« 2019年12月 | トップページ | 2020年2月 »

2020年1月

2020年1月30日 (木)

細胞核をもつ真核生物はウイルスから進化した

細胞核をもつ真核生物はウイルスから進化したという「細胞核ウイルス起源説」を紹介します。
以下「ギズモード」(リンク)より引用します。

■ ■ ■

 冬になると、きまってインフルエンザ・ウイルスの話が出てきますよね。インフルエンザ・ウイルスが流行するのは、ウイルスが他の細胞に感染することによって自己増殖するからです。

 細胞と、ウイルスの大きな違いはDNAを保護する細胞核の有無。ウイルスは、細胞核を持たないがゆえに、他の細胞に感染しないとDNAを複製というわけです。

 カリフォルニア大学の研究チームは、こんなウイルスの定説を覆す現象を発見しました。ウイルスが感染した細胞のタンパク質を使って、DNAを保護する細胞核らしきモノを生成する瞬間を撮影することに成功したのです。

 同研究チームは、観察しやすくするために発光するタンパク質を付着させたバクテリオファージと呼ばれる細菌に感染する性質のあるウイルスに、感染先となる細菌を与えました。すると、バクテリオファージは、細菌のタンパク質を使って、自己のDNAを覆う膜を生成したのです。この膜に覆われたDNAこそ、細胞核の原初形態と考えられます。

 この時の様子をCTスキャンにも応用されているトモグラフィーという技術を使って撮影したのが、以下の動画。00:15あたりで現われる青い円状のものが、バクテリオファージです。この丸く縁どられたような部分が、DNAを保護する膜。

 以上の現象は、「細胞核をもつ真核生物はウイルスから進化した」と考える細胞核ウイルス起源説の証拠になる、と考えられます。動画で見られるウイルスが細胞核的なモノを産み出す瞬間は、ウイルスからまさに細胞に進化する現場を押さえた、と解釈できるのです。
 進化の決定的瞬間を報告した研究論文は科学誌「Science」に掲載され、専門家からの大きな反響を呼びました。イギリス・ウェールズにあるカーディフ・メトロポリタン大学所属の研究者Sarah
Maddocksさんは、「この研究結果は、単純なウイルスから複雑な生物種が誕生した生物進化を理解するための重要な手がかりになる」とコメントしています。

 

 

末廣大地

アンモニアの代謝機能の獲得こそが陸上適応への大きな一歩であった

魚が陸上にあがり肺機能を獲得した一方で、アンモニアの排出機能を備える「エラ」をすぐには捨てることはできなかった。ずっと川のそばにいればいいが、水場を離れてしまうとアンモニア毒素を排出できなくなり死んでしまうからだ。

そこで、両生類は次にアンモニアをより毒性の低い尿素へと変える代謝機能を獲得することで、陸上への適応を可能にした。

Biology&Informationより引用
リンク

****************************************

■肺呼吸の獲得

肺の獲得について、これまでの通説として、古代の河川に上がってきた魚たちは頻繁に起こる川や水たまりの干上がりに適応すべく肺を獲得した、ということが言われている。また、そのように肺を獲得した魚は水中の溶存酸素が少ないような環境にも生息することができた。現生種でいうと、ハイギョやポリプテルスなどが機能的な肺を有している。

■肺呼吸はできてもエラ呼吸は捨てられない

ただ、肺で呼吸できるようになったからといってそうやすやすと”エラ”を捨てることはできなかった。エラの重要な機能として「アンモニアの排出」があるからだ。

魚は周りに水が大量にある環境に生息しているため、窒素代謝物を水に溶けやすいアンモニアの形で排出する(厳密にはアンモニウムイオン)。アンモニアは非常に毒性が高いため、体内に多く保持することはできないが、周りが水である故に水に溶かして排出し続けることができる。

これは両生類のうち、ほとんど水中で過ごす種や、幼生の間に水中で過ごすような時でも同じようにアンモニアでの排出が行われている。対して陸上四肢動物はどうだろうか。

陸で少々の水場を離れて生活ができるような両生類では、アンモニアだけでなく尿素での排出も行っている。鳥類や爬虫類では尿酸(あのフンの白い部分)、そして我々哺乳類は尿素で窒素代謝物を排出している。

なぜか。

周りに無尽蔵に水がないからである。水から離れた場合、アンモニアを排出するのに必須である水が大量に手に入らない。だからアンモニアを毒性の低いものに変えて貯蔵しておく必要があった。

そこで両生類はアンモニアをより毒性の低い尿素へと変える代謝経路を獲得し、陸上へと適応することができた。このアンモニアの代謝、尿素回路・オルニチン回路の獲得が陸上適応への大きな一歩であったと考えられる。

■我々ヒトと同じCPSを魚は持たない

では一体このような代謝経路はいつ頃獲得されたのだろうか?

一概に尿素といっても、例えば進化的に古くに分岐したサメなどでも体内で尿素を作って浸透圧の調節を行っていることが知られている。また、”Walking catfish”としても知られるClarias
batrachusも高アンモニア環境下では尿素回路を働かせて尿素を作っている。

哺乳類の尿素回路のうち、最初のアンモニアからカルバモイルリン酸への反応を触媒する酵素、「カルバモイルリン酸シンターゼ
I」は魚には存在しない。代わりに魚にはCPS
IIIがあることが知られている。IとIIIで何が違うかというと、酵素の基質がIがアンモニアであるのに対し、IIIではグルタミンである。系統樹に当てはめてCPSの種類を見ていくと下の図のようになる。

図を見てわかるとおり、尿素合成能を持つ生物は新しい魚類においても存在している。そして、尿素合成を行っていないにもかかわらず遺伝子自体は存在している生物もある。ただ、この論文自体非常に古い論文(1989年)である。今はゲノムを読まれている生物もだいぶ増えてきており、おそらく空欄もかなり埋まっていることだろう。

重要なことは、アンモニアを基質とするCPS
Iを持つようになったのがハイギョ以降、つまり肉鰭類のうち陸上に上がった/上がる生物種以降ということである。

同じ肉鰭類でもシーラカンスはCPSⅢを持っている。シーラカンスは深海に生息しており、尿素合成をしているが、おそらく浸透圧調節のために行っているのであって、水に瀕して作っているわけではない。

ハイギョは通常、水中ではエラからアンモニアを吐き出しているが、水位が下がったとき(陸生条件)ではアンモニアを尿素へと変換していることが知られている。ハイギョでの尿素代謝は結構研究されてる印象がある。この論文の他にも人工的にハイギョを陸に上げて繭を作る(ハイギョは乾季になると繭を作って夏眠する)までの代謝の変化を見ているものがいくつかある。

■上陸段階でCPS
I を獲得?

これを踏まえると、おそらく魚が陸に上がる段階でCPS
Iを獲得したのだと思われる。

ただ、一時的とはいえ、Clarias batrachus
のような魚も尿素を産生して陸上環境に順応できそうな様子を見ると、CPS I
の獲得自体が陸上進出を可能にした直接的な要因ではないようにも感じる。しかし、前述したとおりCPSIIIはグルタミン依存的であるのに対し、CPS I
はアンモニア依存的である。体内でアミノ酸分解をする際にアンモニアが出てくるため、そのアンモニアの処理がやはり問題となっているのではないだろうか……。

ちなみに非常に興味深いことに、この陸上四肢動物のCPS
Iであるが、CPS II や CPS III と共通の祖先を持っているということが推定されている。この論文ではSqualus
acanthias(ツノザメ)とラット・カエル・ハムスターの配列を比較している。ハイギョやシーラカンス等そのあたりの魚と比較してみても面白いかも。ハイギョの全ゲノム出てくれないかなあ(どうにもあれはゲノムが超でかいらしく難しいらしい)。

また、CPS以外にもアルギナーゼの局在場所がCPS
IIIを持つ魚ではミトコンドリアであるのに対し、CPS
Iを持つ我々四肢動物・ハイギョでは細胞質であることも大きな転換点であったことが窺える。

****************************************

 

 

 

西本圭

2020年1月29日 (水)

性別は720種類、脳がないのに学習 特異な生命体、パリ動物園で一般公開

プラナリアのように切断されても生きている生物やミドリムシのように遺伝子を混ぜ合わせていつまでも生き続ける生物など世界には多種多様な生命体が存在しますが、なかでも粘菌は不思議な存在の一つ。
今回はそのなかでも性別の種類が720種にも上るモジホコリについて紹介します。

以下引用ーーー
明るい黄色をしていて、時速4センチの速度ではうことができ、脳がなくても問題を解決でき、半分に切断されても自己修復できる――。そんな特異な生命体が、フランスのパリ動物園で19日から初めて一般公開される。

この生命体は、単細胞の粘菌の一種モジホコリ(学名フィサルム・ポリセファルム)。植物でも動物でも菌類でもなく、性別はオスとメスの2種類ではなく720種類もある。分裂して別の個体になったり、融合して元に戻ったりすることもできる。

10億年ほど前から存在していたと思われるが、1973年5月、米テキサス州の民家の庭で増殖しているのが発見されてセンセーションを巻き起こした。

2016年には英王立協会紀要に論文が発表され、学会で脚光を浴びた。フランスの研究者によれば、モジホコリは学習して有毒物質を避ける能力があり、1年たってもその行動を覚えていることが分かった。

パリ動物園の研究によれば、迷路を抜け出す最短距離を発見したり、環境の変化を予測するといった問題解決能力も持っているという。

同動物園のモジホコリは、シャーレの中でオートミールを与えて培養し、一定の大きさになったところで樹皮に移し、テラリウム容器に入れて展示する。「アカシアの木やオークの樹皮、クリの樹皮を好む」という。

野生のモジホコリは欧州の森林の地面に生息していて、気温19~25度、湿度80~100%の環境で繁殖する。天敵は光と乾燥のみ。ただし生存が脅かされると何年もの間冬眠することもできるという。

引用元:リンク

 

 

 

匿名希望

2020年1月23日 (木)

太古の南極に羽毛恐竜がいた、初めての証拠を発見

NATIONAL GEOGRAPHIC より太古の南極に羽毛恐竜がいた、初の証拠を発見 羽毛は体を温めるために進化した可能性もリンクを紹介します

***********

(前略)

 見つかったのは、白亜紀初期に当たる1億1800万年前の、非常に保存状態のよい羽毛の化石が10個。発掘地はオーストラリア南部だ。当時のオーストラリアは今よりもかなり南にあり、今の南極大陸とともに南極大陸塊を形成していた。現在の南極より暖かかったとはいえ、この羽毛をもつ恐竜たちは、極夜が続く何カ月もの冬に耐えていたはずだ(ちなみに白亜紀の後期は、南米の竜脚類が歩いて南極やオーストラリアに向かえるほど暖かい環境だった)。

「これまで、極地で羽毛の化石は見つかっていませんでした」と論文の共著者で、スウェーデンにあるウプサラ大学の古生物学者ベンジャミン・キアー氏は語る。「今回の発見は、羽毛恐竜や初期の鳥類が太古の極地に生息していたことを初めて示すものです」

