸上ほ乳類から発生したクジラの祖先。

今回のペルーでの発見は、「インドやパキスタン以外で見つかったクジラの化石としては、最も古いもの」で、「このクジラは水中では尾ひれを用いて力強く泳いでいたはずだ。また、陸上では四本の足で歩き回ることもでき」(リンク)、ビーバーやカワウソのような水陸両生生活を送っていたと考えられる。

以下、ハザードラボ・ニュース(2019.4.5)より。
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 南米ペルーの海岸で、約4300万年前に生息していたとみられる4本足を持つクジラの骨が発見された!ひづめのある足の骨には、ビーバーやカワウソそっくりの水かきがついていた可能性が高く、現代のクジラの祖先が水陸両生生活をおくっていたことを裏付ける世界初の発見だという。
 
 生物学専門誌『カレントバイオロジー』に今月4日に掲載された論文によると、ベルギー王立自然科学研究所のオリビエ・ランベール氏が率いる国際調査チームは、ペルー南部ビスコ近郊にあるプラヤメデイアルナ海岸を10年以上かけて発掘した結果、現代のクジラの祖先にあたる4本足を持つクジラの化石を発見した。

■水陸両生動物とよく似ている
 化石は4260万年前の始新世時代のもので、頭蓋骨の大半から下あご、前と後ろ足の一部、大腿骨、尾骨など非常に保存状態が良く、体長は4メートル程度だと推測される。
 
 骨格を組み立てた結果、指とつま先には小さなひづめがついていて、手足や腰の構造は陸生動物によく似ているものの、尾椎と長い尻尾の骨の構造は、カワウソやビーバーなどの水陸両生ほ乳類とも類似していることなどから、ほ乳類であるクジラが、陸上から海へ生息場所を変える過渡期の生き物である可能性が高いという。

■南アジアから北米までどうやって?
 クジラやイルカの祖先は、約5000万年前に現在のインドとパキスタンにあたる南アジアで、カバや牛などと同じ偶蹄目の陸上ほ乳類から発生。
 
 これまでの研究で、北米でクジラ類の4120万年前の部分的な化石が見つかっていることから、自分の体重を支えて地上を移動できる能力を失って、水中へ適応する能力を獲得するよう進化したと考えられているが、クジラの祖先がいつ、どの経路を通って北米に到着したかについてはよくわかっていなかった。

■学名「太平洋まで旅したクジラ」
 研究チームはペルー海岸で発見した化石を「太平洋まで旅したクジラ」を意味する「Perefocetus
pacificus」と命名。従来考えられてきたクジラの祖先は、南アジアからアフリカを経由して北米から南下したという学説を否定したうえで、アフリカ西岸から南大西洋を横断して南米大陸に渡り、そこから南北に分かれてそれぞれの地域で進化したという見解を示した。
 
 研究者のひとり、米ニューヨーク工科大学の進化生物学者ジョナサン・ガイスラーさんは「4本足のクジラの水中移動能力はまったくわかりませんが、このクジラが世界の海に広がって、それぞれ進化を遂げたと考えれば、非常にクールな発見です」と話している。
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リンク

 

 

 

竹村誠一

恐竜を食べていた哺乳類の化石発見

中国で1億3000万年前の哺乳類が小型恐竜を餌にしていたことを示す初めての証拠が見つかった。餌食になったのは体長10数センチの幼い「オウムトカゲ」で、それを捕食した哺乳動物は大きめのネコほどのサイズがあった。

哺乳類が考えられたいた以上に大型だったとすると、地面を歩き回り攻撃的に狩りを行ない、若い恐竜を餌食にしていた可能性がでてきた。これまで、初期の哺乳類は体が小さく、恐竜の餌になっていたと考えられてきたが、生物の進化についての従来の説を改める必要が出てきたたようだ。


以下、「恐竜を食べていた哺乳類の化石発見」リンクより転載。
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 今回の発見は従来の進化の説とはまったく相容れないものだ。従来説では、初期の哺乳類はシマリス程度の大きさしかなく、忍び寄る巨大な恐竜の影から逃げ回るだけの臆病な小動物で、恐竜を襲って食べるなどあり得ないとされてきた。

 問題の哺乳動物は大きめのネコほどのサイズで、餌食になったのは体長10数センチの幼い「オウムトカゲ」(プシッタコサウルス)だった。

 同じ発掘場所で発見された別の哺乳動物の化石は、これまで見つかった初期の哺乳動物の化石の中では最大のものとされる。現在のイヌと同じくらいのサイズで、白亜紀初期に生きていた大多数の哺乳類の20倍という、驚くほどの大きさだ。

 こうした化石が並んで発掘されたことから、これらの動物が生きていた時代は、一般に思われているような「恐竜の時代」――85トンもある首の長い草食恐竜が栄え、ナイフのような歯と鎌のような爪を持った恐ろしい肉食恐竜が登場した時代――のイメージとはかなり違ったものであった可能性が示唆される。

 少なくとも、体が小さめの恐竜は常に背後に気を配り、同じ縄張りで暮らす肉食哺乳類のうなり声に耳を澄ませていなければならなかったようだ。

 ニューヨークにあるアメリカ自然史博物館の古生物学者、ジン・メン博士(写真左)は、「この新たな証拠は、この時代の想像図を一変させるものだ」と語る。メン博士は、『ネイチャー』誌の1月13日号に掲載される、今回の化石に関する論文の共同執筆者でもある。

 直接この化石の調査に関わっていない科学者たちも、今回の発見を「研究を活気づけるものだ」と評している。

 ピッツバーグにあるカーネギー自然史博物館の研究員で、今回の化石が発見されたのと同じ中国東北部で発掘作業を行なっているツェシ・ロ(羅哲西)博士は、「化石の大きさを知ってみんな驚いた。これは既存の知見を覆すものだ」と語った。

 2つの化石は2年前、遼寧省にある化石を多く含む地層で、村人によって発見された。化石標本は北京の研究施設に運ばれた後、中国と米国の科学者によって周囲の岩石などが取り除かれ、分析された。

 この恐竜を食べる哺乳動物は『レペノマムス・ロブストゥス』(Repenomamus
robustus)と呼ばれる種に属し、これまではその頭蓋骨の一部が発見されているだけだった。既に絶滅し、この系統を受け継ぐ種は現存しない。

 発掘された化石はずんぐりとした身体と大きな歯を持ち、体長は60センチ弱、体重はおそらく7キロほどだったと推定される。その身体の左側、肋骨の下の胃があったあたりに、かみ砕かれた幼いプシッタコサウルスの骨が残っていた。

 この草食恐竜はすばしっこく、白亜紀には数多く生息していた。小さな頭と、丸みを帯び先がとがったクチバシを持つことから、「オウムトカゲ」という意味のプシッタコサウルスという名で呼ばれている。プシッタコサウルスの前脚は後ろ脚よりずっと短く、大人になると体長1.8メートル程度にまで成長するが、胃の中で見つかった個体の体長は10数センチしかなかった。

 飲み込まれたプシッタコサウルスの骨は、バラバラになっているが元の形がわかることから、レペノマムス・ロブストゥスはワニのように獲物を引き裂くことはできたが、より高等な哺乳動物と違い、咀嚼する能力は発達していなかったらしいことがわかる。

 「大きな塊のまま食べ物を呑み込んでいたに違いない」とメン博士は言う。

 2つ目の大きい方の化石も同じくレペノマムス属だが、かなり大型で、体長は90センチ以上、体重も13キロ以上あったようだ。『レペノマムス・ギガンティクス』(Repenomamus
giganticus)と名付けられたこの動物は、今知られている290種類の初期の哺乳動物の大半より20倍も重い、とメン博士は話す。

 哺乳類が考えられたいた以上に大型だったとすると、地面を歩き回り攻撃的に狩りを行ない、若い恐竜を餌食にしていた可能性がある。
 「ギガンティクスほどの大きさの初期哺乳類は他にない。中生代の哺乳類の中で、体の大きさでは今のところナンバー1だ」とロ博士。

 今回、新種の肉食哺乳類が発見されたことをきっかけに、新たな考察が始まった。
 従来、科学者たちは、中生代の哺乳動物の体は大きくなれなかったのは、より身体が大きく、哺乳類を餌とする恐竜がいたためだと考えていた。6500万年前に恐竜が絶滅して初めて、生き残った哺乳類が大きくなり始めた、というのがこれまでの説だった。

 しかし、今回の大型哺乳類の発見により、既存の説とは逆の仮説が生まれつつある。遼寧省は、小型で羽毛に覆われた恐竜や初期の鳥類の化石が大量に見つかった場所としてもすでに有名だ。

 「もしかすると、肉食の哺乳動物から逃れるために、小型の恐竜が大きくなった――あるいは空を飛ぶようになった――のかもしれない」と、デューク大学の古生物学者、アン・ワイル博士は推測する。

 

 

 

 

匿名希望

原始爬虫類の腹に胎児 「進化史書き換える」化石、中国で発見

原始爬虫類の中にも胎生動物がいた。
AFPリンクより引用。
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【2月15日
AFP】2億4500万年前に生息していた非常に首の長い海生爬虫(はちゅう)類が、卵生ではなく胎生だったことを示す化石を発見したとする論文が14日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature
Communications)に発表された。恐竜や鳥類、ワニを含む主竜形類の仲間で胎生が確認された唯一の種だという。

中国南西部の雲南(Yunnan)省で見つかった雌のディノケファロサウルスの化石を調査した研究チームは、腹部に胎児の化石を発見した。論文の共同執筆者、中国・合肥工業大学(Hefei
University of Technology)の劉俊(Jun
Liu)氏は、「生殖器系の進化についてのわれわれの理解を書き換える発見だ」と述べている。

ディノケファロサウルスと同じ主竜形類に属する恐竜や鳥類、ワニ、そして近縁のカメはいずれも卵生だが、トカゲやヘビを含む爬虫類の仲間である鱗竜類の中には、ウミヘビやボア、スキンク、ヒメアシナシトカゲなどの胎生動物も存在する。胎生は主に哺乳類の特徴とされ、卵生はより原始的な動物が行うと考えられている。

ディノケファロサウルスは首の長さが胴体の2倍近くもある奇妙な姿をした海洋生物で、体長は3~4メートルに達する。化石で見つかった胎児の大きさは、母親の10分の1ほどだったという。

AFPの取材に対し、電子メールで回答した劉氏は、当初「この胎児化石が母親の最後の食事だったのか、あるいは生まれる前の胎児なのか分からなかった」と語った。

しかし劉氏によると、通常頭からのみ込まれる獲物とは異なり、腹腔内の胎児は前方を向いていた。さらに、卵の殻が時間の経過と共に消失した可能性も排除されたという。

劉氏は、胎児が「脊椎動物の胎児に典型的な、身を丸める姿勢」をとっていたと同時に、石灰化した卵殻の破片も見つかっていないと説明している。(c)AFP/Mariëtte
Le Roux

 

 

 

匿名希望

2019年12月16日 (月)

会話をする微生物、そして高まるチームワーク

微生物も会話をし、仲間とコミュニケーションを取っている。
その言語を習得すれば、微生物を自由に操れるかも?!

以下「TIME &
SPACE」(リンク)より引用します。

■ ■ ■

微生物は予想以上に小さい

微生物というと、何を思いつくだろうか? 多くの人は「ミジンコ」と答えるかもしれない。でも実際にはミジンコはエビやカニの仲間。微生物に厳密な定義はないが、微生物学者はもっと小さな生き物を微生物と呼んでいる。ミジンコは1
mm程度、それに比べて微生物の中でも酵母は10 μm、乳酸菌や大腸菌などの細菌は1
μm程度。つまり、ミジンコと細菌は1000倍も大きさが違う。その比はゾウとアリくらい。

そんな小さな微生物、どうやって生きているかというと、もちろん1匹で生きているわけではない。仲間と一緒に群れを成して生きている。

集団でいるならもちろん仲間と会話をする。えっ、会話? 声を出しているの? 1
μm程の大きさの微生物にそのような巧妙な機能はない。低分子化合物を細胞の外に出して会話しているのだ。ここでは、微生物の会話に耳を傾けてみたい。


会話して何をしているのか?

多くの微生物は細胞の外に言語となる小さな物質を分泌していて、その濃度を認識する能力を持っている。そして、その濃度を感知することで周囲にどれくらい仲間がいるかを把握している。

微生物は集団となった際、少数では成し遂げられなかった機能を発揮する。例えば、病原性微生物の場合は毒素生産を、土の中の微生物だと抗生物質生産など。

会話をして集団となった際に発揮する微生物の機能は、もともと海に存在するイカの目で発見された。イカの目に存在する微生物は、1匹では光らないものの集団となった際に光りだす。このような行動は、少数のときに行うよりも、多数で行った方が効率良い。小さな微生物でも、うまくコミュニケーションを取って息を合わせているのだ。集団となれば、小さい微生物も大きな集合体となる。

微生物は会話をして、集団となった際に粘り気のある高分子化合物を作り出し、バイオフィルムという家を構築する。家の中に住むことによって、生きていく上でのさまざまなストレスから免れる。会話をすれば微生物も憩いの場を作り出す。


異なる言語を話す微生物たち

人の場合、住んでいる地域や人種が異なれば会話に用いる言語も異なる。中には複数の言語を普段使っている国もある。微生物たちも、種類が違えば言語も異なる。例えば、病原菌である緑膿菌は、3種類の言語を用いるトライリンガルだ。他の微生物も用いている言語一つに、自分たちでしか使えない言語二つ。三つの言語を巧みに使いながら、集団となった際に病原性を発揮したり、住処となるバイオフィルムを構築したりする。

もちろん複数の種類が存在すれば、言い争いもする。我々は、ある微生物が言語として用いている化学物質が、緑膿菌の会話を阻止し病原性を抑制することを発見した。つまり、病原菌を殺さなくても、会話を止めるような言葉をかければ、病原性を阻止できる。

このような魔法の言葉を見いだせば、感染症などの病気を治せるかもしれない。それだけではなく、水の浄化や環境汚染物質の分解、食品発酵の促進など、あらゆる微生物反応が制御可能となる。微生物社会では人の社会よりも種が多く、複雑でさまざまなコミュニケーションが行われている。その中で、議論して解決する術を微生物は有しているわけだから、我々人間もその術を学び、微生物をあらゆる場面で活用したい。

 

 

 

末廣大地

地球46億年の歴史を、たった6分で説明したアニメーション

さすがに要約しすぎか。このままで終わったらもったいない。
どうやって「なんで?」を追求させるかがポイントなのだろう。
世間では英語で科学を学べると人気らしい。
「AsapSCIENCE」
リンク

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地球46億年の歴史を、たった6分で説明したアニメーションがわかりやすい
リンク

僕たちが今、当たり前のように生きていられるのには、様々な要因が関わっている。地球、水、オゾン層の誕生、さらには人間そのものの肺、脳機能の進化など。
でも、その生命の歴史を知らない人は、意外に多いのではないだろうか?というのも、いわゆる”サイエンス”というテーマは、かたそうな内容のために敬遠しがちだから。
どうやって、僕たちがここに存在するようになったのか。この経過を理解するには「生命体の特徴」をまず理解することが大切になる。
生命体は代謝機能・生殖活動・進化の3つが可能である。

