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2019年12月14日 (土)

羽毛恐竜から鳥への進化

 

恐竜研究という分野はこの10年ほどでかなり、そして大幅に進歩しているようです。その進歩した恐竜研究のなかでも、以前の研究と全く違うのが、羽毛恐竜の存在。

そもそも羽毛恐竜とはどんなものなのか?羽毛恐竜から鳥への進化、鳥類の境目、始祖鳥との違いをまとめています。リンク

■羽毛恐竜とは?
羽毛恐竜とは、化石により羽毛の痕跡が認められる恐竜のこと。はっきりと視認できるもののほか、成分分析、そして骨格などの研究から、現在では少なくとも一部の恐竜が、羽毛もしくは羽毛の原形となる体毛をはやしていたことが確実視されています。

羽毛恐竜とは鳥類の羽毛と同質の毛を持っていたとされる恐竜で、最初の羽毛恐竜は二足歩行であり、後ろ脚だけで走るなどの活動ができた獣脚類の一種です。また、現在のダチョウと同じく羽毛を持っていても飛ぶ事はできませんでした。

現在では獣脚類こそが鳥類の祖先であるという事は疑問の余地がないと言われており、鳥類の起源に関しては終止符が打たれる事になりました。

■ティラノサウルスにも羽毛があった!?
鳥類の祖先は恐竜の3大グループの中の獣脚類ですが、当然の事ながら獣脚類の中でも特定のグループだけが鳥類の祖先になっていると考えられていました。それが羽毛を持った獣脚類である、いわゆる羽毛恐竜です。また、以前はトカゲのような皮膚だったと考えられていたティラノサウルスなどの有名な獣脚類も羽毛を持っていた可能性が指摘されています。

飛ぶ機能がない獣脚類がなぜ羽毛を持っていたのかという点に関しては、羽毛の持つ高い保温能力が役に立っていたからではないかと推測されており、元々保温の為であった羽毛が進化と共に徐々に現在の鳥類のような形に進化し、飛行に使用されるようになったのではないかと言われています。

最近では羽毛恐竜の事を「もふもふ恐竜」と呼ぶ事もあり、以前はあまり知られていなかった羽毛恐竜の人気が徐々に高まりつつあるようです。

■羽毛恐竜の化石
恐竜に羽毛が生えていた可能性については、1861年の始祖鳥の化石発見以降、長い間議論の的でした。始祖鳥は翼を持ちますが、肉食恐竜のような鋭いかぎ爪、骨のあるしっぽなど、爬虫類の要素もあったことから、羽毛恐竜について存在を期待されていました。

そして1996年、ついに恐竜の骨格を持ち、羽毛をもつ羽毛恐竜の化石が中国・遼寧省の下部白亜系熱河層群の化石密集層から見つかったのです。細密な火山灰に包まれたことで、奇跡的に良好な保存状態で発見され、羽毛の表皮構造もよく見ることができます。

シノサウロプテリクスというこの恐竜は、中国表記では中華竜鳥とされています。羽毛といっても、この羽根は、ダウンのような綿毛か、それよりも原始的な皮膚表面のケラチン質が伸長したチューブ状のものであるといわれます。羽毛は最初、飛ぶためではなく体温維持に有効だったものと推測されてます。

変温動物の爬虫類は温度により活動が制限されますが、羽毛をもつことによって昼夜問わず活動でき、そのために爬虫類よりも幅をきかせることができたと考えられています。

■羽毛恐竜の色などの特徴
化石内の羽毛部分にはメラニン色素が残っており、それを解析し、羽毛がどのような色であったかが検証されています。現代の鳥類のメラニン色素と羽の色の関係をデータ化し、恐竜の羽はどのように見えていたかを推定しています。

最初に見つかったシノサウロプテリクスは、頚部後ろから背中や尾にかけて、赤褐色ないしは橙色に近い色彩の羽毛を持っていたとされています。腹側は白、尾は茶と白の縞模様であったことが判明しています。また、アンキオルニスは、全体は暗い灰色で、顔には赤褐色の斑点、そして翼の一部は白い帯状の筋が入っていることも判明。このように、体の部位によって色が異なった模様をしていることがわかっています。

この方法で、90%以上の確率で色がわかるようになったそうですが、実際に色がわかっている恐竜は、10種類程度だとか。大事な化石を切り取り電子顕微鏡を覗き、色の組織を見つけ・・・という、途方もない細かい作業を繰り返して色の判別をおこなっています。始祖鳥も一部が黒かったということはわかっているそうですが、この障壁のために、それ以上の研究が進んでないそうです。そして現在までに色がわかっているのは、ジュラ紀~白亜紀の羽毛のある恐竜のみ。

※ジュラ紀:約1億9960万年前にはじまり、約1億4550万年前~白亜紀:約1億4,500万年前から6,600万年前

それ以前では、羽毛恐竜の化石が見つかっていないため、手がかりがないのだそうです。

■羽毛恐竜は色覚が発達?
羽毛恐竜から鳥への進化というのは非常に興味深いことです。
アンキオルニスのように頭頂部が赤い恐竜がいることなど、羽毛恐竜の色の研究が進むにつれ、羽毛恐竜の生態に新しい考察が加わってきました。それは、羽毛恐竜の脳も鳥のように進化しているのではないか、という点だそう。

爬虫類は嗅覚が優れているそうですが、鳥類は色とりどりの羽を持つ現在の鳥類からわかるように、視覚が優れているのだそう。色覚が重要なコミュニケーションをもっていることがわかります。羽毛恐竜も色でコミュニケーションしていたのだとしたら、現代の鳥に近いことが想像できるとして話題になっています。

■羽毛恐竜と鳥類の境目
次に、羽毛恐竜と鳥類の境目はどこにあるのか?1861年に発見された始祖鳥とは日本における呼び方で、アーケオプテリクス(太古の翼)という名がついています。

このアーケオプテリクスは鳥の祖先とされていましたが、近年、アーケオプテリクス前後に存在した羽毛恐竜が数多く発見されていることから、翼状のものがあるだけではこのアーケオプテリクスが境という見方も薄くなってきたようです。恐竜と鳥の境は現在も議論されているところです。
ただ、現代の鳥の視点からみると、鳥の定義は、「翼状の構造が見られること」か、翼を支える「大胸筋が付着できるような竜骨突起が見られること」かの2つの立場があるそうです。

 

 

 

 
匿名希望

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