 これまでも、極地から恐竜の時代の鳥の細かい骨が見つかることはあったが、羽毛の化石が出土したのは初めてだ。南米ペルーで見つかったペンギンの絶滅種の化石には羽毛が閉じ込められていたが、それは大陸がかなり北に移動していた3600万年前ごろのものだ。

 恐竜たちは進化の過程で、さまざまな羽毛を発達させた。たとえば求愛のための羽毛や、飛ぶための羽毛だ。今回、かつての南極付近で見つかった羽毛は、そこに新たなヒントを与えてくれる。当時の南極では、小型肉食恐竜が厳しい冬を生き延びられるよう、羽毛が発達したかもしれないということだ。

「白亜紀の恐竜や初期の鳥は、羽毛をもつことによって高緯度地域でも温かく暮らすことができたのでしょう。そう考えれば、納得がいきます」とライアン・マッケラー氏は話す。同氏はカナダ、ロイヤル・サスカチュワン博物館のキュレーターで、羽毛の化石に詳しい。

羽毛の持ち主は?
 論文で取り上げられる羽毛はすべて、オーストラリア南東部、メルボルンの南東約150キロのところにあるクーンワラという場所で見つかった。1960年代に道路を作るために丘陵地を切り開いたところ、化石を多く含む地層が現れた。その後60年にわたり、魚や植物の化石が数多く見つかっただけでなく、保存状態のよい羽毛の化石も出土している。

 現在のところ、恐竜や鳥の骨とつながった羽毛は見つかっていない。そのため、生え換わりや羽づくろいの際に抜け落ち、風に飛ばされて古代の湖に落ちて底に沈み、泥の中で保存されたものと考えられている。

 37年以上にわたってクーンワラの発掘を率いてきたメルボルン博物館のトム・リッチ氏とモナーシュ大学のパトリシア・ビッカーズ=リッチ氏は、今回の論文のために、国際チームと協力して出土した化石の分析を行った。その結果、10個の羽毛の化石はそれぞれ異なるものであることが判明した。たとえば、保温用の綿毛を含むもの、飛ばない恐竜のものと思われる原始的な羽、現在の鳥がもつような飛行用の複雑な羽などだ。

 キアー氏によると、ほとんどの羽毛は長さ2~3センチ以下で、エナンティオルニス類(絶滅した原始的な鳥類で、白亜紀初期にはさまざまな種類がいた)のものと思われる。中にはとても小さなものもあり、生まれたばかりの個体の羽毛かもしれない。

 ただし、一つを除き、飛ぶために使えるものではないという。そのため、論文の筆頭著者で、スロバキアにあるパボル・ヨセフ・シャファーリク大学の古生物学者であるマーティン・クンドラット氏によると、いくつかの羽毛は地上で生活する肉食恐竜のものであった可能性が高いという。

 マッケラー氏は、「この原始的な羽は、中国の白亜紀初期の化石やカナダの白亜紀の琥珀から見つかった羽毛恐竜の原始的な羽と完全に一致します」と言う。

 大きさから考えれば、羽毛の持ち主はおそらくドロマエオサウルス科(ヴェロキラプトルやデイノニクスを含む足の速い肉食恐竜)などの小型恐竜だろう。オーストラリア南部では、細長い口吻をもつウネンラギアと呼ばれるドロマエオサウルスの仲間の化石が見つかっている。これは南米でよく見つかる恐竜で、魚を食べていた可能性がある。だとすれば、これに似た羽毛恐竜が白亜紀に湖のほとりで食べものを探していたとしても、つじつまが合う。

 メルボルンにあるスウィンバーン大学の古生物学者スティーブン・ポロパット氏は、「湖にはたくさんの魚の化石があるので、食べものには困らなかったはずです」と言う。

季節によって体色が変わっていた?
羽毛の化石からは、メラノソームと呼ばれるメラニン色素を貯蔵する細胞小器官も見つかっている。そこから、黒や灰色や茶色、または濃い色の縞模様をした恐竜だったことが考えられる。

 ポロパット氏は、極地で暮らす動物を考えれば意外なことだと言う。白い雪が積もる環境では、黒っぽい体色はカムフラージュにはならないからだ。現在、寒冷地に生息するライチョウのように、季節ごとに色を変えていた可能性も考えられるという。

「しかし、白亜紀の南極はそこまで寒くなく、単に白っぽくなる必要がなかっただけかもしれません」

 この謎を解くには、さらに多くの化石が必要になる。リッチ氏は、中国東北部で見つかった非常に保存状態のよい羽毛恐竜の化石のように、やがてクーンワラからも恐竜や鳥の完全な化石が出土するのではないかと期待を寄せる。

「実際にここオーストラリアで羽毛恐竜の骨格が見つかれば、すばらしいことだと思います」とポロパット氏は言う。「私たちが知るかぎり、その可能性が高いのはクーンワラなのです」

 

 

久里亜

ジュラ紀前期に哺乳類が中国で発見されている

「リスのようなジュラ紀の最初期哺乳類」より引用
リンク

********************************************

リスのような哺乳類が恐竜の頭上の木々を走り回っていたことを示唆する化石が中国で発掘された。哺乳類はこれまで考えられていたより早い時期に急速に進化した可能性が浮上している。ハラミヤと呼ばれるこの哺乳類は約1億6000年前、ジュラ紀の中国に生息していた。すらりとした優雅な体は樹上生活に適していたとみられ、現代のサルのような枝をつかむことができる手足と枝に巻き付けることができる長い尾を持つ。

研究に参加するアメリカ自然史博物館の古生物学者ジン・メン(Jin
Meng)氏は、「トガリネズミのような食虫動物が恐竜の影におびえて暮らしていたという中生代の哺乳類のイメージを見直す必要がある」と話す。

これまで謎の哺乳類ハラミヤは歯とあごの一部から推測するしかなかった。ところが2013年、メン氏らの研究チームが完全な骨格を発掘したと報告した。ハラミヤは現存する哺乳類とは似ても似つかないが、すでに絶滅した多丘歯目と近縁関係にある。多丘歯目は複雑な歯尖の構造を特徴とする。

メン氏らは10日付で「Nature」誌に発表した論文の中で、3つの新種の6つの骨格について報告している。恐竜が地上を支配していた中生代、哺乳類はどのように進化したか。これまでの概念を覆す発見となった。

オクラホマ州立大学の古生物学者アン・ウェイル(Anne
Weil)氏によれば、初期の哺乳類はさまざまな体格を持ち、そこからさらに分岐しながら進化した可能性が浮上しているという。「現代の小さな齧歯(げっし)動物たちを見れば、ネズミとリスは違う動物だとわかる」。ハラミヤのような哺乳類の存在は中生代も現代と同じだったことを示唆している。

新たに発掘されたハラミヤの骨格が覆そうとしているのは、古代の哺乳類の暮らしぶりに関するイメージだけではない。長らく謎の生き物とされてきたハラミヤの骨格を比較した結果、最初期の哺乳類はこれまで考えられていたより早い時期に登場した可能性が出てきた。

これまで本当の意味での哺乳類はジュラ紀に登場したと考えられてきた。ハラミヤは限りなく哺乳類に近いが、厳密には哺乳類でないとみなされていた。

ところが、メン氏らが完全な骨格を調べた結果、ハラミヤはやはり哺乳類だとわかった。メン氏によれば、最も古い骨格の年代を考えると、哺乳類は“少なくとも三畳紀の後期”、つまり2億2000万~2億100万年前に起源を持つという。

********************************************

 

西本圭

地球に衝突した隕石の中から糖が発見され、生命誕生の素材は宇宙からもたらされた

地球に衝突した数十億年前の隕石の中から糖が発見された。発見したのは、NASAや東北大学をはじめとする研究グループだ。

この発見は、地球に生命が誕生するための素材は隕石がもたらしたという説を裏付ける証拠になるという。

生命の起源は常に謎だらけであり、未知課題。

隕石の衝突と生物の誕生全く矛盾していそうだが、そこには関係があった!?

以下リンク

-------------------------------------------------------------------
 

■地球の生命の起源は宇宙にあった!?
 ときおり地球に落ちてくる隕石の多くは、地球近傍天体という太陽を公転している小惑星に由来している。じつは生命に不可欠な元素は、そのような小惑星の中で生じた化学反応によって作られたという仮説がある。

 隕石の中からその仮説を裏付ける糖を発見したのは、NASAや東北大学をはじめとする研究グループだ。

 『PNAS』(11月18日付)に掲載された研究では、1969年にオーストラリアに落下した数十億年前の隕石をはじめとする3つの隕石から、塩酸と水を使った糖の抽出が試みられている。

 その結果、「アラビノース」や「キシロース」といった生命の誕生には不可欠である糖が発見されたという。

■”リボ”核酸はDNAが登場する前にすでに存在していた可能性
中でも重要なのは「リボース」だ。リボースは人体の中でとてつもなく重要な働きを担っている。RNA(”リボ”核酸)を構成する糖であって、DNAに書き込まれたメッセージを伝えることで、人体が必要とするタンパク質を作る手助けをしているのだ。

 またリボースの発見は、RNAがDNAが登場する以前に進化していたことをも示唆しており、生命が形作られるメカニズムに関する青写真をいっそう明確になものにしてくれている。

 DNAはかねてより「生命の鋳型」とみなされてきたが、意外なことにRNAはそれ以上に有能で、他の分子の助けがなくても自己を複製することができる。

 こうしたRNAの機能や、これまでDNAに含まれる糖が隕石から見つかっていないという事実は、RNAはDNAが登場する前にすでに存在しており、生命の働きを制御していたという仮説を裏付けている。

■ますます高まる私たちの故郷が宇宙であるという可能性
 東北大学の古川善博氏によると、隕石が糖を地球にもたらしたという仮説を裏付ける初めての直接的な証拠であるという。

 地球の外にあった糖が隕石に乗って地上に落下し、それがRNAの形成を助け、やがては生命の誕生につながったのかもしれない。

 もちろん、問題の隕石が地球の生物によって汚染されていたという可能性も考えられる。しかし、検査の結果は、その可能性がかなり低く、糖はおそらく宇宙に由来するものであろうことを示しているそうだ。

 なお、今年の1月には、ふたつの隕石からアミノ酸、炭化水素、微量の水といったやはり生命に不可欠な素材が発見されている。私たち生命の故郷は地上ではなく、宇宙であるという可能性がますます高まっているのだ。

 

 

直永亮明 

2020年1月22日 (水)

「生命の起源」ついに明らかに? その想像以上にシンプルなメカニズム

原始の地球で最初の細胞が誕生した仕組みを明らかにする、新発見がもたらされた。1924年以来、長らく忘れ去られていた進化史上の仮説に再び、注目が集まっている。



以下「WIRED.JP」(
リンク)より引用します。



■ ■ ■




生命の起源については1924年、ロシアの生化学者アレクサンドル・オパーリンの発表した説が広く支持されている。原始の地球で、大気中の成分から合成された非生物的な有機物がいくつも集まり、海中で「液滴」と呼ばれる形態になる。膜はないものの、袋状の構造をもつ液滴がその後、生命を得て細胞になったというものだ。