●エネルギーを生み出す光合成
天文学者は、ある星が爆発して太陽を作り、500くらいの惑星がぶつかりあって、46億年前に今の太陽系が誕生したと考えている。地球ができてから約6億年は、水のほとんどが蒸発するような気温で生命体が生き続けるのは不可能だった。また、隕石の衝突によって地球が熱されるという理由もあった。
37億年前には、次第に隕石の衝突が少なくなり、地球の温度が冷え始めることになる。ここから水が安定的に存在し、生命体が誕生することになった。
誕生した経緯は、隕石に乗ってやってきた、化学反応で発生、雷が落ちた時に生命体がやってきたという様々な仮説がある。
この時代から、エネルギーを蓄え、分裂できるようになった単細胞生物が生まれ始め、約2億年は水の中で生存するようになる。
そして大きな変化が起きる。それは光合成。
25億年前、ある生物が太陽からのエネルギーを利用して生きていき、代謝機能を得るようになる。

●より良いDNAを残す生殖活動
結果、大気中には酸素が多くなり、太陽の強い光を防ぐオゾン層が発生することに。
この時期には酸素は毒みたいなもので、ほとんどの生命体には耐性がなかった。細胞を大きくするのに酸素が便利と発見した生命体は、これを取り込むようになる。
この1億年後には、さらに大きくなるために単細胞生物が集合した多細胞生物が誕生して、交配を始めるようになる。これは「性」の誕生とも言え、生殖活動を始める時期でもあった。ここから、進化のスピードは早まることになる。
藻類、菌類、サンゴなどの刺胞動物、カニなどの前口動物、ウニなどの棘皮動物、魚類、両生類へと進化を遂げる。海から出た時点で「肺」の進化も遂げた。
やがて足が生えてきて、爬虫類から恐竜へと進化していき、哺乳類が登場する。恐竜が絶滅してから、何億年と進化を続けた哺乳類。
そして、Protungulatum
donnae(プロトゥンギュレイタム・ダネー)という祖先から人類が生まれることになる。

●厳しい環境に適応できたホモ・サピエンス
400万年前に、人間に近い種類「アウストラロピテクス・アファレンシス」が誕生。その200~300万年後に、大きな脳を持ったヒト属である「ホモ」が誕生する。彼らは道具を使い、肉食を効率的に始めるようになる。
180万年前に、私たちの直系の祖先とも言える「ホモ・エレクトス」、その後には「ホモ・サピエンス」が登場し始め、脳を使うようになる。しかし、この時期は氷河期でもあり、絶滅寸前であったという。
6万年前、なんとか絶滅の危機を乗り越えた「ホモ・サピエンス」は、「ホモ・ネアンデルターレンシス」と「ホモ・デニソワ」と共存していた。
万年前には、ネアンデルタール人が絶滅し、「ホモ・サピエンス」がヨーロッパに進出した。他の種のように身体的に強くなるのではなく、脳を進化させることで環境に適応する術を学び始めた。
最初は、100くらいのグループしか移動をしていなかったが、定住をし始め、人口が増えることになった。その結果として、現在の70億という数字に至ったのだ。
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匿名希望

2019年12月15日 (日)

フェイクニュース→四肢を持たない新種の哺乳類が発見される

フェイクニュースでした!

「Science Cafe 41」より抜粋 リンク

白亜紀に絶滅したはずの真三錐歯類が

2019年3月22日付けの学術誌「Terrestrial
Ecology Progress Series」で、オックスフォード・ブルックス大学の Julian Bayliss
教授率いる研究チームが、四肢を持たない非常に奇妙な新種の哺乳類を報告した。細長い体つきで体毛のないこの哺乳類には、「リコ山で見つかったヘビのような三錐歯類(*1)」という意味の
Ophiotriconodon licoensis という学名が与えられた。

「目を疑いました」と語るのは、Bayliss
教授の研究室の大学院生でこの哺乳類の第一発見者である Poisson d'avril
氏。「斜面にある穴からネズミの顔のようなものが覗いていたので、ゆっくり近付いたんですがこちらの様子に気付いたのかすぐに引っ込んでしまったんですね。撮影するため、1時間近く穴の様子をうかがっていたらソロソロと這い出してきて、その珍妙な姿に思わず大声を上げてしまいまったんです。もちろんまたすぐに穴に戻ってしまい、今度は3時間以上待たされました(笑)。」

研究チームはこの個体をヘビ用のトラップを使って捕獲し、麻酔やレントゲンを用いて傷つけない範囲で詳細に解剖学的検討を行った。ケンブリッジ大学動物学講座古脊椎動物グループの
Jenny Clack 教授が特に注目したのは臼歯の構造である。その形状は、白亜紀後期に絶滅したとされる真三錐歯類に酷似していた。その他頭骨や頚椎の形状から、
Clack
教授は真三錐歯類の生き残りであると結論づけた。残念ながら捕獲された個体はオスで、彼らがカモノハシのように卵を産むのか、カンガルーのように未熟な子を産むのか、それとも我々ヒトのようにある程度大きくなった子を産むのかは現時点ではわかっていない。

体毛をもたない地中棲の哺乳類

今回みつかった哺乳類は体毛をほとんど持ち合わせていない(*3)。無毛で地中棲の哺乳類といえばハダカデバネズミである。ソマリ半島を中心としたアフリカ東部に分布するネズミの一種で地中にアリのような巣をつくり集団で生活を営む。さらに面白いことに、アリと同様生殖カーストがあり巣には一匹の女王ネズミがいる。

特記すべきは体温調節の仕組である。ハダカデバネズミは典型的な哺乳類とは異なり体温は周辺の温度に追随する(外温性)。しかし外部環境に左右されない明瞭な体温と活動のリズムが存在するとの主張もある。また周囲の温度が摂氏28度を超えると「酸素消費量と外温との関係」が外温性の様式から恒温性の様式に変わるとの報告もある。環境温度が低いとき、ハダカデバネズミは行動を通じて体温を調節する。すなわち体温の低い個体は互いに密着したり、太陽によって温められた地表近くへと移動を行う。逆に体温が高くなると巣の深いところへと引っ込むのだ。こうした体温調節の仕組みや行動が体毛の退化につながっていったのではないかと考えられる。

発見された哺乳類の生態はまだわからないことばかりだが、こうしたハダカデバネズミに似た生理や生態をもっている可能性は考えられるだろう。

 

 

 

 

匿名希望

酸素濃度の低い土中でも呼吸できるモグラ

生物史を振り返る上で酸素濃度が重大な鍵を握ります。現哺乳類の祖先である原モグラは地中に潜ることでカンブリア大爆発を生き延びましたが、地中でどのように酸素を摂取していたのでしょうか。
実はモグラは筋肉を用いて呼吸していました。

以下、引用リンク

土の中での呼吸の秘密
呼吸により二酸化炭素を出して酸素を取り入れることが重要なのは人間と同じく哺乳類であるハリモグラにとっても同じこと。だが地下に掘り進めていって自分の出した二酸化炭素ばかりで酸素が足りなくなったりしないのだろうか?

ハリモグラは筋肉質の隔膜と肋骨の間の筋肉を用いて呼吸する。これらの筋肉の動きは土や葉っぱに少し埋もれた状態でも呼吸するのに十分な力を持っている。掘り進める際にはハリモグラの体の周りの土壌が緩くなるように掘る。こうすれば呼吸のための胸の上下運動が土により妨げられないのだ。より地中深くへと潜る際には、ハリモグラは移動と呼吸のために壁と天井を持った空間を造り上げる。

だが、呼吸のために動けるスペースはあっても、穴を掘って行くことで酸素が足りなくはならないだろうか?クーパーによれば、「ほとんどの人々が思うよりも」土壌は酸素や二酸化炭素などのガスを通しやすく、濡れた土壌に掘り進まない限りは新鮮な空気を呼吸できるという。ハリモグラは埋まってしまったときには体の前半を動かしてガスを土壌から流しだす行動をとる。これは分厚い土壌に埋もれたときや、強く掘り進め酸素を多く必要とする際などにより顕著だという。

またハリモグラは多くの穴を掘る動物と同じく非常に低い体温と低い新陳代謝率を持っているため、同じ大きさの他の哺乳類と比べて必要とする酸素も少なく、排出する二酸化炭素も少ないのだ。また、ハリモグラの血は酸素の取り込みと運搬機能が高い。低酸素環境では大抵の哺乳類はエネルギー消費を抑えるが、ハリモグラはエネルギー消費はそのままに呼吸量を多くする。

このような特性により、ハリモグラは地面の中でも酸欠することなく活動できるというわけだ。住んでいる地域も限定されていることから、ハリネズミよりも知名度が低いハリモグラだが、卵を産む哺乳類であること、土の中での呼吸の秘密など、興味深い生き物だ。これを機会にもっとハリモグラについて調べてみても面白いかもしれない。

 

 

 

 

匿名希望

2019年12月14日 (土)

母乳と睾丸、驚きの進化のしくみ――カモノハシに学ぶ、哺乳類のからだの不思議

Book Bangより転載です
リンク

母乳と睾丸、驚きの進化のしくみ――カモノハシに学ぶ、哺乳類のからだの不思議

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わたしたちヒトが紛れもなく哺乳類であることは、「母乳」によって育つことからもわかる。もっとも人間のようにふくらんだ乳房をもつ哺乳類は、ほかにはいない。そのため、ふくらんだ乳房は、母乳じたいのためというより、なんらかのシグナル(女性が男性を引き付けるなど)として進化してきたと考えられる。

おなじ哺乳類として興味深いのは、この母乳がなんと汗を起源としていることだ。このことは哺乳類の古い仲間であるカモノハシの生態からもうかがえる。カモノハシは哺乳類なのに卵を産むのだが、卵から孵った赤ちゃんは、体毛の生えぎわからにじみ出る汗のような母乳を吸うのである。つまり、母乳を出す乳腺は、じつは肥大した汗腺だったのだ。

いったいなぜ、汗が乳に変わったのだろう? その驚くべきしくみを教えてくれるのが、リアム・ドリュー著『わたしは哺乳類です:母乳から知能まで、進化の鍵はなにか』(インターシフト刊)である。以下、本書の気になるトピックをご紹介しよう。


■抗菌も潤いも欠かせないから

汗が乳に変わった理由として、大きく2つの説が有力とされている。ひとつは「抗菌」説、もうひとつは「潤い」説である。

「抗菌」説は、哺乳類の祖先がカモノハシのように卵を産んでいた当時、その卵を病原菌から守るための抗菌液から進化したというもの。実際、ヒトの母乳にも、抗菌成分が含まれている。

「潤い」説は、卵の水分が失われないようにする保湿液から進化したとする。哺乳類の祖先の卵は、鳥の卵のような硬い殻ではなく、カメやヘビの卵のような透水性のある柔らかな殻だったらしい。

さて、これら2つの説は重ねることができる。つまり、抗菌と保湿を汗が兼ねていたという見解だ。やがて進化とともに、孵った赤ちゃんがこの汗をなめるようになる。というのも、赤ちゃんの体がより小型になったので、汗が生命維持にも欠かせないようになったからだ。汗の栄養価が高まり、しだいに今日の「母乳」のような食糧となっていく。

ところで、この汗だが、全身のほとんどの皮膚から出る無臭の汗(エクリン腺の汗)なのか、それとも脇の下の汗のような臭いを伴う汗(アポクリン腺の汗)なのか? ミルクを愛好している読者をがっかりさせたくはないのだが、どうやらアポクリン腺から出る汗が起源らしい。

とはいえ、母乳という栄養のあるエネルギー源は、哺乳類に生存上の大きなメリットをもたらした。たとえば、子どもは生まれてすぐエサを取るという危険を避け、より早く成長し、性的にも成熟した大人になることができる。母親は脂肪というかたちで、将来、母乳となるエネルギー源を蓄えておくこともできる。こうして、爬虫類などには真似のできない、広範なエリアで棲息できるようになったのだ。恐竜絶滅後の哺乳類の爆発的な発展も、祖先たちが母乳に頼れたおかげとする説もあるほどだ。


■オスの精巣が体外に脱出したわけ

さて、メスの話をしたので、オスの興味深い話も取り上げよう。ヒトの男性でも陰嚢のなかに収められている「精巣(睾丸)」の件だ。陰嚢というぶらぶらと揺れるケースは、大切な精巣を守るには余りにも脆弱ではないか? 思わずなにかにぶつけて悲鳴を上げた男性は数知れないだろう。

通説では、「精子は熱に弱いので、体温の高い体内では機能が低下してしまうから」(冷却仮説)とされていた。ところが、この説にはさまざまな問題がある。まず、精巣が体温の高い体内にある哺乳類は少なくない。ゾウやサイなどもそうだし、例によってカモノハシもそうだ。カモノハシなどは、精巣を腎臓のそばにとどめている。つまり、精巣が低めの温度でよく機能するというのは、体外脱出のあとにそう進化したのかも知れないのだ。

その証拠に、精巣ではたらくタンパク質の遺伝子を調べた研究では、ふたつのタイプが発見された。ひとつは体のなかの高い温度で最適にはたらき、もうひとつは低い温度に特化してはたらくように修正が施されていた。このことは精巣がもともと高い温度で機能していたのに、より低い温度(体外)に適応するように余儀なくされたことを示している。

となると、なぜ、わざわざリスクの多い体外へと精巣は飛び出したのか? 本書はさまざまな説を紹介しているが、面白いのは「ギャロッピング(全力疾走)仮説」だ。この説によると、哺乳類が腹圧を急激に高める動き(たとえば、メスをめぐるオス同士の激しい戦い)をするようになったため、体外へ脱出したという。事実、精巣が体内でとどまっている動物たちは、飛んだり跳ねたり激しい動きはしないタイプだ。

戦闘などの激しい動きは避けられないので、まだしも体外のほうが安全ということか・・・・思うに、どちらにしても、哺乳類のオスとは切ない生きものではある。
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(転載おわり)

 

 

 

 

孫市

恒温動物考察

 

恒温動物といえば哺乳類だが、鳥類も恒温動物である。哺乳類と進化系統の異なる鳥類は、いつどのように恒温機能を獲得したのだろう?生物の恒温機能獲得の必然を探っていく為の状況整理。

◆鳥類は恐竜が進化した姿

最近の研究により鳥類の祖先が恐竜(獣脚類)であり、鳥類は恐竜の現生系統である事が明らかになっている。

特に1990年代半ば以降、俗に言う「羽毛恐竜」の化石が発見されたことが、それを裏付けている。羽毛は鳥類の体温維持に大きな役割を果たしており、当然ながら羽毛を持った恐竜も体温維持能力は高いと考えられる。

もちろん羽毛を有するから恒温動物であると断定はできないが(後述も参照)、少なくとも恐竜の一部は恒温動物であった可能性が高い。

◆恐竜は恒温動物だったのか?

