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2020年3月28日 (土)

哺乳類ってどう分裂して今に至るのか

実現塾でも人の進化を扱ってきましたが、
今回はほかの動物(犬)に着目して、進化、系統を追求します。
犬や猫ももとは同じ動物から外圧によって違う方向で進化してきたみたいです。

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1.恐竜の時代からほ乳類の時代へ

 中生代(2億4800年前~6500万年前)は恐竜が地上で大きな勢力を振るっていました。ほ乳類は中生代にはすでに誕生していましたが、未だ繁栄するには至らず、恐竜の陰に隠れるように細々と暮らしていました。
 6500万年前に突然恐竜が絶滅すると、それまで恐竜が占めていた生活空間に大きな空きが生じます。

 生物には生活空間に空きがあると、自らの形と仕組みを変えながらそこに適応していくという能力があります。
 それまで、現在のネズミのような姿をしていたほ乳類は、環境に適応していく過程で様々な形態を持つ様々な種に分かれ、それまで恐竜が占めていた地位を瞬く間に埋めていきました。
 新生代はほ乳類が支配する時代となりました。それは現在まで続いています。

2.イヌ科の出現

現在のイヌ科、ネコ科、イタチ科、クマ科などの食肉目の共通の祖先とされているのは、新生代に入ってまもなく誕生したミアキスという動物です。
 ミアキスは現在のヨーロッパから北米にかけて生息し、主に樹上生活を行っていたと考えられています。

 第三紀に入ってしばらくは温暖な気候が続いていましたが、漸新世に入るとしだいに気候が寒冷化してきます。寒冷化により、それまで森林に覆われていた北米大陸に草原地帯が拡がります。
 ウマやラクダの仲間が草原地帯での生活に適応して進出すると、新しい獲物を追い求めて、草原で集団で狩りを行うタイプのイヌ科の動物が出現しました。
 森林が後退し草原が出現する中で、森にとどまるネコ科と草原に進出するイヌ科に分かれたとされています。

 第三紀の終わり頃には今のオオカミやキツネ、タヌキなどの直接の先祖であると考えられているトマークタスが現れました。
 北アメリカで生まれたイヌ科の動物は、様々な種類に分かれながら世界に拡がっていきます。現在アフリカに生息しているジャッカルも、元をたどればルーツを北アメリカに持っていると考えられています。

 トマークタスの子孫からはやがて、現在のイヌの直接の祖先であるオオカミが生まれます。オオカミは勢力を伸ばしながら、当時陸続きであったベーリング海峡を歩いて渡り、アジアにまで進出してきました。

3.ヒトとオオカミの出会い

 東アジアで、ヒトの祖先はオオカミと出会いました。
 その頃の文献は残されていないので、オオカミが飼い慣らされた経緯などは推察でしか分からないのですが、最初は、ヒトの食べ残しを求めて近くに寄ってきたのだと考えられています。ヒトにとっては、オオカミはそれ自体が脅威でもありますが、一方で外敵が近寄ってくるとオオカミが吠えてその存在を知らせてくれるので役に立つ部分もあります。

 恐らくオオカミの子供を人間が飼い慣らし始め、人間に慣れる性質を持っている個体を選んで繁殖させていく過程で「イヌ」がつくられたのだろうと考えられています。
 やがて、イヌは人間社会の中に入り込んで生活するようになり、共に狩りを行ったり、外敵に立ち向かうようになりました。イヌの存在は、ヒトが世界に拡がっていく過程で大きな力となったと考えられます。
 イヌという最良の友を得ることがなければ、現在の人間社会の姿も違うものになっていたかもしれません。

 ミトコンドリアDNAの分析から、イヌの起源は東アジアで、約1万5千年前頃にオオカミから分かれたであろうと考えられています。
 人間が「イヌ」を創り出すまでは、イヌは世界には存在しなかったのです。東アジアで生まれたイヌは、その後人間の移動に伴って世界中に分布を拡げていきます。

 イヌの誕生からまもなく、ヒトがベーリング海峡を渡り北アメリカに渡ったときには、すでにイヌを連れていたと言われています。
 アメリカ大陸のイヌには、旧大陸のイヌの遺伝子以外の部分も持っている個体が存在しています。アメリカ大陸に連れて行かれたイヌと現地のオオカミとの交配があったようです。

 ヒトに連れて行かれた先で野生化すると、土着の野犬となります。
 東南アジアからオーストラリアに島づたいに渡った原住民が連れていたイヌは、そこで野生化しディンゴと呼ばれる種になりました。
 有袋類(カンガルーやコアラ)と単孔類(カモノハシ、ハリモグラ)のユートピアであるオーストラリアに真獣類(“一般的”なほ乳類)が存在する理由です。
 言うなれば、イヌはヒトによる世界最初の移入種とも言えます。

 その後、各地でヒトはイヌの品種改良を行い、その用途に応じて様々なイヌの種類をつくりだしていきました。
 もとはオオカミであった種から、現在のように多様な形態のイヌが作り出せた要因は、様々な形態を取り得る遺伝子の多様性を持っていたからだとも言えます。

 逆から言えば、ウシがオーロックスと言われる種から創り出され、ブタがイノシシから創り出されたことから分かるように、生命とはその中に変化する可能性を持っている存在であると言うこともできます。
 イヌがオオカミと大きく異なる形態を持ち、多様であるのは、人間とのつきあいが長く、その用途のために最も適した性質を持つ個体を繁殖をさせた結果、人為的に変化を加速させたのだと言えます。

 

 

 

 

匿名希望

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