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2020年10月

2020年10月27日 (火)

生物が「オスとメスとに分かれた」究極の理由



多様性を求めたからこそ人間は絶滅から逃れたリンク

生物学者・五箇公一氏による『これからの時代を生き抜くための生物学入門』より一部抜粋・再構成してお届けする。

■原初の生物は「性別がなかった」
地球の歴史を振り返ってみると、生物の原初は無性生殖の方が優勢だったと考えられます。しかし、地球環境の変化が起こるたびに、適応できなかった無性生殖生物は滅び、一方で手間のかかる有性生殖生物の中から適応できる個体が生き残る、という淘汰が繰り返されてきた。

もともと性ができた究極要因は、遺伝子を交換=シャッフルして、多様性を高めることだったのです。
生物が編み出した戦略が、個体同士でお互いに持っている遺伝子を交換して新しい遺伝子セットを生み出すという「有性生殖」だったのです。

■生物の誕生はまさに「奇跡の連続」
今から45億5000万年前、誕生して間もない地球に火星と同じ大きさの星が衝突するという一大事変が起こりました。この衝突によって地球の一部がえぐり取られて、宇宙空間で固まって地球の周りを回る衛星ができました。月の誕生です。ぶつかった衝撃で灼熱のマグマの塊となった地球と月は徐々に冷やされていき、地球上では水蒸気が雨となって降り注ぎ、今から43億年前の間に海が誕生しました。その間も地球には無数の隕石が落下を続け、生命の原材料となるアミノ酸などの有機物が隕石とともに海中に持ち込まれたと考えられています。

当時、月は今よりずっと地球の近くを周回していて、その引力によって、海は激しく波打ちました。この波動の中で、海中に溶け込んでいる分子同士が結合して、遺伝子=DNAの基となる「核酸」といわれる物質が生成されました。そして高い波によって常に波打ち際に漂い続ける無数の「泡」の中で、この核酸という物質が取り込まれて濃縮し、核酸同士が鎖状につながり、DNAが偶然に合成されました。このDNAこそが自身のコピーを作る能力を持つ物質であり、生命の「核」となったのです。

最初の生命は膜の中でDNAのコピーを作るだけの単純なユニットでしたが、やがてDNAの情報からタンパク質が合成されるシステムが完成し、タンパク質から細胞というDNAの入れ物が作られ、単細胞生物が誕生しました。このとき細胞同士の増殖競争が始まりました。よりたくさんのコピーを残したものが勝ち、という「生物の基本原理」の登場です。正確にはDNAが誕生したときからDNA同士の増殖競争は始まっていました。ですが、単細胞生物が誕生したことにより遺伝子同士の競争が、生物同士の競争に置き換わったわけです。

■「男と女の体」に違いが生まれた理由
生物が複雑化・高度化するにつれ、成長に時間がかかるようになります。配偶子が接合して細胞分裂を始めて個体に成長するまでの過程を胚発育といいますが、この胚発育には栄養素が必要となります。栄養を外界から吸収したのでは、環境に左右されて途中で成長が失敗するリスクが高くなります。そこで胚が個体になるまでの栄養を蓄えた配偶子として卵が進化します。

一方、卵は栄養を蓄えた分、個体は大きくなり、生産量を稼ぐことが難しくなります。つまり1回に生産できる数に限りが生じます。数が減れば配偶子同士が出会う確率は低くなってしまいます。そこで限られた卵子に対して、サイズを小さくすることで、大量に生産可能な配偶子が進化します。これが精子の進化です。さらにこの小さな配偶子には、大きくて動きにくい卵子との遭遇確率を上げるための運動性も備わるようになりました。

こうして配偶子に卵と精子という二型が生まれ、それぞれを生産するのに特化した個体としてメスとオスが生まれました。生物が進化して複雑になるにつれ、メスとオスの間の形態的・機能的な差異はどんどん大きくなっていきました。これを性的二型といいます。

高等動物では、機能的な制約で、メスとオスの分化がどんどん進みました。人間でいえば、女性が子どもを生む。男性が狩猟をする。そのようにそれぞれの役割が特殊化すればするほど、女性と男性の体格差は大きくなっていったのです。

