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2020年2月 9日 (日)

最古の「子守り」か? 3億年前の新種化石を発見―子どもを尾で守るトカゲ風の生物、太古の哺乳類の祖先―

以下引用
(リンク
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カナダ東部、ノバスコシア州のケープブレトン島。今は典型的な北方林が広がるこの島は、3億6000万年前から3億年前ごろの石炭紀と呼ばれる時代、太古の巨大植物が茂る亜熱帯の湿地だった。

 化石になって残るそれらの幹や根の中からは、当時このあたりに生息していた動物の化石が数多く見つかっている。よくわからない化石も多いが、なかには保存状態の良いものもある。

 今回、この島で石炭紀の生物の新種が見つかったほか、当時から「複雑な子守り」が行われていた可能性も浮上している。12月23日付けの学術誌「Nature
Ecology & Evolution」に論文が発表された。

寄り添うようにして見つかった

 論文によると、今回出土したのは約3億900万年前のバラノピド科の化石。見た目はトカゲのようなバラノピド科は、哺乳類の祖先に当たる単弓類に属すると考えられてきたグループだ。今回の化石の足の後ろには、尻尾で取り巻いた状態の小さな頭骨も見つかった。成体と同じ種の幼体のものに見える。

「このグループの動物では、これまで見つかった中で最古の子守りの例だと考えています」と、論文の共著者で、カナダ、カールトン大学の古生物学者であるヒラリー・マディン氏は話す。

 化石から子守りのような行動を推定するのは、少し飛躍しすぎと感じるかもしれない。しかし、バラノピド科の生物が大小寄り添うようにして見つかった化石は、これが初めてではない。以前に南アフリカで見つかった化石では、成長した個体が前足で複数の子どもたちを覆い、まるで子どもを守ろうとしているように見える。今回カナダで見つかった化石もそれに似ているが、4000万年ほど古い。

 オーストラリアのタスマニア大学でトカゲの子守りについて研究している進化生態学者のジェフリー・ホワイル氏は、「もちろん直接見ているわけではないので、複雑な行動を推測する場合は十分注意する必要があります」と述べる。「しかし、この化石は親子の交流の証拠と解釈できます。また、こうした交流がなければ、子守りがさらに複雑な形態に進化することはありません」


子守りの進化解明へのカギ
 ただし、大小の個体が親子かどうか、また成長した個体がメスかどうかはわからないという。それでも、論文の著者らは、「木」と「面倒を見る母親」という意味のギリシャ語と、先住民ミクマク族によるケープブレトン島の名前にちなみ、この新種にDendromaia
unamakiensisという学名をつけた。

 恐竜の子守りに関する証拠を発見したことがある米モンタナ州立大学の古生物学者デビッド・バリッキオ氏は、「化石に残された記録から複雑な行動を証明するのは、とても難しいことです」と言う。しかし、この化石はとても保存状態がよく、隠れ家のような場所に一緒にいる成体と幼体のものであるという点には、同氏も賛同している。そのため、子守りの「証拠となる可能性が高い」という。

「この化石から、哺乳類の祖先における子守りの起源は早かったらしいことがわかります。恐竜でも子守りをしていた証拠が増えつつあり、それが鳥にも引き継がれました。両グループの子守りの起源は数千万年、ひょっとすると数億年さかのぼることになるかもしれません」

 ホワイル氏は、親と子どもが一緒に過ごし始めたことは、複雑な子守りへと進化するために欠かせないステップだったのかもしれないと言う。現在の鳥や哺乳類、爬虫類は、卵や子どもを守ったり、子どもに食べものを与えたり、食べものの探し方を見せたりと、さまざまなレベルの子守りを行っている。

「ある種のなかでこうした交流が習慣になれば、親が子どもを守ったり食べものを与えたりといった、さらに高度な子守りに向けて進化する可能性があります」とホワイル氏は話す。ただし、今回発見された新種でこういった子守りが行われていたかどうかは、化石からはわからない。

 ホワイル氏によると、トカゲは従来、子どもの面倒見が良いとは考えられてこなかったが、「今では、100種近くのトカゲやヘビで、親子の交流を示す証拠が見つかっています」と言う。こういった交流は証明しづらいために現在は100種にとどまっているが、今後は徐々にその数が増えると、同氏は見ている。

 

 

 

 

穴瀬博一

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