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2020年1月 6日 (月)

太古の南極に羽毛恐竜がいた、初の証拠を発見―羽毛は体を温めるために進化した可能性も―

以下引用
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 太古の南極近辺に羽毛恐竜がいたことを示す、初めての確かな証拠が見つかったとする論文が、学術誌「Gondwana
Research」に11月11日付けで発表された。

 見つかったのは、白亜紀初期に当たる1億1800万年前の、非常に保存状態のよい羽毛の化石が10個。発掘地はオーストラリア南部だ。当時のオーストラリアは今よりもかなり南にあり、今の南極大陸とともに南極大陸塊を形成していた。現在の南極より暖かかったとはいえ、この羽毛をもつ恐竜たちは、極夜が続く何カ月もの冬に耐えていたはずだ(ちなみに白亜紀の後期は、南米の竜脚類が歩いて南極やオーストラリアに向かえるほど暖かい環境だった)。

「これまで、極地で羽毛の化石は見つかっていませんでした」と論文の共著者で、スウェーデンにあるウプサラ大学の古生物学者ベンジャミン・キアー氏は語る。「今回の発見は、羽毛恐竜や初期の鳥類が太古の極地に生息していたことを初めて示すものです」

これまでも、極地から恐竜の時代の鳥の細かい骨が見つかることはあったが、羽毛の化石が出土したのは初めてだ。南米ペルーで見つかったペンギンの絶滅種の化石には羽毛が閉じ込められていたが、それは大陸がかなり北に移動していた3600万年前ごろのものだ。

 恐竜たちは進化の過程で、さまざまな羽毛を発達させた。たとえば求愛のための羽毛や、飛ぶための羽毛だ。今回、かつての南極付近で見つかった羽毛は、そこに新たなヒントを与えてくれる。当時の南極では、小型肉食恐竜が厳しい冬を生き延びられるよう、羽毛が発達したかもしれないということだ。

「白亜紀の恐竜や初期の鳥は、羽毛をもつことによって高緯度地域でも温かく暮らすことができたのでしょう。そう考えれば、納得がいきます」とライアン・マッケラー氏は話す。同氏はカナダ、ロイヤル・サスカチュワン博物館のキュレーターで、羽毛の化石に詳しい。


羽毛の持ち主は?
 論文で取り上げられる羽毛はすべて、オーストラリア南東部、メルボルンの南東約150キロのところにあるクーンワラという場所で見つかった。1960年代に道路を作るために丘陵地を切り開いたところ、化石を多く含む地層が現れた。その後60年にわたり、魚や植物の化石が数多く見つかっただけでなく、保存状態のよい羽毛の化石も出土している。

 現在のところ、恐竜や鳥の骨とつながった羽毛は見つかっていない。そのため、生え換わりや羽づくろいの際に抜け落ち、風に飛ばされて古代の湖に落ちて底に沈み、泥の中で保存されたものと考えられている。

 37年以上にわたってクーンワラの発掘を率いてきたメルボルン博物館のトム・リッチ氏とモナーシュ大学のパトリシア・ビッカーズ=リッチ氏は、今回の論文のために、国際チームと協力して出土した化石の分析を行った。その結果、10個の羽毛の化石はそれぞれ異なるものであることが判明した。たとえば、保温用の綿毛を含むもの、飛ばない恐竜のものと思われる原始的な羽、現在の鳥がもつような飛行用の複雑な羽などだ。

キアー氏によると、ほとんどの羽毛は長さ2〜3センチ以下で、エナンティオルニス類(絶滅した原始的な鳥類で、白亜紀初期にはさまざまな種類がいた)のものと思われる。中にはとても小さなものもあり、生まれたばかりの個体の羽毛かもしれない。

 ただし、一つを除き、飛ぶために使えるものではないという。そのため、論文の筆頭著者で、スロバキアにあるパボル・ヨセフ・シャファーリク大学の古生物学者であるマーティン・クンドラット氏によると、いくつかの羽毛は地上で生活する肉食恐竜のものであった可能性が高いという。

 マッケラー氏は、「この原始的な羽は、中国の白亜紀初期の化石やカナダの白亜紀の琥珀から見つかった羽毛恐竜の原始的な羽と完全に一致します」と言う。

 大きさから考えれば、羽毛の持ち主はおそらくドロマエオサウルス科(ヴェロキラプトルやデイノニクスを含む足の速い肉食恐竜)などの小型恐竜だろう。オーストラリア南部では、細長い口吻をもつウネンラギアと呼ばれるドロマエオサウルスの仲間の化石が見つかっている。これは南米でよく見つかる恐竜で、魚を食べていた可能性がある。だとすれば、これに似た羽毛恐竜が白亜紀に湖のほとりで食べものを探していたとしても、つじつまが合う。

 メルボルンにあるスウィンバーン大学の古生物学者スティーブン・ポロパット氏は、「湖にはたくさんの魚の化石があるので、食べものには困らなかったはずです」と言う。


季節によって体色が変わっていた?
羽毛の化石からは、メラノソームと呼ばれるメラニン色素を貯蔵する細胞小器官も見つかっている。そこから、黒や灰色や茶色、または濃い色の縞模様をした恐竜だったことが考えられる。

 ポロパット氏は、極地で暮らす動物を考えれば意外なことだと言う。白い雪が積もる環境では、黒っぽい体色はカムフラージュにはならないからだ。現在、寒冷地に生息するライチョウのように、季節ごとに色を変えていた可能性も考えられるという。

「しかし、白亜紀の南極はそこまで寒くなく、単に白っぽくなる必要がなかっただけかもしれません」

 この謎を解くには、さらに多くの化石が必要になる。リッチ氏は、中国東北部で見つかった非常に保存状態のよい羽毛恐竜の化石のように、やがてクーンワラからも恐竜や鳥の完全な化石が出土するのではないかと期待を寄せる。

「実際にここオーストラリアで羽毛恐竜の骨格が見つかれば、すばらしいことだと思います」とポロパット氏は言う。「私たちが知るかぎり、その可能性が高いのはクーンワラなのです」

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