 


 
匿名希望

代々木忠(AV監督、映画監督、映画プロデューサー)の追求~夏の疲れに~


リンク

 このブログも夏休みをいただいていたが、今年は本当に暑かった。まもなく9月になろうとしているけれど、ここに来て、夏の疲れがドッと出ている人も多いのではないだろうか。


 疲れといえば、「累積疲労」という病名があるのを最近知った。ひょっとしたら当てはまる人もいるかもしれないので、読売新聞(2015年8月9日付と16日付)に掲載された記事の一部を紹介しよう。


 〈厚生労働省の調査によると、働く人の7割以上がふだんの仕事で疲れているという。疲労は、痛み、発熱と並んで、体から発せられる重大な警告。体の限界に近付いているサインだが、見逃されることが少なくない〉


 〈「人間は意外とタフなので、疲れが続いても、すぐに倒れたり、病気にはならない。疲労は時間がたてば消える、と誤解している人が多い。借金に例えると、何年かにわたってたまった疲労は、蓄積した借金となって、“自己破産”することになる。体の健全経営のため、疲労は早めに解消して、ためないようにしなければなりません」。「累積疲労」という言葉を生み出した東京都渋谷区の「エビス心療内科」院長、堀史朗さんはこう説明する〉


 〈疲労がたまってくると、血管の9割を占める毛細血管と、リンパ管がつまりやすくなる。また、体の細胞を修復する成長ホルモンの分泌が減って、死んだままの細胞がたまっていく。こうして、体のだるさを感じるようになる。さらに、胃腸が弱り、栄養素が消化・吸収できなくなる。特に、ビタミンや微量の重要な栄養素が吸収できず、消化や運動などの生命活動の中心でもある酵素の活性も落ちる。ますます、毛細血管がつまりやすくなる。こうした中で、脳の毛細血管がしだいにつまっていくと、理性をつかさどる大脳の前頭前野の働きがゆっくりと衰え、神経回路網もだんだん荒廃していく〉


 〈「つまった末梢(まっしょう)の細い血管が体内、特に脳に増えていくのが、累積疲労の要因だったのです」と堀さん。治療は、患者の毛細血管をひろげたり、修復したりして、末梢循環を改善することを重視している〉


 どうだろうか。疲れというと生きるうえでのつきものというか、ほどよい疲れは人生の充足感にすらつながっていそうに思えるが、タカをくくって放っておくとシャレにならないというわけである。


 ちなみに、ちょっとしたことでイライラしたり、怒りがうまく抑えられないというのも、「累積疲労」の初期症状。進行すれば、うつやパニック障害といった心の病も引き起こすし、ひいては過労死に至ることもあるという。


 僕自身ふり返ってみても、うつになる前は休む間もなく仕事に追われて、睡眠不足が続いていたから、体は累積債務で自己破産に至ったんだなぁと思う。


 平日、仕事などで寝不足が溜まっている人は、週末なるべく長い時間寝ることを堀先生はすすめている。睡眠とはたんに体を休めるだけではなく、細胞を修復し、疲れをとる成長ホルモンが分泌される大切な時間でもあるからだ。


 先の「累積疲労」へのメカニズムを読むと、血流とリンパの流れが滞ることが事の起こりのようだ。ちなみに僕が10年通っている股関節矯正の先生も、血流とリンパの流れが健康の根幹だという。


 もちろん睡眠がいちばん重要だと思うけれど、夏の疲れを感じている人には、残暑が和らいできたら、なるべく自然に接してほしいと思う。システマティックな社会からひととき解放されて、自然のリズムに自分を合わせれば、おのずと気分も安らいでくる。気分が安らげば、気血の流れもよくなる。


 そして、深い呼吸をぜひ試みていただきたい。ふだん頭を使っていると、気が上がってしまって呼吸が浅くなったり、ときには止めていることさえあるが、深い呼吸は毛細血管を広げて、より多くの酸素を取り込む。呼吸を続けると体が温まってきて、指先までポカポカしてくるのが実感できるはずである。それは詰まった末梢の血管にまで血が巡りはじめた証でもある。末梢循環が改善されれば、脳の働きも活性化され、溜まった疲労も解消されるに違いない。



