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2020年2月15日 (土)

棘と触手の進化競争そしてスピード競争の時代へ

生物はクラゲやイソギンチャクのような腔腸動から、タコ等の軟体動物、エビ、カニ、昆虫といった外骨格を持った動物、と体の中心部に内骨格を持つ動物に、と3方向に枝分かれしていった。

最初の生物は先カンブリア紀の5億7500万年前に登場した「ランゲルオモフ」と呼ばれる水草のような生物であるが、動物か生物かもわかっていない。リンク

先カンブリア紀で明らかな動物と思われるのは5億3500万年前の地層化石として見つかった「ヴシッタツシヴァーミス」と呼ばれ、ミミズのような動物である。
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ヴシッタツシヴァーミスは海底で、穴を掘って生息していたとみられている。

続いて5億2000万年前には「ハルキゲニア」と呼ばれる動物が登場する。ハルキゲニアは眼も口も葉も足もあるし、背中に棘もある。リンク

またオパビニアという動物は眼に加えてヒレもあれば口先には鋭い突起物を備えている。
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こうした多様化は、既に多くの投稿があるように、眼の獲得に伴う進化競争の激化であろう。
中には巨大な目を持ったカンブロパキコーペという動物も登場する。
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その頂点に立ったのが巨大化したアノマロカリスだ。
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カンブリア紀の動物進化をまとめると以下のようになる。
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>カンブリア紀以前、生き物といえば水中の微生物であったが、次第にこうした微生物を捕食する小さな生き物が現れました。しかし、この小生物は海底を移動するにとどまっていました。およそ5億4100万年前、まだ虫のようだった小生物が単純な「筋肉」を獲得し、海底に穴を掘る能力を得ると同時に、海底に酸素が供給されるようになりました。これにより、新たな生息地、食料、捕食動物が生まれ、一気に新たな生物が増加。その中で生まれた節足生物の多くは、かみつくための歯のような器官が脚部についていました。彼らは生き残るために戦いを繰り広げ、その結果、さらに生物は多様で複雑な姿を取るようになり、不思議な見た目の生き物も誕生することになりました。それがハルキゲニアやオパビニア、アノマロカリスのような生き物だったというわけです。

しかし、アノマロカリスは固いものを砕くことはできなかったという指摘もあり、実質的な覇者は固い殻をもつ三葉虫だったといえるだろう。つまり眼の獲得によって、攻撃力としては触手が、防御力としては棘や殻が進化し、進化競争が激化し、多様化と巨大化が進んだということだ。

ただし外骨格を持つ動物は大きくなるには脱皮が必要で、そこで捕食されるリスクを持つ。こうした中、棘と触手の進化競争には背を向けていたのが脊椎動物類だ。彼らは当時は逃げるしか能のない食物連鎖の「下位層」に位置していたが、次第にスピードを武器とする生物として進化し、食物連鎖の上位に立つことになる。

参考:海洋生命5億年全史(土屋健)

 

 

 

 

山澤貴志

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