しかし、液滴が細胞に至るまで、どのような成長・分裂・増殖の過程を経たのかは、これまで誰も説明できなかった。「膜なくして進化なし」とオパーリンの理論に異議を唱える研究者もいる。化学物質を集めて生命を育むには、脂肪酸の膜が必要不可欠で、膜のない液滴から細胞は発生しないという。




こうした議論に新たな風を吹き込む発見が2016年12月、物理学の国際学術誌『ネイチャー・フィジクス』で発表された。独ドレスデンのマックス・プランク複雑系物理学研究所と同分子細胞生物学・遺伝学研究所のデヴィッド・ツヴィカーと共同研究者による論文がそれだ。液滴が細胞の大きさまで成長したあと、まるで細胞のように分裂する傾向があったという。




膜のない液滴が自発的に分裂するなら、「(オパーリンの言った通り)非生物的な有機物の濃縮されたスープから、生命が自然に発生した可能性は高まります」と論文の共著者で生物物理学者のフランク・ユーリヒャーは言う。




細胞のようにふるまい“分裂”する液滴




実験では、細胞の分裂などにかかわり、液滴と似たふるまいをする細胞小器官「中心体」をモデルとした模型をつかった。内部に含まれるタンパク質は、エネルギー源があると逆反応を起こした。水溶性のものは不溶性に、不溶性のものは水溶性となった。液滴は直径数十~数百ミクロンに成長したところで、分子の流出入が釣り合い、成長が止まった。ユーリヒャーは、「原始の地球では、太陽光が液滴を成長させる原動力になったはずです」と言う。




「分裂」と非常によく似た現象も見られた。液滴の大きさは安定しているものの、形状が不安定で、不溶性タンパク質の分子が過剰に流入すると、その方向へとわずかに膨らんだ。膨張した部分の表面積が広がる一方、表面積が小さいままの中央部はくびれ、最終的には2つの液滴に分かれた。




単純な分裂する液滴が、アメーバからシマウマまでさまざまな動物に進化した可能性はあるのだろうか? 今回の新発見に通じている物理学者や生物学者は「あり得る」と話す。




研究チームは次の段階として、今後数カ月で中心体などのタンパク質と物理的に似た合成ポリマーで液滴をつくり、どのように成長・分裂するか観察しようとしている。さらにその後は、中心体そのものの液滴の分裂を観察するなどし、ツヴィカーらが論文で発表したメカニズムがつかわれるかどうかを確認する。これらの実験は、マックス・プランク分子細胞生物学・遺伝学研究所で生物学研究所の所長を務めるドーラ・タンらの協力を得て進められる予定だ。




反対論者も納得する新たな仮説




カリフォルニア大学サンタクルーズ校の生化学者デヴィッド・ディーマーは、「膜なくして進化なし」説を長らく擁護してきた。今回、新たに発見された液滴分裂のメカニズムについても、「興味深いが、現在の細胞分裂で見られる多段階で複雑な過程とはかけ離れており、生命の起源との関連はまだ分からない」と話す。




他の研究者たちはこう反論する。タンによると、母核となる液滴がいったん分裂を始めると、すぐに遺伝情報を伝達する能力を得て、タンパク質を合成する情報を持つDNAやRNAを娘核のために等しく配分できたという。これらの遺伝情報伝達物質が液滴の分裂速度を高めるタンパク質を合成するようになれば、原子細胞は自然状態にある物質が無秩序に広がってゆく「エントロピー増大の法則」と太陽光によって、だんだん複雑化していくだろう。




ユーリヒャーらの研究チームは、「原子細胞はこの複雑化の過程で膜を獲得した可能性がある」と主張する。液滴は、自身と周囲の液体との境界面にとどまろうとする脂質の外皮を自然と集めるからだ。さらに、遺伝子が何らかの方法でこうした膜を一種の防御として組み込み始めたかもしれないとも言う。この仮説について、ディーマーは「そういうことなら同意できます」と言い、原子細胞の定義を「膜を持った最初の液滴」とすべきだと主張した。




想像以上のシンプルさを研究者たちが称賛




生命の起源にまつわるストーリーは、今後の実験結果によって変わりうる。しかし、生命の起源を研究する学者たちは、今回の新発見のシンプルさを称賛している。




生命の発生する物理メカニズムを研究するオランダ・ライデン大学の理論生物物理学者ルカ・ギオミは、これまで考えられてきた原子細胞分裂のメカニズムよりずっと単純だからこそ、「非常に期待できる方向だ」と話す。オックスフォード大学の理論物理学教授ラミン・ゴルスタニアンも、「生命形成の一般的な現象学は、人々が思っているよりはるかに簡単だと示唆している」と述べた。




液滴の分裂メカニズムは実際のところ、生命の発生にどれほど関連性があるのか。生化学的な液滴の中から、水溶性と不溶性のタンパク質が見つかって、新発見の正しさが証明されるだろうか。いずれにしても、近い将来、非生物から生命が誕生した現実的な道筋がはっきり見えてくるに違いない。

 

末廣大地  

動物?非動物?6億900万年前の多細胞生物「Caveasphaera」は生命の鍵を握るヒントとなるか?

動物は単細胞生物の祖先から進化し、3、40種ほどの解剖学的デザインへと多様化した。はたしていつ、そしてどのようにして単細胞の微生物から複雑な多細胞生物へと変化したのか、これは今もなお激しく議論が交わされているテーマだ。



 これまで、この問いの答えを探るには、現生の生物とその近縁種を調べるしか術がなかったが、ある微小な化石の中からそのヒントになりそうな大発見があったそうだ。




 中国南部、貴州省の岩山で発見された6億900万年前の多細胞生物「Caveasphaera」の化石は、動物か非動物か判別できない。非動物から動物へと変遷しつつある初期の動物か、その近縁種の胚である可能性もあるという。




非動物から動物へと変遷しつつある生物?


 中国南部、貴州省にある6億900万年前の岩石から「Caveasphaera」と呼ばれる化石が発見され、最初に記述されたのは2000年のことだ。


 


 個々の化石は直径0.5ミリの砂粒のような代物であるが、これを超強力なX線顕微鏡で調べたところ、なんと数百あるいは数千の細胞で構成された化石であることが判明したのである。




 はたしてこの生物が動物であるのかどうか、はっきりしたことは不明だ。しかし、『Current Biology』(11月27日付)に掲載された研究は、初期の動物か、その近縁種の胚であると主張している。




7億5000万年前、あらゆる動物の共通祖先がいた


 テントウムシからクジラまで、今日の動物はいずれも同じ過程を経て発達する。まず受精卵から始まって、分裂を繰り返して球状の細胞の塊となる。すると胚内部の細胞が動き、やがていくつもの組織で構成された多細胞の体へと成長する。こうした動物は、もっとも近い非動物の近縁種、すなわち主に水の中で暮らす単細胞の原生動物とは深いレベルで異なっている。




 原生動物は、魚に病気を引き起こすもの、水の中で自由生活を送るものなどさまざまだが、いずれも体を発達させることはない。




 これまで古生物学者は、動物がいかにしてかくも多様な体を進化させてきたのか探ろうとしてきた。




 その結果明らかになったのは、多くの現生の動物の系統は、5億4200万年前のカンブリア紀の化石にさかのぼれるということだ。




このカンブリア爆発と呼ばれる時期よりさらに前の時代となると、研究はいっそう難しいものとなる。




 それでも5億8000万年前の奇妙な葉状体やディスクが発見されており、中には現生の動物種につながりそうなものもあった。




 だが動物のDNAは、動物界の根っこはさらに昔へとさかのぼれるだろうことを示唆している。




 突然変異はおおむね安定した割合で起こる。これを計算に入れたうえで異なる動物の系統の突然変異を比較すると、動物の共通の祖先が生きていた時代を推測することができる。




 そうした研究によると、あらゆる現生動物の共通祖先はおよそ7億5000万年前に生きていたという。カンブリア紀よりもずっと前の時代だ。




 動物かもしれない6億900万年前のCaveasphaeraが専門家を沸かせているのはそうしたわけだ。




Caveasphaeraが握る進化の鍵


 中国、南京地質古生物研究所の研究グループによると、Caveasphaeraの化石を発達段階の順に分類してみたところ、現生の動物と同じように発達していることが明らかになったという。




 詳しい分析からは、この胚が原腸の発達段階に似たプロセスを経ており、人間をはじめとする動物の胚に近い発達をしていることがわかった。ただし、Caveasphaeraの胚がもっと複雑な生物に発達したという証拠はないそうだ。




 はたしてCaveasphaeraが動物なのか、それとも違うのか、いまだに議論の決着はついていないが、今回の研究グループははっきりと異なる組織層と器官を発達させることが可能だったのではと推測している。




リンクより引用

 

 

井上智貴  

2020年1月19日 (日)

4本足のクジラが陸と海の両方で暮らしていた。

今を生きるクジラは海の中で暮らしているが、その祖先は4本足を持つ哺乳類だったという。

約5000万年前を生きたクジラは、今よりも小型で、その足を使いながら陸と海の両方で暮らしていたようだ。

これまでインドやパキスタンで4本足のクジラの祖先の化石は発見されていたが、南米ペルーでも、同様の化石が発見された。

世界規模で4本足のクジラは生息していたようである。

哺乳類樹上ではなく海にいった哺乳類はどういう進化を遂げたのか
気になる記事を紹介。
以下リンク

--------------------------------------------------------------------

□クジラの祖先は5000万年前のウシ目から分岐

滑らかな巨体を持つクジラには、陸はおろか浅い川だって生きられないようなイメージがあるが、彼らの祖先は、5000万年前に陸上で暮らすウシ目の動物から分岐した哺乳類である。

当時、クジラの祖先は小型のシカのような姿で、蹄のある4つ足があった。

インドで発見された化石は、クジラになる直前の動物が出産や食事は陸上で行なったが、危険がせまると水に身を隠しただろうことを示している。

彼らはかなりの時間を浅瀬ですごし、水草や無脊椎動物を食べ、やがて小魚や両生類も口にするようになった。

クジラ最古の化石は5300万年前のもので、インド北部のヒマラヤと今日のパキスタンに当たる地域で発見された。

その化石からは、カワウソやビーバーのように陸の上を歩く能力を保ちつつも、水辺での生活から徐々に水の深いところへ移っていった様子が窺える。

クジラの祖先とされているインドハイアスの復元イメージ

□陸で暮らす力がありながら海を渡ったクジラの祖先

新たにペルーで発見されたペレゴセタス・パシフィカス(Peregocetus
pacificus)は、まだ陸で暮らす力をそなえていてが、およそ4200万年前に世界の反対側へ壮大な旅に出た。

始新世中期(およそ4800万~3800万年前)、アフリカと南アメリカは現在の半分程度しか離れていなかったが、それでも完全に海の生活に適応していたわけではない3メートルに満たない動物としては、驚きの水泳能力である。

ペレゴセタス・パシフィカスの後ろ足の長さは前足とそれほど変わらず、爪先には小さな蹄があった。このことは、水から上がってもきちんと自分を支えて、歩き回れたことを示している。


