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2020年4月17日 (金)

生物は遺伝子増幅により細胞レベルで外圧への耐性を高め、進化していく

サルは遺伝子の偶発的なバグで人間に進化したわけではありません。無方向の変異によって進化が成立しないことは知られていますが、では外圧適による進化のシステムはどのような構造をしているのでしょうか。

実は生物の細胞は外圧を受けることにより、その耐性を高めるための遺伝子増幅を作動させて遺伝情報を変化させています。単細胞生物はこの変化をもろに次の世代に受け継ぐことができます。多細胞生物においても、身体の細胞の持つ遺伝情報をもとに生殖細胞がつくられることで進化を続けてきたようです。
このことは、現在の耐性菌などについて考察するうえでも重要な視点になりそうです。

ー遺伝子の数を増やすための遺伝子増幅組換え機構ー
遺伝子の増幅とは、ある特定の遺伝子の数が増える現象で、その遺伝子産物が多量に必要な時に観察される環境適応反応の一つです。例えば害虫に対して徐々に殺虫剤が効かなくなる、あるいは癌細胞に対して制癌剤の効果が徐々に低下するのは、それらの細胞内で薬剤(この場合には殺虫剤と制癌剤)に対する耐性遺伝子が増幅して、薬剤の効果が打ち消され、細胞が耐性になってしまったためです。またリボソームRNA遺伝子など、通常の生育に多量の産物が必要な遺伝子も増幅によりその数が増えています。

また遺伝子の増幅はその産物量を増やすだけでなく、余分なコピーを染色体上に持たせることで、新しい遺伝子を創り出す原動力ともなってきました。つまり生物が単純な構造からより複雑な構造へと進化過程で、様々な新しい遺伝子登場してきましたが、その多くが遺伝子増幅により増えたコピーが変化して創られたと考えられています(重複遺伝子)

重複遺伝子とは、1つの遺伝子がコピーされて2つの遺伝子になることを遺伝子の重複といい、重複してできた遺伝子を重複遺伝子と呼ぶ。遺伝子の重複は頻繁に起きていて、例えばヒトの全遺伝子の70%以上が重複遺伝子だ。重複によりまったく同じ機能を持った2つの重複遺伝子ができるため、片方の重複遺伝子の機能が消失したり低下したりしても生命活動には支障をきたさない。

通常、遺伝子の機能を壊すような突然変異が生じると病気になってしまうが、重複遺伝子は低リスクで突然変異を貯めることができるというわけだ。また、突然変異は希に新しい機能を持った遺伝子を生み出するが、突然変異を貯めておくことができる重複遺伝子ではその確率が高くなる。

このように遺伝子重複は、遺伝的多様性(遺伝的変異)を高め、新しい機能を作り出すなど、生物の進化に重要な役割を果たしていると考えられており、ショウジョウバエ属の生息分布と重複遺伝子の数に関する研究から「重複遺伝子をゲノム中にどの程度持つのか」という種の遺伝的構造が、多様な生息環境への適応能力と関係していることが分かっています。

参照1:リンク
参照2:リンク

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