一方、恐竜の中でも特に巨大なものはその性質上、体温は自然に維持される事になる。むしろ体温を適切に保つためには、余分な体温を放出する事のほうが、より重要な課題になると考えられている。


また「哺乳類・鳥類は恒温動物で、爬虫類等それ以外の動物は変温動物」という従来の見方も妥当ではない。保温に適した羽毛や毛皮を持つ哺乳類・鳥類にも体温変動が激しい種が存在する事が現在では確認されている。

それ以外の動物にも体温が一定の種が存在する事が確認された。鳥類のカッコウ類や哺乳類のナマケモノ類などは体温維持能力が低い。一方で爬虫類のウミガメ類は体温維持能力が高い事が確認されている。

◆中温動物


現在では、体温調節能力を基準として、生物を恒温動物と変温動物に分類することは、大きな意味は無いとされる。恐竜については温度調節機能は少なくとも一部に於いては確実に有していたとみられ、爬虫類と鳥類の中間程度のものではないかとのことから、新たに中温動物という分類も提唱されている。

◆大型恐竜の体温は38度

2015年に、約7100万年~8000万年前に生息していた母親恐竜の体内温度を測定する研究が行われた。

研究チームは、アルゼンチンとモンゴル・ゴビ砂漠で発掘された2種類の恐竜の化石化した卵19個を対象に、その卵殻の化学組成を調べた。うち1種は、首の長い大型の竜脚類「ティタノサウルス」で、陸生動物の中で最大級の部類に入る。

研究チームは、卵殻の主成分である炭酸カルシウムに含まれる希少な同位元素アイソトープの炭素13と酸素18の性質を分析した。これらの同位元素は、温度が低いほど、より密に凝集する傾向がある。

イーグル氏の共同研究者、アラドナ・トリパティ(Aradhna
Tripati)氏は「この技法により、母親恐竜の産卵時の体内温度を知ることができる」と説明。研究の結果、ティタノサウルスの母親恐竜の体温は約38度だったことが分かった。健康な人間の体温は37度だ。

 

 

 

匿名希望

羽毛恐竜から鳥への進化

 

恐竜研究という分野はこの10年ほどでかなり、そして大幅に進歩しているようです。その進歩した恐竜研究のなかでも、以前の研究と全く違うのが、羽毛恐竜の存在。

そもそも羽毛恐竜とはどんなものなのか?羽毛恐竜から鳥への進化、鳥類の境目、始祖鳥との違いをまとめています。リンク

■羽毛恐竜とは?
羽毛恐竜とは、化石により羽毛の痕跡が認められる恐竜のこと。はっきりと視認できるもののほか、成分分析、そして骨格などの研究から、現在では少なくとも一部の恐竜が、羽毛もしくは羽毛の原形となる体毛をはやしていたことが確実視されています。

羽毛恐竜とは鳥類の羽毛と同質の毛を持っていたとされる恐竜で、最初の羽毛恐竜は二足歩行であり、後ろ脚だけで走るなどの活動ができた獣脚類の一種です。また、現在のダチョウと同じく羽毛を持っていても飛ぶ事はできませんでした。

現在では獣脚類こそが鳥類の祖先であるという事は疑問の余地がないと言われており、鳥類の起源に関しては終止符が打たれる事になりました。

■ティラノサウルスにも羽毛があった!?
鳥類の祖先は恐竜の3大グループの中の獣脚類ですが、当然の事ながら獣脚類の中でも特定のグループだけが鳥類の祖先になっていると考えられていました。それが羽毛を持った獣脚類である、いわゆる羽毛恐竜です。また、以前はトカゲのような皮膚だったと考えられていたティラノサウルスなどの有名な獣脚類も羽毛を持っていた可能性が指摘されています。

飛ぶ機能がない獣脚類がなぜ羽毛を持っていたのかという点に関しては、羽毛の持つ高い保温能力が役に立っていたからではないかと推測されており、元々保温の為であった羽毛が進化と共に徐々に現在の鳥類のような形に進化し、飛行に使用されるようになったのではないかと言われています。

最近では羽毛恐竜の事を「もふもふ恐竜」と呼ぶ事もあり、以前はあまり知られていなかった羽毛恐竜の人気が徐々に高まりつつあるようです。

■羽毛恐竜の化石
恐竜に羽毛が生えていた可能性については、1861年の始祖鳥の化石発見以降、長い間議論の的でした。始祖鳥は翼を持ちますが、肉食恐竜のような鋭いかぎ爪、骨のあるしっぽなど、爬虫類の要素もあったことから、羽毛恐竜について存在を期待されていました。

そして1996年、ついに恐竜の骨格を持ち、羽毛をもつ羽毛恐竜の化石が中国・遼寧省の下部白亜系熱河層群の化石密集層から見つかったのです。細密な火山灰に包まれたことで、奇跡的に良好な保存状態で発見され、羽毛の表皮構造もよく見ることができます。

シノサウロプテリクスというこの恐竜は、中国表記では中華竜鳥とされています。羽毛といっても、この羽根は、ダウンのような綿毛か、それよりも原始的な皮膚表面のケラチン質が伸長したチューブ状のものであるといわれます。羽毛は最初、飛ぶためではなく体温維持に有効だったものと推測されてます。

変温動物の爬虫類は温度により活動が制限されますが、羽毛をもつことによって昼夜問わず活動でき、そのために爬虫類よりも幅をきかせることができたと考えられています。

■羽毛恐竜の色などの特徴
化石内の羽毛部分にはメラニン色素が残っており、それを解析し、羽毛がどのような色であったかが検証されています。現代の鳥類のメラニン色素と羽の色の関係をデータ化し、恐竜の羽はどのように見えていたかを推定しています。

最初に見つかったシノサウロプテリクスは、頚部後ろから背中や尾にかけて、赤褐色ないしは橙色に近い色彩の羽毛を持っていたとされています。腹側は白、尾は茶と白の縞模様であったことが判明しています。また、アンキオルニスは、全体は暗い灰色で、顔には赤褐色の斑点、そして翼の一部は白い帯状の筋が入っていることも判明。このように、体の部位によって色が異なった模様をしていることがわかっています。

この方法で、90%以上の確率で色がわかるようになったそうですが、実際に色がわかっている恐竜は、10種類程度だとか。大事な化石を切り取り電子顕微鏡を覗き、色の組織を見つけ・・・という、途方もない細かい作業を繰り返して色の判別をおこなっています。始祖鳥も一部が黒かったということはわかっているそうですが、この障壁のために、それ以上の研究が進んでないそうです。そして現在までに色がわかっているのは、ジュラ紀~白亜紀の羽毛のある恐竜のみ。

※ジュラ紀:約1億9960万年前にはじまり、約1億4550万年前~白亜紀:約1億4,500万年前から6,600万年前

それ以前では、羽毛恐竜の化石が見つかっていないため、手がかりがないのだそうです。

■羽毛恐竜は色覚が発達?
羽毛恐竜から鳥への進化というのは非常に興味深いことです。
アンキオルニスのように頭頂部が赤い恐竜がいることなど、羽毛恐竜の色の研究が進むにつれ、羽毛恐竜の生態に新しい考察が加わってきました。それは、羽毛恐竜の脳も鳥のように進化しているのではないか、という点だそう。

爬虫類は嗅覚が優れているそうですが、鳥類は色とりどりの羽を持つ現在の鳥類からわかるように、視覚が優れているのだそう。色覚が重要なコミュニケーションをもっていることがわかります。羽毛恐竜も色でコミュニケーションしていたのだとしたら、現代の鳥に近いことが想像できるとして話題になっています。

■羽毛恐竜と鳥類の境目
次に、羽毛恐竜と鳥類の境目はどこにあるのか?1861年に発見された始祖鳥とは日本における呼び方で、アーケオプテリクス(太古の翼)という名がついています。

このアーケオプテリクスは鳥の祖先とされていましたが、近年、アーケオプテリクス前後に存在した羽毛恐竜が数多く発見されていることから、翼状のものがあるだけではこのアーケオプテリクスが境という見方も薄くなってきたようです。恐竜と鳥の境は現在も議論されているところです。
ただ、現代の鳥の視点からみると、鳥の定義は、「翼状の構造が見られること」か、翼を支える「大胸筋が付着できるような竜骨突起が見られること」かの2つの立場があるそうです。

 

 

 

 
匿名希望

2019年12月13日 (金)

体と頭はどのように繋がっているか?~自律神経と魚類時代の適応進化の過程~

 

現代人に多い、体がだるい、夜に眠れない、朝起きられないetc.の自律神経失調症の症状は、原因も治療法も不明で、「リラックスする」「ストレスをなくす」「朝日を浴びる」といった断片的な対症療法が伝承されているばかりです。

●自律神経とは?
体と脳は、意識的に動かせる運動神経系統と、「発汗」「血行」「心拍」「胃の運動」「免疫」「緊張状態」「反射」など意識的に動かせない自律神経の系統で繋がっています。

自律神経は、「緊張」「闘争」「逃走」を交感神経系が担い、逆に「弛緩」「消化」「睡眠」を副交感神経(迷走神経)系が、相互補填して担うという2重構造をしているので、もし、交感神経系が「闘争」の信号を出して、副交感神経系が「弛緩」の信号を出したり、逆に、どちらの信号も出さなかったりすると、体は混濁状態になってしまう訳です。
さらに、副交感神経(迷走神経)系統は、脳からの信号もありますが、数多くの神経が「腸」と繋がっており、脳からではなく、逆に「腸」からの信号が脳に送られる割合も多い事が分かっています。

なぜこのような複雑な神経系なのでしょうか? 機械の設計でいうなら、誤作動の多いシステムではないでしょうか?

その理由は、これら神経ができた、魚類の時代の適応進化にあります。
現在の魚類を見ると、初期の神経はナメクジウオなどの脊索動物類以降に、自律神経は硬骨魚類以降に見られます。

●魚類時代の適応進化の過程
脊椎動物の祖先は、遠い昔に管型の動物から、魚型の動物へ(そこから四足型の動物へ)と進化しました。

5億年前の、カンブリア大爆発と呼ばれる多種多様な形状の動物が出現した時期に、魚型の動物の化石(ピカイア)が見つかっています。
この段階は、まだ目や脳が無く、体の先端の口と触覚部分から、体の背中側に神経が伸びているので脊索動物と呼ばれています。

カンブリア大爆発の多様な生物の出現は、「眼」を持つ種が出現したため、すべての種が捕食と防御機能を高めるべく「眼」と「運動機能」「殻」を獲得していった過程です。それらを調整する「脳」も出現しました。
節足動物の系統や、オウムガイの系統が「目」「運動」「殻」を進化させて弱肉強食の覇者になって繁栄していったのに対し、魚の系統は、まず体を伸ばして神経を通すことで、弱者として「逃げる」という運動機能を特化したものと思われます。
これが神経の出現で、この段階ではニューロンではなくグリア細胞が神経を形成しています。

魚の系統は、その後、レンズ型の優れた眼を形成し、運動機能を洗練させて覇者となっていきますが、その中でも汽水域に追いやられた弱者の系統が、「硬骨魚類」として、俊敏な運動機能をさらに高め、サメなどの軟骨魚類を凌駕して繁栄していきます。

自律神経の複雑な系統は、瞬間的に、何より優先して、闘争・逃走モードに体を切り替える(他の働きを抑える)ためのもので、逃げ回りつつ、汽水域での泥に埋もれないよう跳ね回った挙句にようやく獲得したシステムだったのではないでしょうか?
たいへんだったと思います

この働きは、なんと、現在の私たちにも引き継がれ、現在形で作動しています。
危機を察知した瞬間に体が緊張状態になって心拍があがるのはこのためです。


●なぜ自律神経失調になるのか?
問題は、「脳」にあるものと思われます。
脳は、新しい感覚器官である視覚を基に体全体を制御(調整)する働きがありますが、私たちの脳は、更に前頭葉を発達させて「観念機能」を獲得しました。

観念機能は、本能ではキャッチできない未知の対象をキャッチしていく事が可能です。
したがって、本能ではキャッチできないような危機も察知する事ができる、一方で、固定観念によって「これは危機ではない」と決めつけてしまうと、体がキャッチした危機さえ頭で捨象する事が可能になってしまうのです。
こうなると、自律神経の働きは無茶苦茶になる!

しかし、自律神経失調の原因が、脳(固定観念)と特定できるなら、有効な対策も明確になっていく事と思われます。

 

 

 

田村正道

大量絶滅を生き延びた最大の哺乳類でも、体重はたったの450グラムだった

 

【大量絶滅後の100万年を示す貴重な化石を発見】
~哺乳類は急激に大型化、植物の多様になったタイミングと一致~

恐竜の時代を終わらせた大量絶滅の直後、生命はどのように復活したのか。その概略が、米コロラド州で見つかった数百もの化石から明らかになり、10月24日付けの学術誌「サイエンス」に論文が発表された。

発掘された化石は、保存状態の良い少なくとも16種の哺乳類のほか、カメ、ワニ、植物など。大量絶滅から100万年後までに生息していたと見られる。

6600万年前、小惑星が地球に衝突し、地球上の生命は大打撃を受けた。衝突の余波で、ほとんどの恐竜をはじめ、全生物種のおよそ4分の3が絶滅したとされる。ただし、大量絶滅のすぐ後の時期については化石がほとんど見つかっておらず、多くの古生物学者がフラストレーションを抱えていた。

だが今回、新たな化石の大鉱脈が発見され、生命復活の過程が解き明かされつつある。論文には、大量絶滅から30万年で驚異的な成長を遂げた哺乳類に関して、新たな仮説が述べられている。

◆新たな化石の大鉱脈とは
北米西部の風が吹きすさぶ平野では、地面にあらわになった化石を掘り出すというのが通常だった。だが化石は、球状コンクリーションと呼ばれる岩(古代の骨などが核となって形成された岩、ノジュールとも)からも見つかる。

研究チームはこの球状コンクリーションに注目した。そこは、米コロラドスプリングスのすぐ東、デンバー盆地の岩盤が露出しているコラールブラフスと呼ばれる一帯で、以前の発掘調査では何も見つけられなかった場所だった。

ところが、いったん丸い岩に注意を払い始めると、すぐにそれが新たな鉱脈であることに気付いた。

「岩を割ると、哺乳類の頭骨が私にほほ笑みを返していたのです」と、論文の筆頭著者である米デンバー自然科学博物館の古生物学者タイラー・ライソン氏は振り返る。「そして、辺りを見回すと、同じような岩が無造作に散らばっている光景が目に入りました。哺乳類の頭骨が、数分で4、5個も見つかったのです」

研究室に戻って明白になった事実の1つは、大量絶滅後の100万年で、哺乳類が目覚ましい大型化を遂げたということだ。

大量絶滅を生き延びた最大の哺乳類でも、体重はたったの450グラムだった。だが、わずか10万年後、その子孫の最大の種は約6キロもあり、現代のアライグマと同程度にまでなった。その20万年後には、「最大の哺乳類の体重はさらに3倍に増え、約20キロにもなったのです」とライソン氏は話す。これはアメリカビーバーの体重とほぼ同じであり、大量絶滅前のどの哺乳類よりも、はるかに重くなったという。

この大型化は、哺乳類がもはや恐竜と競争する必要も隠れる必要もなくなったことを考えると、一応の筋が通る。だが、コラールブラフスで一緒に見つかった植物の化石から、はるかに豊かな物語が明らかになった。

◆植物からわかる豊かな物語
大量絶滅で、全植物種の半分が死滅した。生き延びた小型哺乳類は、おそらく雑食性で、昆虫を常食していたと考えられる。大量絶滅後、最初に再出現した植物は多くのシダ類だったが、それほど栄養はなかったからだ。

次に現れたのは、ヤシ科の木だった。しかし、哺乳類が大型化できた要因は、おそらくクルミ科の木が多様化したことにあるだろう。大量絶滅の30万年後に起きた哺乳類の体重増加は、クルミの花粉の化石が出現する時期と一致する。