□水かきと現在のビーバーのような尻尾

同時に、骨格に見られるほかの特徴は、水の中にもうまく適応していたことを示唆している。

たとえば、後ろ足の足骨には靭帯と腱がくっついていた突起部があるが、これは水かきがあった痕跡だ。

またビーバーのような尾骨は、泳ぐときに便利な補助として使われていた証拠である。ただし、今日のクジラのような尾ビレだったかどうかまでは不明だ。

鋭く、ハサミのような歯からは、ペレゴセタス・パシフィカスが肉食動物だったことが窺える。現在のクジラの多くと同じく、大きな硬骨魚を食べていた可能性が高い。

しかしペレゴセタス・パシフィカスの歯は、複雑な歯尖の犬歯、小臼歯、大臼歯を持つ現代の肉食動物にも似ている。


□長い時間をかけて海の生活に適応していった

長い時間をかけて骨盤骨が脊椎から離れ、泳ぎやすくなった一方、浮力をえられる水中で過ごす時間が長くなったことで、進化のリソースは体重を支えられるだけの強靭な足を作ることには割かれなくなっていった。

やがてクジラの前足はヒレに変形し、後ろ足は退化して消えた。

現在のクジラは、まだ陸で暮らしていた遠い祖先からわかれて随分経つ。その名残りを、いくつかの種の骨盤についている骨の痕跡として見ることができる。

以上

 

 

 

 

直永亮明

トカゲはヒトより進化している

実は、陸上で生活するという点でいえば、トカゲはヒトよりも進化しているのです。(リンク

・・・・・以下引用・・・・・
私たちの祖先は海にすんでいた。何億年も前の私たちの祖先は、魚だったのだ。その魚の一部が陸上に進出して、私たちに進化した。
もちろん陸上に進出するためには、体のいろいろな部分を変化させなくてはならなかった。系統樹Aは、脊椎動物から6種(魚類のコイ、両生類のカエル、爬虫類のトカゲ、鳥類のニワトリ、哺乳類のイヌとヒト)を選んで、それらの進化の道筋を示した系統樹である。

【系統樹A】                
コイ カエル トカゲ ニワトリ イヌ ヒト 
 ↑  ↑   ↑__↑     ↑__↑   
 ↑  ↑ 尿酸 ■________↑    
 ↑  ↑_______■ 羊卵膜   
 ↑______■ 尿素         
 ↑                  

【系統樹B】
コイ カエル イヌ ヒト トカゲ ニワトリ
 ↑  ↑   ↑__↑  ↑__↑
 ↑  ↑    ↑_____■尿酸
 ↑  ↑_______■ 羊卵膜
 ↑______■ 尿素
 ↑


陸上生活に適応する進化的変化はたくさん起きたが、その中の3つを黒い四角で示してある。

脊椎動物の体はたくさんのタンパク質でできている。そして古くなったタンパク質は分解されて体の外に捨てられる。タンパク質が分解されると、どうしてもできてしまうのがアンモニアである。アンモニアは有害な物質なので、体の外に捨てなければならない。でも、昔はとくに困らなかった。私たちの祖先は魚類であり、海や川にすんでいたからだ。体の周りに大量の水があるので、アンモニアを捨てるために水がいくらでも使えたからである。

しかし、陸に上がった両生類には、そういうことができない。陸上には水が少ないので、なかなかアンモニアを捨てられない。でも、アンモニアは有毒なので、あまり体の中に溜めておけない。

そこで、とりあえずアンモニアを尿素に作り変えるように進化した。これが系統樹の中の一番下の黒い四角である。尿素も無毒ではないが、アンモニアよりは毒性が低いので、ある程度なら体の中に溜めておくことができるのだ。

それでも両生類は、水辺からあまり離れて生活することができない。その理由の一つは、卵が柔らかくて、すぐに乾燥してしまうからだ。だから、ほとんどのカエルは卵を水中に産む。水辺を離れて生活するためには、つまり、さらに陸上生活に適応するためには、卵が乾燥しない工夫をしなければならない。

ところで上記の系統樹Aと系統樹Bは、同じ系統関係を表している。しかし、見た目の印象はだいぶ違う。よく目にするのはAのような系統樹だ。これだと、ヒトは進化の最後に現れた種で、一番優れた生物であるかのような印象を受ける。

その工夫を進化させた卵が羊膜卵である。羊膜卵とは、簡単にいうと、羊膜で作った袋の中に水を入れ、その中に胚(発生初期の子ども)を入れた卵である。袋の中の水に、子どもをボチャンと入れておけば、乾燥しないからだ。さらに卵の外側に殻を作って、乾燥しにくくしている。この羊膜卵を進化させた動物は羊膜類と呼ばれ、水辺から離れて生活することができるようになった。

この初期の羊膜類から、爬虫類や哺乳類が進化した(間違えやすいが、爬虫類から哺乳類が進化したわけではない)。そしてさらに、爬虫類の一部から鳥類が進化したのである。

爬虫類や鳥類にいたる系統では、さらに陸上生活に適した特徴が進化した。尿素を、尿酸に作り変えるような進化が起きたのである。尿酸も尿素のように毒性が低い。でも尿酸には、その他にもいいことがある。尿酸は水に溶けにくいので、捨てるときにほとんど水を使わなくていいのだ。

陸上にすんでいる動物にとって水を手に入れるのは大変なことである。だから、水はなるべく捨てたくない。それなのに、私たちは結構たくさんの尿を出して、水をたくさん捨てている。もったいない話である。一方、ニワトリやトカゲは、尿をあまり出さない。

ニワトリやトカゲが、イヌみたいに大量の尿を出している姿を見た人はいないはずだ。それは、尿素を尿酸に変える能力を進化させたからである。
つまり、哺乳類は両生類よりも陸上生活に適応しているが、爬虫類と鳥類は哺乳類よりもさらに陸上生活に適応しているのである。

・・・・・引用終わり・・・・・

 

 

 

孫悟空

2020年1月16日 (木)

知られざる糖鎖とは?進化の鍵を握るのか

誰もが摂取するであろう糖。その糖の構造によって糖鎖があるそうです。
現在研究者の間柄では、あまり価値がないとされているそうですが、今後新たな発見が出てきそうです。
(リンク
-------------------------------------------------------------------

糖は、生命が生きていくうえで欠かせない物質だ。「単に甘いだけではない糖をひもとけば、生命の進化の過程が見えてくる」と語る宮西伸光准教授の研究は、「糖鎖」が生命にどのような関わりを持つのか、ということだ。生命の神秘に挑む学生たちとともに、糖鎖が語りかけてくるメッセージを受け止めながら、生命の進化の謎に挑んでいる。




生体内で重要な役割を果たす糖鎖

「糖」と聞くと、みなさんは「甘いお菓子」や「エネルギー源」としてのイメージが強いかもしれません。しかし、私たちが研究しているのは、糖質がいくつも連なった「糖鎖」と呼ばれるものです。糖鎖が生命とどのような関わりをもつのかを解明していくことにあります。

糖質は大きく3つに大別されます。1つ目はエネルギー源としての糖。人間や動物はでんぷんを消化してエネルギー源としますが、このでんぷんにも糖が含まれているのです。2つ目はセルロースのような身体の支持体としての多糖類です。糖は単体では単糖類と呼ばれ、2つつながると乳糖などに代表されるような二糖類になり、さらに糖がいくつもつながると多糖類となります。そして3つ目は、細胞どうしの情報を伝達する物質としての糖鎖。インフルエンザウィルスは、細胞の表面の糖鎖の違いを見極めて感染してきます。本来、鳥インフルエンザはヒトに感染しませんが、それはヒトと鳥の糖鎖が違うからなのです。

私が研究している「糖鎖」は、DNAやタンパク質に並ぶ「第3の生命の鎖」として、生体内できわめて重要な役割を果たしています。最近では鳥とヒトの両方に感染する新しいウィルスが出現し、それらが爆発的な感染力を獲得するのではないかと不安視されています。つまり、ウィルスが標的とする糖鎖を解析することは、新しい薬の開発にもつながるのです。


進化のカギは糖鎖が握っている

「糖鎖」が語りかけてくる熱いメッセージを解読したくて、私はこの分野の研究に飛び込みました。目標としているのは、生命進化の謎を解き明かすこと。生命の進化と糖鎖は、実に深い関わりがあるのです。

私の研究室では「糖の本質に関する研究」を行っています。しかしながらそれは、私たちが生命の神秘を知りたくて、その探求の糸口が、たまたま「糖」というものであっただけだろう、と思う人がいるかもしれません。ですが、それはちがいます。私たちは、これまでの先駆者である多くの糖質関連研究者たちが得た膨大な「糖」に関する知見から、そこにはきっと生命誕生の瞬間や、一様ではない生命進化の場面の一つ一つが「糖進化」という言葉に置き換えられるかどうかはわかりませんが、そこには生命の神秘を知るに最も相応しい理解が、実に繊細かつ精密に、如実に存在していると信じてやまないのです。

太古地球において、「糖」と呼ぶにふさわしい形態のものは、おそらく、さまざまな状態で存在していたと考えることができます。そのような糖が、ある時、生命体(と呼ぶに相応しい形態のもの)によって取り込まれ(食され)、それらをより使いやすい状態に変換させたり、結合させたりして利用されるようになった。この、生命体(と呼ぶにふさわしい形態のもの)が外界から物質(エネルギー)を取り込んだ行為、つまり、その瞬間こそが「食」であり、食は生命の本質であると言えます。

そしてこれは、私たちの食環境科学科のテーマにも通じます。生物が最初にエネルギー源として取り入れたと考えられる物質こそが、糖なのではないでしょうか。その糖が生命の進化の過程のさまざまな場面において重要な役割を果たすようになったと考えると、それは当然なのかもしれません。そして、糖鎖を解析すれば、生命の進化の過程を垣間見ることができるかもしれません。



糖(の研究)は甘くない!?

