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2020年11月

2020年11月27日 (金)

生命の起源は「炭素」をみつめると見えてくる(1/2)



yahooニュース リンク より、以下転載
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生命の起源は「炭素」をみつめると見えてくる

―――2007年、鉱物学者のロバート・ヘイゼン氏のもとに、一本の電話が入った。相手は、科学の研究や教育に助成するニューヨークのスローン財団。研究助成先を探しており、「生命の誕生を研究してほしい」という。

それに対してヘイゼン氏は「生物学以外の物理や化学、地政学を総合しながら地球上の炭素を調べないかぎり、生命誕生の謎に迫るのは無理でしょう」と答えた。つまり、「炭素」は、生命や地球誕生の根源になっているというのだ。各専門家たちと分野を超えて、生命の新発見に挑み続けるヘイゼン氏にインタビューした(取材・構成
大野和基:国際ジャーナリスト)。

※本稿は月刊誌『Voice』2020年7月号、ロバートヘイゼン氏の「炭素が奏でる宇宙交響曲」より一部抜粋・編集したものです。

■世界の99.9%は炭素でできている
――(大野)今年四月に上梓された“Symphony
in
C”(邦訳『交響曲第6番「炭素物語」―地球と生命の進化を導く元素』化学同人刊)には、鉱物学とはかけ離れた「交響曲」という言葉が入っている、非常に興味深いタイトルですね。

【ヘイゼン】炭素について何かを執筆するとき、テキスト風に性質を紹介することはできます。しかし、それだと面白みがなく、もともと炭素に関心がない人は興味を抱きません。

そこで、炭素という物質にストーリー性をもたせようと試みました。私は長年プロの演奏家として交響楽団でトランペットを演奏していたのですが、炭素はまさに「交響曲」を掌る原子だと気づいたのです。

周期表にあるすべての元素のなかで、炭素は土、火、水、空気にとって必須の元素ですが、交響曲の構成を使うことで、それぞれのセクションで異なる面をみることができます。

第二楽章は「air(空気)」、つまりアリオーソ(抒情的な曲)で、ゆっくりとした楽章です。第三楽章は「fire(火)」で、スケルツォ(急速で快活な曲)になり、コン・フォーコ(情熱をもって)です。最終楽章は、生命の起源に必須の「水」です。

――生命は炭素から誕生したと考えられていますね。

【ヘイゼン】はい。もし生命を理解したければ、炭素を理解しなければなりません。それは、炭素が生命の起源、進化、分布、宇宙での生命の中核をなしているためです。酸素、鉄、ケイ素をはじめとしたその他の元素はあまりにも特異で適用範囲が狭いのに対し、炭素はすべてに適応します。

この部屋を見渡すと、炭素を含んでいないものを指摘するほうがはるかに簡単でしょう。99.9%のものは、炭素を含んでいます。このように、炭素はわれわれの生活の基本的な元素なのです。

――生命起源の研究はどれほど進んでいるのですか。

【ヘイゼン】緩やかではありますが、進捗しています。生命起源の研究に人生を捧げる研究者は世界中に何百人もおり、今年八月にもエクアドルで国際会議が開かれる予定です。とはいっても、まだ謎は多い。

現在、私にとってもっとも深い問いは、「惑星は自動的に生命をつくるのか」というものです。すなわち、惑星は火山をつくるように生命をつくるのか。あるいは、地球生物は数少ない生命体として稀有な現象によって生み出されたものなのか、という問題です。

現時点では、生命は地球以外のあらゆるところで生まれていると予想しています。そのため、生命は必然的に生じるものであり、研究によってその必然的な化学プロセスを発見することができると思うのです。

――生命は進化と絶滅を繰り返します。絶滅するものとそうではない生き物の差はありますか。

【ヘイゼン】微生物が一度ある環境で生存する方法をみつけると、20億年は生き延びるでしょう。安定感のある生物の存在を除去するには、太陽が蒸発してなくなるとか、地球に隕石がぶつかるといった激変が起きないかぎり難しい。

かりに人類が「微生物を抹消したい」と望み、地球上にあるすべての核兵器を使っても、微生物は生き続けます。それほど地球圏の一部として根深く定着しているのです。

――人類は遠い将来、絶滅するのでしょうか。

【ヘイゼン】多細胞の種はどの種も絶滅に直面してきました。1億年前に存在して現在も変化していない多細胞の種の名前を挙げることはできません。「絶滅」というと、「そこで終わり」と考えますが、同じ遺伝子やたんぱく質が、有機体の一部となって生存し続ける方法もあり得ます。

たとえば、(猿人の)アウストラロピテクスは絶滅しましたが、ある意味でわれわれは、99%同じ遺伝子をもっています。つまり、存続はしているのです。ほとんどの古代の有機体は、遺伝子が組み換わったかたちではありますが、時間の経過とともに伝播されてきたのです。