デンバー盆地で見つかったこの時代の最大の哺乳類は、現代の有蹄哺乳類の遠縁の仲間Carsioptychusだった。

「その小臼歯はとても大きくて平らで、奇妙なヒダがたくさんあります。このため、クルミの木の実など、硬い物を食べていたのかもしれない、というのが定説です」とライソン氏は話す。

約40万年後、さらなる急成長が起こり、体重は45キロを超え、プロングホーンほどのさらに大型の哺乳類が誕生した。この時の急成長は、多くの草食動物が求める葉やタンパク質豊富な種子のさやを持つ、マメ科の初期種の化石の登場と重なる。

「すべてが、きれいに並んでいることに驚きました」と同氏は話す。

また、コラールブラフスで見つかった葉の化石を分析したところ、大量絶滅後の100万年間に顕著な温暖期が3回あったことがわかった。そのうちの少なくとも2回は、哺乳類の大型化をもたらす植生の大幅な変化に関わっていると見られる。

「大量絶滅から30万年ほど後に、哺乳類が大型化したという説は、新しいものではありません」と米コロラド大学自然史博物館の古生物学者ジェイリン・エバリ氏は話す。なお、同氏は今回の研究には関わっていない。「しかし、重要なのは、その理由です。今回の研究で明らかになった、体の大きさ、植物相の多様性、温暖化の相関関係により、理由の解明が進むでしょう」

「主な教訓は、地球のシステムの1つの要素だけを見ていても、絶滅や回復に関して理解することはできないという点です」と米フロリダ大学の地質年代学者コートニー・スプレイン氏は付け加える。

◆鳥を見つけたい
米サンディエゴ州立大学の古生物学者デビッド・アーチボルド氏は、今回の発見を真の偉業と呼び、著者の結論が核心を突いていると確信しているという。だが、同氏はこう警告する。「確かに驚くべき成果ですが、今回の結果は限られた地域から得られたものです。地球全体の話と考えたい誘惑に駆られるかもしれませんが、それは時期尚早です」

世界中の化石発掘現場で球状コンクリーションへの関心が高まっており、論文の仮説が強化されるかもしれない、とライソン氏は言う。(中略)

一方、同氏の研究チームは、特定された新種の一部(2種の哺乳類を含む)を分類学的に記載したり、まだ割ってもいない数百もの球状コンクリーションの中から化石を探したりするのに忙しくなるという。

「なんとしても鳥を見つけたいのです。この時期は、鳥にとっても重要な時期だったからです」とライソン氏は語る。

(引用元:ナショナル
ジオグラフィックweb)

 

 

 

志葉楽

人類の祖先はなぜ海から陸に進出したのか?という謎について通説を覆す新たな研究結果が発表される

 

約4億年前、人類の先祖の魚類が海から陸上に進出する際にはヒレを四肢のように発達させる必要がありましたが、この進化を促した決定的な原因は2018年現在でもつかめていないところ。「洪水」や「日照り」が起こって魚類が陸に押し出され、水に戻ろうとしてヒレを足のように発達させたのではないか?ということや、水中の障害物に有利だったので発達させたのではないか?ということが考えられていますが、新たに、洪水や日照りではなく「潮の満ち引き」を原因とした可能性が研究で示されました。

以下(リンク)より

人間の祖先と考えられている魚類は「肉鰭綱」(にくきこう)またの名を「肉鰭類」(にくきるい)といいます。肉鰭綱には、シーラカンスやハイギョ類などが含まれており、この魚類は四本のヒレが足のように肉厚なのが特徴です。肉鰭綱は4億年前に海から陸上に進出後、四本のヒレが足のように変化し、後に四肢動物になり、そこから人類を含めて多様な生物に分岐したと考えられています。

これまでの通説は、肉鰭綱が陸上に進出した原因は、洪水か日照りと見られていました。つまり、肉鰭綱が洪水により水たまりに入り、そこから移動するためにヒレが足のようになり陸上に対応したというものです。一方で、今回発表された仮説は肉鰭綱の進出原因を潮の満ち引き、「潮汐」としています。潮汐により海面が低くなり、肉鰭綱が陸上に座礁した後に、水の中に戻るためにヒレが足のように進化、そこから「陸にいる方が海に戻るより利点が多い」ということで陸に適応する形でさらに進化したという考えです。

この仮説は、2018年の2月15日(木)に「Ocean
Sciences
Meeting(海洋科学集会)」でイギリスのバンゴア大学所属の海洋科学者マティアス・グリーン氏らの研究チームが発表しました。仮説は古代の地球のシミュレーションが行われた結果、「肉鰭綱の化石が見つかった場所と強い潮の満ち引きがあったポイントが同じだった」ということを根拠に立てられたものです。今回の仮説を発表したグリーン氏は、「通説は水たまりに魚が入り、そこからヒレが足になったというものです。しかし、水たまりが生まれ、魚がその中に入り、そして水たまりが乾くかが謎でした」とコメントし、通説の疑問点が今回の仮説だと発生しないことを主張。

 過去にも、今回のように「魚の陸上進出が潮の満ち引きによって促された」という仮説が発表されたことはありました。20世紀の時点で、シカゴ大学の古生物学者アルフレッド・レーマー氏は「潮の満ち引きが初期の四足歩行の動物への進化に拍車をかけた可能性がある」という内容を発表。その後、2014年にオックスフォード大学の天文物理学者、スティーブン・バルブス氏が、この仮説を進展させる別の説を発表しました。バルブス氏によると、4億年前、月と地球の距離は10パーセントほど近かったとのこと。これより、当時は太陽・月・地球が一直線上になって発生する大潮が現在の地球よりも強かったといいます。2週間ごとに強力な大潮が発生していたため、その度に魚が海岸線の特定のポイントで座礁していたとバルブス氏は示しました。

グリーン氏は「座礁した生き物は、進化が促されたでしょう。座礁した水の潮だまりの中では、魚たちが食べられたり、そこから水の中に逃れようと移動しようとしました。この状態では、水に戻るために四本足のような大きなヒレを持つ方が有利となります」とコメント。

しかし、数億年間の間に地球の地形に変化あり、上記の理論を現代で立証するには証拠を集めるのが難題でした。4億年前の地球の陸地は、北のローラシア大陸と南のゴンドワナ大陸と呼ばれる2つの超大陸から構成されていました。これらと現在の陸地を比べると、地層のプレートと共に移動して位置が変わり、海水の浸食により海岸線の形が変化していました。

この問題を解消するために、今回、グリーン氏ら研究チームは、4億年前の超大陸のモデルを作成し、潮汐が引き起こす海岸線の変化のシミュレートしました。すると、超大陸が離れたことによりくさび形の海と海底の地形が生まれることがわかりました。

シミュレーションでは変化する海岸線の各所を記録していき、これにより研究チームは魚が座礁しやすいポイントを明らかにしました。このポイントは、魚たちが発見された化石のポイントと一致するので理論の整合性を示したことになります。例えば、今日の東ヨーロッパとカナダ、そしてアイルランドにある大きな化石層と大きくくぼんだ地域は、古代に座礁が起きていたポイントがぴったりと一致するとのこと。このことについてグリーン氏は「これにはこらえ切れない嬉しさがあります」とコメント。

 加えて、シミュレーションでは、今まで判明していなかった大量の化石が出土するであろう新しいポイントが示されました。しかし、シミュレーションのモデリングをリードしたスウェーデンのウプサラ大学の海洋学者ハンナ・バーン氏によると「これらの場所は、政治的に不安定な場所なので発掘することは困難でしょう」とのことです。

 

 

 

 
柏木悠斗

光合成と呼吸の密接な関係~酸素呼吸は光合成より先に誕生した?

一般的にには、太古の大気の主成分は二酸化炭素と窒素だったが、やがて,二酸化炭素を使って酸素を生み出す光合成が生まれ,大気に酸素が増えて,
酸素呼吸をする生物が生まれた。と考えられているが、ところが最近の研究で、その順序が逆なのではないかという可能性が出てきたようです。

「細胞が行なうリサイクルとその進化」リンクより転載。
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■呼吸の逆回転は光合成?
 酸素を吸って二酸化炭素を吐き出す呼吸と、二酸化炭素を吸収して酸素を出す光合成。この2つは出入りする物質が逆である。そこでそれぞれの反応を詳しく見ると、じつはそれもよく似ているのだ。呼吸は解糖系+クエン酸回路+電子伝達系という3つのシステムが連動している。細かいことは省略するが、取り入れた酸素で糖を燃やしエネルギーを取り出す働きである。一方、光合成は明反応と暗反応の2つのシステムが連動している。そして、呼吸のクエン酸回路を逆に回すと光合成の暗反応とそっくりで、呼吸の電子伝達系と光合成の明反応は、膜に埋まったタンパク質が電子を授受するという点が同じだ。つまりとてもよく似ていて、しかも光合成のほうがやや複雑である。光合成が一足飛びにできたはずはない。これらのシステムはいつどうやってできたのかを見ていこう。

■発酵から始まるエネルギー獲得システムの進化
 生物が最初にもったエネルギー生産システムは発酵だ。これは外部の有機化合物を少しずつ簡単な分子にしながらエネルギーを取り出す方法で、これはまさに解糖系である。これに物質をサイクルさせるクエン酸回路と細胞の内外の環境の違いを利用した代謝、電子伝達系が加わって酸素呼吸が生まれたと思われる。じつは酸素呼吸の電子伝達系に色素が加わると、光合成の明反応になり、それに、酸素呼吸のクエン酸回路を逆回転した代謝(=光合成の暗反応)が組み合わさると、簡単な光合成が誕生することになる。もっとも酸素呼吸系から直接、光合成系が生まれたわけではないのだが、比べるとまるで、そうやって進化してきたかのように見えるほど似ているのが面
白い。

 酸素呼吸が光合成より古いという根拠は、分子の進化を比べると、酸素呼吸の電子伝達系の酵素が非常に古く、その酵素が進化して光合成のタンパク質の一部になったのではないかと考えられるからである。また、光合成を行なうバクテリアの古いタイプのものが酸素存在下でも生育できることも、その説を支持する根拠の一つだ。

■光合成の起源を探る
 光合成は二酸化炭素と水を取り入れ、酸素を発生するものだけだと思いがちだが、じつは、最初に光合成を行なったバクテリアでは、利用したのは水ではなかった。水より前に硫化水素と有機物を使うものが生じたと考えられている。二酸化炭素と光を使って糖を作るのは同じだが、利用する物質が違うと廃棄物は変わる。水を使うシアノバクテリアになって初めて酸素を発生したのだ。

 太陽の光を電子の流れに換える重要な役割をするタンパク質である光合成反応中心タンパク質で調べると、1型と2型があり、最初はこのどちらか一方だけを使っていたのだが、シアノバクテリアになって1型と2型の両方を用いるようになった。2つの型が連動すると水を利用できるエネルギーを生み出すことができ、酸素を廃棄物として出す光合成が生まれたのだ。

■細胞の間でDNAを取り込む進化
 20億年間という長いバクテリアの時代に、生きものは細胞内で、生きものの基本の一つ、エネルギー代謝の仕組みを進化させ、生きものの相互関係を作り、そして環境をも作ってきたことがわかる。細胞の中の進化である。

 酸素を生み出す光合成システムは、それぞれ1型と2型をもつ細胞の間での遺伝子の水平移動でできたと考えられている。その当時、バクテリアでは種を超えて遺伝子を取り込み、他の生物の能力を獲得するという進化が行なわれていたのだ。バクテリアが細胞内に核をもたず、DNAがき出しで入っているからこそ、こんなことが可能なのだろう。

■細胞の中のヒント
 光合成と呼吸と言えば、光合成によって、地球の大気に酸素が蓄積し、それを用いて効率のよいエネルギー生産である呼吸が生まれたという関係ばかりが取り上げられてきた。けれども光合成と呼吸は、お互いの廃棄物を使って、また相手に必要なものを作るというリサイクル。ここでは、呼吸のほうが少し先に生じたという新しい説を紹介したが、これは呼吸が完成してから光合成が生まれたということではない。もちろん光合成によって生まれた酸素は、呼吸系の確立に大きく貢献したに違いない。つまり、これらは相互に関連しながら進化してきたのだ。

 

 

 

 

 斎藤幸雄
 

酸素濃度と生物の巨大化の関係

以下は酸素濃度と生物の巨大化との関係を解説したブログ。生物が巨大化したのは酸素濃度が高いとエネルギーを十分に供給できるという説や巨大化してもエサが豊富にあったからという説などがあるようです。

以下「酸素濃度と生物の巨大化の関係について解説」より引用
リンク

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■酸素濃度と生物の巨大化の関係

過去に存在した昆虫が巨大化できた理由は、しばしばその時代の酸素濃度の高さと結び付けられます。これはなぜなのかというと、現在空気の組成は、窒素が78%、酸素が21%となっており、これだけでその99%を占め、残りの約1%のほとんどがアルゴンで、二酸化炭素などはごくごくわずかなものです。

しかし、このメガネウラが存在していた時代は、その空気中の酸素の濃度が35%にまで上がり、これまでの時代の中でピークに達していたことが分かっています。しかも、実はその酸素濃度は、以前はずっと濃かったものが段々と減ったわけではなく、メガネウラがいた時代だけが高くて、その前後の時代では15%程度であったこともわかっています。

つまり、その酸素濃度が高かった時期がピンポイントで巨大化した昆虫がいた時期と重なるために、酸素濃度による巨大化説が浮上したのです。そういうことなら、これを結び付けて考えたくなるのもわかりますよね。

そして、その理由としてまず挙げられたのは、酸素が豊富に存在したがために、巨大化してもエネルギーを十分に供給することができたのだというもの。私たち人間も含め、すべての生物は酸素なしには生きられませんが、それが多ければ多いほど、巨大化には適していたというのです。

しかしながら、これとは全く真逆の説も浮上しています。それが、小さな体のまま酸素を大量に摂取しすぎると、その毒性の影響を強く受けてしまうために、相対的にそれを減らすために巨大化したのだというものです。

なんのことだ?と思われる方もいるかもしれませんが、実は酸素は濃度が濃すぎると、逆に生物にとっては害になることが知られています。もしも人間が酸素濃度が高い場所に放り込まれたら、1日も経たずに命を落としてしまうほどです。

そして、トンボのような生物は特に幼虫の時はその摂取量を調節するのが苦手であるとされています。そのため、その影響が少なくて済むように巨大化したのだということです。しかしながら、このどちらが正しいのか、そして、どちらも正しくないのかということはいまだによくわかっていません。

また、この時代は酸素濃度だけではなく、そもそも「空気」の量が多かったために、巨大化しても飛びやすかったのだという説もあります。当たり前ですが、空を飛ぶ生物は空気抵抗を利用して飛んでいるので、空気が濃い方が粘性があって飛びやすいのです。例えば、鳥は真空中を飛ぶことはできない、というとわかりやすいでしょうか?

