« 有用な細菌はヒト科宿主とともに進化した | トップページ | インフルエンザはどこからやってくる? »

2020年2月20日 (木)

イカに3Dメガネをかけ3D映像を見せるとどうなる?興味深い実験が行われる(米研究)

生物の視界の見え方に迫る実験

--------------------------
 生まれて初めて、赤と緑のセロファンが張られたメガネをかけて3D映像を見た時、どんな反応をしたか覚えているだろうか?

 飛び出して見える物体に、おもわずビクついてしまったという人もいるだろう。ではイカはどうだろう?コウイカに3Dメガネをかけさせ3D映像を見せるという興味深い実験が行われたようだ。

 あくまでも真面目な研究である。優れた目を持つコウイカが、狩りをするときに立体視を行っているのかどうか探るためのものだ。 

3Dメガネをかけたコウイカは3D映像の獲物に飛びついた
 アメリカ・ミネソタ大学のトレバー・ワーディル氏らが行ったのはこんな実験だ。ヨーロッパコウイカに青と赤のフィルムを貼った3Dメガネをかけて、水槽の前に設置した画面で大好物のエビの3D映像を見てもらうのだ。

 これを目にしたコウイカは、触手を伸ばして画面のエビ目掛けて攻撃を仕掛けたのだそうだ。それはまさに自然の中で捕食をするときの姿と同じだった。

コウイカは立体視ができ、遠近感の認識に優れている
 角膜、レンズ、虹彩、網膜で構成されているコウイカの目はカメラに似ており、立体視ができる。その脳は両目から届く信号の違いを解釈することができ、距離を認識できるのだ。

 3Dメガネの実験では、画面に対する自分の位置を調整するコウイカの姿が観察された。「コウイカは私たち以上に深さの認識に優れています」とワーディル氏は話す。

 またワーディル氏らは、コウイカの脳が両目からの情報を用いて距離を算出できることも実証している。しかし、その立体視は「人間とは違うアルゴリズムによる可能性が高い」のだそうだ。

3Dメガネは生物の視覚を知るのに最適
 しかし、なんでまた頭足動物に3Dメガネをかけるなんて奇抜な実験を思いついてしまったのだろうか?

 じつはワーディル氏は15年近くも昆虫の視覚を研究してきた人物だ。そして2012年からは頭足動物の研究にも乗り出し、感覚認識に使われる皮膚の乳頭状突起(papillae)など、脳と体の機能の神経学的なつながりを解明してきた。

 そんなある日、イギリスの研究者がカマキリに小さな3Dメガネをかけて実験を行ったことを知る。この研究は、無脊椎動物の立体視をつかさどる神経細胞を初めて特定したほか、ロボット工学の分野からもその応用可能性が注目された。

 これをきっかけにワーディル氏はコウイカで同じ実験を行ってみようと思い立ったのだとか。

立体視はいくつかの経緯で進化した
 ワーディル氏によると、立体視は脳のさまざまな部分がかかわり、さまざまな方法で計算されているのだという。そのために、カマキリには何か特別なところがあるのではと考えられた。

 しかし、今回コウイカにも同じことができるのだと証明された。このことは、立体視という能力が進化する経緯は、時期や種に応じて、いくつか存在する可能性が高いということらしい。

 

 

土偶

« 有用な細菌はヒト科宿主とともに進化した | トップページ | インフルエンザはどこからやってくる? »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 有用な細菌はヒト科宿主とともに進化した | トップページ | インフルエンザはどこからやってくる? »

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ お勧めサイトランキングへ
2020年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

カウンター

最近のトラックバック

無料ブログはココログ