「知の好奇心の大切さや、新しくモノゴトの理を理解する面白みを、学生たちに伝えたい」という想いで私は学生たちと一緒に研究しています。よく「糖は甘いものもあれば、甘くないものもある。けれど、糖の研究は常に甘くない!」と話していますが、糖とは生命のあらゆる場面で活躍する、不可欠な物質です。そのため、糖を研究することは、社会への貢献にもつながります。たとえば新しい薬の開発や機能性食品の開発などに研究を活かすことができるのです。

高校までの勉強は、先生から習うことばかりだったかもしれません。それは、高校までの授業が「学習」というものだったからです。しかし、大学での学びは違います。自分が研究したいと思うテーマについて積極的に取り組み、突き進んでいくモチベーションと能力を養うところ、「学習」ではなく「学問」を行うところこそが「大学」なのです。新しいこと、誰もやっていないことに取り組むのは、誰でも怖いと思うかもしれません。でも、そこで恐れずに、興味を持った分野に積極的に挑戦し、研究に没頭してほしいと思います。私の研究室では、「こんなことを研究していたら、おかしいかもしれない」なんて感じる必要はありません。自分の発想や気づきを大切に一緒に突き進んでいきましょう。夢を持って頑張れば、必ず何かが見えてきますから。

 

コキマール

水深4000メートル 最北の熱水噴出孔はまるで異星

深海と宇宙はどんな関係があるのだろうか。

水深4000メートル 最北の熱水噴出孔はまるで異星
リンク

以下引用
__________________________________________________________

北極海のガッケル海嶺沿いにある「オーロラ熱水噴出孔フィールド」は、知られている限り地球上で最も北にある熱水噴出孔フィールドだ。海氷に覆われた海の底にあり、深さはおよそ4000メートル。地球にありながら最も異星に近い生態系があると考えられている。このほどそこで本格的な探査が行われ、噴出口や生態系の様子が初めてカメラに収録された。

どこまでも続く氷原や、ところどころに突き出た氷塊はまるで陸地のようだが、グリーンランドの北の海に陸地はない。それを示すように、ノルウェーの砕氷調査船「クロンプリンス・ハーコン号」が、北極海の海氷を砕きながらゆっくりと進んでいた。

ノルウェー領スバールバル諸島にある町ロングイェールビーンを出港してからここへ到着するまで、予定よりも長い時間がかかってしまった。ところが、米ウッズホール海洋研究所のクリス・ジャーマン氏はせっかくの絶景に見とれることもなく、海底から送られてくるライブカメラ映像を一心に見つめていた。

ジャーマン氏らが画面に映るのを待っているのは、海底に開いた裂け目から漆黒の深海へ噴き出す超高温の水煙だ。深海探査は、宇宙探査と同様に高い危険を伴う。深海の底は、どんなに頑丈な探査ロボットにとっても過酷な環境だ。今回のミッションでも、潜水艇を危うく失いかけるなど、いくつかのハプニングに見舞われた。

だが、紫色の夕空が見られたこの日、船につながれ、何時間も海底の泥の上を移動していた高解像度カメラが、ついに海底にぽっかりと口を開けた裂け目の真上を通過した。船の各所に設置されたテレビ画面いっぱいに、直径1.5メートル近い噴出孔からたけり狂ったように噴き出る黒煙が映し出された。

(中略)

オーロラ熱水噴出孔の生態系は

奇妙なことに、少なくとも今回の調査で撮影された写真を見る限り、オーロラ熱水噴出孔の生態系は異常なほど閑散としている。チューブワームの集団も貝も姿が見えない。微生物マットですら、一部をカメラがとらえたものの、やけに薄く見える。その代わり、ここは小さな巻き貝や端脚類(エビのような外見を持ち、生物の死骸を食べる)のすみかとなっているようだ。
「他の海の噴出孔には、おびただしい量の生き物が群がっています。それらとは比べ物になりません」と、ラミレズ・ロードラ氏は言う。「でも、まだ数枚の写真しかありません。どれも良く撮れていますが、ここはまだ詳しい調査が行われていないのです」


ポルトガル、アヴェイロ大学の生態学者アナ・ヒラリオ氏もまた、他の深海に多く見られるチューブワームがここにはまったくいないことに驚いたという。ヒラリオ氏とノルウェー、ベルゲン大学の分類学者ハンス・トレ・ラップ氏は、北極海の海底に生き物があまりいないのは、この海域が誕生してからまだ6000万年しか経っていないためではないかとみている。この数字は地質学的には若いとされ、深海生物はまだここへ到達して極限環境に適応していないと考えられる。

この海域で唯一繁栄しているように見えるのは、2種のガラス海綿と呼ばれる海綿類だけだ。繊細なガラスのような骨格を持つことから、そう名付けられた。直径1メートルに達することもあり、寿命は推定数百年ともいわれる。かろうじて生きているといわれることもある。体の中で有機物は5%以下、残りは砂やガラスと同じシリカ(二酸化ケイ素)でできているためだろう。幸い、NUIは修理後再び海底へ潜り、噴出孔近くのガラス海綿をいくつか採取してきた。

地球外生命を探す研究者にとっても、今回の観察結果は興味深いものだった。地球以外の星の海には太陽の光がほとんど届かず、唯一の安定的なエネルギーは、星の内側から湧き上がってきているはずなのだ。
ケビン・ハンド氏は、そのような異星の氷に包まれた海にもし生命がいるとすれば、その存在を示す痕跡をどうやって探すかという研究をNASAで行っている。今回の探査では、オーロラ・フィールドの海面に浮かぶ氷を調査した。氷の中に、生命を支える噴出孔の痕跡が閉じ込められているかもしれない。それが、他の星で生命を探す際の手がかりにもなるかもしれないのだ。
「氷の下にある海をのぞくための窓として、表面の氷を調べます。他の星の海での探査で分かることと、関係しているはずです」

 

光大

2020年1月13日 (月)

新口動物の原点=サッコリタス

もともと原口を持った旧口動物がいたが、私たち脊椎動物に連なるのはこの原口とは別の新口を獲得した動物らしい。しかも原口を持ったまま新口を獲得したのではなく、原口とは別に新たに袋状の口を作ったところから新口動物は始まっているようだ。

新口動物の元祖とされる「サッコリタス」は筒状というよりは袋状といった方がよい形状から始まったようだ。

リンク

>「新口動物」と呼ばれる広義の生物分類の一つに属するサッコリタスは、これまでに発掘された化石標本の中では最古のもの。研究チームは、脊椎動物(背骨を持つ動物)、棘皮(きょくひ)動物(ヒトデやウニ)やその他の動物分類群を含む新口動物はすべて、この共通祖先から派生したと考えられるとの結論を下している。

>この袋のような生物の最も顕著な特徴は、体の残りの部分に比べて大きな口だ。口の周囲には、隆起した突起物が同心円状に並んでいる。この口から、食べかすや微生物を吸い込んで摂食していた可能性が高いという。

>一方で、興味深いことに肛門に相当するものを何も発見できなかったことから、研究チームはサッコリタスは口と同じ穴から排せつしていたと結論付けている。

>また、体の表面には、円錐状の構造体が8個あった。ここから飲み込んだ水を排出していた可能性があり、「鰓孔(さいこう、えらあな)の前駆体」と考えられるとモリス教授はAFPに説明した。

原口動物が筒状の原口を使って摂食と排泄を同時にしていたのに対して、サッコタスは、もっと大きな口を作り直すところから始まったようだ。肛門はないが、エラの前駆体を持っていたということなので、このエラをうまく使って、摂食と排泄のスピードを上げていったのではないだろうか?

その後も、脊椎動物は、腸を母体にしながら、エラを発達させたり、肺を作ったり、自在に進化を重ねていっている。

そう考えると腸は非常に万能で柔軟な器官である。おそらく内部化された外部空間であるがゆえに、腸内細菌との共生がかなり古くからあり、それ故に、腸は変異を起こしやすい場でもあったのではないだろうか?腸が生み出す半分閉じられた外部空間という性格が、ウィルスや細菌との共進化の源泉となり、後の生物進化を多様ならしめたのではないだろうか。

 

山澤貴志

2020年1月12日 (日)

最古級の肉食恐竜を発見、完全に近い姿、ブラジル―2億3000万年前の超大陸パンゲアに生きた捕食者―

以下引用
(リンク
―――――――――――――――――――――――――――――――――

2014年、ブラジル南部の町で作業していた古生物学者ロドリゴ・ミュラー氏のもとに、近隣で発掘しているチームの仲間から見事な化石の写真が届き始めた。

「その時点でもう、大腿骨と頭、つまり頭蓋の一部が見えていました」とミュラー氏は振り返る。「この地で、このタイプの恐竜はほとんどありません。とても珍しい発見で、すごく興奮しました」

 サン・ジョアン・ド・ポレジニの町で発掘されたその化石は、肉食恐竜としては最も古い時代に生きたものの一つであることがわかった。およそ2億3000万年前、三畳紀の森に暮らしていたとみられる。ミュラー氏ほかブラジルのサンタ・マリア連邦大学とサンパウロ大学の研究グループは、この恐竜をグナトボラクス・カブレイライ(Gnathovorax
cabreirai)と名付け、2019年11月に学術誌「PeerJ」に発表した。

 当時、南米はまだ超大陸パンゲアの一部だった。この個体は氾濫原で死に、近くの川から流れてきた堆積物に埋もれたのだろう。その結果、驚くほど損傷の少ない化石ができた。
この恐竜の骨格はほとんど完璧に保存され、頭蓋も無傷で残っている。これほど状態の良い化石は極めて珍しく、研究グループはCTスキャンを使って脳を再現することができた。その構造から、目や頭の運動をよくコントロールできる行動的な捕食者であることもわかった。この特徴は、鋭い歯や爪で獲物を仕留める際に役立っただろう。

一緒にいた哺乳類の祖先

 今回見つかったグナトボラクスは、体長約3メートルと、当時のブラジルにいた恐竜としては最も大きい。同時代に生きていたと考えられる別の肉食恐竜ブリオレステス・シュルツィ(Buriolestes
schultzi)は、その半分の体長しかなかった。

 グナトボラクスが属するヘレラサウルス科は、ごく初期の肉食恐竜のグループで、最初に現れたとされる恐竜の中の一群だ。ジュラ紀や白亜紀といった、後の時代に君臨するティラノサウルスなどの捕食者たちがこの系統から生まれたのかどうか、科学者たちは議論を続けてきた。今回のグナトボラクスの発見は、両者が別系統であることを示唆している。
 それでもグナトボラクスは、われわれ哺乳類にとって重要な役割を果たしていたかもしれない。今回の恐竜化石のそばでは、三畳紀の爬虫類リンコサウルス類2体分の骨と、現在の哺乳類の祖先であるキノドン類2体分の骨が見つかった。

「グナトボラクスは、キノドン類を小型の夜行性動物という生態的地位に押し込んだ進化の圧力の一つでした。この系統から2億2300万年後に生まれた生物(つまり人類)が、グナトボラクスの骨を掘り出して研究するだけの知性を備えるに至ったわけです」。サンパウロ大学の古生物学者で、今回の研究には関わっていないルイス・エドゥアルド・アネリ氏はこう話す。

 ブラジルでヘレラサウルス科の恐竜が見つかるのは、1936年に見つかったスタウリコサウルス・プリセイ以来のことだ。この恐竜の化石は現在、米ハーバード大学の比較動物学博物館で骨格が展示されている。だが、グナトボラクス・カブレイライの骨は、そこまでの長旅はしないだろう。化石は、サン・ジョアン・ド・ポレジニにある、サンタ・マリア連邦大学の古生物学研究支援センターに収められる予定だ。

 

 

 

 

穴瀬博一

2020年1月11日 (土)

200万年続いた「雨の時代」が恐竜の進化の引き金になったかもしれない

恐竜の大型化はどうして起こったのか。その疑問を解明する鍵は200万年の雨の時代にあるのかもしれません。

引用元:Gigazine リンク
----------------------------------
現代の約2億5000万年前から約5000万年続いた三畳紀の時代には、「200万年に渡る雨の時代」が存在したと考えられています。そんな雨の時代に「多数の恐竜が登場した」という説が存在します。