このように様々な説が提唱されているものの、実際のところはどうだったのかというところはいまだによくわかっていません。

■酸素濃度だけが巨大化の理由ではない

しかしながら、もし酸素濃度がその巨大化に関係していたとしても、おそらくそれだけが巨大化の理由でもありません。やはり1番の理由は、それだけ巨大化しても、生きていけるほどのエサが豊富にあったからであるといえるでしょう。

先ほど説明したメガネウラはがいた時代には、陸上に既にトカゲのような生き物はいましたが、まだ鳥のような生き物はいませんでした。プテラノドンのような翼竜が登場したのはもっと後のことで、鳥は小型の肉食恐竜が進化したものなので、もっともっと後です。

そのため、この時代空を支配していたのは、まさにメガネウラのような昆虫でした。つまり、敵がいなかったので、空を飛んでいても何かの標的になることが無かったのです。このメガネウラは、ゆったりと飛んでいたと考えらえています。

しかも、実はこの時代はすべての昆虫が巨大化していたわけではなく、メガネウラのようなトンボに似た生物の仲間の中には、今のトンボくらいのものもいたのです。なので、酸素濃度は100%生物の巨大化を引き起こすものではありません。

そして、このメガネウラがいつ絶滅したのかというのは詳しくはわかっていないものの、結局はその巨大化は環境の変化に対応するには適していなかったといえるでしょう。

セミの中には、絶滅を避けるためにきっかり17年おきに集団で地上に出てきて、子孫を残す17年ゼミと呼ばれるものがいますが、このように、生物が生き残るということはただ大きくて強いだけではだめなのです。エサが無くなれば真っ先に死んでしまうのも、その巨大な生物ですからね。

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西本圭

ウィルスの構造

ウイルスとは不思議な生物?物体。生物に寄生しなければ生きられないし形も様々。

ミクロバイオリンクより引用。
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●ウイルスの構造
1.基本構造と各部分の名称
ウイルス粒子は基本的に、遺伝情報を担うウイルス核酸(DNAかRNAのどちらか一方)と、それを包み込んで保護するタンパク質の殻からなりたっている。

完全な形をしたウイルス粒子をビリオンvirionとよぶ。内部のウイルス核酸を取り込むタンパク質の殻をカプシドcapsidとよび、核酸とカプシド合わせた構造をヌクレオカプシドnucleocapsidとよぶ。カプシドを構成する形態学的な構造単位をカプソメアcapsomereとよぶ。ウイルスによっては、カプシドの外側に、envelopeとよばれる糖タンパク質と脂質の膜をかぶっているものがある。カプシドとエンベロープとの間には、テグメントtegumentあるいはマトリックスmatrixとよばれるタンパク質が存在する場合がある。

1.ウイルス核酸
種類:
ウイルス核酸はDNAかRNAのどちらか一方であるが、それぞれに2本鎖と1本鎖のものがあり、2本鎖DNA,1本鎖DNA,2本鎖RNA,1本鎖RNAの4種類である。各ウイルス粒子は、このうちただ1種類の特定の核酸を含んでいる。

機能:
ウイルス核酸は、自分と同じものをつくる(複製する)
タンパク質をつくらせる遺伝情報をもつ

突然変異をおこす

遺伝子の組みかえをおこす(ウイルスによっては遺伝子の再集合をおこす)など、遺伝因子(遺伝子)としての条件を満たしている。ウイルス遺伝子の完全な1組をウイルスゲノムとよぶ。ウイルス核酸に含まれる遺伝子の数は3個から約200個であり、細菌のやく3000個と比較するとはるかに少ない。

③感染性核酸:
ウイルス核酸は、ウイルスの感染性を担っている。ウイルスによっては、ウイルス粒子から抽出した核酸を細胞に入れてやると、その核酸だけで感染がおこり、親のウイルス粒子と同一の子ウイルス粒子が産生される。このような核酸を感染性核酸とよび、このような操作をトランスフェクションtransfectionとよぶ。

●ウイルスの特性と定義
①大きさ

ウイルスは、直径がおよそ20~30nmから250nmくらいのおおきさで、光学顕微鏡では観察不可能であり、電子顕微鏡ではじめて観察することができる。

②生物か、無生物か

ウイルスは基本的に、核酸とタンパク質からなる高分子である。細胞の外では増殖する能力がないので、無生物である。しかし、生きた細胞の中にはいると、自らの核酸がもつ遺伝情報に基づいて、自己と同じウイルス粒子を大量に複製することができる偏性細胞内奇生体である。

③原核生物か、真核生物か

ウイルスは、1種類の核酸をタンパク質の殻が包んだ粒子であり、生物の基本的な性質である細胞構造を示さない。したがって、ウイルスは原核生物、真核生物のいずれにも分類できない。

④ウイルスの実体
: ウイルスは、タンパク質の殻に保護された、細胞から細胞へ移動することができる感染性の遺伝因子(核酸分子)である。

⑤細菌との違い :
ウイルスに特徴的な性状は、核酸としてDNAかRNAのどちらか一方をもち、タンパク質合成のためのリボソームをもたず、二分裂を行わないことである。

細菌との最も顕著な違いは、ウイルスは増殖に際して、親のウイルス粒子がいったん解体して、それぞれの構成成分が別々に合成され、それらがこのウイルス粒子に組み立てられる点である。したがって、ウイルスの増殖過程には感染性のウイルス粒子が検出されない時期があり、エクリプスeclipse(暗黒期ともいう)とよばれる。

 

 

 

 

匿名希望

2019年12月 8日 (日)

天然原子炉のもとで真核生物が誕生した

生物史において、重大な出来事の一つである原核生物から真核生物への進化。体積が100万倍も増加するというこの大進化はいかなる環境下で起こったのか。

1972年、アフリカ・ガボン共和国のオクロ鉱床内で、天然原子炉が先史時代に作動していた証拠が公表された(リンク)が、この天然原子炉という特異な条件のもとで真核生物への進化が起こった可能性がある。

以下、「天然原子炉周囲の地質と真核生物誕生場(地学雑誌・2019)」より。
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現在の地球表層で行われている生命活動の根源は太陽光であり,すなわち独立栄養生物が行う光合成は光エネルギーを駆動体とする光化学反応である。この反応は無機的な化学平衡反応とは異質で,太陽エネルギーに駆動された非平衡な場をつくりだす反応である。水の光化学的な分解反応を金属タンパクによる酵素反応と巧みに関与させたのが光合成で,H2
がCO2と結合してCH2Oとなり,余剰のO2が大気に放出される。還元物質であるH2は酸化物質であるCO2とは熱力学的に平衡共存できない非平衡の組み合わせである。このような非平衡の組み合わせを外部エネルギー,すなわち太陽エネルギーを利用して強制的に反応を連続的に継続させるのが生命という現象の本質である。(P.550)

(中略)

 最後に天然原子炉と真核生物の関係に関して推測を述べる。図10
はソコバ鉱山において原生代前期に天然原子炉によって駆動された熱水循環の様子を予察的に図示したものである。上述の通り,生命とは非平衡な場に起こる連続的な反応現象である。平衡になると反応が停止して生命という現象は存在不可能であり,つねに外部からの駆動力を必要とする。生命の起源は原始的な第一次生命体に遡るが,この時は弱すぎる太陽光エネルギーに代わって,天然原子炉から連続的にしかもはるかに高いエネルギー密度をもつ電離放射線のもとで非平衡な場がつくられ,生命はそこで反応を継続させていた(Ebisuzaki
and Maruyama,
2017)。前述のように,真核生物化石と解釈される構造(FB2bユニット)の下位の層準には天然原子炉(FAユニット)が存在する(図2)。天然原子炉が駆動した時は最大で500°C
に達し,周囲の水を温めた結果,局所的に熱水系が形成された(図10)。原子炉に加熱された流体は上昇し,まずは直上の黒色頁岩を熱し,有機物を炭化させていく。有機物の熟成度は
meta-anthracite gradeである(Mossman et
al.,1993)。粘土鉱物等も再結晶し,これらと反応した流体がさらに上昇を続ける。この時の流路がオクロ鉱山やソコバ鉱山に石英脈として残っている。断続的に駆動された熱水は地表に噴出し,黒色頁岩由来の有機分子を海洋に供給する。生命にとってとり込みやすい構成要素が供給され,濃度が高まったことにより,より高次の有機分子がつくられるように図10ソコバ鉱山で原生代初期に天然原子炉によって駆動された熱水循環を図示した予察的なモデル.Fig.10
Speculated model illustrating hydrothermal circulation promoted by natural
reactors at Socoba mine in the early Proterozoic. ― 565 ―
なった。一方で天然原子炉から放たれる高密度の電離放射線は非平衡反応の駆動力というだけではなく,ゲノム進化の加速といった意味でも真核生物の出現に作用したかもしれない。ガボンの前期原生代堆積盆地が真核生物の誕生場となりえたのはフランスヴィル層群特有の環境が天然原子炉を胚胎させたことに由来する。(P.564~565)
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リンク

 

 

 

竹村誠一

中国で最古の巨大恐竜を新発見、進化や超大陸の新説浮上

1億7400万年前に中国北部に生息していた巨大恐竜の化石がが発見された。この時期、東アジアはすでに超大陸パンゲアから分裂していたと考えられている。この発見が中国の地史を塗り替えるかもしれない。

BBC
NEWS JAPAN リンク より、以下転載。
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最古の巨大恐竜を新発見、進化や超大陸の新説浮上 中国
2018年07月31日

新たに発見された恐竜が、中国の地史を塗り替えるかもしれない。

首の長い大型恐竜、竜脚下目に新たに加えられた「リンウーロン・シェンキ」は、1億7400万年前に中国北部に生息していた。

この時期、東アジアはすでに超大陸パンゲアから分裂していたと考えられている。しかしリンウーロンの存在が、この定説を覆す証拠になるかもしれない。

研究は7月24日付けの学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表された。

リンウーロンはブロントサウルス、ディプロドクス、ブラキオサウルスなどが属する新竜脚類に分類されるが、本来ここに分類されるべきではない。なぜなら、中国北部に他の新竜脚類が現れる1500万年前に出現しているからだ。

この研究を発表した英インペリアル・コレッジ・ロンドンのフィリップ・マニオン博士は、今回の発見は「二重に驚くものだった」と話した。

マニオン博士はBBCニュースに対し、「これは(新竜脚類で)最古の恐竜と言うだけでなく、アジアで初の発見。長い間、新竜脚類はジュラ紀の間はアジアに拡大していなかったと思われていた」と説明した。

超大陸パンゲアはジュラ紀に分裂を始めていた。巨大な紅海のような海が出現して現在の中国とパンゲアの残りの部分を分け、動物の行き来を阻んでいた。

マニオン博士によると、「今回の発見は新竜脚類がこうした障壁ができる前にアジアに入り込んだことを示唆しているが、障壁があったのはごく短期間ではないかという地理的な証拠もある」という。

新竜脚類は現在、北米や欧州、アフリカとなったパンゲアの広範囲に生息していたが、1億6000万年前以前の化石は見つかっていなかった

リンウーロンは、新竜脚類で最古の恐竜となった。さらに、この種族の恐竜がこれまで考えられていたよりはるかに進化していたことが判明した。多様化が始まったのはジュラ紀中期と思われていたが、少なくとも初期へと繰り上げられた。

小惑星の衝突で絶滅した「失敗作」だという主張とは裏腹に、恐竜は何百万年にもわたって進化と適応を成功させてきた。火山の大規模噴火によるいくつかの大量絶滅を乗り越え、生き延びてきた。

リンウーロンの発見はこうした見方をさらに裏付ける証拠だと、アルゼンチン・サンフアン大学の古生物学者セシリア・アパルデッティ博士は語る。

アパルデッティ博士はBBCの取材に対し、「竜脚下目に新たに加わったリンウーロンと、パタゴニアで発見された竜脚下目の祖先と考えられるインゲンティアは、恐竜が進化の初期段階から体の構造を革新させる類まれな能力を持っていたことを示している」と話した。

「この能力によって恐竜は何百万年もの間、地球上のあらゆる生態系を支配し数を増やした。この「解剖学的多能性」が恐竜の進化の鍵の一つとして、恐竜を地球上の生命体の中で最も成功した脊椎動物の一種にした」
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転載終了

 

 

 

 

立川久

2019年12月 4日 (水)

恐竜絶滅の謎に新説=真菌の大発生が卵を汚染した

恐竜絶滅の謎に新説=真菌の大発生が卵を汚染した

※恐竜の絶滅は卵が孵化しなかったことが原因

リンク

2009年2月13日、新華社によると、中国地質大学地球科学学院の教授、徐冉(シュー・ラン)博士及び河南理工大学資源環境学院の胡斌(フー・ビン)教授はこのほど、恐竜滅亡の謎に新説を発表した。まもなく科学誌・中国科学に論文が掲載されるという。

白亜紀後期の恐竜の卵の化石内部には大量の真菌の化石が残されていたという。分析を進めたところ、真菌が卵を浸食している状況が明らかになったという。白亜紀後期からはふ化しなかった恐竜の卵が大量に発見されていることから、研究チームは真菌の影響により卵がふ化せず、恐竜の絶滅につながった可能性を指摘している。

白亜紀後期と暁新世の変わり目の時代、すなわちおよそ6500万年前には隕石の衝突、世界的な森林火災、火山の頻繁な爆発などの影響で、真菌が激増したことが知られている。新説は従来の研究とも符合するもので、いまなお解明されない恐竜絶滅の謎に新たな光をあてるものとなりそうだ。


※孵化しない原因は真菌にある。

リンク

真菌は植物でも動物でもなく、その大きさは顕微鏡でようやく見えるものから肉眼で容易に見えるものまで様々です。かつては植物と考えられていましたが、現在では独自の区分(界)に分類されています。

・真菌の胞子は空気中や土壌中に存在することが多いため、真菌感染症は通常は肺や皮膚から始まります。
 
・免疫系の機能が低下していない限り(通常は薬や病気によって生じる)、重篤な真菌感染症はまれです。
 
・この感染症は通常はゆっくり進行します。
 
・抗真菌薬は、感染部位に直接塗ることもあり、重篤な場合は、内服や注射で投与する場合もあります。

真菌は次の2つの形態で発育します。
・酵母:単独でみられる円形の細胞
 
・カビ(糸状菌):多数の細胞で形成される細長い糸状の構造(菌糸)

ライフサイクルの中で両方の形態を取るものもあります。
多くの場合、真菌は土壌や腐敗した植物の中で増殖します。パンのカビやキノコ類など多くの真菌は、肉眼で見ることができます。
 
 真菌は独自の区分(界)に属し、植物でも動物でもありません。

真菌は、ごく小さな胞子をまき散らして繁殖します。このような胞子は空気中や土壌中に存在していることが多く、体内に吸い込まれたり、皮膚などの体表面と接触したりします。そのため、真菌感染症は通常、肺や皮膚から始まります。
皮膚に付着したり、肺に吸い込まれたりする様々な種類の胞子のうち、人に感染するものはごく一部にすぎません。数種類の真菌は、以下のいずれかに該当する人で感染症を引き起こします。

・免疫系の機能低下
 
・体内の異物(人工関節や心臓弁などの医療機器を含む)

化学療法薬や臓器移植後の拒絶反応を予防する薬など、免疫系の機能を低下させる薬(免疫抑制薬)を使用したり、エイズなどの病気にかかったりすると、免疫系の機能が低下することがあります。

 

 

 

恐竜絶滅の謎に新説=真菌の大発生が卵を汚染した

※恐竜の絶滅は卵が孵化しなかったことが原因

リンク

2009年2月13日、新華社によると、中国地質大学地球科学学院の教授、徐冉(シュー・ラン)博士及び河南理工大学資源環境学院の胡斌(フー・ビン)教授はこのほど、恐竜滅亡の謎に新説を発表した。まもなく科学誌・中国科学に論文が掲載されるという。