(2015年8月28日掲載)



 ここ何カ月か、僕は尿路結石を患っていた。このままだと癒着する恐れがあるということで、先月、尿道から内視鏡を入れ、石を取り除く手術を受けた。


 手術した日の夜は痛みに悩まされた。加えて、オチンチンには管が入っており、脚には血栓予防のポンプがついていて、腕には点滴の針が刺さったままだ。おまけに誤嚥を防ぐため、ベッドの背は半分起き上がっている。結局、僕は一睡もできなかった。


 そして次の日の夜も、寝るには寝たものの、熟睡というには程遠い状態で退院の朝を迎えた。退院手続きを済ませ、帰宅すると女房が僕を見てこう言った。「あら、元気そうじゃない!」。病院を出るとき、じつは僕も体が軽いと感じていたのだ。


 こんなに寝不足なのになぜだろう。半年間の自粛中、休んでいるというのに、体のダルさは日ごと増していった。そのダルさが消えている。入院の前と後とでは、今のほうが体調がいい。


 5年前、この「夏の疲れに」という話をアップしたとき、読んでくれた方から「半日断食もいいですよ」というコメントをいただいた。今回の入院では、手術の前から食べていないので、計4回食事を抜いたことになる。その断食効果が表われたのだろうか。


 もうひとつは、寝られないし、痛いしで、入院中、僕は呼吸に逃げるしかなかった。6つ吸って8つ吐く丹田呼吸を一昼夜続けた。人生でこれだけ丹田呼吸をやったのは初めてじゃないかというくらいに。


 効果があったのは、断食か? はたまた呼吸法か? おそらく両方とも効いたに違いない。

 


木戸康平 ( 23 大阪府 会社員 )

哺乳類の進化~乳誕生の秘密



生物にとって最も重要なのは、子孫を確実に残し種を存続させること。恐竜の絶滅後、哺乳類が繁栄できたのは、「乳(母乳)」という子育てシステムの獲得にあった。そして、その実現には、恐竜が絶滅するはるか昔から続く、進化の塗り重ねがあった。

以下、「生命大躍進 こうして母の愛が生まれた」リンクより抜粋。(一部、引用者により修正)
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■乳誕生の秘密
…母乳はどうやって生まれたのでしょうか?

汗のように吹き出すハリモグラの母乳は、卵がかえる前から湧き出しています。赤ちゃんの栄養とは別の役割があるようです。ハリモグラの母乳を分析すると、興味深い2つの物質が見つかりました。

「αラクトアルブミン」
これは母乳ならではの甘い栄養分を作るたんぱく質です。

「リゾチーム」
これは殺菌力を持つたんぱく質です。ハリモグラはリゾチームを含む液体で卵を濡らし、雑菌の繁殖を防いでいると考えられます。

驚くのは全く働きの異なる2つのたんぱく質ですが、構造はよく似ています。

オフテダル博士は、母乳の起源は殺菌物質のリゾチームを含んだ汗のような液体で、それが変化して母乳のもとαラクトアルブミンを含む栄養豊富な液体に変わったと考えています。

■汗が母乳に進化した?
約3億年前、獣弓類と呼ばれる哺乳類の祖先(※引用者にて原文の「哺乳類」を修正)こそ生物界の王者でした。

しかし、王者といえども子育ては容易ではありません。当時の祖先たちは薄く柔らかい膜に覆われた卵を産んでいました。卵に雑菌が入り込むと中の赤ちゃんが死んでしまいます。

そこで母親たちは、殺菌物質リゾチームを含む汗のような液体で卵を濡らし、雑菌の繁殖を防いでいました。私たちの祖先の子を守ろうとする営みの第一歩です。

そんな祖先たちの体内で、思いがけない変化が起こり始めました。DNAでは、長い時間の中で時折変化が起こります。ある時、偶然その変化がリゾチームを作る遺伝子の一部に起こりました。その結果、遺伝子から作られるたんぱく質の形もわずかに変わりました。