Natureによると、近年発掘された化石から、三畳紀の後期の2億3700万年から2億2700万年前を指す時代区分「カーニアン階」には、「恐竜の進化」が生じたとのこと。当時、地球の陸地は「パンゲア」と呼ばれるひと繋ぎの大陸で、哺乳類はもちろん鳥類なども生まれておらず、地上に生息していた動物は主に爬虫類。恐竜は、小型かつ二足歩行の種がごく少数しかいませんでした。

しかし、カーニアン階の間にステゴザウルスとトリケラトプスなどが属する鳥盤類や、ブラキオサウルスが属する竜盤類、そしてティラノサウルスが属する獣脚類の生物が登場。さらに、ウミユリ綱の生物や両生類、爬虫類の一部の種でも大量絶滅が生じたことがわかっており、カーニアン階には「何か」が起こった可能性が指摘されています。

加えて、2000年代にはインド地質調査所が「カーニアン階の地質から哺乳類の歯を発見した」と主張。ドイツで発見された歯も「哺乳類に属している可能性がある」と発表され、カーニアン階は「哺乳類が生まれた時期」という可能性も生まれています。

カーニアン階にさまざまな生物の発生・絶滅が生じた理由について、近年有力だと考えられているのが、「雨の時代」です。この時代には、2億3200万年前に起こったとされる「数十万年ないしは数百万年続いた火山噴火」によって、川や海が蒸発したことで雨が降り続いたと考えられています。

雨の時代にはさまざまな出来事が生じたと考えられています。2013年に論文が発表された石灰質の骨格を有する「石灰質ナンノプランクトン」という植物プランクトンやイシサンゴ目の大量発生もその1つ。石灰質ナンノプランクトンは「海の牧草」とも呼ばれ、大気と海洋の間で大気を循環させる役割に貢献しています。Natureは「カーニアン階に造礁サンゴと海洋プランクトンは『現代』に近いものになった」と記しています。これらの出来事の結果、海棲爬虫類が陸上に適応できるように進化し、いわゆる「恐竜」が誕生したと考えられているわけです。

上記の学説以外にも、カーニアン階に生命が進化を果たしたという説が複数存在しています。しかし、Natureは現代の年代測定技術では「誤差が生じる」として、「実際にカーニアン階に何が起きたのかについては断定的なことはわかっていない」と述べ、カーニアン階の実態について「さまざまな議論がある」と記しています。しかし、「過去10年間で多くの研究者がカーニアン階の岩盤の研究を集中的に行っている」と述べて、カーニアン階の研究が注目を集めていると報じています。

 

 

 

 

土偶

2020年1月 6日 (月)

太古の南極に羽毛恐竜がいた、初の証拠を発見―羽毛は体を温めるために進化した可能性も―

以下引用
(リンク
―――――――――――――――――――――――――――――――――

 太古の南極近辺に羽毛恐竜がいたことを示す、初めての確かな証拠が見つかったとする論文が、学術誌「Gondwana
Research」に11月11日付けで発表された。

 見つかったのは、白亜紀初期に当たる1億1800万年前の、非常に保存状態のよい羽毛の化石が10個。発掘地はオーストラリア南部だ。当時のオーストラリアは今よりもかなり南にあり、今の南極大陸とともに南極大陸塊を形成していた。現在の南極より暖かかったとはいえ、この羽毛をもつ恐竜たちは、極夜が続く何カ月もの冬に耐えていたはずだ(ちなみに白亜紀の後期は、南米の竜脚類が歩いて南極やオーストラリアに向かえるほど暖かい環境だった)。

「これまで、極地で羽毛の化石は見つかっていませんでした」と論文の共著者で、スウェーデンにあるウプサラ大学の古生物学者ベンジャミン・キアー氏は語る。「今回の発見は、羽毛恐竜や初期の鳥類が太古の極地に生息していたことを初めて示すものです」

これまでも、極地から恐竜の時代の鳥の細かい骨が見つかることはあったが、羽毛の化石が出土したのは初めてだ。南米ペルーで見つかったペンギンの絶滅種の化石には羽毛が閉じ込められていたが、それは大陸がかなり北に移動していた3600万年前ごろのものだ。

 恐竜たちは進化の過程で、さまざまな羽毛を発達させた。たとえば求愛のための羽毛や、飛ぶための羽毛だ。今回、かつての南極付近で見つかった羽毛は、そこに新たなヒントを与えてくれる。当時の南極では、小型肉食恐竜が厳しい冬を生き延びられるよう、羽毛が発達したかもしれないということだ。

「白亜紀の恐竜や初期の鳥は、羽毛をもつことによって高緯度地域でも温かく暮らすことができたのでしょう。そう考えれば、納得がいきます」とライアン・マッケラー氏は話す。同氏はカナダ、ロイヤル・サスカチュワン博物館のキュレーターで、羽毛の化石に詳しい。


羽毛の持ち主は?
 論文で取り上げられる羽毛はすべて、オーストラリア南東部、メルボルンの南東約150キロのところにあるクーンワラという場所で見つかった。1960年代に道路を作るために丘陵地を切り開いたところ、化石を多く含む地層が現れた。その後60年にわたり、魚や植物の化石が数多く見つかっただけでなく、保存状態のよい羽毛の化石も出土している。

 現在のところ、恐竜や鳥の骨とつながった羽毛は見つかっていない。そのため、生え換わりや羽づくろいの際に抜け落ち、風に飛ばされて古代の湖に落ちて底に沈み、泥の中で保存されたものと考えられている。

 37年以上にわたってクーンワラの発掘を率いてきたメルボルン博物館のトム・リッチ氏とモナーシュ大学のパトリシア・ビッカーズ=リッチ氏は、今回の論文のために、国際チームと協力して出土した化石の分析を行った。その結果、10個の羽毛の化石はそれぞれ異なるものであることが判明した。たとえば、保温用の綿毛を含むもの、飛ばない恐竜のものと思われる原始的な羽、現在の鳥がもつような飛行用の複雑な羽などだ。

キアー氏によると、ほとんどの羽毛は長さ2〜3センチ以下で、エナンティオルニス類(絶滅した原始的な鳥類で、白亜紀初期にはさまざまな種類がいた)のものと思われる。中にはとても小さなものもあり、生まれたばかりの個体の羽毛かもしれない。

 ただし、一つを除き、飛ぶために使えるものではないという。そのため、論文の筆頭著者で、スロバキアにあるパボル・ヨセフ・シャファーリク大学の古生物学者であるマーティン・クンドラット氏によると、いくつかの羽毛は地上で生活する肉食恐竜のものであった可能性が高いという。

 マッケラー氏は、「この原始的な羽は、中国の白亜紀初期の化石やカナダの白亜紀の琥珀から見つかった羽毛恐竜の原始的な羽と完全に一致します」と言う。

 大きさから考えれば、羽毛の持ち主はおそらくドロマエオサウルス科(ヴェロキラプトルやデイノニクスを含む足の速い肉食恐竜)などの小型恐竜だろう。オーストラリア南部では、細長い口吻をもつウネンラギアと呼ばれるドロマエオサウルスの仲間の化石が見つかっている。これは南米でよく見つかる恐竜で、魚を食べていた可能性がある。だとすれば、これに似た羽毛恐竜が白亜紀に湖のほとりで食べものを探していたとしても、つじつまが合う。

 メルボルンにあるスウィンバーン大学の古生物学者スティーブン・ポロパット氏は、「湖にはたくさんの魚の化石があるので、食べものには困らなかったはずです」と言う。


季節によって体色が変わっていた?
羽毛の化石からは、メラノソームと呼ばれるメラニン色素を貯蔵する細胞小器官も見つかっている。そこから、黒や灰色や茶色、または濃い色の縞模様をした恐竜だったことが考えられる。

 ポロパット氏は、極地で暮らす動物を考えれば意外なことだと言う。白い雪が積もる環境では、黒っぽい体色はカムフラージュにはならないからだ。現在、寒冷地に生息するライチョウのように、季節ごとに色を変えていた可能性も考えられるという。

「しかし、白亜紀の南極はそこまで寒くなく、単に白っぽくなる必要がなかっただけかもしれません」

 この謎を解くには、さらに多くの化石が必要になる。リッチ氏は、中国東北部で見つかった非常に保存状態のよい羽毛恐竜の化石のように、やがてクーンワラからも恐竜や鳥の完全な化石が出土するのではないかと期待を寄せる。

「実際にここオーストラリアで羽毛恐竜の骨格が見つかれば、すばらしいことだと思います」とポロパット氏は言う。「私たちが知るかぎり、その可能性が高いのはクーンワラなのです」

光るサメの謎

下記,リンクより引用

別サイトでは「サメの驚異的な性質がまた1つ明らかになりました」と記載された記事も。リンク
※光るサメの動画あり。蛍光色素に抗菌作用も

***************************

「深海」と聞いて思い浮かぶのは,どこまでも真っ暗闇の冷たい世界だ。しかし実際は,そこは夜空のように生物たちの光が点在する賑やかな場所かもしれない。青白く光るサメに,チカチカ輝くヒカリキンメダイ。生物の発光現象は時代を超えて多くの科学者を魅了してきた。

2018年9月,沖縄美ら海水族館の佐藤圭一統括らは沖縄本島近海の深海で「光るサメ」の撮影に成功した。深海に暮らすサメの一種,ヒレタカフジクジラはこれまでも水槽の中で光る様子が確認されていたが,深海底における「野生の発光」をとらえたのはこれが初めてだ。光るサメの詳しい研究によって,彼らが異なる手法を使って体の様々な部位を光らせていることもわかってきた。

「ここまでやるのか」。2019年11月には中部大学の大場裕一教授らが,深海に暮らす発光魚がスポットライトのように狙った場所へ光を放つ巧妙な仕組みを明らかにした。光線の向きを緻密に制御する彼らは,さながら深海の「光学技師」のようだ。

どうして発光する生物たちの「光る仕組み」はこれほどに巧妙で,また多様なのだろうか。これは発光生物を研究する生物学者たちを悩ます大きな問いであり,進化という現象そのものに対する問いでもある。近年,分子生物学を武器にしたこの問いへの挑戦も始まった。進化の新たな側面に光が当たり始めている。

***************************
引用終わり
 

 

2020年1月 5日 (日)

恐竜の脳の大きさ 彼らは何を考えていたのか

実現塾でも議題にされる”恐竜””脳”!
あんなに大きな恐竜の脳はどうなっていたんだろう。

リンク


恐竜の脳の大きさは?