白亜紀後期の恐竜の卵の化石内部には大量の真菌の化石が残されていたという。分析を進めたところ、真菌が卵を浸食している状況が明らかになったという。白亜紀後期からはふ化しなかった恐竜の卵が大量に発見されていることから、研究チームは真菌の影響により卵がふ化せず、恐竜の絶滅につながった可能性を指摘している。

白亜紀後期と暁新世の変わり目の時代、すなわちおよそ6500万年前には隕石の衝突、世界的な森林火災、火山の頻繁な爆発などの影響で、真菌が激増したことが知られている。新説は従来の研究とも符合するもので、いまなお解明されない恐竜絶滅の謎に新たな光をあてるものとなりそうだ。


※孵化しない原因は真菌にある。

リンク

真菌は植物でも動物でもなく、その大きさは顕微鏡でようやく見えるものから肉眼で容易に見えるものまで様々です。かつては植物と考えられていましたが、現在では独自の区分(界)に分類されています。

・真菌の胞子は空気中や土壌中に存在することが多いため、真菌感染症は通常は肺や皮膚から始まります。
 
・免疫系の機能が低下していない限り(通常は薬や病気によって生じる)、重篤な真菌感染症はまれです。
 
・この感染症は通常はゆっくり進行します。
 
・抗真菌薬は、感染部位に直接塗ることもあり、重篤な場合は、内服や注射で投与する場合もあります。

真菌は次の2つの形態で発育します。
・酵母:単独でみられる円形の細胞
 
・カビ(糸状菌):多数の細胞で形成される細長い糸状の構造(菌糸)

ライフサイクルの中で両方の形態を取るものもあります。
多くの場合、真菌は土壌や腐敗した植物の中で増殖します。パンのカビやキノコ類など多くの真菌は、肉眼で見ることができます。
 
 真菌は独自の区分(界)に属し、植物でも動物でもありません。

真菌は、ごく小さな胞子をまき散らして繁殖します。このような胞子は空気中や土壌中に存在していることが多く、体内に吸い込まれたり、皮膚などの体表面と接触したりします。そのため、真菌感染症は通常、肺や皮膚から始まります。
皮膚に付着したり、肺に吸い込まれたりする様々な種類の胞子のうち、人に感染するものはごく一部にすぎません。数種類の真菌は、以下のいずれかに該当する人で感染症を引き起こします。

・免疫系の機能低下
 
・体内の異物(人工関節や心臓弁などの医療機器を含む)

化学療法薬や臓器移植後の拒絶反応を予防する薬など、免疫系の機能を低下させる薬(免疫抑制薬)を使用したり、エイズなどの病気にかかったりすると、免疫系の機能が低下することがあります。

 

 

 

恐竜絶滅の謎に新説=真菌の大発生が卵を汚染した

※恐竜の絶滅は卵が孵化しなかったことが原因

リンク

2009年2月13日、新華社によると、中国地質大学地球科学学院の教授、徐冉(シュー・ラン)博士及び河南理工大学資源環境学院の胡斌(フー・ビン)教授はこのほど、恐竜滅亡の謎に新説を発表した。まもなく科学誌・中国科学に論文が掲載されるという。

白亜紀後期の恐竜の卵の化石内部には大量の真菌の化石が残されていたという。分析を進めたところ、真菌が卵を浸食している状況が明らかになったという。白亜紀後期からはふ化しなかった恐竜の卵が大量に発見されていることから、研究チームは真菌の影響により卵がふ化せず、恐竜の絶滅につながった可能性を指摘している。

白亜紀後期と暁新世の変わり目の時代、すなわちおよそ6500万年前には隕石の衝突、世界的な森林火災、火山の頻繁な爆発などの影響で、真菌が激増したことが知られている。新説は従来の研究とも符合するもので、いまなお解明されない恐竜絶滅の謎に新たな光をあてるものとなりそうだ。


※孵化しない原因は真菌にある。

リンク

真菌は植物でも動物でもなく、その大きさは顕微鏡でようやく見えるものから肉眼で容易に見えるものまで様々です。かつては植物と考えられていましたが、現在では独自の区分(界)に分類されています。

・真菌の胞子は空気中や土壌中に存在することが多いため、真菌感染症は通常は肺や皮膚から始まります。
 
・免疫系の機能が低下していない限り(通常は薬や病気によって生じる)、重篤な真菌感染症はまれです。
 
・この感染症は通常はゆっくり進行します。
 
・抗真菌薬は、感染部位に直接塗ることもあり、重篤な場合は、内服や注射で投与する場合もあります。

真菌は次の2つの形態で発育します。
・酵母:単独でみられる円形の細胞
 
・カビ(糸状菌):多数の細胞で形成される細長い糸状の構造(菌糸)

ライフサイクルの中で両方の形態を取るものもあります。
多くの場合、真菌は土壌や腐敗した植物の中で増殖します。パンのカビやキノコ類など多くの真菌は、肉眼で見ることができます。
 
 真菌は独自の区分(界)に属し、植物でも動物でもありません。

真菌は、ごく小さな胞子をまき散らして繁殖します。このような胞子は空気中や土壌中に存在していることが多く、体内に吸い込まれたり、皮膚などの体表面と接触したりします。そのため、真菌感染症は通常、肺や皮膚から始まります。
皮膚に付着したり、肺に吸い込まれたりする様々な種類の胞子のうち、人に感染するものはごく一部にすぎません。数種類の真菌は、以下のいずれかに該当する人で感染症を引き起こします。

・免疫系の機能低下
 
・体内の異物(人工関節や心臓弁などの医療機器を含む)

化学療法薬や臓器移植後の拒絶反応を予防する薬など、免疫系の機能を低下させる薬(免疫抑制薬)を使用したり、エイズなどの病気にかかったりすると、免疫系の機能が低下することがあります。

 

 

 

匿名希望

バクテリアは世界を「見る」ことができる:研究結果

岩や水面など至るところにぬめぬめした膜を形成する藍色細菌(シアノバクテリア)は、世界を「見る」ことができることがわかった。体を一種の小さなレンズのようにして日光を感じ取り、光源の方へと移動するのだという。

以下「WIRED.JP」(リンク)より引用します。

■ ■ ■

細菌は、見た目よりもすごい生き物だ。極寒かつ真空の宇宙空間で1年以上生き延びることができる。地球上には少なくとも5×10の30乗個ほど存在する。それに、人間の体内には約100兆個の細胞が存在するが、その1割ほどは、実際にはバクテリアやウイルスなどだ。

さらに細菌は、一種の小さな眼球として働き、世界を「見る」こともできることがわかった。

藍色細菌(シアノバクテリア)は、岩や水の至るところにぬめぬめした膜を形成する、古くから存在する細菌性生物だ(アオコや赤潮などの原因になる種もあるほか、食用となるスピルリナも藍色細菌のひとつ)。

藍色細菌がどのように光を感じて光の方へ移動するのかについては、これまでわかっていなかったが、研究チームによると、細菌の細胞は一種のレンズとして働くことができるのだという。球面になって日光を屈折させ、光を細胞の逆側の1点に集中させることによって光を感じ、いわゆる走光性によって光源の方へと移動して光合成を行うのだ。

カメラ、人間の目、藍色細菌がどのように世界を「見る」かを説明する図。画像は、『eLifeScience』に掲載された論文より。

研究チームのリーダーであるロンドン大学クイーン・メアリーのコンラッド・マリノーはリリースで、「細菌がわれわれ人間と基本的には同じやり方で世界を見ることができるというのはかなり刺激的なことです」と説明している。「科学者はこの340年間、顕微鏡で細胞を見続けてきましたが、これまではこのことに誰も気がついていませんでした」

研究チームは、「棒状」の細菌もまた一種の光ファイバーレンズになることができ、光をとらえて感じることで光源の方向へと移動するのではないかと考えている。

人間など動物の視覚はもちろん細菌のものよりもはるかに複雑だが、細菌の視覚と同じような原理から進化したのかもしれないと研究チームは考えている。

 

 

末廣大地

細菌の光合成能力については、食品やバイオ燃料といった有用なものの製造に利用することが模索されている。

恐竜はいかに発見されたのか

博物館でも人気のある”恐竜”!
みなさんはその始まり、発見方法を知っていますか?

リンク

恐竜発見の歴史は始まったばかり

恐竜が人類の誕生する遥か昔に、太古の世界に君臨していた事はすでに我々現代人はよく知っていることです。ですが、恐竜発見の歴史はその事実が認められてからまだ200年も経っていないのです。化石はどんな存在だったのか、そして恐竜はどのようにして現代に蘇ったのかをご紹介します。

化石はどんな存在だったのか

1800年代以前から油田や岩石の採掘によって化石は色々な場所で姿を見せていました。しかし恐竜、つまり大型爬虫類の骨であるとは誰も考えず中国では龍の骨として漢方に、その文化は江戸時代の日本にも伝えられ、その他の骨も天狗の骨など目に見えない神聖な物として祭られてきました。 ほとんどはサメや大型哺乳類の骨として扱われ、形の良い物でも見た事無い生き物の骨、というところまでしか分からなかったのです。

初めての恐竜

歴史上恐竜として初めて認められたのは1825年にイギリスで発表されたイグアノドンです。 医師でありながら地質学の研究を行っていたギデオン・マンテルは採石場からいくつかの化石を発掘します。

恐竜のデジタル図鑑ーイグアノドン

研究を続けていく中で出土した「歯」がイグアナに近いことを発見し、彼は核心に近づいていったのです。ですがイグアナの20倍の大きさを持った歯がすぐに大型爬虫類のものであると認められる事はありませんでした。

研究を続ける中で聖職者であり地質学、化石の研究者でもあるウィリアム・バックランドと出会います。 彼はマンテルと協力し肉食の恐竜、アロサウルスを学会に研究結果として発表しましたが、 聖書の中にある「神は全ての生き物に食料として植物を与えた」この一文によって大型の肉食爬虫類は太古に存在していなかったとされてしまいました。

マンテルはこの問題を解決するために草食のトカゲを探します。

南アフリカに生息するイグアナ(草食生物)を見つけたマンテルは、自分の化石の中から歯と共に脊椎を復元し、発表された大型草食恐竜イグアノドンが現代に蘇ったのです。

日本でも進む恐竜の研究

1982年、発見された化石を元に福井県からは沢山の新種が発見されています。
 国内外を含め、恐竜発見の歴史は始まったばかり。近年では研究に使用される技術の発展も目覚しく、これからも新しい結果が次々ともたらされる事になるでしょう。



生物が化石になるまでにかかる時間は?

「生物が化石になるまでにかかる時間は?」と聞かれたら、「少なくとも1万年以上」と答えましょう。

5万年前に死んだマンモスの骨が発見された場合は、それは紛れもなく、化石です。

しかし、1千年前の人骨が発見された場合は、化石とは言いません。

化石とふつうの骨の違いは?


それは、その生物が死んだタイミングが人類の有史以前なのか、それとも、それ以降なのか?ということ。

※ 有史とは、文字で書かれた歴史のことで、始まりは、およそ1万年ほど前と考えることができます。

したがって、1万年以上前の生物の遺物であれば、化石ということができます。
 石である必要はありません。1万年以上前のマンモスの肉が発見されれば、それも化石です。

では、一つ練習問題を出しましょう。

エジプトのピラミッドから見つかった人骨は化石ですか?

正解はNO。化石ではありません。エジプト文明はまさに有史そのものですから。

では、ピラミッドの近くにある3万年前の地層から見つかった貝は化石ですか?

正解はYES。有史以前に死んだ貝が見つかれば、それは化石です。

まとめ

生物が化石になるまでに掛かる時間は、少なくとも1万年。
 人類の歴史(およそ1万年前)より古ければ、化石と定義付けられるから。 博物館でも人気のある”恐竜”!
みなさんはその始まり、発見方法を知っていますか?

リンク

恐竜発見の歴史は始まったばかり

恐竜が人類の誕生する遥か昔に、太古の世界に君臨していた事はすでに我々現代人はよく知っていることです。ですが、恐竜発見の歴史はその事実が認められてからまだ200年も経っていないのです。化石はどんな存在だったのか、そして恐竜はどのようにして現代に蘇ったのかをご紹介します。

化石はどんな存在だったのか

1800年代以前から油田や岩石の採掘によって化石は色々な場所で姿を見せていました。しかし恐竜、つまり大型爬虫類の骨であるとは誰も考えず中国では龍の骨として漢方に、その文化は江戸時代の日本にも伝えられ、その他の骨も天狗の骨など目に見えない神聖な物として祭られてきました。 ほとんどはサメや大型哺乳類の骨として扱われ、形の良い物でも見た事無い生き物の骨、というところまでしか分からなかったのです。

初めての恐竜

歴史上恐竜として初めて認められたのは1825年にイギリスで発表されたイグアノドンです。 医師でありながら地質学の研究を行っていたギデオン・マンテルは採石場からいくつかの化石を発掘します。

恐竜のデジタル図鑑ーイグアノドン

研究を続けていく中で出土した「歯」がイグアナに近いことを発見し、彼は核心に近づいていったのです。ですがイグアナの20倍の大きさを持った歯がすぐに大型爬虫類のものであると認められる事はありませんでした。

研究を続ける中で聖職者であり地質学、化石の研究者でもあるウィリアム・バックランドと出会います。 彼はマンテルと協力し肉食の恐竜、アロサウルスを学会に研究結果として発表しましたが、 聖書の中にある「神は全ての生き物に食料として植物を与えた」この一文によって大型の肉食爬虫類は太古に存在していなかったとされてしまいました。

マンテルはこの問題を解決するために草食のトカゲを探します。

南アフリカに生息するイグアナ(草食生物)を見つけたマンテルは、自分の化石の中から歯と共に脊椎を復元し、発表された大型草食恐竜イグアノドンが現代に蘇ったのです。

日本でも進む恐竜の研究

1982年、発見された化石を元に福井県からは沢山の新種が発見されています。
 国内外を含め、恐竜発見の歴史は始まったばかり。近年では研究に使用される技術の発展も目覚しく、これからも新しい結果が次々ともたらされる事になるでしょう。



生物が化石になるまでにかかる時間は?

「生物が化石になるまでにかかる時間は?」と聞かれたら、「少なくとも1万年以上」と答えましょう。

5万年前に死んだマンモスの骨が発見された場合は、それは紛れもなく、化石です。

しかし、1千年前の人骨が発見された場合は、化石とは言いません。

化石とふつうの骨の違いは?


それは、その生物が死んだタイミングが人類の有史以前なのか、それとも、それ以降なのか?ということ。

※ 有史とは、文字で書かれた歴史のことで、始まりは、およそ1万年ほど前と考えることができます。

したがって、1万年以上前の生物の遺物であれば、化石ということができます。
 石である必要はありません。1万年以上前のマンモスの肉が発見されれば、それも化石です。

では、一つ練習問題を出しましょう。

エジプトのピラミッドから見つかった人骨は化石ですか?

正解はNO。化石ではありません。エジプト文明はまさに有史そのものですから。

では、ピラミッドの近くにある3万年前の地層から見つかった貝は化石ですか?

