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2020年2月 3日 (月)

医者や医療従事者が「ジェネリック薬」を飲まないこれだけの理由(2/3)

デイリー新潮 リンク より、以下転載 続き
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 むろん、「思わない」のは臨床の現場での経験にもとづいてのことだという。

「使ってみれば、効きの違いがわかるものです。たとえば、危篤状態に陥った患者さんに点滴するドパミン塩酸塩。危篤状態とは、様々な体液が循環不全となり、ショックを引き起こし、容体が悪化すること。そのような緊急時に血圧を安定させ、心不全を改善し、利尿作用を促し、体液の循環をよくする緊急薬の定番です。これがブランド品とジェネリックとで効果に大きな差があるのです。看護師だって“ジェネリックのほうは効果が半分かな”と言っています。ブランド品なら、1分間の点滴滴散が10滴で効くのに、ジェネリックだと15滴でも、20滴でも、そのレベルに至らないことがある。結果が血圧や心拍数として、数字にはっきり出ます。ブランド品は値段が4倍もし、使いすぎると病院経営を圧迫するし、役所からも目をつけられます。それでも自腹を切って使うこともありますよ」

 ただし、効果が異なる理由はわからないという。そういう前提で、ほかに先行薬のほうが効いた薬の製品名を挙げてもらった。

「循環薬ノルアドレナリン、副腎皮質ホルモンのヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム、止血剤シメチジン、呼吸不全治療薬ジモルホラミンなど、緊急薬として使うものが多い」

 前出の秋津医師も、

「ジェネリック全体でみれば、レベルは相当上がっています」

 と言いつつ、こう語る。

「高血圧の患者さんに処方する血管拡張剤のニフェジピン。時間をかけて体内で溶ける徐放(じょほう)性製剤でLとCRがあり、Lは12時間、CRは24時間かけて徐々に効いていきます。これをジェネリックに替え、“ドキドキする”“顔が赤くなる”と訴えてきた患者さんがいました。また、ぜんそくの患者さんに処方する気管支拡張剤のツロブテロールテープ。皮膚に貼る経皮吸収型製剤で、1日かけて徐々に効くように調整されていますが、ジェネリックによってはこの機能に差があるので、薬が速く吸収されすぎたのでしょう。手の震えや動悸が生じたという声がありました。気管支拡張剤は、量を増やせば手の震えや動悸が生じるのです」

■メーカーの技術力
 秋津医師が述べた、2種の薬で見られた現象こそが、先に堀さんが指摘した「つなぎやこね方」の違いから生じたものだという。あらためて堀さんが言う。

「つなぎやこね方が異なる理由は、主成分の特許が切れてジェネリックが作れるようになっても、製剤に関する特許が残っている場合があるからです。薬を溶けやすくする添加物や、特殊なコーティング技術などの特許が切れていないと、その部分は真似ができません。それに、メーカーによって技術力に差がありますから、製剤に関する特許が切れていたとしても、その部分を先行薬とまったく同じにできるのか、という問題があります。特に製剤方法にこだわっている薬の場合、主成分が同じでも効き方に差が出てきます」

 具体例については、さる薬科大の元教授が説く。

「ニフェジピンの先行薬の商品名はバイエル社のアダラート。2層構造の錠剤で、主成分が、消化液の多い上部消化管で溶ける外側に少なく、消化液が少ない下部消化管で溶ける内側に多く含まれ、体内でゆっくり溶けだすようにうまく作られています。これはカルシウム拮抗剤といい、血管平滑筋にカルシウムが入り込むのを抑え、血圧を下げる働きをします。しかし血圧が急に下がりすぎると、体は逆に、血圧と心拍数を上げようとします。だからゆっくり、徐放するようにしているのですが、ジェネリックの場合、メーカーの技術力によっては、必ずしもうまく溶けだしません」

 ツロブテロールテープについても説明する。

「ブランド品ではテープの部分に主成分の微結晶がまぶされています。1日1回の貼付で、時間をかけて薬が皮膚から吸収される仕組みです。ぜんそくは早朝に呼吸機能が低下する場合が多いので、早朝にも薬が効くように設計されているのです。しかしジェネリックの場合、技術力の不足で速く効きすぎてしまうことがあるのだと思います」

 堀さんに、ほかの薬の事例も挙げてもらった。

「ぜんそくの薬として処方されている気管支拡張剤テオフィリン。12~24時間かけて、徐々に血中に溶けだす徐放性製剤です。これも製剤方法が違うと溶けだすスピードに差が出て、先発薬やほかのジェネリックとくらべて、効果が減弱したり、一気に出すぎたりする可能性があります。テオフィリンはまた、血中濃度による有効域が狭い。血中濃度が高くても低くてもダメで、ちょうどいい分量にコントロールするのが難しく、注意が必要なのです。有効域の狭さという点では、てんかんの患者さんに処方する抗けいれん薬のカルバマゼピンも注意が必要です。薬を替えて、血中濃度のわずかな差が出ただけでも、効き方が異なってしまうので、最初に処方された薬をできるだけ替えないほうがいい。こうした注意を、世界中のてんかん学会が促しています」
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山上勝義

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