恐竜達の脳はどの程度の大きさだったのでしょう。
ワニやカメ程度?ニワトリくらい?
 残された痕跡から、脳の大きさ、そして知性に迫ります。

恐竜の脳の痕跡について

恐竜の脳の大きさを探る痕跡は彼らの化石に残されています。
 頭蓋腔と呼ばれる頭骨内の空間は、大脳の発達と比例しており、
現代の生物と比較する事で脳の大きさを想像する事が出来ます。

また、2016年10月にケンブリッジ大学が発表した研究結果には、脳の化石を発見した内容が含まれており、そのサイズ、組織の研究が進む事でより鮮明に彼らの脳を明らかにする事が出来るようになるでしょう。

恐竜の脳、現在の予測

頭骸骨をCTスキャンし、その容量を測った現代の予測では恐竜の脳の重さは以下の様に考えられています。

ティラノサウルス 530グラム
トリケラトプス 70グラム
ステゴサウルス 28グラム
トロオドン 50gグラム

上記は頭蓋腔内を脳が埋め尽くしていた場合の予測なので、実際にはもう少し少ないのではないかといわれています。現代の生物の脳の重さは、人間の脳は1300グラム、ダチョウは90グラム程度です。

体重と脳重量の比率

恐竜は現代の生物に比べかなり大きな体を持っていました。人間と象の知能を比較する場合も、単純に脳の重量のみを比較するのではなく、体重に対する脳の割合を使って比較をします。恐竜の体重に対する脳の重量はどの程度だったのでしょうか。

体重と脳の重さを比較し数値にする脳化指数を使って比較してみましょう。

人間
7.4
バンドウイルカ 5.3
トロオドン 5.3
ティラノサウルス 2.32
チンパンジー 2.3
カラス
1.2
トリケラトプス 0.75
ニワトリ
0.25

現代の生き物と比べて恐竜は体重、脳重量共に正確ではありませんが、上記のような結果になりました。

脳の大きさから思いを巡らせる

ティラノサウルスは化石の研究結果から嗅覚が発達していたと思われるので、
脳のリソースはこちらの部分が大きかったのかもしれません。脳の大きさとはイコール知性では無いのです。では大きな脳は一体どんな事を考えていたのでしょう。

水場や狩猟ターゲットの特徴を短期的には記憶していたのでしょうか。ひょっとしたら象のように長期的に知っていたのかもしれません。

ロオドンは脳化指数を見るとかなり大きな脳を持っていたといえます。イルカのように群れで狩りをし、囮を使い、コミュニケーションを取る事が出来たのでしょう。

筆者は上記のような感想を持ちましたが、皆さんはいかがだったでしょうか。脳細胞の研究が進めば、知性を司る大脳皮質の厚さや神経細胞の密度など、どの部分が発達していたのか、もっと具体的な恐竜の脳の大きさが分かる日が来るでしょう。

恐竜の脳は比率で見ても現代の生き物と同程度の大きさを持っていたと言えます。どんな事に脳のリソースを使っていたのでしょう。化石から発達した器官を見つけ、脳の大きさから彼らの生活を想像する事で当時の姿に一歩近づけるのかもしれません。

こうみると人間の脳化指数ってすごく高いですね!

 

 

 

匿名希望

魚から四肢動物へ 見えてきた上陸前後の変化

下記,リンクより引用

***************************

生命が地球に誕生して以来,約40億年,進化は時として驚くべき変貌を生物にもたらした。最もめざましい変貌の1つが,水中にすむヒレを持った魚類から,指を備えた脚で大地を踏みしめる動物が生まれてきたことだろう。つまり,四肢動物の誕生だ。以来,カエルなどの両生類から鳥類とその祖先である恐竜,トカゲやヘビ,カメ,そして人類をはじめとする哺乳類まで,さまざまな四肢動物が現れた。

 岸に上がろうとした四肢動物は,それまでどの脊椎動物も経験したことのない困難にぶつかったはずだ。ヒレを四肢に変えて歩けばいいという単純な問題ではなかった。陸上は水中とは根本的に異なる環境だ。呼吸をする,音を聞く,重力に対抗するなど,数えきれないほどの変革が体に生じなければならなかった。

 15年ほど前まで,魚類から四肢動物へと進化する過程で,何がどういう順番で起きたのかは,化石がないため,ほんのわずかしかわかっていなかった。有名なイクチオステガはすでに完全な四肢動物で,魚類と四肢動物の途中段階の化石がまったくなかったのだ。

 手掛かりが少なかったので,推測に過ぎない仮説しかなかった。50年以上前にハーバード大学の古脊椎動物学者ローマー(Alfred
Sherwood
Romer)が提唱したもので,乾燥化して水が干上がり,陸に出る羽目になった魚のうち,筋肉質のヒレをもつものが別の水たまりまで体を引きずっていくうちに,より遠くの水場までたどり着ける魚が自然選択で生き残り,ついにはヒレを四肢に進化させた動物が現れたという説だ。言いかえると,ヒレから四肢を進化させる前に魚類は水から出たという考え方だ。

 しかし,初期の四肢動物と思われるアカントステガの非常に状態の良い化石の発見をきっかけに,この15年でヒレから四肢への転換をたどることのできる化石がたくさん発見された。そのおかげで,四肢動物の初期進化やその多様性,分布,生態などについての従来からの考えは大きく変わった。最初に起きた変化は,移動に関するものではなく,呼吸に関してだった。浅瀬で水中生活をしている魚が,エラだけでなく肺でも呼吸を始め,四肢は頭を水面から出すときに使われたようだ。

***************************
引用終わり

 

 

 

我妻佑磨

2020年1月 3日 (金)

人類による地球の大量絶滅時代へ⇒緊結の追求課題

地球を構成する生態系のすべてにおいて、絶滅・急減が進行している。この要因は、自然環境の変動ではなく、人類による環境破壊が主であると結論付けられている。自然環境をどう再生していくのか、これは次の時代を生きていく我々が追求していくべき未知課題だ。

■動植物
〇地球大量絶滅時代「現代は6度目の絶滅期」
リンク

〇人類のせいで「動植物100万種が絶滅危機」=国連主催会合
リンク

■動物の絶滅・急減
〇キリンが直面する「静かなる絶滅」
リンク

〇絶滅寸前のサイ、マレーシア最後の1頭が死亡
リンク

〇ハゲワシが激減、原因は人間が「復讐」に使う毒
リンク

〇ウナギとワカサギの激減、殺虫剤が原因か、宍道湖
リンク

〇愛らしいカモノハシが急減 初の本格調査で判明
リンク

■海洋生物
〇深刻化する海の危機『Living Planet
Report<海洋編>』発表
・マグロやサバ、カツオなどが過去40年間で74%減少
・サンゴ礁や海草藻場に生息する魚類が過去40年間で34~70%減少
リンク

■昆虫の絶滅・急減
〇恐竜絶滅以来、最大の環境カタストロフィー 「昆虫の黙示録」はもう始まっている
リンク

〇この世の昆虫の数は回復不能なレベルで減少していた :
羽を持つすべて昆虫類の生息量が過去27年間で75パーセント以上減っていたことが判明。
リンク

〇地球上の昆虫の減少が「カタストロフ的なレベル」であることが包括的な科学的調査により判明。科学者たちは「100年以内にすべての昆虫が絶滅しても不思議ではない」と発表
リンク

■森林の急減
〇森林破壊、年間1300万ヘクタールと FAO
リンク

 

 

 

萩元宏樹

2020年1月 2日 (木)

共進化と共生関係

異なる生物同士が、密接な共生関係の中、進化していくことを「共進化」というようだ。このような進化を遂げる生物は、意外と少なくない。

以下「はじめての進化論」(リンク)より引用します。

■ ■ ■

クジラとイカの”イタチごっこ”
イルカやクジラは、ソーナー(超音波によって目標物の位置を知る方法)を使って獲物を見つける。音波を出して魚やイカなどから反射してくるエコーを聞き分け、獲物の方向や距離を知るのだ。コウモリも同様に、超音波を出して獲物の位置を見つけることで知られている。

 潜水艦や戦闘機は、相手のレーダーやソーナーに捕らえられないような工夫がなされている。一つの方法は、相手のソーナーをいち早くキャッチして逃げることである。生物界でも同様に、コウモリの餌となる蛾は、コウモリの出すソーナーをより遠くで聞くことができ、コウモリが現在どの方向にいるかによって飛び方を変えている。

 しかしイカやタコは、イルカやクジラのソーナーを聞くことはできない。なぜなら、彼らには音を聞く耳のような器官がないからだ。一説では、クジラは餌を捕らえるとき非常に大きな音を出して、相手を気絶させて捕まえるので、タコやイカは音を聞こえなくして、それを避けているのだともいう(もっとも、この説は疑わしいが)。

 音が聞こえないかどうかは別として、イカやタコや多くの魚は、捕食者のソーナーに対して無防備ではない。たとえば、魚の浮袋は空気が入っているためよく音を反射するので、クジラやイルカのソーナーや漁師の魚群探知機は、その反射音をキャッチして魚を見つけている。そこで魚の中には浮袋をもたないものも現れ、ソーナーからうまく逃れることができているのだ。また、イカやタコなどは、温度や塩分濃度の異なる層の境界を泳いでいるともいわれる。そういった境界はソーナーを強く反射するので、イカやタコを見つけるのが難しいからである。潜水艦が相手のレーダーに感知されないように次第に改良されていくように、魚やイカやタコなども、捕食者のソーナーから逃れるような性質を進化させているのかもしれない。

 しかし、クジラの方もまた、相手の対ソーナー戦略に対抗するような性質を進化させても不思議ではない、魚が大群でいると、クジラのソーナーはうまく機能しないらしいが、そんなとき、クジラは最初に大きな音を出して相手に衝撃を与えて、一瞬気絶させ、その後、ソーナーで分散した個体を追跡するという手段を使っているという。

「軍拡競争」による共進化
 前項のように、餌となる生物(被食者)は捕食者がどのように餌をとるかに対抗して、捕食者から逃れるような性質を進化させる。逆に捕食者は、その被食者の性質に対抗できるような性質をさらに進化させることもあるだろう。

 このように、異なる生物(異なる遺伝子交流集団に属する生物)同士がお互いの影響を受け合って進化していく過程を、「共進化」という。この進化も、これまで述べてきた自然選択による進化と基本的に同じである。つまり、捕食者からよりうまく逃れられる性質をもったものが、集団内に増加していくことによって起こるのだ。

(中略)

「共生」における共進化
 このような共進化の関係は、捕食者-被食者、寄生者-宿主の関係だけでなく、同じ餌を利用する異生物間の競争関係、また、異生物が一緒に生活する共生関係などでみられる。

 「共生」とは、広い意味では、異なる生物が密接に関わり合って生活する場合すべてを意味するのだが、ここでは、異なる生物が互いに利益を及ぼし合っている共生関係(シンビオシス)についてみてみよう。

 たとえば、花を訪れる昆虫は、蜜をもらうかわりに花の花粉を運ぶことで、お互いに利益を得ている。花をつける植物の側では、より多くの昆虫を引きつけることができるように、花の色や形や蜜の成分が進化するだろう。昆虫の側では、蜜がよりうまく吸えるように、口の形が進化するかもしれない。

 また、牛の胃に棲む微生物は、ウシが餌をもたらしてくれるかわりに、餌の成分であるセルロースを分解してウシの消化を助けている。さらに、ウシの胃の中で死んだ微生物は、タンパク源としてウシに利用される。ウシの方でも、微生物が草を発酵、分解しやすいように大きな胃を進化させ、また微生物もウシの胃の中でうまく繁殖し、ウシには害を与えないような性質をもったものが進化する。この微生物は、ウシの子どもが母親のフンや口のまわりをなめることで、代々伝えられていく。