正解はYES。有史以前に死んだ貝が見つかれば、それは化石です。

まとめ

生物が化石になるまでに掛かる時間は、少なくとも1万年。
 人類の歴史(およそ1万年前)より古ければ、化石と定義付けられるから。

2019年12月 3日 (火)

古生代より古い時代の地球とは?(先カンブリア時代)

先カンブリア時代(せん かんぶりあ じだい)は、46億年前に地球が誕生してから5億4100万年前(古生代直前)までの時代です。

古生代カンブリア紀よりも先の(古い)時代なので、先カンブリア時代と呼ばれます。

地球誕生から古生代カンブリア紀が始まるまでの超長い期間全てを「先カンブリア時代」と呼びますが、原生代(げんせいだい)、始生代(しせいだい)、冥王代(めいおうだい)、と区切って呼ぶこともあります。

◆冥王代、地球の誕生と海の誕生
今から46億年前、太陽系を回っていた無数の岩石が衝突を繰り返し、地球が誕生しました。
地球が誕生して2億年後、地球に衝突した隕石や彗星に含まれる水が、地球の熱で水蒸気となり、雲を作り、地球が水で覆われます。

海の誕生です。

これは先カンブリア時代~カンブリア時代後期の波の跡の化石です。
これは波の跡(リップルマーク)の化石で、先カンブリア時代~古生代カンブリア紀後期(~約4億8540万年前)のアメリカ、ウィスコンシン州のもの。この時代、すでに波の流れがあった証拠なのです。

◆始生代、最初の生命が誕生
地球に最初の生命が現れたのは、海が出来てから4億年後、今から約40億年前と言われています。

最初の生命が現れたと推測される約40億年前~約25億年前は、始生代(しせいだい)とも呼ばれます。

最初の生命は、DNAむき出しの原核生物(げんかくせいぶつ)でした。
原核生物には、乳酸菌や大腸菌などのバクテリア(細菌類)が含まれます。

◆原生代、真核生物の誕生
原核生物から約10億年後、真核生物(しんかくせいぶつ)が現れます。

真核生物が現れる約25億年前~約5億4100万年前は、原生代(げんせいだい)とも呼ばれます。

原核生物でむき出しだったDNAは、真核生物になると核膜で覆われた状態で細胞内に存在するようになりました。

真核生物からの~多細胞生物
真核生物は、自身の細胞の中に(別の原核生物が入り込んだか、取り込んだか?)原核生物を取り入れます。

入り込んだ原核生物は、真核生物の細胞内で色々な役割をする小器官となって活動します。

細胞内の原核生物からエネルギーを供給されるようになった真核細胞は、他の真核細胞とくっついて共同生活するようになります。

多細胞生物の誕生です。

多細胞生物は、異なる特徴や特性を持った他の多細胞生物とくっつくことで役割分担を行うようになり、細胞の数はさらに増えていきました。

◆先カンブリア時代の終わり
先カンブリア時代の後期(約6億3000万年前)に、「地球完全凍結」または「スノーボールアース」と呼ばれる、地球の表面すべてが完全に氷河に覆われてしまう大事件が起こっています。

何が大事件か、というと、地球上の生物全てが絶滅寸前の危機に陥ったのです。
完全凍結が起こったのはこの時だけで、後の時代にも寒冷化は起こりましたが、赤道までは凍結することはありませんでした。
完全凍結が起こった理由は、当時の大陸(超大陸ロディニア)にあったと考えられています。

超大陸ロディニアは南極付近にひとかたまりになっていたため、暖かい海流をさえぎり、気温が下がる一因になった、とされています。

気温が下がると南極と北極が氷に覆われ、氷が太陽光(熱)を反射することでさらに気温が下がるという悪循環が、地球完全凍結の原因と言われていますが、はっきりわかっていません。

完全凍結前、シアノバクテリアなど光合成を行うバクテリアが地球に始めて酸素を供給することで酸素濃度が一気に上がったのですが、これが主な原因ではないか、とされる説を紹介します。
それまで、酸素を発生させるシアノバクテリアなどの好気性バクテリア軍団(酸素が好き)と、嫌気性バクテリア軍団(酸素が嫌い)のバランスがとれていた状態から、酸素が増えるにつれ嫌気性バクテリア軍団が減少。

嫌気性バクテリア軍団が放出するメタンは二酸化炭素の数倍の温室効果をもたらすため、嫌気性バクテリア軍団が減ることでメタンの持つ温室効果が弱まり、急激に(地球規模で)気温がさがった、という説です。結局、嫌気性バクテリア軍団が減ると、好気性バクテリア軍団も酸素を作る材料が供給されないため、全滅寸前に・・。

地球完全凍結は数百万年続いたと推測され、当時生息していたバクテリア(細菌類)や藻類のほとんどが死滅し、生命全体が絶滅寸前だったと考えられています。

しかし、火山の地熱で凍っていない温水や、雪解け水などの中で生き延びた生物もわずかにいました。

超大陸ロディニアが分裂を始め大噴火が起こると、熱で氷河が溶け、大量の水蒸気と二酸化炭素が温室効果を起こし、地球完全凍結は終わります。

分裂した大陸間に浅い海が広がるようになると生物は爆発的に増え、バクテリアサイズから目で見えるサイズへと大型化します。(←これがカンブリア大爆発)

先カンブリア時代末期の約5800万年間(約6億年前から古生代カンブリア紀の直前までの約5800万年間)は特に『エディアカラ紀(原生代 エディアカラン:約6億3500万年前~約5億4100万年前)』と呼ばれ、目で見えるサイズの生物が化石として見つかるようになります。

エディアカラ紀の生物は、エディアカラ生物群と呼ばれ、頭部や目、口などを持たないという特長があります。

食べる食べられるという関係(食物連鎖)がなかったため、殻やトゲなどを持つ生物もいませんでした。

物連鎖がなく捕食生物がいなかっことから、エディアカラ紀は「エディアカラの楽園」と表現されることがあります。
先カンブリア時代は、エディアカラの楽園を最後に終わります。

次の時代は古生代。他の生物を捕食する生物が現れ、食物連鎖が始まります。

 

 

志葉楽

なぜサメたちは幾度の危機を乗り越え4億年以上にわたり〝帝国〟を築き上げることができたのか(書籍紹介)

◎忘れられた「もう一つの生命史」。
海の生命の物語は陸上よりも奥深くダイナミックだ!◎

サメの仲間は陸上で恐竜が誕生する
ずっと以前から海洋世界に君臨し
恐竜絶滅後も生き残ってきました。

8割以上の生物が死に絶えた2億5000万年前、
史上最悪の大量絶滅事件。
そして恐竜を滅ぼした6600万年前の小惑星衝突。

なぜサメたちは幾度の危機を乗り越え
4億年以上にわたり〝帝国〟を
築き上げることができたのでしょうか。
本書は海洋生命をめぐる興亡史を徹底的に解説します。

【目次】

◎第1章 壮大なる〝序章〟
「アノマロカリス」から「ウミサソリ」へ

39億年以上前、最初の生命が海で誕生する。そして約5億年前カンブリア紀に海では武装する生物が急増。大きな触手と眼を武器に持つ狩人アノマロカリスは史上初の覇者として君臨した。さらに古生代の海で2億年に渡り子孫を残した節足動物ウミサソリ類が現れる。

◎第2章 剛と軟。主導権を握るのは?
「甲冑魚」vs「初期のサメ」

約4億年前に始まったデボン紀、海の主役はいよいよ魚へ交代する。骨の板で覆われた甲冑魚は一大勢力となり、全長8mのダンクルオステウスは古生代最大最強の魚と言われる。一方、流線型のからだを持ち機動力に長けた〝初期のサメ〟も台頭、繁栄のときを迎える。

◎第3章 最強と最恐。海洋覇権をめぐる決戦
「サメ類の絶対王者」vs「モササウルス類」

陸上が「恐竜時代」を迎えた中生代。海でも「爬虫類帝国」が築かれる。『四肢と尾がヒレとなったオオトカゲ』モササウルスはとりわけ大型化。高い遊泳能力で覇者の座を狙う。すでに生態系の頂点に立っていたサメ・クレトキシリナとの直接対決を示唆する痕跡とは。

◎第4章 新勢力は〝海の王〟となるか
「クジラ」vs「メガロドン」

小惑星による大量絶滅により、海棲爬虫類は姿を消した。新生代に入り、40㎝ほどの陸上哺乳類が半陸半水生活を始め、クジラの歴史が動き出す。1200万年で水中に完全適応、20mのからだを手に入れたクジラ類を迎え撃つのはサメ類史上最大級のメガロドンだった。
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孫市

2019年12月 2日 (月)

水中哺乳類には酸素貯蔵庫のミオグロビンが多い

 

肺呼吸なのに息を止めるのが得意で、海で狩りをするように適応した動物についてお話ししましょう。

例えばマッコウクジラとゾウアザラシは、水中に1~2時間もとどまることができます。これは、かなり見事なことです。

細胞がエネルギーを作るのを助けるためには酸素が必要ですが、その過程では二酸化炭素も作られます。体内に二酸化炭素がありすぎると血液はより酸性になり、「酸素を取り込まないと! 今すぐ息を吸って!」と脳が言うように信号が送られます。

そうして人間やクジラのような哺乳類が呼吸をすると、空中の酸素分子が肺から小さな血管へと拡散され、ヘモグロビンという赤血球の中のタンパク質と結合します。

ヘモグロビンは体内で配送車両としての機能を果たしています。

大動脈を幹線道路として使い、組織細胞や筋細胞のなかのミオグロビンと呼ばれるほかのタンパク質に酸素分子を渡しているのです。ミオグロビンとは、基本的に、筋肉のための特別な酸素貯蔵庫です。筋肉は活動するときに臨時のエネルギーを必要としますからね。

科学者たちは、ミオグロビンこそが、海獣が非常に長い時間息を止めることを手助けをしているのだと考えています。

水生哺乳類が酸素を蓄えるしくみ
一例を挙げると、潜水する動物たちは、人間よりも多くのヘモグロビンやミオグロビンを持っています。これは、彼らの血液や筋肉の中により多くの酸素を蓄えることができるということを意味します。

血液中のヘモグロビンに結合した酸素が底をついても、ミオグロビンが血流の中に臨時の酸素をもう一度放出することができるのです。

加えて、水生哺乳類は血液中に溶解した二酸化炭素に対してより高い耐性があり、呼吸する本能に対してあまり切迫した要求がないのかもしれないと考えられています。

哺乳動物が呼吸をして新たな潜水の準備をするために再浮上するとき、血液中に溶解し、ヘモグロビンへと結合した過剰な二酸化炭素は放出され、新鮮な酸素と入れ替わります。

2013年の調査では、哺乳類のダイビングの達人たちは、ほかの哺乳類、とりわけ陸に住む哺乳類に比べて、ミオグロビン分子の表面により多くの正電荷を持っているということがわかりました。ミオグロビン分子は多すぎると筋肉の中で凝集する傾向があり、人間では病気の原因になることもあります。

しかし、もしこれらの分子が強い同類の表面電荷を持っていると、それらはむしろ互いに反発し合います。これは、余分なミオグロビン分子はすべて酸素を蓄えることができ、哺乳動物が水中により長くとどまれるようにするということです。

さらに、哺乳動物の中には、心拍数を下げたり、組織への血液供給を制限するなど、酸素を節約するためにほかの適応をしているものもいます。

 

 

 

 
匿名希望

大量絶滅後の100万年を示す貴重な化石を発見-哺乳類は急激に大型化、植物の多様になったタイミングと一致-

 

以下引用
(リンク
―――――――――――――――――――――――――――――――――

恐竜の時代を終わらせた大量絶滅の直後、生命はどのように復活したのか。その概略が、米コロラド州で見つかった数百もの化石から明らかになり、10月24日付けの学術誌「サイエンス」に論文が発表された。

 発掘された化石は、保存状態の良い少なくとも16種の哺乳類のほか、カメ、ワニ、植物など。大量絶滅から100万年後までに生息していたと見られる。

 6600万年前、小惑星が地球に衝突し、地球上の生命は大打撃を受けた。衝突の余波で、ほとんどの恐竜をはじめ、全生物種のおよそ4分の3が絶滅したとされる。ただし、大量絶滅のすぐ後の時期については化石がほとんど見つかっておらず、多くの古生物学者がフラストレーションを抱えていた。

 だが今回、新たな化石の大鉱脈が発見され、生命復活の過程が解き明かされつつある。論文には、大量絶滅から30万年で驚異的な成長を遂げた哺乳類に関して、新たな仮説が述べられている。


〈新たな化石の大鉱脈とは

 北米西部の風が吹きすさぶ平野では、地面にあらわになった化石を掘り出すというのが通常だった。だが化石は、球状コンクリーションと呼ばれる岩(古代の骨などが核となって形成された岩、ノジュールとも)からも見つかる。

 研究チームはこの球状コンクリーションに注目した。そこは、米コロラドスプリングスのすぐ東、デンバー盆地の岩盤が露出しているコラールブラフスと呼ばれる一帯で、以前の発掘調査では何も見つけられなかった場所だった。

 ところが、いったん丸い岩に注意を払い始めると、すぐにそれが新たな鉱脈であることに気付いた。

「岩を割ると、哺乳類の頭骨が私にほほ笑みを返していたのです」と、論文の筆頭著者である米デンバー自然科学博物館の古生物学者タイラー・ライソン氏は振り返る。「そして、辺りを見回すと、同じような岩が無造作に散らばっている光景が目に入りました。哺乳類の頭骨が、数分で4、5個も見つかったのです」

 研究室に戻って明白になった事実の1つは、大量絶滅後の100万年で、哺乳類が目覚ましい大型化を遂げたということだ。

 大量絶滅を生き延びた最大の哺乳類でも、体重はたったの450グラムだった。だが、わずか10万年後、その子孫の最大の種は約6キロもあり、現代のアライグマと同程度にまでなった。その20万年後には、「最大の哺乳類の体重はさらに3倍に増え、約20キロにもなったのです」とライソン氏は話す。これはアメリカビーバーの体重とほぼ同じであり、大量絶滅前のどの哺乳類よりも、はるかに重くなったという。

 この大型化は、哺乳類がもはや恐竜と競争する必要も隠れる必要もなくなったことを考えると、一応の筋が通る。だが、コラールブラフスで一緒に見つかった植物の化石から、はるかに豊かな物語が明らかになった。


〈植物からわかる豊かな物語〉
 大量絶滅で、全植物種の半分が死滅した。生き延びた小型哺乳類は、おそらく雑食性で、昆虫を常食していたと考えられる。大量絶滅後、最初に再出現した植物は多くのシダ類だったが、それほど栄養はなかったからだ。

 次に現れたのは、ヤシ科の木だった。しかし、哺乳類が大型化できた要因は、おそらくクルミ科の木が多様化したことにあるだろう。大量絶滅の30万年後に起きた哺乳類の体重増加は、クルミの花粉の化石が出現する時期と一致する。

 デンバー盆地で見つかったこの時代の最大の哺乳類は、現代の有蹄哺乳類の遠縁の仲間Carsioptychusだった。

「その小臼歯はとても大きくて平らで、奇妙なヒダがたくさんあります。このため、クルミの木の実など、硬い物を食べていたのかもしれない、というのが定説です」とライソン氏は話す。

 約40万年後、さらなる急成長が起こり、体重は45キロを超え、プロングホーンほどのさらに大型の哺乳類が誕生した。この時の急成長は、多くの草食動物が求める葉やタンパク質豊富な種子のさやを持つ、マメ科の初期種の化石の登場と重なる。