こうして生まれたのが、αラクトアルブミンです。偶然起きたこの出来事で、卵の殺菌が目的だった母親の汗に甘い栄養分が含まれるようになったのです。これを卵からかえった赤ちゃんが舐めたことで子育てに革命が起きました。子供が甘い汗を頼りに育つようになり、母乳の誕生という大躍進が起きたのです。

母乳によって母と子はより分かちがたく結びつき、それが母の愛情へと繋がっていったのです。

■母の愛を試練が襲う
約2億5000万年前、母乳による子育てへと踏み出した祖先たちは大繁栄し様々な姿、形のものへと種類を増やしていました。しかし、噴火活動が100万年も続き、地球上の生物種の96%が絶滅したと考えられています。

私たち哺乳類の祖先はどうなったのでしょうか?

■祖先の子育て大革命
2011年、中国で大絶滅を生き延びた私たちの祖先の貴重な化石ジュラマイアが発見されました。体長はわずか10cm。

しかし、ジュラマイアは卵を産むのではなくお腹の中で赤ちゃんを育てる体の作りになっていました。赤ちゃんをお腹で育てるための胎盤を持っていたのです。

■おなかで子を育てる
胎盤は、赤ちゃんのへその緒の先にある特別な臓器です。これによって、赤ちゃんは母親の子宮に密着し、栄養や酸素を母親から受け取れるように。

もともと私たちの祖先は受精卵を殻で覆い外へ産み落としていました。それが卵です。ところが、あるとき不思議な変化が起きはじめました。受精卵の中にある赤ちゃんの尿を溜める袋が発達し母親の体の一部に密着したのです。これが胎盤となり子供は母親の胎内に留まって育つように。卵を産み落としていた我が子をお腹に身ごもるという新しい子育ての始まりでした。

この大躍進は、体の小さな祖先が生き延びる上で重要な意味を持っていたと言います。

■わが子を守る母の苦闘
大噴火による大量絶滅の後、地球は恐竜たちが支配する世界へと変貌を遂げていました。
 
恐竜時代の始まりには、まだ卵を産んでいた私たちの祖先は、敵に襲われると親は逃げられても卵は置き去りにしなければならないこともあったでしょう。

そこへ現れたのが胎盤を持つ私たちの祖先ジュラマイアです。ジュラマイアは昆虫などを餌に森で暮らしていました。胎盤の登場によって子供が無事に育つ確率は卵の時代に比べて飛躍的に高まりました。
なぜ私たちの祖先は突如、胎盤を手に入れることができたのでしょうか?

■突如出現!胎盤のナゾ
実は最近、ある遺伝子が重要な役割を果たしていたことが分かってきました。それはPEG10遺伝子。PEG10遺伝子は、1億6000万年以上前に突如現れ、その後の哺乳類に受け継がれたことが分かりました。

PEG10遺伝子は、様々な病気を引き起こすレトロウイルスとよく似ていることが分かりました。レトロウイルスが祖先のDNAに入り込み、胎盤を生み出すPEG10遺伝子になったと考えられるのです。

実は胎盤には、ウイルスから貰ったとも考えられる不思議な能力が備わっています。それは、母親の免疫を抑えるという能力です。
 
親子であっても時に血液型すら違う別人です。そんな赤ちゃんが体内にいれば、母親の免疫によって異物とみなされ攻撃されるはずです。それを胎盤が母親の免疫を抑えることで防いでいるのです。

 レトロウイルスも相手に感染するために免疫からの攻撃を抑える能力を持っています。この力がレトロウイルスをDNAに取り込んだ祖先にも伝わり、我が子を身ごもるという大躍進を可能にしたのです。

 その後の進化で胎盤の能力は強化され、子を身ごもる期間は長くなっていきました。赤ちゃんは安全な母親の胎内でより大きく成長してから生まれてくるように。

 


斎藤幸雄 HP ( 56 愛知 建築設計 )

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