もし人類が1億年生き延びたとしたら、彼らにとってわれわれは非常に奇妙に映るでしょう。おそらく、あと千年もすれば遺伝子組み換え技術のツールで、何でも修復できるようになっています。

癌もなくなっているし、コロナウイルスもなくなっているでしょうね。そして、遺伝子操作によって、良かれ悪しかれ多くのことをコントロールできるようになる。その結果、未来の人類はわれわれと同じ人類ではなくなっていると思います。

続く

 


山上勝義

2020年11月21日 (土)

生物は「ガン」に対抗するためにセックスを行うようになったのかもしれない



人間を含めた多くの生物は、セックスなどで異なる個体間の遺伝子を組み合わせ、両親と異なる遺伝子を持つ個体を生み出す「有性生殖」を行います。そんな有性生殖が多くの生物で行われるようになったのは「ガン」に対抗するためかもしれないという仮説が発表されました。

地球上の全ての生物が有性生殖を行うわけではなく、無性生殖によって繁殖する生物も多くいます。中には有性生殖から無性生殖へと臨機応変に切り替える動物も存在し、必ずしも有性生殖でないと生物が繁栄できないわけではありません。

無性生殖の確かな利点として、配偶者を探すためのコストが抑えられるというものがあり、有性生殖の場合は配偶者を見つけないと子孫を残せません。この点でいえば有性生殖は無性生殖よりも非効率的ですが、多くの生物が有性生殖を選択している以上、そこには確かなメリットがあると研究者らは考えています。

有性生殖のメリットとして最もポピュラーな理論が、無関係な配偶者の遺伝子を組み込むことで、有害な突然変異が子孫に受け継がれるのを防ぐというものです。無性生殖の場合は生存に有害な突然変異が遺伝子に発生した場合、それが子孫へとそのまま受け継がれてしまうため、有害な突然変異に対して抵抗することが難しくなってしまいます。また、「有性生殖によってもたらされる遺伝的多様性が病気などへの抵抗力を増す」「生存に有益な突然変異を生み出す可能性を高める」などの説も唱えられています。

フランス・モンペリエ大学の研究チームは、有性生殖によってもたらされる新たなメリットについての仮説を発表しました。研究チームは、有性生殖によって繁殖することで「伝染性のガン細胞」を減少させることができるため、多細胞生物において有性生殖が広まったと主張しています。

本来であれば、多細胞生物の細胞はいずれも生物の生存のために働きますが、突然変異のガン細胞は生物にとって有害な働きをして死へと導きます。人間では遺伝の影響でガンになりやすい人もいるものの、人から人へとガンが伝染することはありませんが、犬やタスマニアデビルの中には伝染性のガンが存在しているとのこと。

無性生殖では生物の遺伝子が変化しないため、伝染性のガンが広まりやすいというデメリットがあると研究チームは指摘。有性生殖を行うことで伝染性のガンが種の免疫システムに適応することが困難になるそうで、「伝染性のガンを防ぐ効率的な方法が、他の個体とは違うユニークな子孫を残すことです」と研究チームは述べています。

今回の仮説を実証することは困難ですが、研究チームはこの説が理にかなっていると確信しています。「ガンの危険性と有性生殖を行うためのコストを考慮しても、有性生殖を選択することはリスクが少なく、より有益な子孫生産方法です」と、研究チームは主張しました。

リンクより引用

2020年11月20日 (金)

原核生物の常識覆す、他の生物を丸のみする新バクテリア発見~真核生物誕生の謎を解き明かす手掛かりに

原核生物でありながら、大型で柔軟な細胞を持ち、他の微小な生物を丸ごと細胞内に取り込んで消化する、真核生物の食作用に似た機能を持つバクテリア(細菌)を発見された。原核生物から真核生物への進化を探る上で、極めて重要な発見と注目されている。

以下、「原核生物の常識覆す、他の生物を丸のみする新バクテリア発見 ~真核生物誕生の謎を解き明かす手掛かりに~」リンクより
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筑波大学生命環境系の石田健一郎教授、同研究員の白鳥峻志博士(現:海洋研究開発機構)、鈴木重勝博士(現:国立環境研究所)らの研究グループは、原核生物でありながら細胞が大きく柔軟で、真核生物に特有の機能であるファゴサイトーシス(食作用)に似た捕食を行う真正細菌を発見しました。

我々ヒトを含む動物や植物、菌類が含まれる真核生物は、原核生物である真正細菌や古細菌と比べて大型で柔軟な細胞を有し、細胞内部の構造も非常に複雑です。真核生物特有の機能の一つとして、大型の粒子や生物を自らの細胞で包み込むファゴサイトーシスが知られています。アメーバなどの単細胞生物では餌の取り込みに、ヒトでは免疫系の一つとして白血球が病原体を排除する際などに用いられており、真核生物の最も重要な性質の一つです。