 こうした進化は、共生関係にある生物同士による「共進化」といえる。

 さらに、密接な共生関係が進化したものとしては、細胞とその器官である葉緑体やミトコンドリアとの関係が知られている。葉緑体やミトコンドリアは、はじめは独立した生物だったと考えられているが、現在では、一つの生物の細胞の器官として機能している。宿主の細胞に有機物やエネルギーを供給する代わりに、細胞内で保護をうけ、維持に必要な成分をもらっているのだ。

 このように、共生関係には、別々の生物間にみられるものから、一つの生物体のようにふるまっているものまで多彩である。この共生関係の進化もまた、「他の生物と共生する」という性質が、自然選択によって同じ生物集団の中に広まった結果なのである。

 最後に一つ。ウシが微生物と共生するように、一つの生物の遺伝的な変化ではなかなか進化できない性質(セルロースを分解するというような)でも、遺伝的に違った性質をもつもの同士が一緒になって、新しい性質を獲得するということができる。つまり、共生は新しい性質の進化にも重要であることを申し添えておこう。

 

 

 

 

末廣大地

最初の生命は海で生まれたのではなく、地球深部で生まれて進化したのかもしれない

リンク

(前略)

3.
地球外生命が存在する可能性

 DCOが期待を高めてくれたものは他にもある。地球以外の惑星に生命が存在する可能性についてだ。

 純粋なダイヤモンドは炭素のみからできているが、ほとんどのダイヤモンドには不純物が含まれている。こうしたダイヤモンドは宝石としての質は劣るが、研究にとっては非常に貴重。地球深部に暮らす生物のエネルギー源となるメタンが含まれているからだ。

 高圧下で水がカンラン石というありふれた鉱物と出会うと、カンラン石は蛇紋石という鉱物に変化し、同時にメタンを生成する。地球深部の高温・高圧下で、微生物が岩石由来の化学エネルギー(メタン)を利用して生きることができるなら、地球以外の惑星でもそうした生命の可能性が高まるだろう。

 この発見から、最初の生命は一般に信じられているように海で生まれたのではなく、地球深部で生まれて進化したのかもしれないとする仮説も登場している。

「DCOはこの仮説に重要な証拠をもたらしました」と米アルフレッド・P・スローン財団の科学顧問を務める米ロックフェラー大学のジェシー・オーズベル氏は言う。

 ダイヤモンドは、DCOの研究者に別の証拠も与えた。地球深部には全海洋よりも多くの水があることがわかったのだ。ただし、その水のほとんどは液体ではなく、鉱物の結晶中に存在している。炭素の場合と同様、巨大なプレートの沈み込みによって、地球深部に水が引き込まれたものと考えられている。


(後略)

 

 

 

 

吉 四六

2020年1月 1日 (水)

球状コンクリーション究明で拡がる可能性(2)

==========
名古屋大学/岐阜大学 リンク

◆地質年代決定法としての活用


 名古屋大学博物館の吉田英一教授らの研究グループは、海底に堆積してできた堆積岩から産出する「球状コンクリーション」に含まれるストロンチウムの同位体比を用いて、高精度で地質年代を決定することに世界で初めて成功した。

 堆積岩中に普遍的に形成される炭酸カルシウムの球状岩塊、「球状コンクリーション」は、これまでの研究から、地層の堆積後、生物起源の炭酸と海水中のカルシウムイオンとの反応で、非常に速く(数ヶ月~数年程度で)形成されることがわかっている。

 この球状コンクリーションは、海底下の地層中で急速に成長する際、海水からストロンチウムを取り込み、堆積当時の海水中のストロンチウム同位体比をそのまま記録として封じ込める磁気テープのような役割を果たす。カンブリア紀から現世まで、海水のストロンチウム同位体比曲線は既に確立されていることから、本研究グループはこれを利用し、コンクリーション中のストロンチウム同位体比からコンクリーションの形成年代=堆積地層の形成年代(地質年代)の測定を試みた。その結果、従来の化石を用いた推定(通常、+/-100万年程度の誤差をもつ)よりも、約10倍高精度(+/-10万年程度の誤差)で地質年代を求められることが明らかとなった。

 本成果により、コンクリーションを使ってこれまでより高い精度で地質年代の決定が可能となるだけでなく、化石を産出しない世界中の堆積岩においてもコンクリーションによって地質年代の測定が可能となる。今後、これまでにない地質年代決定法として、地球科学分野や地球資源工学分野での幅広い応用と利用が期待されるとしている。

 

 

 

 

小圷敏文

球状コンクリーション究明で拡がる可能性(1)

土産物屋で見かけることのあるアンモナイトの化石などは、球状コンクリーションという構造物によるタイムカプセルによって保護されている。その生成メカニズムを応用しようという試みが端緒についた。真摯な自然からの学びを社会課題実現のために利用しようとする動きである。

==========
名古屋大学/岐阜大学 リンク

◆コンクリートの亀裂修復、
 長期的地下水抑制などへの応用への期待


 名古屋大学博物館の吉田栄一教授らの研究グループは、化石等を内包する球状の岩塊「球状炭酸塩コンクリーション」の成因論について、世界で初めて統一的に解き明かすことに成功した。

 堆積岩中に普遍的に形成される炭酸カルシウムの球状岩塊(球状コンクリーション)は、約1世紀も前からその成因論について議論がなされてきた。しかし、その明確な成り立ちは不明のままで、形成条件や形成速度を表す関係式についても、統一論としての検証が課題となっていた。

 今回、研究グループは、日本国内および海外の100試料を超える球状コンクリーションからその形成速度と形成条件を検証した。結果、球状コンクリーションが生物起源の炭素と海水中のカルシウムイオンとの急速な反応で形成されることを明らかにした。また、その形成条件はD=VL(D:拡散係数、V:形成速度、L:反応縁の幅)という関係式で統一的かつ汎用的に示されることを世界で初めて発見した。

 さらに、炭酸塩球状コンクリーションの形成速度については、数十万~数百万年はかかるとされていた従来の概念を覆し、実際には数ヶ月~数年程度という非常に速い速度で成長することも解き明かした。

 今回明らかとなった形成条件から、球状コンクリーション形成の再現実験が可能となる。これにより、トンネル内コンクリートの亀裂修復や、大規模地下環境利用(リニアやエネルギー地下備蓄、地下廃棄物処分など)に伴うメンテナンスフリーの長期的地下水抑制(シーリング)技術への応用・実用化に弾みがつくことが期待されている。

 

 

 

 

小圷敏文

ウイルスは、エネルギーを含めた飢餓適応で、休眠機能を獲得した寄生生物ではないか?

細胞膜に囲まれ、自力で代謝や複製を行うものを生物と定義し、細胞膜の無い(と考えられていた)ウイルスは自力でそれらが出来ないため生物ではないとされた。

しかし、この分類は光学顕微鏡しかなく、細胞が生物の最小単位として考えられていた時代の認識を引きずっている。その後DNAをはじめ様々な生物構成要素とその働きがわかってきて、かつ、原核細胞並みの巨大ウイルスも発見されている現在、この定義ほどナンセンスなものはない。

例えば、今までウイルスはインフルエンザウイルスのような、
・極めて小型で遺伝子数も数個レベル
・病原性を持つ
・DNAかRNAのどちらかの片方の遺伝子をもつ
・タンパク質合成は宿主側のリボソーム(タンパク質工場)を使用するので、タンパク質翻訳に関わる遺伝子を持たない

などの定義であった。

しかし、巨大ウイルスでは、
・原核細胞ほどの大きさを持ち
・病原性をもたないものが多数発見
・細胞性生成物のようにDNAとRNAの双方を持つものも登場
・宿主中に自力でリボソーム(タンパク質製造工場)をつくる。そのため、タンパク質翻訳に関わるt-RNA、翻訳を開始するRNA酵素などの遺伝子を持つものもある

など、これらの様々な組み合わせがあり多様な進化の形跡がある。これは、寄生ということを除けば、細胞性生物と極めて近い。

また、巨大ウイルスに寄生する小型ウイルスも存在する。これから防衛するために、巨大ウイルスの中には小型ウイルスのDNAを自らのDNAに組み込み(水平伝搬)、小型ウイルスが侵入してきた際に、それをRNAに転写して、そのRNAが敵を分解してしまうという免疫に近いシステムをもっているものもいる。

他方、ウイルスといえば、何か乾燥した粉のようなイメージを持ってしまうが、固いタンパク質のカプシドという覆いのほかに、小型のインフルエンザウイルスでは、その外側に宿主細胞由来の脂質膜を、巨大ウイルスでは、その内側も自己合成した脂質膜(細胞膜)をもっている。

そして、その中にDNA・RNA・タンパク質などは入っていることからすると、当然水分も保持されていると思う。なぜならば、水がなければ、RNA分子もDNA分子もタンパク質も、特定の立体構造をとることができないからである。

その理由は、生体分子の末端にくっついた水分子も含めた電気(イオン)的なプラスマイナスの引力や斥力が、その立体構造をつくっているからである。そうであれば、代謝も可能であり、ますます細胞性生物との差がなくなってきた。また、DNAやRNAが生物以外で合成できる可能性もほとんどない。

そうすると、ウイルスとは、初期細胞性生物が環境変化に追随できなくて飢餓状況に陥り、その打開策として寄生する戦略をとり、宿主が死んだ際のリスク回避として、代謝を極限まで落として休眠状態になった生物ではないか?

それは過去から現在まで、生物は常に飢餓状況に置かれているという事実からもわかることだが、地球環境のほとんどの部分は栄養価が低い地域で占められ、現在でも、海は生物にとって飢餓砂漠といわれるくらい餌をとるのが困難な環境だからだ。

現に、細胞性生物にあってウイルスにないものは、飢餓に適応するための高性能なエネルギーの受信・創出・蓄積機能などである。

その進化過程の仮説は、

始原生命体が、海底の熱水噴出孔などの、エネルギーも栄養物質も豊富なかなり狭いところで誕生した。そこでは、エネルギーも物質も自身に取り込むことが可能であった。

しかし熱水噴出口が枯れてきて住めなくなったり、海流で流されたりして生存に適した環境から外れても生きていくには、高性能なエネルギーの受信・創出・備蓄機能などを獲得して、好環境地域へ移動するという進化が要になった。

そこで進化できた種は次の好環境地域まで生き延びることができたが、進化できなかった種は、寄生戦略をとるしかなかった。寄生対象は先の機能獲得した生物で、これに侵入して生き延び、好環境地域に移動もできた。

そして、宿主生物は新機能獲得で大型化したとはいえ、相手に入り込むためには、体を小さくするしかなかった。そのため、順次余計な機能をそぎ落としていくが、宿主が死ぬと適応できない環境に放り出される。

そこで、代謝を極限まで落とした体をつくり、不適応時は休眠状態になる進化を成し遂げた。だから、ウイルスは進化するほど小型化し、古いウイルスは巨大ウイルスのまま現存しているという、通説とは逆の進化を遂げたのではないか?

 

 

 

本田真吾

« 2019年12月 | トップページ | 2020年2月 »

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ お勧めサイトランキングへ
2020年10月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

カウンター

最近のトラックバック

無料ブログはココログ