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2020年3月28日 (土)

「樹木は永遠の命を持つ」 : イチョウの木には老化に関する遺伝子がなく、永遠不滅に近い生命体である可能性が国際研究チームによる解析で判明

人間に限らず、年齢が重ねていくうちに死んでいくメカニズムは誰でも当たり前に思っているとおもっています。ただし、その中に寿命が長い、短いの差があります。人間の平均寿命を基準として比べてみると、犬や猫の寿命が比較的に短い、カメの寿命が比較的長い。どちらにしても、いつかに死んでしまうことは変わらないです。
イチョウがほぼ不滅であることが判明されているが、それがどんな仕組みになっているか?

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リンクより引用
イチョウがほぼ不滅であるメカニズムが判明

いくら人間が長生きしたところで、それは樹木の足下にも及ばない。たとえば、イチョウのような樹木は、3000年以上生きることができる。

最近行われた、これまでで最も包括的な植物の老化の研究の中で、研究者たちは、イチョウそしておそらく他の種類も含めて、樹木が非常に長く生き残ることを可能にする分子メカニズムを明らかにした。

この新しい研究は、科学者たちが長い間、真偽を確認したかったあること、それは「植物の基本的な状態は不死である」ということについて、初めて真の遺伝的証拠が提供されたことになる。

この「植物は不死である」という大胆な主張を研究するために、研究者たちは、中国湖北省の安陸市と江蘇省のヒ州市にある
34本の健全なイチョウの木の細い芯を分析することから始めた。

この中で、揚州大学の植物分子生物学者であるリ・ワン(Li
Wang)博士とチームは、イチョウの成長スピードが、数百年後でも遅くならないことを発見した。それどころか、数百年後になってから成長スピードがさらに上がることさえあることが見出された。

さらに、葉のサイズ、光合成能力、および種子の品質といった、植物の健康の指標は、何百年経っても変わらなかった。

次に研究チームは、遺伝子レベルで何が起こっているのかを知るために、葉と形成層での遺伝子発現を比較した。形成層とは、植物の茎・根において、維管束の木部と師部(植物の生体組織)との境にある分裂組織である薄い層のことだ。

チームは、樹齢
3年から 667年までの木の RNA
(遺伝情報であるDNAから転写されてできる核酸)の配列を決定し、ホルモン産生を調べ、miRNA(特定の遺伝子をオン/オフできる分子)を検査した。

その結果、生命としての最終的で致命的な段階である「老化に関連する遺伝子」の発現は、イチョウの枯れ葉では予想通りに増加した。

ところが、形成層内のそれらの同じ老化に関連する遺伝子の発現を調べたとき、研究者たちは若い木と古い木の違いを見出すことができなかった。老化に関する遺伝子は、枯れた葉だけに見出され、樹木本体には見出すことができなかったのだ。

これが意味するところは、イチョウの場合、葉などの器官は老化して死滅する(枯れる)が、樹木そのものに老化に関連する遺伝子が見出せないということは、樹木本体は老化によって死滅することはないことを示唆する。

ただし、時間の経過とともに木に何らかの変化が生じるという証拠は見つかった。古い木は、インドール-3-酢酸と呼ばれる植物の成長ホルモンのレベルが低く、アブシジン酸と呼ばれる成長阻害ホルモンのレベルが高かった。

200歳以上の樹齢の木の場合はまた、細胞分裂、分化、および成長に関連する遺伝子の発現の減少が見出された。これは、古い樹木の形成層の幹細胞は、若い樹木ほどには簡単に新しい木材と樹皮に分裂しないことを意味する。

北京林業大学の植物生物学者ジンシン・リン(Jinxing
Lin)博士と、今回の研究の研究者たちは、数千年後などが経過し、樹木の形成層細胞の分裂率が低下し続けると、木の成長は遅くなり、イチョウの木が最終的には老齢になる可能性があると述べる。

しかし、実際には、ほとんどの樹木は、老齢で死滅するのではなく、害虫や干ばつなどの「外部環境」で死んでいっているように思えるという。

研究者たちは、樹木が老化するにつれてストレス要因に対して、より脆弱になるかどうかを調べるために、病原体抵抗性とフラボノイドと呼ばれる保護抗菌化合物の産生に関連する遺伝子を調べた。すると、樹齢の異なる樹木の間の遺伝子発現に違いがないことがわかり、樹木は、年老いても、外部のストレス要因に対する防御能力を失わないことが示された。

これは、イチョウが何千年もの長い期間、健康に成長するのを助ける「並外れた」能力だと、研究チームのひとりで、米ノーステキサス大学の分子生物学者であるリチャード・ディクソン(Richard
Dixon)博士は言う。

イチョウの木が老化で死滅することがないということは「人間にとっては理解することが難しいです」と、バルセロナ大学の植物生理学者セルジ・ムネ・ボッシュ(Sergi
Munné-Bosch)博士は述べる。

「彼ら樹木にとっては、老化は問題ではないのです。彼らが対処しなければならない最も重要な問題はストレスなのです」

研究者たちは、今後、イチョウの木の突然変異率の研究を続け、老化の背後にあるメカニズムを調べていくという。また、研究者たちは、他の科学者たちも今後さまざまな種類の樹木について、樹木の老化と死滅について研究が始まっていくだろうと予測している。

 

 

 

 

 

匿名希望

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