研究グループは、単細胞性の真核生物と同程度の大きさで、アメーバのように柔軟に変形しながら移動する奇妙な真正細菌‘Candidatus Uab amorphum’(以下ウアブ)をパラオ共和国から発見しました。詳細な顕微鏡観察を行ったところ、ウアブは自らの柔軟で大型の細胞を用いて、ファゴサイトーシスのように他の真正細菌や微小な真核生物を包み込んで捕食することが明らかになりました。その一方で、真核生物の特徴を多く示すにもかかわらず、ウアブのゲノムからは真核生物由来の遺伝子はほとんど見つかりませんでした。

これらの結果は、ウアブが真核生物とは独立して真核生物のような特徴を進化させたことを示唆しています。原核生物の常識を覆す全く新しい生物であり、原核生物の複雑性の進化や生態的役割に関する研究を大きく進展させる重要な発見です。ウアブがこれらの特徴をどのようにして獲得したかを解明することで、ファゴサイトーシスの進化はもちろん、真核生物がどのように誕生したのか、という生命の進化史における最も大きな謎を解き明かすためのヒントが得られる可能性があります。
 

2020年11月17日 (火)

ハテナという生物:植物になるということ





動物と植物はどこで別れたのでしょうか。自然界に存在する通称ハテナという単細胞生物は、葉緑体を持つ生き物ですが、分裂する際に葉緑体を持つ個体と持たない個体に分裂します。葉緑体を持たない個体は藻類を取り込んで葉緑体を新たに獲得し、そしてまた葉緑体を持たない個体と持つ個体に分裂します。
このプロセスから見るに植物は、動物が葉緑体を摂取し身体に宿すプロセスのなかで次第に細胞内部で葉緑体を自己生産できるようになり、それによって進化したのかもしれません。

以下引用ー
 2005年10月、通称ハテナと名付けた生物に関する短い論文が新聞やテレビでとりあげられました。ハテナはカタブレファリス類に属する単細胞の鞭毛虫で、細胞内に藻類の共生体をもっていますが、不思議な細胞分裂をします。観察の結果を総合すると、ハテナの生活環は次のように考えられます。細胞が分裂するたびに、娘細胞の一つは共生体を受け継いで植物としての生活を維持しますが、他の娘細胞は共生していた藻類を受け継ぐことがないために、無色の鞭毛虫に戻ります。無色の鞭毛虫は捕食装置を新たに形成して再び共生体の藻類を取り込み、光合成を行う栄養細胞に戻ります。これは半分は藻類、半分は捕食性原生生物として生活している状態で、植物が誕生する過程で通過した進化段階について可能性の一つを示していると考えています。植物ははじめから植物として存在していたのではなく、植物になるという進化を経て誕生します。このことは一般にあまり理解されていないようです。ここでは、ハテナを参考に、「植物化」ともよぶべき細胞進化について考えてみたいと思います。

生物の世界は動物と植物からなるというのが、最もふつうで直感的な理解でしょう。これは正しいでしょうか。動物と植物は何が違うのかたずねると、多くの方は子供からお年寄りまで、動物は動く、植物は動かない、動物は食べる、植物は食べないで光合成をすると答えます。私たちヒトを含む後生動物は海綿に始まり、昆虫などの節足動物の系統とヒトにつながる脊椎動物の系統を含む単一のまとまりです。これに対して、酸素を発生する光合成を行う生物を植物と考えると、植物は真核生物界の複数の系統(共通の祖先を持つ生物の集まり)に分散して存在しています。

木や草などの緑色植物とコンブやワカメなどの褐藻類、ミドリムシはそれぞれ系統樹の別の枝に位置しています。つまり、桜とコンブとミドリムシはいずれも光合成をして生きていますが、生きものとしては全く異なる生物群に属しているということです。これは、それぞれの系統で別々に植物が進化したことを意味しています。つまり、光合成をする異なる生物を寄せ集めたものが植物として理解されているということになります。これは何を意味しているのでしょうか。

 光合成は、光のエネルギーを使って二酸化炭素からブドウ糖などの有機物を作り出す反応で、細胞中の葉緑体によって行われています。いろいろな植物の光合成を調べると、すべてが光エネルギーを用いて水を分解し、結果として酸素を発生する酸素発生型光合成であることがわかります。この光合成は大腸菌などの細菌のなかまであるシアノバクテリア(ラン藻)の光合成と同じで、そのしくみを担うタンパク質の研究、あるいは葉緑体の遺伝子を用いた研究から、すべての植物の葉緑体の起源はシアノバクテリアであることがわかっています。つまり、葉緑体からみると植物は一つのまとまりで、共通の祖先から進化したものということになります。植物というまとまりを私たちが直感的に感じているのは、多くの人が考えているように、植物は光合成という共通のはたらきをもっているからなのです。これは、植物が異なる生物の寄せ集めという事実と明らかに矛盾しています。生物としてみると植物は異なる生物の寄せ集め、葉緑体からみると植物は一つのまとまり、という一見矛盾した二つの事実のなかに植物進化の秘密が隠されています。

引用元に続く…

引用元:リンク

 


 
半島

   

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