「すべてが、きれいに並んでいることに驚きました」と同氏は話す。

 また、コラールブラフスで見つかった葉の化石を分析したところ、大量絶滅後の100万年間に顕著な温暖期が3回あったことがわかった。そのうちの少なくとも2回は、哺乳類の大型化をもたらす植生の大幅な変化に関わっていると見られる。

「大量絶滅から30万年ほど後に、哺乳類が大型化したという説は、新しいものではありません」と米コロラド大学自然史博物館の古生物学者ジェイリン・エバリ氏は話す。なお、同氏は今回の研究には関わっていない。「しかし、重要なのは、その理由です。今回の研究で明らかになった、体の大きさ、植物相の多様性、温暖化の相関関係により、理由の解明が進むでしょう」

「主な教訓は、地球のシステムの1つの要素だけを見ていても、絶滅や回復に関して理解することはできないという点です」と米フロリダ大学の地質年代学者コートニー・スプレイン氏は付け加える。

 

 

 

 
穴瀬博一

卵は、恐竜から受け継いだものだった(1)

 

「鶏が先か卵が先か」は、因果関係を論じるときの定番の命題である。たとえば、「食べ続けるから肥満になるのか、肥満だから食べないとやっていけないのか」は、どちらが正解なのか本当のところはよく分からない。単なる言葉遊びと捉える人も中にはいるが、私たちが日々やっていることには時として手段が目的化することもある。ときおり立ち止まって考えることは無意味ではない。

 ただし、鶏と卵の命題は、進化の観点からすれば結論は明確で、「卵が先」に決まっているのである。鶏の祖先のひとつは東南アジアに生息しているセキショクヤケイといわれている。セキショクヤケイもまた卵から産まれる。そして、数千年前、ヒトはセキショクヤケイを飼うようになり、現在の鶏へと品種改良していったと考えられている。つまり、初めに鶏がいたのでなく、徐々に鶏へと変わってゆくセキショクヤケイの、その卵が初めにあったのである。

 それでは、セキショクヤケイの祖先の卵はどうやってこの世界に生じたのだろうか。

〇胚を守る「膜」の存在が、陸上での産卵をもたらした

 話は約3億2000万年前の石炭紀にまでさかのぼる。

 両生類はすでに陸上へと進出していたものの、石炭紀になっても水辺から離れることがなかなかできなかったと考えられている。体表の乾燥への対応がまだ不十分だったという理由もあるが、「卵を陸上に産む」という冒険に踏み切れる種は多くなかったのである。

 石炭紀の両生類の個体発生の仕方については、分からないことのほうが多い。だが、おそらくは現在のカエルやイモリと同じように、水中で卵を産み、水中生活の幼生(オタマジャクシ)から徐々に変態し、陸上で活動できる成体になってゆくという流れが主流だったであろう。つまり、水辺のないところでは繁殖が難しいのである。

 そんな中、果敢にも陸上に卵を産むことを始めた脊椎動物が石炭紀後期に現れた。その名を「有羊膜類(ゆうようまくるい)」という。「羊膜のある動物」ということである。

 羊膜とは、発生途中の胚を乾燥する外界から守るための膜だ。陸上に本格的に進出するには、ガス交換を行いながら卵の中を乾かさないようにする構造が必要だったのである。

 両生類も脊椎動物ではあるが、その卵は水中に産卵されるので羊膜はなく、卵を水中から出せばみるみる乾燥してしまう。これでは、さすがに冒頭の命題の「卵」とするには無理があろう。

 一方、陸上に産み落とされた有羊膜類の卵は、まわりに水がないので、個体がある程度は陸上で自立して生きていけるだけの状態になってから孵化する必要がある。つまり、有羊膜類の卵は、一匹の個体を成長させるための装置や養分が内包されていなければならないため、大型化するのである。

 ただし、初期の有羊膜類の卵には、現在の鶏の卵のような硬い殻はまだなく、おそらくは湿った土中などに卵を産んだのかもしれない。しかし、曲がりなりにも卵の原型がおぼろげながらできてきたといえよう。

 そして、約2億8000万年前のペルム紀初期には爬虫類が登場し、ペルム紀末の大量絶滅をはさんで恐竜が大繁栄する中生代が始まる。化石などの証拠から、約2億5000万年前の中生代三畳紀には、恐竜の卵に硬い殻が備わっていたと考えられている。つまり、外見上はいまの卵とほぼ変わらないものができあがったということになる。

〇 雛を成長させるのだから、優れた食材にもなる

 ここで、あらためて鶏を例にして卵の構造をおさらいしておこう。

 まず、「黄身(卵黄)」は孵化までに必要な栄養分がすべて入っているところだ。タンパク質や脂質はもちろん、ビタミンやミネラルも過不足なく含まれている。

「胚盤」は発生が進む場所で、発生の過程で羊膜に覆われることになる。「胚」は卵黄の栄養を消費して成長してゆく。

「カラザ」は胚盤が同じ位置になるように保持するハンモックのような部分だ。「白身」は卵の乾燥を防ぐ保水タンパク質である同時に、抗菌物質も含み微生物の増殖を抑える働きもある。そして胚を物理的な衝撃から守る緩衝材の役割も果たす。

 そして、その外に「殻」がある。主成分は炭酸カルシウムで、細かな通気孔があり、水は通さないが外気は通す。細かく見ると、殻の内側に「卵殻膜(薄皮)」があり、水分の蒸発や微生物の侵入を効果的に防いでいる。

 以上のような構造をした卵の発生が進むと、卵黄は減ってゆき、胚は鳥らしくなってゆく。羊膜は発生が進んでも胚全体を包んでおり、排出物は「尿膜」という別の袋に貯められる。ともあれ、先に書いたように、この羊膜の内部で卵の大きさぎりぎりまで雛は成長し、そして誕生するのだ。

 こうした卵の特徴は、私たち人間の食材としてきわめて好都合である。まず、受精卵から雛をつくるまでの成分が完全に揃っているのだから、同じ脊椎動物のヒトにとっても栄養学的にほぼ完璧な食品ということになる。足りないのはビタミンCと食物繊維くらいである。

 そして、乾燥や感染に対する仕組みが、卵内への微生物の侵入をほぼ許さず、長期間の常温保存を可能にしている。魚卵のように冷蔵庫に保管しなければ腐ってしまうようでは、これほど安価に安定供給できる食材にはなりえないだろう。

 生物の卵を現在の鶏卵らしくさせた三畳紀の恐竜の努力が、奇しくも私たちの食生活を豊かにすることに大いに貢献したのである。

 

 

 

津田大照

卵は、恐竜から受け継いだものだった(2)

 

〇恐竜から鶏へ、卵もバトンを受け継いだ

 だが、たしかに卵の外見がいくら鶏のものに似ているといっても、その卵は恐竜のものであるから、冒頭の命題の「卵」とはいえないような気もする。

 しかし、すでにご存知の方も多いだろうが、現在の鳥類は恐竜の生き残りなのである。分子系統的には約1億7000万年前の中生代ジュラ紀中期に、恐竜の獣脚類のうち「マニラプトル形類(けいるい)」というグループから現在の鳥の祖先が分岐したことが分かっている。

 実際、約8000万年前の白亜紀後期に存在したマニラプトル形類の一種「オヴィラプトル類」には、卵を守るような体勢の化石が発見されており、現在の鳥と同じように抱卵していたのではと考えられている。そして抱卵するということは、羽毛を備えていた恒温動物であった可能性も高い。想像図を見てのとおり、鳥類と同じ二足歩行である。

 また、化石に微量に含まれていた色素の分析から、卵は青緑色をしていたとも推測されている。現生の生物で、殻に色素を含んだ卵を産むのは鳥類のみだ。もし、想像図のような生物が庭にうろついていたら、ほとんどの人は動物園から七面鳥みたいのが逃げてきたと思うことだろう。

 栄華を極めた恐竜のほとんどは中生代末に絶滅してしまうが、わずかに生き残った種が鳥類として現在も繁栄しており、鶏もその中のひとつである。つまり、鶏の卵も中生代の恐竜から生命のバトンを代々受け継いで現在に至っているわけで、私たちは日々恐竜の卵を食べているといっても間違いではないのである。

〇原始的な鳥は動物園に、しかも美味

 とはいっても、中生代が終わってからずいぶんと時が経ってしまったので、鶏から恐竜を想像するのは難しいかもしれない。そんなときは動物園に行こう。より原始的な形質を残す鳥、エミューに会いに行くのである。

 エミューはオーストラリアに棲息する鳥で、ダチョウなど同じ走鳥類の仲間だ。その祖先はなんと中生代末期には分岐したと考えられている。その精悍な顔つきと3本の鋭い爪は、恐竜を彷彿とさせるに十分である。しかも卵はかなり大きく深緑色で、これまた恐竜の卵のようだ。

 食の観点でいえば、エミューは卵も肉も美味しいのである。こういった“進化の証人”の食材があるなら、「賞味するなら鳥が先か卵が先か」のほうが気になってくる。もちろん、「親子丼にする」という解決策もあるが、エミューで試したことがないのでどうなるかは分からない。

 さて、地球環境は動物だけでは維持できない。事後処理をしてくれる生物も必要である。

 

 

 

津田大照

2019年12月 1日 (日)

ヒトとは視覚を発達させ、嗅覚を退化させた

 

視力の起源?ヒトは視覚を発達させて、嗅覚を退化させた?
三谷宏治の学びの源泉リンクより引用。
----------------------------------------------------------------
●眼は5億43百万年前に生まれた
ヒトは五感のうち、視覚にほとんどを頼っています。受け取る情報のおよそ80%が視覚を通してだともいわれます。その視覚を支える感覚器が「眼」です。単純な構造の単眼、それが寄せ集まった複眼(*1)、ピント調節を行えるレンズを備えたレンズ眼。色々な仕組みがありますが、対象のカタチを認識できるのは、複眼やレンズ眼に限られます。

そして、この地球上で最初にカタチを明確に認識できる「眼」を手に入れた生物は、三葉虫(さんようちゅう)でした。

今から5億44百万年前から、5億43百万年前の、"わずか"100万年の間にそれは起きました。そしてそれは、生命のビッグバン的発展の始まりの時期でもあります。

それまでの34億年の緩やかで柔らかな進化の時代を経て、生物は5億43百万年前、突如として多種多様な形態を取り始めました。固い殻や骨、歯、筋肉を持ち、高い攻撃及び防御能力を発揮し始めたのです。それまではほとんどが、柔らかいウニョウニョした生き物だったというのに。これがいわゆる「カンブリア爆発」です。

その余りに「突然」の大発展ぶりに、かのダーウィンでさえ説明に窮しました。徐々に変化と淘汰が進むとした我が進化論は誤りであったのか、と。

英人生物学者のアンドリュー・パーカー(Andrew
Parker、1967~)は、2003年、その永年の謎に「光スイッチ説」で答えました。

「カンブリア爆発は、視力(光)を得た三葉虫が引き起こした」と唱えたのです。「眼」という圧倒的な感覚器を備えた生命種の誕生が、すべてを変えたのだと彼は言いました。

生き物の本質は、より多くより長く繁栄することです。その為にはより多く食べ(補食)、より少なく食べられる(回避、防御)こと。そしてもし、生活環境が変わればそれが「淘汰圧(とうたあつ)」となって、新しい環境に有利な生き物たちが、より多く繁栄することになります。

5億43百万年前、温暖化でも海洋汚染でも天体衝突でもなく、まさに三葉虫が他の全生物種に対してその最大の淘汰圧となりました。三葉虫に食べられぬよう、あるものは固い殻を持ち、あるものは素早く逃げ回るために骨と筋肉を持ちました。

外部環境変化でなく、生物間の「競争」環境が、生物全体に急激かつ大きな進化(カンブリア爆発)を促した。これがパーカーの「光スイッチ説」です。

●鼻を発達させたサル、鼻を捨てたサル
それから3億年経って、時代は中生代。恐竜たちの全盛期のお話です。
この頃、われらの祖先である哺乳類は、恐竜に圧倒され、棲む「場所」を「夜」に求めていました。恐竜たちの眠る夜の世界でなら生きられると。

そこで必要とされたのは嗅覚(*2)です。「鼻」を発達させ、嗅ぎ分けられる化学物質の種類を増やすことで、哺乳類はそれから1億年を夜行性動物として生き延びました。マウスの嗅覚受容体遺伝子数は1037もあります。恐竜の子孫と言われる鳥類の10倍以上です。

しかし、その貴重な嗅覚を捨てた哺乳類がいます。それが、ヒトです。ヒトはより強力な視覚を得、代わりに嗅覚を封印したのです。

哺乳類のほとんどはこの世を「二色」で見ているのに対し、ヒトやゴリラ、ヒヒといったサルたち(類人猿と旧世界ザル)は「三色」で見る三色視を獲得しました。これで得られる情報量は格段に上がったでしょう。

しかし、何かを得るためには何かを捨てなくてはいけません。生物が、ある機能を創り出し、維持するには膨大なエネルギーを必要とするのです。

ヒトを始めとした昼行性のサルたちは、不要となった嗅覚受容体遺伝子を次々と眠らせていきました。ヒトでいえば元来802あった嗅覚受容体遺伝子のうち、414はもう機能していません。

●か弱きサル、その名はヒト。何を捨てて何を得たのか?

「進化」の反意語は何でしょう?
それは「退化」ではなく、「停滞」もしくは「絶滅」です。
では「退化」の反意語は?

答えは「発達」。進化とは、発達と退化を組合せながら進み続けることに他なりません。

ヒトの進化を見ると、その「退化」ぶりが目につきます。近縁であるチンパンジーと比べても、身体的能力は著しく低いものです。上肢(腕)一本で体を支えることも出来ませんし、下肢(足)でモノを掴むことも出来ないし動きも遅いもの。

ヒトはその退化で生み出された余力をすべて「脳容量の拡大」に費やしたといえるかもしれません。ヒトの脳の大きさはチンパンジーの3倍以上、しかも大食いです。重さでは身体全体の2%しかない脳は、全身で費やされる酸素の20%、ブドウ糖の25%を使っているのです。

しかも大きくなりすぎたヒトの胎児の頭は、成熟してからでは母親の産道を通れず、実質的に未熟児のまま生まれてくることになりました。自立して歩けるようになるまでに1年もかかる未熟さです。世話する親もろとも天敵に狙われやすいという、巨大なリスクを背負うことにもなりました。

しかし大容量を確保した脳は、お蔭で他のサルには不可能な、抽象化や概念操作といった高次の処理を可能にしました。言語を発達させコミュニケーション能力も高めました。これこそヒトの絶対無二の武器でしょう。ヒトは他の機能や成熟出産を捨てることでこれを獲得したのです。

進化は、外部環境だけでなく内部競争によっても引き起こされます。「眼」を超えた、新しく強力な感覚器が世界の全てを変えるかもしれません。

同時に進化とは新しい機能を獲得することだけで起こるのではありません。生命40億年の進化の果てにいる我々は、実は様々な潜在能力(遺伝子)を持っています。そのうちのどれを発現させ、どれは眠らせておくのか、そういった整理整頓の組合せは億や兆を軽く超えるでしょう。

何を得て、何を捨てるのか。何を鍛え、何を遊ばせるのか。
それを組織において意識的に行っていくことこそが「経営」という技なのです。

 

 

 

 
匿名希望

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